JPH06194333A - イオンセンサ - Google Patents
イオンセンサInfo
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- JPH06194333A JPH06194333A JP3080616A JP8061691A JPH06194333A JP H06194333 A JPH06194333 A JP H06194333A JP 3080616 A JP3080616 A JP 3080616A JP 8061691 A JP8061691 A JP 8061691A JP H06194333 A JPH06194333 A JP H06194333A
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- ion
- electrode
- internal liquid
- liquid
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Abstract
(57)【要約】
【構成】互いに離間されたイオン感応膜及び内部極が臨
み、内部液が注入され得る空間を有するイオン選択電極
である。参照電極は、このイオン感応膜を液絡部に代替
すればよい。こうしたイオン選択電極や参照電極を用い
てイオンセンサを構成できる。不使用時(保存時)に
は、空間には内部液が存在していない。一方、使用時に
は、空間に内部液を注入してイオン感応膜(液絡部)及
び内部極に接触させる。 【効果】内部液は使用時に注入すればよいので、内部液
を使用するにも拘らず、各電極構成部材の経時劣化を気
にしなくて済む一方、使用時には内部液を使用した高精
度測定が可能である。特に、使い捨てが好ましい用途
(例えば血液などの分析)に有用である。又、小型化が
容易であり、微量測定液のイオン活量を測する場合に有
効である。
み、内部液が注入され得る空間を有するイオン選択電極
である。参照電極は、このイオン感応膜を液絡部に代替
すればよい。こうしたイオン選択電極や参照電極を用い
てイオンセンサを構成できる。不使用時(保存時)に
は、空間には内部液が存在していない。一方、使用時に
は、空間に内部液を注入してイオン感応膜(液絡部)及
び内部極に接触させる。 【効果】内部液は使用時に注入すればよいので、内部液
を使用するにも拘らず、各電極構成部材の経時劣化を気
にしなくて済む一方、使用時には内部液を使用した高精
度測定が可能である。特に、使い捨てが好ましい用途
(例えば血液などの分析)に有用である。又、小型化が
容易であり、微量測定液のイオン活量を測する場合に有
効である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医療計測(臨床検査)、
水質検査、食品工業や化学工業におけるプロセス管理な
どに利用され、特に使い捨て用途に適したイオンセンサ
に関する。
水質検査、食品工業や化学工業におけるプロセス管理な
どに利用され、特に使い捨て用途に適したイオンセンサ
に関する。
【0002】
【従来の技術】イオンセンサを構成するイオン選択電極
や参照電極としては、電解質溶液を内部に封入した内部
液構造のものが用いられている。この内部液構造のもの
は、精度はすぐれているが、保守・管理が必要であると
共に小型化が困難である。その点を改善するため、内部
液をゲル化等により固化したり、内部液を用いないよう
にする試みとして次の報告がある。特開昭 63−75
551、同63−26566、同62−218850、
同62−47546など。
や参照電極としては、電解質溶液を内部に封入した内部
液構造のものが用いられている。この内部液構造のもの
は、精度はすぐれているが、保守・管理が必要であると
共に小型化が困難である。その点を改善するため、内部
液をゲル化等により固化したり、内部液を用いないよう
にする試みとして次の報告がある。特開昭 63−75
551、同63−26566、同62−218850、
同62−47546など。
【0003】
【従来技術の問題点】しかし、ゲル化剤や吸水性樹脂を
用いて内部液をゲル化したもの(特開昭63−2656
6、同62−218850、同62−47546)は、
内部液性状を完全に維持するのは難しく、長期間にわた
る保存においては、測定精度が劣化する。一方、完全に
固体状の電極(特開昭63−75551)では、測定精
度やその出力電位の安定性(再現性、個体差等)の点で
従来の内部液を用いるものよりは性能が劣る。
用いて内部液をゲル化したもの(特開昭63−2656
6、同62−218850、同62−47546)は、
内部液性状を完全に維持するのは難しく、長期間にわた
る保存においては、測定精度が劣化する。一方、完全に
固体状の電極(特開昭63−75551)では、測定精
度やその出力電位の安定性(再現性、個体差等)の点で
従来の内部液を用いるものよりは性能が劣る。
