JPH06194682A - 光アドレス型表示装置 - Google Patents

光アドレス型表示装置

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JPH06194682A
JPH06194682A JP1292993A JP1292993A JPH06194682A JP H06194682 A JPH06194682 A JP H06194682A JP 1292993 A JP1292993 A JP 1292993A JP 1292993 A JP1292993 A JP 1292993A JP H06194682 A JPH06194682 A JP H06194682A
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JP
Japan
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light
light guide
guide path
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switching element
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Application number
JP1292993A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Izumi
良弘 和泉
Sayuri Fujiwara
小百合 藤原
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Priority to DE69332579T priority patent/DE69332579T2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大画面においても表示特性が画面全面にわた
って均一で、高精細な表示装置を実現する。 【構成】 導光路Yn上の光取り出し部4の溝形状を伝
送経路に沿って大きくし、光散乱が強く起こるようにし
て、伝送経路に沿った取り出し光量の減衰を補う。この
ため、導光路Yn上の光取り出し位置による取り出し光
量の差を抑えることができ、各光取り出し位置の光スイ
ッチング素子6に均一な光照射を与えることができる。
また、導光路Ynや光スイッチング素子6に屈折率が下
記式(1)を満足する材料を選定して、光信号を導光路
nから光スイッチング素子6に導く。
1sinθ<n2 ・・・(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビやゲーム等のA
V機器分野、パーソナルコンピューターやワードプロセ
ッサ等のOA機器分野等のディスプレイとして利用する
ことができる光アドレス型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、表示装置においては、電気配線
によって駆動信号を送信する場合に、配線抵抗とキャパ
シタンスによって信号波形の遅延が生じるので応答性が
悪く、大型化・高精細化を実現できないという問題点が
ある。これらの課題を解決する方法の1つとして、光信
号を走査信号として伝送する光アドレス方式の表示装置
がある。
【0003】図16および図17に、本願の出願人によ
る特願平3−263947号に示す光アドレス方式のア
クティブマトリクス駆動型液晶表示装置を示す。
【0004】この表示装置において、表示パネルを構成
するベース基板21は、ガラス基板21a上に複数の導
光路Y1,Y2,・・・,Ynが縦方向に沿って配設さ
れ、この導光路Y1,Y2,・・・,Ynを覆ってガラス
基板21a表面上にクラッド層23が形成されている。
各導光路Y1,Y2,・・・,Ynのそれぞれに交差して
信号配線X1,X2,・・・,Xmが横方向に沿って配設
されている。前記クラッド層23の上であって、隣接す
る各導光路Y1,Y2,・・・,Ynと各信号配線X1,X
2,・・・,Xmとが交差して形造られる領域をほぼ埋め
る形で絵素電極25が形成されている。また、導光路Y
1,Y2,・・・,Ynと信号配線X1,X2,・・・,Xm
との交差部のそれぞれには、この絵素電極25の張り出
し部分と信号配線X1,X2,・・・,Xmとに上下に挟
まれて光導電性の薄膜からなる光スイッチング素子2
6、26…が設けられている。ガラス基板21aの内部
には、各光スイッチング素子26、26…の存在する位
置に対応して遮光層28aが設けられている。この遮光
層28aはガラス基板21a外面からの光(外光)が光
スイッチング素子26に入射するのを防いでいる。
【0005】対向基板22の対向面には、透明導電性膜
から成る対向電極29が形成されている。この対向電極
29の対向面の上にも、光スイッチング素子26に対応
する位置に遮光層28bが設けられており、対向基板2
2外面からの光(外光)が光スイッチング素子26に入
射するのを防いでいる。両ガラス基板21a、22aの
それぞれの内面には、配向膜27a、27bが形成され
て、配向処理されている。以上のような両基板21、2
2は、スペーサー32と表示媒体33を介して貼り合わ
されている。
【0006】このような光アドレス型の表示装置におい
て、発光素子アレイ30からマイクロレンズアレイ31
を経て、導光路Y1,Y2,・・・,Ynを介して各光ス
イッチング素子26に光が照射されると、光スイッチン
グ素子26は低インピーダンスとなり、信号電圧が印加
されて、信号配線X1,X2,・・・,Xmと絵素電極2
5とが電気的に接続される。また、光スイッチング素子
26に光が照射されない時、光スイッチング素子26は
高インピーダンスとなり、信号配線X1,X2,・・・,
mと絵素電極25とは電気的に絶縁される。つまり、
この光アドレス方式の表示装置は走査信号に光を用いて
おり、光スイッチング素子26のインピーダンス変化を
利用することによって駆動される。
【0007】図18および図19に、光スイッチング素
子26、1導光路(例えば、Yn)、1信号配線(例え
ば、Xm)および絵素電極25の位置関係を示し、詳し
く説明する。
【0008】この表示装置では、導光路Y1,Y2,・・
・,Yn中の光を光スイッチング素子26…に効率よく
導くため、導光路Y1,Y2,・・・,Ynの上の光スイ
ッチング素子26の形成位置に部分的に傷をつけて、光
散乱部24、24…を設ける光取り出し方法を用いてい
