JPH0619630U - 額 縁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】表面から絵画等の内容物の差替え変え容易にで
きる額縁の構造を提供する。 【構成】カマボコ型筒状の額縁用枠材１の両端の側枠部
の内側に密着して挿入嵌着される断面略コ字状のＬ字型
額縁コーナー連結具２には、その下側に操作突起と係止
突起とを連接した２段状の突起爪を設けた弾発片をコ字
状に切起し、その上側には側枠上部へ密着して挿入摺止
し固着するガイド凸部をＬ字に沿って両長手方向に起立
させ、又縁を設けた略カマボコ型筒状の額縁用枠材に
は、台紙置縁６と２段状の突起爪を挿入嵌着する係止孔
が穿設されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、絵画や写真或はジグソーパズルを壁等に飾るための額縁に関するもの である。詳しくは、額縁用枠材相互を確実且容易に接続して額縁を完成させ、 更に、該枠を上下及び左右に摺動できるようにし、表面から絵画等の内容物の差 し替えが容易できる額縁の構造機構の改良に関する考案である。

【０００２】

【従来技術】

近年の住宅は、生活様式の洋風化や経済的なゆとりのため玄関や居間或は自分の 部屋等に、好みの絵画や写真或はジグソーパズル等を飾って楽しむ人が増えてい る。この絵画や写真或はジグソーパズルを飾るための額縁は、従来種々の大きさ やデザイン等があり、絵画や写真或はジグソーパズルと合って額縁を選んで使用 していたものである。そしてこれらの額縁の成形には、金属製のＬ字状小片を接 続金具として額縁用枠材相互を止ネジ等を介して接続成形していたものである。 又従来の額縁では、絵画や写真或はジグソーパズル等内容物を出し入れ交換する ときには、額縁のガラス等がある正面側を下にして置き裏面側の台紙を取り、押 圧具を外して、絵画等内容物を内部に入れたり或はその交換の作業をしていたも のである。 しかして、先ず額縁の枠材の接続については、その作業が容易に行えるように、 合成樹脂製のコーナー接続具を形成して、この接続具の両端部分を額縁用枠材内 にそれぞれワンタッチ方式で接続できる装置が提供されていた。 例えば、実開昭５３−９４２９１の「組立式額縁」及び実公平２−２７８２６「 額縁用コーナー接続装置」である。 実間昭５３−９４２９１の「組立式額縁」は、適宜長さの縦枠と横枠は長手方向 に角形筒状部と台版受部を形成すると共に、角形筒状部の両端部所要の位置には 係止窓を設け、継手部材の水平片と直立片の内側壁には凹所を形成し、該凹所上 には係止部を有する係合片を弾性的に設け、上記継手部材の水平片及び直立片を 前記横枠及び縦枠の筒状部に嵌合し、上記係合片を前記係止窓に夫々係止させて なるものである。 実公平２−２７８２６「額縁用コーナー接続装置」は、額縁用枠材が略溝形状部 分を構成し、この略溝形状部分内を中仕切片で接続具収容空間と装飾物収容空間 とに仕切り、更に、中仕切片の裏面に直角に連接される係止片で仕切って、接続 具収容空間と挿入部収容空間を設けると共に、裏側枠片先端縁と係止片先端縁と の間に開放間隙を設け、裏側枠片の所定位置に操作突起用孔と係合突起用孔とを 夫々穿設して構成され、接続具は、略Ｌ字状の接続基体に略直角三角形形状の補 強体と一体的に連接して構成され、挿入部は適宜間隔を隔てて平行に配設される と共に、その先端部分が円弧状に連接される一対の側片と、この側片底端部分に 連設される底片とで横断略溝形状に形成され、底片には細長なコ字形切欠溝を切 設してなる弾発片を夫々形成し、この弾発片裏面には操作突起用孔の一方の孔縁 に係合される操作突起と、係合突起用孔の他方の孔縁に係合される係合突起とを 夫々穿設し、操作突起を裏がわ枠片裏面より若干突出せしめて構成されたもので あ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、実開昭５３−９４２９１の「組立式額縁」では、接続具が略Ｌ字状を呈 しているため、その角部に応力が集中し易く、全体の強度が比較的低くなり、損 傷や折損等の破損が生じ易い難点が認められていた。又強度のある合成樹脂材に て接続具を形成すれば、単価の面で経済的な難点が認められた。更に、該考案は 額縁の組み立てであり、その枠部が摺動移動して上下左右に拡がり、表面からの 内容物の出し入れ交換が容易ににできるものではない。 又実公平２−２７８２６「額縁用コーナー接続装置」では、図４の接続部分を示 す一部切欠断面図から明らかな通り、額縁用枠材について略溝形状部分内を構成 し、中仕切片ｃで接続具収容空間ａと装飾物収容空間ｂとに仕切られている構成 であり、該接続具Ａは枠材部Ｂと摺接するように挿入し接続するが、接続具収容 空間ａにおける接続具Ａと枠材Ｂとの密着面ｅが少なく、歪みガタつきの原因と なり、特に大型のものであれば、持ち運びのとき歪みガタつき枠の角部に齟齬及 び損耗が生ずる原因となっていた。 しかして、この絵画や写真或はジグソーパズルを取り替える作業は、好みや季節 等により頻繁に行われ、その都度壁面等に掛けてある額縁を取り外して交換し、 終えるとまた壁面等に掛けなければならず、その作業は大変手間のかかるもので あった。特に老人や女性等では作業も危険で手軽に行えるものではなかった。 又額縁の枠部分が上下左右に開き額縁を正面に置いたままでその中身を交換でき る額縁の存在も認められたが、それは額縁の枠部が９０度以上に開き過ぎ、交換 時において絵画等中身を落としたり、特に枠部の上下左右の開閉バランスを欠き 易く、内容物の交換作業に困難性を伴っていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述した事情に鑑みてその問題点を解決し考案したものである。 縁を設けた略カマボコ型筒状の形状である額縁用枠材と、その枠材相互を略直角 状に連接するように形成するための樹脂製のＬ字型額縁コーナー連結具から成る 金属製の額縁において、該略カマボコ型筒状の額縁用枠材の両端の側枠部の内側 に密着して、挿入し嵌着される断面略コ字状のＬ字型額縁コーナー連結具には、 その下側に操作突起と係止突起とを連接し、２段状の突起爪を設けた弾発片をコ 字状に切起し、その上側には側枠上部へ密着して挿入摺止し固着するガイド凸部 を、Ｌ字に沿って両長手方向に起立させ、又縁を設けた略カマボコ型筒状の額縁 用枠材には、台紙置縁と前記２段状の突起爪を挿入嵌着する係止孔が穿設されて いる構成にした事を特徴としたものである。