【0004】イオンセンサの用途のひとつとして、血液
や尿中の電解質成分の分析があるが、この場合、センサ
の使い捨て使用が衛生上望ましく、また高い精度と保存
安定性が要求されている。しかし、従来技術において
は、満足すべきセンサが得られていない。
や尿中の電解質成分の分析があるが、この場合、センサ
の使い捨て使用が衛生上望ましく、また高い精度と保存
安定性が要求されている。しかし、従来技術において
は、満足すべきセンサが得られていない。
【0005】
【問題点を解決するための手段】本発明のイオン選択電
極は互いに離間されたイオン感応膜及び内部極が臨み、
内部液が注入され得る空間を有することを特徴とする。
又、参照電極については、前記イオン感応膜を液絡部に
代替すればよい。更に、こうしたイオン選択電極や参照
電極を使用することによってイオンセンサを構成でき
る。
極は互いに離間されたイオン感応膜及び内部極が臨み、
内部液が注入され得る空間を有することを特徴とする。
又、参照電極については、前記イオン感応膜を液絡部に
代替すればよい。更に、こうしたイオン選択電極や参照
電極を使用することによってイオンセンサを構成でき
る。
【0006】
【作用】不使用時においては、前記空間には内部液が存
在しておらず、この状態で保存することにより、感応膜
及び内部極についての経時劣化を気にしなくて済む。即
ち、従来のように不使用時においてもイオン感応膜と内
部液とが接触している場合、感応膜成分が内部液中に溶
出したり、感応膜のイオンと内部液のイオンとがイオン
交換して感応膜の組成が変化して、イオン感応性、従っ
て出力信号に変動をきたす。特に、イオン感応膜が固体
電解質からなるイオン選択電極にあっては、その感応膜
(固体電解質)の劣化が大きい。又、内部極と内部液と
が接触している場合、通常の内部極であるAg/AgC
l電極を例にとれば、Agが内部液中に溶出してやはり
出力信号に変動をきたす。しかし、本発明にあっては、
長期間にわたる保存においても、こうしたイオン感応膜
及び内部極の変化が起こらず、その精度を高く維持でき
る。
在しておらず、この状態で保存することにより、感応膜
及び内部極についての経時劣化を気にしなくて済む。即
ち、従来のように不使用時においてもイオン感応膜と内
部液とが接触している場合、感応膜成分が内部液中に溶
出したり、感応膜のイオンと内部液のイオンとがイオン
交換して感応膜の組成が変化して、イオン感応性、従っ
て出力信号に変動をきたす。特に、イオン感応膜が固体
電解質からなるイオン選択電極にあっては、その感応膜
(固体電解質)の劣化が大きい。又、内部極と内部液と
が接触している場合、通常の内部極であるAg/AgC
l電極を例にとれば、Agが内部液中に溶出してやはり
出力信号に変動をきたす。しかし、本発明にあっては、
長期間にわたる保存においても、こうしたイオン感応膜
及び内部極の変化が起こらず、その精度を高く維持でき
る。
【0007】そして使用時には、前記空間に内部液を注
入することによってイオン感応膜と内部極との間(参照
電極の場合は液絡部と内部極との間)に内部液を介在さ
せる。そして測定試料液をイオン選択電極のイオン感応
膜及び参照電極の液絡部に滴下等して測定を行なう。
入することによってイオン感応膜と内部極との間(参照
電極の場合は液絡部と内部極との間)に内部液を介在さ
せる。そして測定試料液をイオン選択電極のイオン感応
膜及び参照電極の液絡部に滴下等して測定を行なう。
【0008】
【実施例】図1〜3に示す様に、2つの流路(1)、
(2)を持つアルミナ製絶縁支持管(3)の各々の流路
に臨ませて銀/塩化銀電極(4)、(5)を形成し、こ
の電極(4)、(5)に接しない様に対向させてイオン
感応膜としてのナシコンセラミック(6)と液絡部とし
ての多孔質アルミナセラミック(7)を設けた。イオン
感応膜(6)と液絡部(7)は絶縁支持管(3)の外表
面にも露出させ、イオン感応膜(6)上に試料液を滴下
した時に液絡部(7)上にも試料液が接する様にした。
また、流路(1)、(2)のそれぞれの出入口にシリコ
ーンチューブ(8)を接続し、使用時に注入される内部
電解質溶液(内部液)の保持と短絡防止を図った。
(2)を持つアルミナ製絶縁支持管(3)の各々の流路
に臨ませて銀/塩化銀電極(4)、(5)を形成し、こ
の電極(4)、(5)に接しない様に対向させてイオン
感応膜としてのナシコンセラミック(6)と液絡部とし
ての多孔質アルミナセラミック(7)を設けた。イオン
感応膜(6)と液絡部(7)は絶縁支持管(3)の外表
面にも露出させ、イオン感応膜(6)上に試料液を滴下
した時に液絡部(7)上にも試料液が接する様にした。
また、流路(1)、(2)のそれぞれの出入口にシリコ
ーンチューブ(8)を接続し、使用時に注入される内部
電解質溶液(内部液)の保持と短絡防止を図った。
【0009】2つの銀/塩化銀電極(4)、(5)の端