る。導光路Y1,Y2,・・・,Ynを伝搬してきた光
は、その一部がこの光散乱部24で散乱され、それが信
号光として光スイッチング素子26に照射される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記光アドレス方式の
表示装置において高密度な表示を実現するためには、一
本の導光路に多数の光散乱部24…を設ける必要があ
る。例えば、ハイビジョンディスプレイ(HDTV)で
は、信号配線X1,X2,・・・,Xmは1000本程度
必要となり、導光路Y1,Y2,・・・,Yn1本当たり
1000〜5000個の光スイッチング素子26…と光
散乱部24…とが必要である。しかし、光スイッチング
素子26…および光散乱部24…の数が増大すると、以
下のような問題が生ずる。
【0010】図20は、導光路に全て同形状で同じ大き
さの光散乱部24…を設けて、導光路の一端から光を入
射した場合における、導光路の他端から出射する光量と
導光路上の光散乱部24…の個数との関係を示したもの
である。この図から理解されるように、導光路を伝わっ
て導光路の他端から取り出される光量は、導光路上の光
散乱部24…の数が増すにつれて、指数関数的に減衰す
る。個数に比例した減衰ではなく、指数関数的に減衰す
るのは、各位置での光取り出し量が、その位置によって
異なることを示している。すなわち、各位置で取り出さ
れる光量は、導光路に沿って光の入射側から遠ざかるに
つれて小さくなっていく。この従来例では、光散乱部2
4…の大きさが導光路上の全ての位置で同じ大きさであ
るので、信号光が導光路を伝搬して行く間に減衰し、入
射側から遠い位置にある光散乱部24…ほど、それから
取り出される光量が小さくなっている。図21に、従来
例の各光取り出し部24…のV溝とその位置における光
照射状態を示す。
【0011】表示装置の画面において均一な表示性能を
得るためには、全ての光スイッチング素子26…が均一
な性能を示す必要があり、そのために各光散乱部24…
について全て均一な光量を取り出す必要がある。従っ
て、取り出し光量の上記導光路に沿っての指数関数的減
少を改善する必要がある。
【0012】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、導光路から光スイッチング素子への光
取り出し方法を改善し、取り出し位置による取り出し光
量の差をなくして、表示面全体にわたって均一な表示特
性を実現することを目的とする。
【0013】また、上記のように、光取り出し手段とし
て導光路に傷を付けてV溝を形成するタイプの表示装置
や、特開平1−224727号公報に示されるような導
光路の表面を粗くする処理を行った表示装置では、導光
路に機械加工や化学加工を施す必要がある。しかし、機
械加工では、ガラス基板に欠損が出易いという虞れがあ
り、これを防ぐために高度な加工技術を必要とする。上
述のように、多数の光散乱部を形成する場合には、加工
精度が不充分になる虞れもある。また、化学加工として
は、フッ化水素(HF)系エッチャントを用いたウェッ
トエッチングなどが行われるが、この場合には、エッチ
ングにより光取り出し部の形状や大きさを制御すること
が難しく、再現性が悪い。また、光取り出し部を設ける
ために、導光路に傷を付けたり、表面を粗くする方法で
は、光取り出し部から得られる散乱光を100%スイッ
チング素子に照射することは不可能であり、光利用効率
が悪い。
【0014】よって、本発明は、機械加工や化学加工を
施さずに、導光路から光を取り出して、これを効率よく
光スイッチング素子に導き、かつ、取り出し位置による
取り出し光量の差をなくし、表示面全体にわたって均一
な表示特性を実現することを他の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の表示装置は、絶
縁性のベース基板と、該ベース基板上に互いに並列して
配設される複数の導光路と、該導光路に交差する方向に
互いに並列して配設される複数の信号配線と、各導光路
と各信号配線との交差部のそれぞれにおいて、該導光路
と該信号配線とに立体的に挟まれて設けられ、該導光路
からの光を受けてスイッチング動作を行う複数の光導電
体層と、各光導電体層と該導光路に接して設けられた複
数の絵素電極と、該ベース基板との間に表示媒体を挟持
して対向配置され、対向面に対向電極が形成された絶縁
性の対向基板と、各導光路上の各光導電体層に対応する
位置のそれぞれに設けられ、該導光路を伝送される光を
各光導電体層に導く光取り出し用溝を備え、該光取り出
し用溝の大きさが該導光路の伝送経路に沿って大きくな
っている光アドレス型表示装置であり、そのことによ
り、上記目的が達成される。
【0016】前記光取り出し用溝をV溝としてもよい。
【0017】前記導光路に沿って隣接する光取り出し用
溝の複数個を同一の大きさの1組として、前記光取り出
し用溝の大きさが各組毎に変化していてもよい。
【0018】前記光取り出し用溝の大きさの変化の数
が、一本の導光路に設けられた光取り出し用溝の数n個
に対して、2以上0.1n以下の範囲であるのが好まし
い。
【0019】本発明の表示装置は、絶縁性のベース基板
と、該ベース基板上に互いに並列して配設される複数の
導光路と、該導光路に交差する方向に互いに並列して配
設される複数の信号配線と、各導光路と各信号電極との
交差部のそれぞれにおいて、該導光路と該信号配線とに
立体的に挟まれて、かつ、該導光路の導光部に直接接続
して設けられ、該導光部からの光信号を受けてスイッチ
ング動作を行う複数の光導電体層と、各光導電体層に接
続して設けられる複数の絵素電極と、該ベース基板との
間に表示媒体を挟持して対向配置され、対向面に対向電
極が形成された絶縁性の対向基板とを備え、該導光部の
屈折率n1と、該光導電体層の屈折率n2と、該導光部か
ら該光導電体層への入射角θとの関係が下記式 n1sinθ<n2・・・ を満足するように設定し、そのことにより、上記目的が
達成される。
【0020】好ましくは、前記導光部と前記光導電体層
との界面の面積が該導光路の伝送経路に沿って大きくな
っている。
【0021】前記導光部と前記光導電体層との界面に中
間層を設け、該導光路の屈折率n1と、該光導電体層の
屈折率n2と、該中間層の屈折率n3と、該導光部から該
中間層への入射角θ1との関係が下記式 n1sinθ1<n2 かつ n1sinθ1<n3・・・ を満足するように設定してもよい。
【0022】好ましくは、前記導光部と前記中間層との