【０００５】

【作用】

断面略コ字状のＬ字型額縁コーナー連結具には、その下側に操作突起と係止突起 とを連接し、２段状の突起爪を設けた弾発片をコ字状に切起し、額縁用枠材に該 突起爪を挿入嵌着する係止孔が穿設されて、操作突起と係止突起により額縁用枠 材が上下左右に摺動できる。額縁コーナー連結具には、ガイド凸部が両長手方向 に起立させてあり、側枠上部へ密着して挿入摺止し、該連結具が額縁用枠材の側 枠部の内側に密着する事と相俟ってより強固に固着する働きが認められる。 又、額縁用枠材に縁を設けてあるから突起爪が不用意に押圧されて解除される事 を防止している。

【０００６】

【実施例】

以下本考案を添付図面である一実施例に基いて説明する。図１は、本考案による Ｌ字型額縁コーナー連結具の斜視図である。図２は、要部の一部切欠き分解斜視 図である。図３は、接続部分を示す一部切欠側面図である。図４は、従来の額縁 用コーナー接続装置の接続部分を示す一部切欠側面図である。

【０００７】 縁１０を設けた略カマボコ型筒状の額縁用枠材１と、その枠材相互を略直角状に 連接するように形成する樹脂製の額縁コーナー連結具から成る金属製額縁におい て、該略カマボコ型筒状の額縁用枠材１の両端の側枠部７の内側に密着して挿入 し嵌着される、断面略コ字状のＬ字型額縁コーナー連結具２は、合成樹脂製で一 体的に成型されている。その下側には、前記額縁用枠材を前後左右に摺動させる ための操作突起３１と摺動後の係止のための係止突起３２とを夫々突設し連接さ れ、２段状の突起爪３として設けてある。この２段状の突起爪３は、操作突起と 係止突起との距離が額縁用枠材を前後左右に摺動できる幅となる。又この２段状 の突起爪は、弾発片４を細長コ字状に切起して成るもので、撓曲自在となるよう に形成されてある。そして、操作突起３１は係上突起３２より大きく突出するよ うに設けてある。それは、係止突起３２と額縁用枠材の係止突起用係止孔５との 係止状態が解除されたときに、操作突起３１と額縁用枠材の操作突起用孔との係 合状態が解除されないように設定してある。又Ｌ字型額縁コーナー連結具２の上 側には、額縁用枠材１の側枠上部８へ密着して挿入摺止し固着するガイド凸部９ が、該形状であるＬ字に沿って両長手方向に起立させてある。このガイド凸部９ と該連結具の縁部９１、９２とが、額縁用枠材の側枠部７、側枠上部８に挿入摺 上し密着するから、額縁用枠材の強度と共に枠材を強固に固着でき、歪みやガタ つき等の枠の角部に齟齬及び損耗が生ずることがないものである。 縁１０を設けた略カマボコ型筒状の額縁用枠材１には、額縁における台紙６６を 載せる台紙置縁６が設けられており、額縁用枠材を前後左右に摺動したときこの 台紙置縁６にて内容物及び台紙の落下を防止でき、内容物を容易に交換できる。 額縁用枠材１には、前記２段状の突起爪３を挿入し嵌着する係止孔５が穿設され ている。略カマボコ型筒状の額縁用枠材１の縁１０は、額縁を床等に置いたとき でも、操作突起や係止突起が床面に接触して押圧されて不意の解除から確実に防 止できる。