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gCl−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間も(電位が安定す
るまでの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較例
センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れてい
た(表1)。
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gCl−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間も(電位が安定す
るまでの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較例
センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れてい
た(表1)。
【表1】
【0010】又、流路の出入口に備えられる接続管
(8)を電極端子(41)、(51)と同一方向に配置
させると共に、エレクトロメータ(9)と内部液注入機
構を一体化させることにより、測定時において、接続管
(8)と内部液注入機構との接続及び電極端子(4
1)、(51)とエレクトロメータ(9)との接続をワ
ンタッチで行うこともできる。これによって、イオンセ
ンサがコンパクト化されると共に、測定操作がより簡便
となる。
(8)を電極端子(41)、(51)と同一方向に配置
させると共に、エレクトロメータ(9)と内部液注入機
構を一体化させることにより、測定時において、接続管
(8)と内部液注入機構との接続及び電極端子(4
1)、(51)とエレクトロメータ(9)との接続をワ
ンタッチで行うこともできる。これによって、イオンセ
ンサがコンパクト化されると共に、測定操作がより簡便
となる。
【0011】内部液は流路(1)、(2)及び接続管
(8)を介して循環して使用できる。この場合、使用後
においてその循環経路を洗浄することにより、繰返し使
用することもできる。又、接続管(8)を流路(1)、
(2)の入口側にだけ備え、流路(1)、(2)内へ注
入するだけの構成(流出経路を有さないもの)としても
よい。使い捨て用途の場合に適する。
(8)を介して循環して使用できる。この場合、使用後
においてその循環経路を洗浄することにより、繰返し使
用することもできる。又、接続管(8)を流路(1)、
(2)の入口側にだけ備え、流路(1)、(2)内へ注
入するだけの構成(流出経路を有さないもの)としても
よい。使い捨て用途の場合に適する。
【0012】絶縁支持管(3)はセラミックの他、樹脂
(テフロン、ABS樹脂又はシリコーン樹脂など)など
を用いても良い。イオン感応膜(6)はベータ・アルミ
ナや、イオン伝導性ガラスなどを用いても良い。液絡部
(7)は多孔質セラミックに限ることなく、内部液と測
定液とをつなぐ働きを持ち特に液に不溶性のものであれ
ば良く、ピンホールを有するプラスチック膜などでもよ
い。また、内部液は特に限定されず、例えば解離度が高
く安定な飽和KCl溶液など既知のものが使用可能であ
る。流路(1)、(2)内に液浸透材例えば綿状パルプ
を存在させることにより、内部液を流路においてムラな
く均質に浸透させて、イオン感応膜(6)、液絡部
(7)及び銀/塩化銀電極(4)、(5)を接触させる
ようにしてもよい。
(テフロン、ABS樹脂又はシリコーン樹脂など)など
を用いても良い。イオン感応膜(6)はベータ・アルミ
ナや、イオン伝導性ガラスなどを用いても良い。液絡部
(7)は多孔質セラミックに限ることなく、内部液と測
定液とをつなぐ働きを持ち特に液に不溶性のものであれ
ば良く、ピンホールを有するプラスチック膜などでもよ
い。また、内部液は特に限定されず、例えば解離度が高
く安定な飽和KCl溶液など既知のものが使用可能であ
る。流路(1)、(2)内に液浸透材例えば綿状パルプ
を存在させることにより、内部液を流路においてムラな
く均質に浸透させて、イオン感応膜(6)、液絡部
(7)及び銀/塩化銀電極(4)、(5)を接触させる
ようにしてもよい。
【0013】絶縁支持管(3)の製作は例えば、アルミ
ナを主成分とするグリーンシートを多数枚用意し、所定
形状に切断しまたは打ち抜いた後、積層圧着し、焼成す
ることにより行う。アルミナを主成分とする顆粒を加圧
成形し、ドリル等で穿設加工した後、焼成しても良い。
又、銀/塩化銀電極(4)、(5)の形成は、例えば、
焼成前の絶縁支持管(3)にW、Moなどのメタライズ
ペーストを印刷し、焼成後にその上にAgを印刷、焼き
付けしまたはメッキし、ついでAg表面に塩酸を接触さ
せた状態で電流を流し、Ag表面にAgClを析出させ
ることにより行う。絶縁支持管(3)の材質が結晶化ガ