界面の面積が該導光路の伝送経路に沿って大きくする。
【0023】好ましくは、前記中間層として透明導電性
材料を用いる。
【0024】前記表示媒体に液晶を用いてもよい。
【0025】
【作用】導光路上に設けられた複数の光取り出し用溝の
形状を、伝送経路に沿って大きくして、光散乱が強く起
こるようにしている。よって、伝送経路に沿った取り出
し光量の減衰を補って、導光路上の光取り出し位置によ
る取り出し光量の差を抑えることができる。従って、各
位置の光スイッチング素子に均一な光照射を与えること
ができる。
【0026】また、屈折率が上記のような式を満足する
材料の導光路や光導電体層を選定すると、光が導光路か
ら光導電体層に効率よく導かれる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0028】[実施例1]図1および図2に、本発明に
よる光アドレス方式のアクティブマトリクス駆動型液晶
表示装置の構成を示す。
【0029】液晶パネルを構成するベース基板1はガラ
ス基板1aをベースとし、その上には複数の導光路
1,Y2,・・・,YnがY方向に沿って配設されてい
る。導光路Y1,Y2,・・・,Ynはガラス基板1aに
タリウムイオン(T1+)を熱及び電界で拡散させパタ
ーン形成する。導光路Y1,Y2,・・・,Ynは、それ
ぞれの一端が共通の発光素子アレイ10及びマイクロレ
ンズアレイ11からなる発光部に結合されている。本実
施例では、大画面で高精細な表示装置を形成するため、
発光素子アレイ10として高出力のLD(レーザーダイ
オード)アレイを用いているが、高出力が必要でない場
合はLED(発光ダイオード)アレイでもよい。この導
光路Y1,Y2,・・・,Ynを覆って、ガラス基板1a
表面上にSi2の薄膜から成るクラッド層3が形成され
ている。これらの導光路Y1,Y2,・・・,Ynの上に
交差して複数の信号配線X1,X2,・・・,Xmがクラ
ッド層3の上にX方向に配設されている。この信号配線
1,X2,・・・,Xmは、Tiを基材とし、スパッタ
法により形成されている。信号配線X1,X2,・・・,
mとしては、この他にTa、Cr、Al、Mo等、導
電性能や製造工程上の条件を満たすものであればいずれ
を用いてもよい。
【0030】隣接する各導光路Y1,Y2,・・・,Yn
と各信号配線X1,X2,・・・,Xmとが交差して形作
られる区画のそれぞれには、クラッド層3の上に接して
透明導電性のITO薄膜から成る絵素電極5が設けられ
ている。この絵素電極5はその一部が導光路Y1,Y2
・・・,Ynと信号配線X1,X2,・・・,Xmとの交差
部に張り出している。絵素電極5のこの張り出し部と、
その位置の信号配線X1,X2,・・・,Xmとに挟まれ
て、光導電体層からなる光スイッチング素子6が設けら
れている。光スイッチング素子6は光導電性のa−S
i:H薄膜から成り、このa−Si:H薄膜はシランガ
ス(Si4)と水素(H2)を用いてプラズマCVD法
により膜厚約1μmで形成されている。ガラス基板1a
の内部には、各光スイッチング素子6の存在する位置に
対応して遮光層8aが設けられている。この遮光層8a
は、ガラス基板1a外面からの光(外光)が光スイッチ
ング素子6に入射するのを防いでいる。
【0031】対向基板2は、ベースとなるガラス基板2
aの内面全面に、透明導電性のITO膜から成る対向電
極9が形成されている。この対向電極9の上の光スイッ
チング素子6に対応する位置にも遮光層8bが設けられ
ており、対向基板2のガラス基板2a外面からの光(外
光)が光スイッチング素子6に入射するのを防いでい
る。
【0032】これら両ガラス基板1a、2aのそれぞれ
の内面には、ポリイミドから成る配向膜7a、7bがス
ピンコートにより塗布され、ラビングにより配向処理が
施されている。配向膜7a、7bとしては他に、例えば
ポリアミド等の有機膜や各種LB膜、SiOやSi2
斜方蒸着膜等を用いても良い。以上のような両基板1、
2がスペーサー12と液晶13を介して貼り合わされて
いる。
【0033】このような表示装置は、以下のように動作
する。光信号は発光素子アレイ10からマイクロレンズ
アレイ11を介して導光路Y1,Y2,・・・,Ynへ導
かれる。
【0034】導光路Y1,Y2,・・・,Yn上には、各
光スイッチング素子6毎に光取り出し部(光散乱部)4
が設けられている。この光取り出し部4は、ブレード等
の刃物を用いて、導光路Y1,Y2,・・・,Yn上にV
溝を形成したものである。導光路Y1,Y2,・・・,Y
n中を伝搬する光信号はこの光取り出し部4で散乱さ
れ、その位置に形成されている光スイッチング素子6へ
と照射される。
【0035】光スイッチング素子6は、それに照射され
る光の明/暗に応じてインピーダンスが変化するため、
この光スイッチング素子6に接続されている信号配線X
1,X2,・・・,Xmと絵素電極5への電流の流れを制
御し、液晶13を駆動することができる。つまり、光照
射状態では、光スイッチング素子6は光導電効果により
低インピーダンスとなり、信号配線X1,X2,・・・,
mと絵素電極5とが電気的に導通する。この結果、絵
素電極5と対向電極9との間に存在する液晶13にデー
タ信号が印加される。
【0036】そして、暗状態では光スイッチング素子6
は高インピーダンスとなり、信号配線X1,X2,・・
・,Xmと絵素電極5とは電気的に絶縁される。この状
態では絵素電極5と対向電極9との間の液晶13にデー
タ信号は印加されず、光照射時に液晶13に印加された
電圧が保持される。
【0037】本実施例では、導光路Y1,Y2,・・・,
n上の取り出し光量の小さい位置ではV溝を大きくし
て光の散乱部の面積を大きくし、取り出し光量の減衰分
を補っている。すなわち、図3に示すように、光信号の
入射側近傍の位置のV溝は浅く小さいV溝とし、光入射
側から遠ざかるにつれて徐々に深い大きいV溝としてい
る。これにより、各光取り出し部4の間での取り出し光
量に差がなくなり、全ての光スイッチング素子6…に均
一な素子性能を与えることが可能になる。つまり、表示
装置の全画面にわたって均一な表示性能を得ることがで
きる。
【0038】この光アドレス型液晶表示装置では走査信
号に光を用いているので、電気信号のように配線抵抗や
キャパシタンスの影響を受けて信号波形の遅延を生じる
といったことが無い。しかも、本実施例によれば画面上
のどの位置に対しても均一の光信号を送ることができる
ので、大画面の表示装置においても高精細の表示が実現
できる。