【０００８】

【考案の効果】

以上詳説したように、本考案に係る額縁は、該略カマボコ型筒状の額縁用枠材の 両端の側枠部の内側に密着して挿入し嵌着される、断面略コ字状のＬ字型額縁 コーナー連結具が、合成樹脂製で一体的に成型されているため、その製作に容易 でありコスト的にも安価に製作できる。その下側に額縁用枠材を前後左右に摺動 させるための操作突起と摺動後の係止のための係止突起を夫々突設し連接され、 ２段状の突起爪として設けてあるが、この２段状の突起爪は、操作突起と係止突 起との距離が額縁用枠材を前後左右に摺動できる幅となる。その額縁用枠材が前 後左右に摺動できるため、内容物の交換を従来の如くに裏側より外さなくてもよ く、正面側より容易に内部の絵画や写真或はジグソーパズル等を交換することが できる。又枠部が前後左右に摺動できる幅と台紙置縁の関係で開きすぎて絵画等 を落としてしまうこともなく、枠の上下左右のバランス等考慮することもなく、 額縁の中央の正しい位置に絵画や写真を載置でき、同時に交換の作業の容易性も 向上するものである。 そして、操作突起は係止突起より大きく突出するように設けてある。それは、係 止突起と額縁用枠材の係止突起用係止孔との係止状態が解除されたときに、操作 突起と額縁用枠材の操作突起用孔との係合状態が解除されないように設定してあ る。又Ｌ字型額縁コーナー連結具の上側には、額縁用枠材の側枠上部へ密着して 挿入摺止し固着するガイド凸部が、該形状であるＬ字に沿って両長手方向に起立 させてあるから、このガイド凸部と該連結具の縁部とが、額縁用枠材の側枠部、 側枠上部に挿入摺止し密着するので、額縁用枠材の強度と共に枠材を強固に固着 でき、歪みやガタつき等の枠の角部に齟齬及び損耗が生ずることがない。額縁用 枠材には、額縁における台紙を載せる台紙置縁が設けられており、額縁用枠材を 前後左右に摺動したときこの台紙置縁にて内容物及び台紙の落下を防止でき、内 容物を容易に交換できる。 額縁用枠材の縁は、額縁を床等に置いたときでも、操作突起や係止突起が床面に 接触して押圧されて不意の解除から確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるＬ字型額縁コーナー連結具の斜視
図。

【図２】要部の一部切欠き分解斜視図。

【図３】接続部分を示す一部切欠側面図。

【図４】従来の額縁用コーナー接続装置の接続部分を示
す一部切欠側面図。

【符号の説明】

１・・額縁用枠材 ２・・Ｌ字型額縁コーナー連結具
３・・２段状の突起爪 ３１・・操作突起 ３２・・係止突起 ４・・弾発片
５・・係止孔 ６・・台紙置縁 ６６・・台紙 ７・・側枠部 ８・・
側枠上部 ９・・ガイド凸部 ９１、９２・・縁部 １０・・縁
Ａ・・接続具 Ｂ・・枠材部 ａ・・接続具収容空間明 ｂ・・装飾物
収容空間材 ｃ・・中仕切片 ｅ・・密着面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】縁を設けた略カマボコ型筒状の額縁用枠材
   と、その枠材相互を略直角状に連接するように形成する
   樹脂製の額縁コーナー連結具から成る金属製額縁におい
   て、該略カマボコ型筒状の額縁用枠材の両端の側枠部の
   内側に密着して挿入嵌着される断面略コ字状のＬ字型額
   縁コーナー連結具には、その下側に操作突起と係止突起
   とを連接した２段状の突起爪を設けた弾発片をコ字状に
   切起し、その上側には側枠上部へ密着して挿入摺止し固
   着するガイド凸部をＬ字に沿って両長手方向に起立さ
   せ、又縁を設けた略カマボコ型筒状の額縁用枠材には、
   台紙置縁と前記２段状の突起爪を挿入嵌着する係止孔が
   穿設されていることを特徴として成る額縁。