ラス等の低温焼結セラミックスの場合、焼成前にAgペ
ーストを直接印刷し、同時焼成しても良い。また、支持
管(3)の材質が樹脂の場合、Ag板の外周にその一部
を露出させて、支持管(3)をモールド成形し、その後
Ag板の露出表面にAgClを析出させることができ
る。
ナを主成分とするグリーンシートを多数枚用意し、所定
形状に切断しまたは打ち抜いた後、積層圧着し、焼成す
ることにより行う。アルミナを主成分とする顆粒を加圧
成形し、ドリル等で穿設加工した後、焼成しても良い。
又、銀/塩化銀電極(4)、(5)の形成は、例えば、
焼成前の絶縁支持管(3)にW、Moなどのメタライズ
ペーストを印刷し、焼成後にその上にAgを印刷、焼き
付けしまたはメッキし、ついでAg表面に塩酸を接触さ
せた状態で電流を流し、Ag表面にAgClを析出させ
ることにより行う。絶縁支持管(3)の材質が結晶化ガ
ラス等の低温焼結セラミックスの場合、焼成前にAgペ
ーストを直接印刷し、同時焼成しても良い。また、支持
管(3)の材質が樹脂の場合、Ag板の外周にその一部
を露出させて、支持管(3)をモールド成形し、その後
Ag板の露出表面にAgClを析出させることができ
る。
【0014】本発明のイオン選択電極と参照電極は、前
記実施例のように一体化することにより最も効果的とな
るが、イオン選択電極や参照電極を夫々単独で使用し、
既知の参照電極又はイオン選択電極と組合せて使用して
もよい。本発明のイオン選択電極、参照電極及びイオン
センサは、Naイオンの他、各種イオンの活量測定に広
く適用可能である。
記実施例のように一体化することにより最も効果的とな
るが、イオン選択電極や参照電極を夫々単独で使用し、
既知の参照電極又はイオン選択電極と組合せて使用して
もよい。本発明のイオン選択電極、参照電極及びイオン
センサは、Naイオンの他、各種イオンの活量測定に広
く適用可能である。
【0015】
【発明の効果】内部液は測定時に注入すればよいので、
各電極構成部材(内部液、イオン感応膜、内部極など)
の状態を初期と同じままに維持でき、内部液をそのまま
使用するにも拘らず、メンテナンスフリーで高精度測定
が可能となる。即ち、従来の内部液(ゲル化したもの等
も含む)を用いた電極ないしはセンサでは、通例半年か
ら1年もすると内部液等に経時変化をきたし、測定精度
を低下することとなるが、本発明の電極ないしはセンサ
によれば、非使用時には内部液が注入されておらず、そ
の内部液と各電極構成部材との接触に基づく経時変化
(劣化)がそもそも問題とならないので、その経時劣化
を気にすることなく、使用時において初期状態と同様に
高精度の測定が可能である。内部液に溶出し易い固体電
解質を感応膜として用いるイオン選択電極の場合は、特
に、感応膜(固体電解質)の劣化を抑える効果が大き
い。もっとも、いったん使用した場合、僅かなりとも、
従来技術と同様な問題を生ずるおそれがある。従って、
使用時において常に高い精度の測定が要求される一方使
い捨てが好ましい用途、例えば血液や尿などを分析する
医療計測に極めて有効である。
各電極構成部材(内部液、イオン感応膜、内部極など)
の状態を初期と同じままに維持でき、内部液をそのまま
使用するにも拘らず、メンテナンスフリーで高精度測定
が可能となる。即ち、従来の内部液(ゲル化したもの等
も含む)を用いた電極ないしはセンサでは、通例半年か
ら1年もすると内部液等に経時変化をきたし、測定精度
を低下することとなるが、本発明の電極ないしはセンサ
によれば、非使用時には内部液が注入されておらず、そ
の内部液と各電極構成部材との接触に基づく経時変化
(劣化)がそもそも問題とならないので、その経時劣化
を気にすることなく、使用時において初期状態と同様に
高精度の測定が可能である。内部液に溶出し易い固体電
解質を感応膜として用いるイオン選択電極の場合は、特
に、感応膜(固体電解質)の劣化を抑える効果が大き
い。もっとも、いったん使用した場合、僅かなりとも、
従来技術と同様な問題を生ずるおそれがある。従って、
使用時において常に高い精度の測定が要求される一方使
い捨てが好ましい用途、例えば血液や尿などを分析する
医療計測に極めて有効である。
【0016】また、イオン選択電極と参照電極とを一体
化して小型イオンセンサとすることも容易である。特
に、各電極構成部材の経時劣化を気にしなくて済むの
で、メンテナンスが不要となり測定精度を高水準に維持
しつつ極めて小型化できる。従って微量測定液について
イオン活量を測定する場合に有効である。
化して小型イオンセンサとすることも容易である。特
に、各電極構成部材の経時劣化を気にしなくて済むの
で、メンテナンスが不要となり測定精度を高水準に維持
しつつ極めて小型化できる。従って微量測定液について
イオン活量を測定する場合に有効である。
【図1】実施例のイオンセンサ(イオン選択電極及び参
照電極からなる)を示す平面図、
照電極からなる)を示す平面図、
【図2】実施例のイオンセンサを示す断面図