【0039】なお、本実施例の光取り出し部4の形状は
V溝であるが、他の形状、例えば、U溝や半球状の凹部
のような形状のものでも有効である。また、表面の荒れ
やグレーティングを利用して光を取り出す場合にも有効
である。
【0040】[実施例2]本発明は本願の出願人による
特願平3−258110に示すような光アドレス方式の
アクティブマトリクス駆動型液晶表示装置において、導
光路Y1,Y2,・・・,Ynが対向基板2側に設けら
れ、光スイッチング素子6と導光路Y1,Y2,・・・,
nとが別々の基板に設けられている場合にも有効であ
る。
【0041】図4に、実施例2による液晶表示装置の構
成を示す。基本的な素子構成は第1実施例に示した液晶
表示装置と同じである。但し、光信号を伝送する導光路
1,Y2,・・・,Ynは光スイッチング素子6が設け
られているベース基板1とは反対側の対向基板2内面上
に設けられている。この図では発光素子アレイおよびマ
イクロレンズアレイは省略している。実施例2において
も、実施例1と同様に光取り出し部4の形状を各導光路
の経路に沿って、光入射側から遠ざかるにつれて大きく
して行くことにより、表示装置の全画面において均一な
表示性能を得ることができる。
【0042】[実施例3]本発明の表示装置は、上記実
施例1および2に示されるような一本の導光路に形成さ
れる光取り出し用溝の大きさを全て異ならせた構成のみ
でなく、伝送経路に沿って複数個の光取り出し部を1組
とし、各組毎に光取り出し用溝の大きさを異ならせた構
成とすることもできる。
【0043】図5は、この実施例の表示装置の導光路の
模式図である。この表示装置は、導光路の伝送経路に沿
って複数個の光取り出し部毎にブロックに分割し、ブロ
ック毎に光取り出し用溝の大きさを変化させて、導光路
内から見た光の反射率Rを変化させている。その他の構
成は、実施例1または2の表示装置と同様なものとする
ことができる。
【0044】この表示装置において、導光路の一端から
入射光として強度Iで入射された光信号は、各光取り出
し部において導光路外に取り出されて、導光路の近傍に
設けられた光スイッチング素子に照射される。残った光
は、導光路の他端から出射光として強度I’で出射され
る。光取り出し部(総数n個)は複数個ずづMブロック
に分割され、各ブロック毎に光取り出し用溝の大きさを
異ならせて、導光路内から見た光の反射率を異なるよう
にしてある。導光路の光伝送経路に沿ってk番目のブロ
ック(k=1、2、・・・、M)の光取り出し部では、
その部分の光の反射率Rkに対して(1−Rk)の割合で
光が取り出される。
【0045】図6に、n=1000個、M=10ブロッ
ク、I=14mW、I’=4mWとした場合の各光取り
出し部での光取り出し強度を示す。ここでは、各ブロッ
ク毎に1mWの光を取り出せるように、R1=0.99
926、R2=0.99920、R3=0.99913、
4=0.99915、R5=0.99895、R6
0.99882、R7=0.99867、R8=0.99
846、R9=0.99818、R10=0.99777
として光取り出し溝の大きさを変化させた。また、比較
例として図22に示すような導光路を有する従来の表示
装置について、各光取り出し部の光取り出し強度を図6
に同時に示す。比較例の表示装置において、導光路の一
端から入射光として強度Iで入射された光信号は、各光
取り出し部(1)、(2)、(3)・・・、(n)において導光路外
に取り出されて、導光路の近傍に設けられた光スイッチ
ング素子に照射される。残った光は、導光路の他端から
出射光として強度I’で出射される。各光取り出し部
は、同じ形状で同じ大きさの光取り出し用溝が形成され
ており、導光路内からみた光の反射率Rが一定となる。
各光取り出し部では、各光取り出し部に届いた光に対し
て(1−R)の割合で光が導光路外に取り出される。こ
の従来の表示装置においては、R=0.99875とし
て、14mWの入射光に対して全体で10mWの光を取
り出すようにしてある。
【0046】これらの図から理解されるように、従来の
表示装置では、1番目の光取り出し部(1)でI(I−
R)の光が、また1000番目の光取り出し部(100
0)でIR999(I−R)の光が取り出されることにな
り、それぞれ、0.0175mWおよび0.00502
mWの光が取り出される。また、各光取り出し部(n)
では、nの増加に伴って指数関数的に光取り出し強度が
減少して、均一な強度で光取り出しを行うことができな
い。この場合、光スイッチング素子は、照射光量が0.
00502mW(1000番目の光取り出し部)でも充
分表示ができるような導電率特性を有する必要がある。
しかし、このような導電率特性を有する光スイッチング
素子素子に対して、照射光量が0.0175mW(1番
目の光取り出し部)では、過剰な光照射となる。従っ
て、全光スイッチング素子の性能を均一にすることがで
きない。
【0047】これに対して、本実施例の表示装置では、
各光取り出し部から取り出される光の強度が0.01±
0.002mWの範囲内であり、導光路の全域でほぼ同
じ強度の光を取り出すことができる。この場合、光スイ
ッチング素子は、照射光量0.008mWでも充分表示
ができるような導電率特性を有するものであればよく、
0.012mWの照射光量に対しても充分対応できる。
従って、全光スイッチング素子の性能を均一に保つこと
ができる。
【0048】尚、本実施例の表示装置において、各光取
り出し部における反射率Rの値は以下のようにして決定
することができる。
【0049】一本の導光路に設けられた光取り出し部の
総数をn、導光路への入射光強度をI、導光路からの出
射光強度をI’とし、導光路内から見た光取り出し部で
の光反射率をR1〜RMのM種類に変化させる。光取り出
し部は、Mブロックに分割され、各ブロックにはn/M
個の光取り出し部が存在することになる。この時、導光
路の伝送路に沿ってk番目のブロック(反射率Rk)内
に入った光は、Rk n/M倍に減衰する。また、k番目のブ
ロックは、I−(I−I’)k/Mの強度で光が入射
し、I−(I−I’)(k−1)/Mの強度で光が出射
される。よって、反射率Rkと、光取り出し部の総数
n、分割ブロック数M、ブロック番号k、導光路への入
射強度Iおよび導光路からの出射光強度I’との間に、
下記式(1)で表される関係が成立する。
【0050】
【数1】
【0051】上記式(1)により、各ブロック毎にRk
を決定することができ、このRkにより光取り出し用溝
の大きさを設定することができる。
