JPH06194602A - 両眼立体視装置 - Google Patents

両眼立体視装置

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JPH06194602A
JPH06194602A JP4343685A JP34368592A JPH06194602A JP H06194602 A JPH06194602 A JP H06194602A JP 4343685 A JP4343685 A JP 4343685A JP 34368592 A JP34368592 A JP 34368592A JP H06194602 A JPH06194602 A JP H06194602A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】左眼と右眼とにそれぞれ左眼画像と右眼画像と
を呈示し,対象を立体的に見せる両眼立体視装置に関
し,視差が大きく異なる複数の位置で焦点が合う事態を
避け,立体視に伴う疲労の緩和を図ることを目的とす
る。 【構成】入力された左眼画像と右眼画像との間で対応す
る画素同士の相対的なズレ(視差)の大きさを視差検出
部3により検出し,その大きさに応じたボカシ処理を左
眼画像フィルタ部4,右眼画像フィルタ部5により施し
て,左眼画像および右眼画像をそれぞれ表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,左眼と右眼とにそれぞ
れ左眼画像と右眼画像とを呈示し,対象を立体的に見せ
る両眼立体視装置に関するものである。ステレオ映像通
信や遠隔作業用映像伝送,立体映像放送,遠隔監視,立
体映像記録再生,人工立体画像生成など,ステレオ画像
の表示を行う広範囲の分野で利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来の両眼立体視装置では,左眼画像と
右眼画像との画像位置のズレ(以下,視差と呼ぶ)の大
きさに関係なく,画面全体にわたって一様に明瞭な画像
を呈示していた。このため,立体映像を観察する際に
は,観察位置から特定の距離にある表示画面に目の焦点
を合わせつつ,左眼の視線と右眼の視線とがなす角(以
下,輻輳角と呼ぶ)のみが,画像中の注視する位置によ
って異なるという事態が頻繁に生じ,輻輳角の制御(以
下,輻輳制御と呼ぶ)と,眼球内部でレンズの役割を果
たす水晶体の調節(以下,焦点調節と呼ぶ)との間に矛
盾が発生し,その矛盾が,両眼立体視装置を使用する際
に疲労をもたらす大きな要因となっていた。
【0003】〔参考文献〕 [1]:山崎,上條,福住“二眼式時分割立体表示装置
における人間の視覚機能評価”,1992年テレビジョン学
会技術報告,Vol.14, No.20, pp.61-66 (1990). [2]:畑田:“疲れない立体ディスプレイを探る”,
日経エレクトロニクス,No.444, pp.205-223 (1988). こうした問題を克服する目的で,従来は,レンズによる
補正の試みが行われていた。
【0004】〔参考文献〕 [3]:Tachi, Tanie, Komoriya & Kaneko:“Tele-exi
stence(I): Design andEvaluation of a Visual Displa
y with Sensation of Presence”, Proc. RoManSy '84:
The Fifth CISMIFToMM Symposium, pp.245-254 (198
4). しかし,このような従来の方法では,注視位置に応じて
レンズを動かして補正量を調整する必要があり,極めて
高い精度の眼球運動の検出,注視位置の推定,および眼
球運動に追従する高速なレンズ制御が必要であった。
【0005】このため,装置が大規模かつ複雑になるこ
と,眼球運動を検出するために一定重量のマスクを装着
するので観察者にとって煩わしいこと,眼球運動検出誤
差に起因する焦点距離補正量の誤差が相当に生じるこ
と,レンズを物理的に移動させるために時間的に大きな
遅延があることなどの問題点があり,従来技術は,疲労
の緩和にはあまり効果がなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記従来技
術の問題点の解決を図り,輻輳制御と焦点調節との間の
矛盾を発生させないよう,視差が大きく異なる複数の位
置で焦点が合う事態を避ける処理を,簡単な画像処理技
術を用いて実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め,本発明では,観察者から画面までの距離に対して矛
盾の生じない輻輳角となるように左眼画像表示用および
右眼画像表示用の画面を配置し,左眼画像と右眼画像と
の間で対応する画素同士の相対的なズレの大きさに応じ
て異なる程度のボカシ処理を施した左眼画像および右眼
画像を表示するという手段を用いる。
【0008】
【作用】上記手段により生ずる作用について説明する。
左眼画像表示用および右眼画像表示用の画面は,観察者
からの距離(すなわち焦点調節)に対して矛盾の生じな
い輻輳角となるように予め配置されているため,視差が
ゼロ付近となる領域では,輻輳制御と焦点調節との間に
矛盾が生じない。一方,大きな視差を持つ位置では,ボ
ケにより焦点が合わないことから,ここでも輻輳制御と
焦点調節との間の矛盾が生じない。しかも,これらの処
理は,対応点検出および平滑化という基本的な画像処理
で実現することができる。
【0009】以上述べたように,画面の全領域にわたっ
て輻輳制御と焦点調節との間に矛盾が生じにくい両眼画
像を,簡単な画像処理を用いて生成することができると
いう作用効果がある。
【0010】
【実施例】以下に,本発明の実施例について,図面を用
いて説明する。本発明に基づく両眼立体視装置の構成例
を図1に示す。図中の番号1は左眼画像入力部,2は右
眼画像入力部,3は視差検出部,4は左眼画像フィルタ
部,5は右眼画像フィルタ部,6は左眼画像表示部,7
は右眼画像表示部をそれぞれ表す。
【0011】左眼画像入力部1および右眼画像入力部2
から入力された左眼画像および右眼画像は,視差検出部