【図3】実施例のイオンセンサの使用状態(測定時の状
態)を示す側面図
態)を示す側面図
【図4】実施例のイオン選択電極及び参照電極からなる
イオンセンサを用いた測定試験において、Naイオン濃
度に基づく電位変化を示すグラフ
イオンセンサを用いた測定試験において、Naイオン濃
度に基づく電位変化を示すグラフ
1、2 流路(空間) 4、5 銀/塩化銀電極(内部極) 6 ナシコンセラミック(イオン感応膜) 7 多孔質アルミナセラミック(液絡部)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年5月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【作用】不使用時においては、前記空間には内部液が存
在しておらず、この状態で保存することにより、感応膜
及び内部極についての経時劣化を気にしなくて済む。即
ち、従来のように不使用時においてもイオン感応膜と内
部液とが接触している場合、感応膜成分が内部液中に溶
出したり、感応膜のイオンと内部液のイオンとがイオン
交換して感応膜の組成が変化して、イオン感応性、従っ
て出力信号に変動をきたす。特に、イオン感応膜が固体
電解質からなるイオン選択電極にあってはその感応膜
(固体電解質)の劣化が大きい。又、内部極と内部液と
が接触している場合、通常の内部極であるAg/AgC
l電極を例にとれば、AgClが内部液中に溶出してや
はり出力信号に変動をきたす。しかし、本発明にあって
は、長期間にわたる保存においても、こうしたイオン感
応膜及び内部極の変化が起こらず、その精度を高く維持
できる。
在しておらず、この状態で保存することにより、感応膜
及び内部極についての経時劣化を気にしなくて済む。即
ち、従来のように不使用時においてもイオン感応膜と内
部液とが接触している場合、感応膜成分が内部液中に溶
出したり、感応膜のイオンと内部液のイオンとがイオン
交換して感応膜の組成が変化して、イオン感応性、従っ
て出力信号に変動をきたす。特に、イオン感応膜が固体
電解質からなるイオン選択電極にあってはその感応膜
(固体電解質)の劣化が大きい。又、内部極と内部液と
が接触している場合、通常の内部極であるAg/AgC
l電極を例にとれば、AgClが内部液中に溶出してや
はり出力信号に変動をきたす。しかし、本発明にあって
は、長期間にわたる保存においても、こうしたイオン感
応膜及び内部極の変化が起こらず、その精度を高く維持
できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】2つの銀/塩化銀電極(4)、(5)の端
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gCl−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間(電位が安定する
までの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較例
センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れてい
た(表1)。
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gCl−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間(電位が安定する
までの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較例
センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れてい
た(表1)。
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】表1
【補正方法】変更
【補正内容】
【表1】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月4日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】2つの銀/塩化銀電極(4)、(5)の端
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gC1−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間(電位が安定する
までの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較
例センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れて
いた(表1)。
子(41)、(51)にエレクトロメータ(9)を接続
し、シリコーンチューブ(8)より内部液として飽和A