【0052】尚、上記実施例においては、分割ブロック
数M(大きさの変化の種類)が10である場合について
説明したが、各光取り出し溝から均一な光を取り出すた
めには、分割ブロック数Mは多い方が好ましい。例え
ば、分割ブロック数Mを100とすると、各光取り出し
部から取り出せる光量は、0.01±0.0002mW
以内の範囲となり、より均一な光取り出しが可能とな
る。他方、分割ブロック数Mをあまり多く設定した場合
には、加工時に光取り出し用溝の大きさの変化の種類が
多くなり、大きさを緻密に制御する必要が生じて加工が
困難になる。従って、分割ブロック数Mの最適な範囲
は、一走査線(導光路)当りの光取り出し部の個数nに
よって異なり、2個以上0.1n個以下の範囲であるの
が好ましい。
【0053】また、上記実施例においては、n個の光取
り出し部をM個のブロックに分割するために、n/M個
ずつのブロックに分割したが、各々異なった個数の光取
り出し部が含まれるブロックに分割してもよい。
【0054】[実施例4]図7および図8に、実施例4
による液晶表示装置の構成を示す。この図では発光素子
アレイおよびマイクロレンズアレイは省略している。導
光路Y1,Y2,・・・,Yn上には、クラッド層3とし
てスパッタ法によりSi2薄膜が形成されている。クラ
ッド層3の上には、光スイッチング素子6として光導電
体材料であるa−Si:H薄膜がプラズマCVD法によ
り成膜され、パターン形成されている。クラッド層3は
光スイッチング素子6の形成位置において除去されてお
り、この位置では、導光路Y1,Y2,・・・,Ynと光
スイッチング素子6とが直接接する形になっている。ま
た、信号電極X1,X2,・・・,Xmの一部が張り出し
て光スイッチング素子6の上面の一端を覆い、光スイッ
チング素子6の上面のもう一端は、クラッド層3の上に
接して形成されている絵素電極5の一部が張り出してこ
れを覆っている。
【0055】次に、本実施例での導光路Y1,Y2,・・
・,Ynから光スイッチング素子6への光信号の取り出
し方法を説明する。本実施例では、導光路から光を取り
出す際、傷や表面の荒れを利用せず屈折率の違いによる
二層間での光の透過および反射の現象を利用する。
【0056】一般に屈折率n1の媒質から屈折率n2の媒
質へ光が入射角θ(接合面の法線方向となす角)で入射
されると、n1sinθ>n2を満たす光は全反射され
る。このことにより、光が導光路Y1,Y2,・・・,Y
n中を伝搬する。これに対してn1sinθ<n2を満た
す光は、表面反射する光を除くほとんどの光が界面を透
過する。表1に光アドレス方式の表示装置に使用される
一般的な導光路Y1,Y2,・・・,Ynの屈折率n1を示
す。また、光スイッチング素子6の材料である非晶質水
素化シリコン(a−Si:H)の、各波長の光に対する
屈折率n2及び消衰係数kの関係を図9に示す(「アモ
ルファスハンドブック」サイエンスフォーラム社よ
り)。
【0057】
【表1】
【0058】本実施例では導光路Y1,Y2,・・・,Y
nにイオン(Ti+)拡散導光路を用いており、その導光
路の屈折率n1は約1.67である。クラッド層3の屈
折率n4は約1.46であるので、導光路Y1,Y2,・
・・,Yn上にクラッド層3が存在する領域では、導光
路からクラッド層3への光の入射角をθ1とすると、 n1・sinθ1>n4 の関係を満たす入射角θ1の光だけがその界面で全反射
され、導光路Y1,Y2,・・・,Yn中を伝搬する。
【0059】一方、光スイッチング素子6の形成位置で
は、導光路Y1,Y2,・・・,Yn上のクラッド層3が
除去されており、導光路Y1,Y2,・・・,Ynと光ス
イッチング素子6とが直接接している。本実施例で光ス
イッチング素子6に用いる非晶質水素化シリコンは波長
λ=633nm近傍の光に対しては屈折率n2=4〜5
を示す。このため波長λ=633nm近傍の光を用いる
と、導光路Y1,Y2,・・・,Ynの屈折率n1は約1.
67であり、この屈折率n1と光スイッチング素子6の
屈折率n2および導光路Y1,Y2,・・・,Ynから光ス
イッチング素子6への入射角θの関係が入射角θに依存
せず、常にn1sinθ<n2を満たすので、図8(a)
及び図8(b)に示すようにそれぞれを直接接合させる
ことにより、導光路Y1,Y2,・・・,Yn内の光はこ
の接合部の界面で光スイッチング素子6に入射する。
【0060】また、図8(a)に示す発光素子から遠い
側の光取り出し部でのクラッド層3の抜きパターン(窓
形状)の大きさを、図8(b)に示す発光素子に近い側
の光取り出し形状の大きさより大きくしてゆくことによ
り、各場所で均一な光量を取り出すことができ、全ての
光スイッチング素子6…に均一な性能を与えることがで
きる。
【0061】以上、本実施例における光取り出し方法で
は、導光路Y1,Y2,・・・,Ynに機械的あるいは化
学的加工によって傷や荒れた表面を形成する必要がな
く、機械的加工の際の基板や導光路の欠けの発生や、こ
れらの加工に用いるブレード等の刃物の摩耗に伴う加工
制度の劣化やコスト高といった問題が無い。また、化学
的加工の場合のように傷や表面の荒れを微妙に制御する
ことが困難であるとか、再現性がよくないといったこと
も無い。
【0062】また、本実施例においては、導光路Y1
2,・・・,Ynから光スイッチング素子6に信号光を
導く際、無駄な散乱光(光スイッチング素子の反対側や
その他周辺に散乱される光)が発生しないので光を有効
利用することができる。
【0063】本実施例においても、上記実施例3と同様
に、一本の導光路の伝送経路に沿った光取り出し部を複
数個毎のブロックに分割して、各ブロック毎にクラッド
層3の抜きパターンの大きさを変化させてもよい。
【0064】[実施例5]図10および図12は、実施
例5における信号電極X1,X2,・・・,Xm、光スイ
ッチング素子6、絵素電極5、および導光路Y1,Y2
・・・,Ynの位置関係を示している。図11(a)お
よび図11(b)は図10のA−A´線断面から見た素
子構造、図13(a)および図13(b)は、図11の
C−C´線断面から見た素子構造を示している。ここで
図10と図12の両素子構造はスイッチング素子6と接
続する信号電極X1,X2,・・・,Xmおよび絵素電極
5との接続部の形状が異なっているだけであり、光信号
の取り出しのための本質的な素子構造は同じである。す
なわち、クラッド層3が光スイッチング素子6の形成位
置で除去されており、このクラッド層3の除去部分に侵
入している絵素電極5の一部が導光路Y1,Y2,・・