3,左眼画像フィルタ部4,および右眼画像フィルタ部
5へ送られる。視差検出部3は,左眼画像入力部1から
の左眼画像,および右眼画像入力部2からの右眼画像の
それぞれについて,各画素位置ごとに,対応する点を検
出して視差を求め,左眼画像の各画素位置に対する視差
の値を左眼画像フィルタ部4へ,また,右眼画像の各画
素位置に対する視差の値を右眼画像フィルタ部5へ出力
する。
【0012】左眼画像フィルタ部4は,視差検出部3で
求めた視差の値に応じた大きさの近傍にある画素の平均
値を左眼画像表示部6へ出力する。この平均化操作によ
り,ボケを発生させることができる。ある画素位置(x
i ,yi )における視差の大きさ(絶対値)をd
(xi ,yi )とすると,その近傍を表す座標(x,
y)の範囲は,例えば,xi −{K×d(xi
i )}≦x≦xi +{K×d(xi,yi )}かつ,
i −{K×d(xi ,yi )}≦y≦yi +{K×d
(xi,yi )}なる正方領域となる。Kは,ボケの度
合いを制御する正の定数である。
【0013】一方,右眼画像フィルタ部5は,視差検出
部3で求めた視差の値に応じた大きさの近傍にある画素
の平均値を右眼画像表示部7へ出力する。ある画素位置
(x i ,yi )における視差の大きさがd(xi
i )であるとき,その近傍を表す座標(x,y)の範
囲は,左眼画像と同様にして求めることができる。
【0014】左眼画像表示部6,および右眼画像表示部
7は,それぞれ,観察者の左眼,および観察者の右眼
へ,処理結果の画像を呈示する。視差検出部3の処理例
を図2に示す。図中において,d(x,y)は座標
(x,y)における視差の大きさ,L(x,y)は左眼
画像の座標(x,y)における画素値,R(x,y)は
右眼画像の座標(x,y)における画素値,IthはL
(xi ,yi )とR(xj ,yj )が同じ値であるとみ
なす閾値,Dmax は対象とする視差の最大値をそれぞれ
表す。ここでは,左眼画像中における特定の画素位置に
対する視差の求め方を例にとって説明する。 (イ)まず処理21により,視差の値d(x,y)を0
とする。 (ロ)次に処理22により,左眼画像の画素値L(x,
y),および座標(x,y)に対してd(x,y)だけ
正方向にずれた位置における右眼画像の画素値R(x+
d,y)の差が,Ithよりも大きいか否かを調べる。差
がIthよりも大きい場合には,対応点ではないものとみ
なし,処理を続行する。差がIthよりも大きくない場合
には,対応点であるとみなし,この画素位置における処
理を終了して,次の画素位置での処理に移る。 (ハ)次に処理23により,左眼画像の画素値L(x,
y),および座標(x,y)に対してd(x,y)だけ
負方向にずれた位置における右眼画像の画素値R(x−
d,y)の差が,Ithよりも大きいか否かを調べる。差
がIthよりも大きい場合には,対応点ではないものとみ
なし,処理を続行する。差がIthよりも大きくない場合
には,対応点であるとみなし,この画素位置における処
理を終了して,次の画素位置での処理に移る。 (ニ)次に処理24により,d(x,y)の値を1だけ
増す。 (ホ)次に処理25により,d(x,y)の値がDmax
よりも小さいか否かを調べる。d(x,y)の値がD
max よりも小さい場合には,d(x,y)の値が許容範
囲内とみなし,上記(ロ)から,同様の処理を継続す
る。d(x,y)の値がDmax よりも小さくない場合に
は,d(x,y)の値が許容範囲外とみなし,この画素
位置における処理を終了して,次の画素位置での処理に
移る。 (ヘ)処理を終了した時点におけるd(x,y)の値
が,左眼画像の画素位置(x,y)に対する視差の大き
さとして,左眼画像フィルタ部4へ出力される。
【0015】以上の処理を,左眼画像の全ての画素位置
について行う。また,右眼画像についても,これと同様
の処理を行う。本両眼立体視装置へ入力される左眼画像
および右眼画像の概念図を,それぞれ,図3の(A)お
よび(B)に示す。これらの画像において,外側の斜め
格子模様の領域,および中央の縦横格子模様の領域に
は,僅かに視差がある。両者の中間にある市松模様の領
域には,視差が無く,視差の大きさが0となっている。
【0016】本両眼立体視装置により表示される左眼画
像および右眼画像概念図を,それぞれ,図4の(A)お
よび(B)に示す。これらの画像において,視差がある
領域,すなわち,外側の斜め格子模様の領域,および中
央の縦横格子模様の領域は,平滑化処理が施され,目の
焦点が合いにくくなる。一方,視差のない領域,すなわ
ち,中間にある市松模様の領域は入力画像のままであ
り,容易に目の焦点を合わせることができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
画面の全領域にわたって輻輳制御と焦点調節との間に矛
盾が生じる事態を回避し,両眼立体視装置を使用する際
に伴う疲労を低減または解消する処理を,簡単な画像処
理を用いて実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく両眼立体視装置の構成例を示す
図である。
【図2】本発明の実施例における視差検出部の処理例を
示す図である。
【図3】両眼立体視装置へ入力される左眼画像および右
眼画像の概念図である。
【図4】表示される左眼画像および右眼画像の概念図で
ある。
【符号の説明】
1 左眼画像入力部 2 右眼画像入力部 3 視差検出部 4 左眼画像フィルタ部 5 右眼画像フィルタ部 6 左眼画像表示部 7 右眼画像表示部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左眼と右眼とにそれぞれ左眼画像と右眼
    画像とを呈示し,観察者の両眼立体視機能を利用して対
    象を立体的に見せる両眼立体視装置において,左眼画像
    と右眼画像の画像位置のズレの大きさに応じたボケを,
    両眼画像の各画素位置に与える手段を具備することを特
    徴とする両眼立体視装置。
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