・,Ynと接する形になっている。光スイッチング素子
6はこの絵素電極5の上に接して形成されており、光ス
イッチング素子6の上にある信号電極X1,X2,・・
・,Xmと絵素電極5に挟まれている。
【0065】さて、図14は屈折率がそれぞれ異なる三
つの層、L1(屈折率n1)、L3(屈折率n3)、L
2(屈折率n2)がこの順で積層されており、層L1から
層L3へ入射角θ1で光が入射し、層L3から層L2へは入
射角θ3で入射し、屈折角θ2で層L2へ抜けて行く時の
光路を示している。この時、 n1sinθ1=n3sinθ3=n2sinθ2 が成り立つが、入射角θ1の光が界面Aを通過する条件
は、 n1sinθ1<n3 また、界面Bを通過する条件は、 n1sinθ1<n2 であるので、n1sinθ1<n3かつn1sinθ1<n2
を満たす場合、層L1から層L2に光を導くことができ
る。層がL1、L2の二つだけでなく、中間層L3を加え
ることにより、素子構造の限定がゆるやかになる。実施
例5では、この中間層L3を絵素電極5が兼ねる構成に
なっている。
【0066】絵素電極5はITO膜からなり、その屈折
率n3は約2である。また、導光路Y1,Y2,・・・,
nの屈折率n1は1.67である。このため、導光路Y
1,Y2,・・・,Ynと絵素電極5とが接する界面で
は、導光路Y1,Y2,・・・,Ynから絵素電極5への
入射角θ1の値にかかわらず、 1.67sinθ1<2 の関係が成立するので、導光路Y1,Y2,・・・,Yn
の光信号は絵素電極5側へと透過することができる。ま
た、絵素電極5上にある光スイッチング素子6はa−S
i:Hからなり、その屈折率n2は4〜5である。従っ
て、絵素電極5から光スイッチング素子6への光の入射
角θ1の値にかかわらずn1sinθ1<n2の関係も同時
に成立するので、導光路Y1,Y2,・・・,Ynの光信
号は絵素電極5を介して光スイッチング素子6側へと透
過することができる。
【0067】屈折率n2の値を4〜5として、絵素電極
5から光スイッチング素子6への光の入射角θ1の値に
かかわらず、n1sinθ1<n3かつn1sinθ1<n2
の関係を満たす屈折率n3の値、すなわち、屈折率n3
値が1.67以上であるような絵素電極5の基材として
は、ITO膜の他にIn23やSnO2等も可能であ
る。また、絵素電極5(屈折率n3)の層厚が使用する
波長に比べて小さい値(例えば、可視領域の光に対して
絵素電極5が100nm程度の時)であれば、この絵素
電極5の屈折率n3が透過光に及ぼす影響は小さく、光
透過条件は導光路Y1,Y2,・・・,Ynの屈折率n1
光スイッチング素子6の屈折率n2のみで決定される。
すなわち、n1sinθ1<n2の関係だけが満足されれ
ば、光は導光路Y1,Y2,・・・,Ynから光スイッチ
ング素子6へと透過することができる。
【0068】本実施例においても屈折率差を利用した光
取り出し法を用いており、実施例4と同様の効果を得る
ことができる。
【0069】また、図11(a)や図13(a)に示す
発光素子から遠い側の光取り出し部でのクラッド層3の
抜きパターン(窓形状)の大きさを、図11(b)や図
13(b)に示す発光素子に近い側の光取り出し形状の
大きさより大きくしてゆくことにより、各場所で均一な
光量を取り出すことができ、全ての光スイッチング素子
6…に均一な性能を与えることができる。
【0070】以上、実施例5では導光路Y1,Y2,・・
・,Ynの導光部分と光スイッチング素子6とが直接接
合する部分の面積、また、実施例5では、導光路Y1
2,・・・,Ynの導光部分、絵素電極5、および光ス
イッチング素子6がこの順に接合する部分の面積、すな
わち、クラッド層3の窓形状のパターンはフォトリソグ
ラフィー技術によって簡単に精度良く制御できる。例え
ば、CF4ガスを用いたドライエッチングやフッ化水素
(HF)系エッチャントを用いたウェットエッチングに
より行う。従って、高密度な表示装置、例えば、ハイビ
ジョンディスプレイ(HDTV)のように信号電極が1
000本程度必要で、導光路Y1,Y2,・・・,Yn
本当り1000個程度の光スイッチング素子6と光取り
出し部が必要な場合でも容易に作製することができる。
【0071】本実施例においても、上記実施例3または
4と同様に、一本の導光路の伝送経路に沿った光取り出
し部を複数個毎のブロックに分割して、各ブロック毎に
クラッド層3の抜きパターンの大きさを変化させてもよ
い。
【0072】[実施例6]本発明の光アドレス方式の表
示装置は、アクティブマトリクス駆動型の液晶表示装置
だけでなく、本願の出願人による特願平3−25811
0号に示すような単純マトリクス駆動型の液晶表示装置
にも適用できる。図15に、実施例6による液晶表示装
置の構成を示す。
【0073】ベース基板上に複数の導光路Y1,Y2,・
・・,YnがY方向に沿って互いに平行に配設されてお
り、各導光路Y1,Y2,・・・,Ynの上に交差して複
数の信号配線X1,X2,・・・,XmがX方向に沿って
配設されている。隣合う各導光路Y1,Y2,・・・,Y
nと各信号配線X1,X2,・・・,Xmとが交差する領域
には絵素電極P1,1・・・Pm,nがそれぞれ設けられてい
る。また、導光路Y1,Y2,・・・,Ynと信号配線
1,X2,・・・,Xmとの各交差部には、光スイッチ
ング素子S1,1・・・Sm,nが設けられており、それぞれ
対応する位置の絵素電極P1,1・・・Pm,nと信号配線X
1,X2,・・・,Xmとを電気的に接続している。この
図では発光素子アレイおよびマイクロレンズアレイは省
略している。対向基板内面上には、信号配線X1,X2
・・・,Xmに交差する方向に、かつ、隣接する各導光
路Y1,Y2,・・・,Ynの間に、線状の透明電極配線
1,Z2,・・・,Zkが3本一組で互いに平行に配設
されている。尚、この実施例においても、実施例1、2
と同様に、各導光路Y1,Y2,・・・,Ynの各光スイ
ッチング素子S1 ,1・・・Sm,nの形成位置に光取り出し
用の溝を設けたり、導光路Y1,Y2,・・・,Yn、絵
素電極P1,1・・・Pm,n、光スイッチング素子S1 ,1
・・Sm,n各々の屈折率、および導光路から光スイッチ
ング素子側への入射角の値が実施例4、4で挙げたよう
な式を満足するように材料の選定を行って、光信号が光
スイッチング素子に導かれ、これを動作させるようにす
る。
【0074】このような液晶表示装置は以下のように動
作する。光スイッチング素子S1,1・・・Sm,nの働き
は、実施例1に示すアクティブマトリクス駆動型液晶表
示装置に用いた光スイッチング素子と同じであり、光照
射の明/暗に対して信号配線X1,X2,・・・,Xm
絵素電極P1,1・・・Pm,nとを電気的に導通させたり、
絶縁させたりしてスイッチングを行っている。導光路Y
1,Y2,・・・,Ynに順次、光走査信号を伝送し、各
信号配線X1,X2,・・・,Xmと各絵素電極P1,1・・
・Pm,nとを順次、電気的に導通させる。同時に、透明
電極配線Z1,Z2,・・・,Zkを順次、駆動すること
によって、各絵素電極P1,1・・・Pm,nとそれに対向す
る3本一組の透明電極配線Z1,Z2,・・・,Zkとの
間で単純マルチプレックス駆動が行われる。すなわち、
本実施例では3本一組のストライプ状透明電極(走査電
極)で構成される表示領域を1単位のブロックとし、各
ブロックの選択を導光路Y1,Y2,・・・,Ynで行っ
ている。その結果、デューティ比を一定に保ったまま走
査線数を3倍にすることが可能となる。一般に、導光路
の数をN、1つの導光路当りの透明電極(走査線)の数
をMとすると、デューティ比1/Mで、N×Mの走査線
を駆動することができる。
【0075】なお、光スイッチング素子に用いる光導電
体材料としてa−Si:Hの他に、例えば、近赤外波長
の光に対しては非晶質水素化シリコンゲルマニウム(a
−SiGex:H)を使用することも可能である。a−
SiGex:H薄膜は、SiH4ガスとGeH4ガスを用
いてプラズマCVD法により形成される。
【0076】また、近赤外波長(800nm〜1000
nm帯)のLDやLEDは、光通信用に開発が進んでお
り、比較的安価である。また、高出力タイプのものも開
発されている。これらの光源を光走査信号に用いる場合
は、近赤外波長の光に対して感度の高いa−SiG
x:Hを用いて光スイッチング素子を構成することが
望ましい。使用する光の波長に対する感度特性を考慮
し、光導電体には他にa−SiCx:H、a−SiNx
H、a−SiOx:H、a−SiSnx:H、a−SiO
xy:H等の材料も用いることができる。また、光スイ
ッチング素子は、光導電性を有する半導体のダイオード
構造(例えばpin型、ショットキー型、MIS(Metal
-Insulator-Semiconductor)型)や、それらのダイオー
ド2個を逆向きに直列接続したバックツーバックダイオ
ード構造、あるいは逆向きに並列接続したダイオードリ
ング構造にしてもよい。導光路としては、本発明の実施
例におけるイオン拡散ガラス導光路の他に火炎堆積法や
CVD法により形成される石英系の導光路や高分子材料
からなる導光路、また、石英ファイバー、プラスチック
ファイバー等、導光性能や製造工程の条件を満たすもの
であれば、どれを用いてもよい。ファイバーを使用する
場合のクラッド層には、本実施例に示したクラッド層の
代わりにファイバー自身に存在するクラッドを使用する
とよい。
【0077】なお、液晶表示装置の液晶層はTN(Twist
ed Nematic)モードを用い、液晶材料はMERCK社製
のフッ素系液晶ZLI4792を用いた。液晶表示モー
ドとしては、この他にネマチック液晶を用いたものとし
てゲストホストモード、複屈折制御(ECB:Electric
ally Controlled Birefringence)モード、STN(Super
Twisted Nematic)モード、相転移モード等が可能であ
る。さらにカイラルスメクチック液晶を用いた表面安定
化強誘電液晶(SSFLC:Surface Stabilized Ferro
electric Liquid Crystal)モード、高分子と液晶の複合
膜を用いた高分子複合液晶(PDLC:Polymer Disper
sed Liquid Crystal)等が可能である。
【0078】また、光アドレス方式の液晶表示装置の中
でも特に透過型液晶表示装置の構造を示しているが、絵
素電極に金属膜など反射性を有する材料を用いることに
より、反射型液晶表示装置としても有効である。またカ
ラーフィルターをパネル内に付設することで、カラー表
示も可能である。
【0079】さらに、表示媒体として液晶を使用した液
晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)につい
て説明したが、他の表示媒体を用いた表示装置、例え
ば、エレクトロクロミック表示装置(ECD:Electroc
hromic Display)、電気泳動表示装置(EPD:Electro
phoretic Display)等においても同様の効果を得ること
ができる。
【0080】
【発明の効果】以上、本発明によれば、導光路上の光導
電体層の光取り出し部について、その導光路上の形成位
置による取り出し光量の差が抑えられるので、各光導電
体層が位置によらず均一なスイッチング動作を行い、画
面全体にわたって表示特性が均一な表示装置を提供する
ことができる。この光取り出し部の形状をV溝とすると
加工が容易である。また、この光取り出し部の大きさを
光取り出し部複数個ごとに変化させると加工が容易であ
る。光取り出し部の総数nに対して2以上0.1n以下
のブロックに分割し、各ブロック毎に光取り出し部の大
きさを変化させると、加工性と光取り出しの均一性との
両方の特性を満足させることができる。
【0081】また、本発明によれば、導光路に機械的加
工を施さずに、導光路から光導電体層側に光信号を導く
ことができる。さらに、導光路と光導電体層との接触面
積を伝送経路に沿って大きくしていくことにより、導光
路上の形成位置による取り出し光量の差が抑えられ、各
光導電体層が位置によらず均一なスイッチング動作を行
い、画面全体にわたって表示特性が均一な表示装置を提
供することができる。さらに、本発明によれば、導光路
に機械的加工を施さずに、導光路から中間層を経て光導
電体層側に光信号を導くこともできる。この場合、中間
層を設けることにより、導光路および光導電体層の材料
の限定がゆるやかになる。導光路と中間層および光導電
体層との接触面積を伝送経路に沿って大きくしていくこ
とにより、導光路上の形成位置による取り出し光量の差
が抑えられ、各光導電体層が位置によらず均一なスイッ
チング動作を行い、画面全体にわたって表示特性が均一
な表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の光アドレス方式のアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置を示す平面図。
【図2】図1のG−G’断面における素子構造図。
【図3】本発明の実施例1における導光路上の光取り出
し部の形状を示す断面図。
【図4】本発明の実施例2の光アドレス方式のアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置を示す断面図。
【図5】本発明の実施例3の表示装置における導光路の
模式図。
【図6】各光取り出し部での光取り出し強度を示す図。
【図7】本発明の実施例4における信号配線、光スイッ
チング素子、絵素電極の位置関係を示す斜視図。
【図8】図9のB−B’における断面図。(a)はクラ
ッド層の窓形状が大きい場合を示し、(b)はクラッド
層の窓形状が小さい場合を示す。
【図9】非晶質水素化シリコン(a−Si:H)の、各
波長の光に対する屈折率n2及び消衰係数kの関係図。
【図10】本発明の実施例5における信号配線、光スイ
ッチング素子、絵素電極の位置関係を示す斜視図。
【図11】図9のA−A’における断面図。(a)はク
ラッド層の窓形状が大きい場合を示し、(b)はクラッ
ド層の窓形状が小さい場合を示す。
【図12】本発明の実施例5における信号配線、光スイ
ッチング素子、絵素電極の位置関係を示す斜視図。
【図13】図12のC−C’における断面図。(a)は
クラッド層の窓形状が大きい場合を示し、(b)はクラ
ッド層の窓形状が小さい場合を示す。
【図14】屈折率がそれぞれ異なる三つの層を光が透過
する時の光路を示す。
【図15】本発明実施例6の光アドレス方式の単純マト
リクス型液晶表示装置を示す平面図。
【図16】本願出願人による従来の光アドレス方式のア
クティブマトリクス型液晶表示装置。
【図17】図15のH−H’断面における素子構造図。
【図18】本願出願人による従来の光アドレス方式のア
クティブマトリクス型液晶表示装置における信号配線、
光スイッチング素子および絵素電極の位置関係を示す斜
視図。
【図19】図16のD−D’断面における素子構造図。
【図20】導光路の一端から光を入射した場合の、導光
路の他端から出射する光量と導光路上の光散乱部の個数
との関係を示す図。
【図21】従来例における導光路上の光取り出し部の形
状を示す断面図。
【図22】従来例における導光路を示す模式図。
【符号の説明】
1 ベース基板 2 対向基板 1a、2a ガラス基板 3 クラッド層 4 光取り出し部 5 絵素電極 6 光スイッチング素子 7a、7b 配向膜 8a、8b 遮光膜 9 対向電極 10 発光素子アレイ 11 マイクロレンズアレイ 12 スペーサ 13 液晶

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性のベース基板と、 該ベース基板上に互いに並列して配設される複数の導光
    路と、 該導光路に交差する方向に互いに並列して配設される複
    数の信号配線と、 各導光路と各信号配線との交差部のそれぞれにおいて、
    該導光路と該信号配線とに立体的に挟まれて設けられ、
    該導光路からの光を受けてスイッチング動作を行う複数
    の光導電体層と、 各光導電体層と該導光路に接して設けられた複数の絵素
    電極と、 該ベース基板との間に表示媒体を挟持して対向配置さ
    れ、対向面に対向電極が形成された絶縁性の対向基板
    と、 各導光路上の各光導電体層に対応する位置のそれぞれに
    設けられ、該導光路を伝送される光を各光導電体層に導
    く光取り出し用溝を備え、 該光取り出し用溝の大きさが該導光路の伝送経路に沿っ
    て大きくなっている光アドレス型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記光取り出し用溝がV溝である請求項
    1に記載の光アドレス型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記導光路に沿って隣接する光取り出し
    用溝の複数個を同一の大きさの1組として、前記光取り
    出し用溝の大きさが各組毎に変化している請求項1に記
    載の光アドレス型表示装置。
  4. 【請求項4】 前記光取り出し用溝の大きさの変化の種
    類が、一本の導光路に設けられた光取り出し用溝の数n
    個に対して、2以上0.1n以下の範囲である請求項3
    に記載の光アドレス型表示装置。
  5. 【請求項5】 絶縁性のベース基板と、 該ベース基板上に互いに並列して配設される複数の導光
    路と、 該導光路に交差する方向に互いに並列して配設される複
    数の信号配線と、 各導光路と各信号電極との交差部のそれぞれにおいて、
    該導光路と該信号配線とに立体的に挟まれて、かつ、該
    導光路の導光部に直接接続して設けられ、該導光部から
    の光信号を受けてスイッチング動作を行う複数の光導電
    体層と、 各光導電体層に接続して設けられる複数の絵素電極と、 該ベース基板との間に表示媒体を挟持して対向配置さ
    れ、対向面に対向電極が形成された絶縁性の対向基板と
    を備え、 該導光部の屈折率n1と、該光導電体層の屈折率n2と、
    該導光部から該光導電体層への入射角θとの関係が下記
    式 n1sinθ<n2・・・ を満足するように設定した光アドレス型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記導光部と前記光導電体層との界面の
    面積が該導光路の伝送経路に沿って大きくなっている請
    求項5に記載の光アドレス型表示装置。
  7. 【請求項7】前記導光部と前記光導電体層との界面に中
    間層を設け、該導光路の屈折率n1と、該光導電体層の
    屈折率n2と、該中間層の屈折率n3と、該導光部から該
    中間層への入射角θ1との関係が下記式 n1sinθ1<n2 かつ n1sinθ1<n3・・・ を満足するように設定した光アドレス型表示装置。
  8. 【請求項8】前記導光部と前記中間層との界面の面積が
    該導光路の伝送経路に沿って大きくなっている請求項7
    に記載の光アドレス型表示装置。
  9. 【請求項9】前記中間層が透明導電性材料からなる請求
    項7に記載の光アドレス型表示装置。
  10. 【請求項10】前記表示媒体が液晶である請求項1、請
    求項5または請求項7に記載の光アドレス型表示装置。
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