gC1−1M−KCl溶液を注入し、更に、支持管外表
面のイオン感応膜(6)上に測定試料液(10)とし
て、所定濃度のNaCl溶液を滴下し、エレクトロメー
タにて2つの電極間の電位差を測定した。各種濃度のN
aCl溶液に対して得られた応答は、ネルンストの式に
従うものであった(図4)。応答時間(電位が安定する
までの時間)も滴下後約30〜60秒と短かった。ま
た、100mMのNaCl溶液について10個の上記実
施例センサを用いて出力電位を調べた。尚、比較例の電
極として、全固体型のナトリウムイオン選択電極(イオ
ン感応膜がナシコンセラミック、内部極がカーボン樹
脂)及び市販の参照電極を組み合わせたものを用い、両
電極を試料液に浸漬することにより、同様に10個の比
較例センサについても出力電位を調べた。その結果、本
実施例センサについては、個々のセンサ間の出力電位の
ばらつき(変動係数CV)も0.3%以内であり、比較
例センサ間のばらつき(約6%)に比べて格段に優れて
いた(表1)。
【表1】
Claims (4)
- 【請求項1】互いに離間されたイオン感応膜及び内部極
が臨み、内部液が注入され得る空間を有することを特徴
とするイオン選択電極。 - 【請求項2】イオン感応膜が固体電解質であることを特
徴とする請求項1記載のイオン選択電極。 - 【請求項3】互いに離間された液絡部及び内部極が臨
み、内部液が注入され得る空間を有することを特徴とす
る参照電極。 - 【請求項4】請求項1記載のイオン選択電極及び請求項
3記載の参照電極の少なくとも一からなることを特徴と
するイオンセンサ。
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---|---|---|---|
JP3080616A JP2859458B2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | イオンセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3080616A JP2859458B2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | イオンセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06194333A true JPH06194333A (ja) | 1994-07-15 |
JP2859458B2 JP2859458B2 (ja) | 1999-02-17 |
Family
ID=13723277
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3080616A Expired - Fee Related JP2859458B2 (ja) | 1991-03-20 | 1991-03-20 | イオンセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2859458B2 (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008129009A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | General Electric Co <Ge> | 液体中の汚染物質の検出方法 |
JP2008129011A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | General Electric Co <Ge> | 液体中の汚染物質を検出する装置及びそれを使用するためのシステム |
US9536122B2 (en) | 2014-11-04 | 2017-01-03 | General Electric Company | Disposable multivariable sensing devices having radio frequency based sensors |
US9538657B2 (en) | 2012-06-29 | 2017-01-03 | General Electric Company | Resonant sensor and an associated sensing method |
US9638653B2 (en) | 2010-11-09 | 2017-05-02 | General Electricity Company | Highly selective chemical and biological sensors |
US9658178B2 (en) | 2012-09-28 | 2017-05-23 | General Electric Company | Sensor systems for measuring an interface level in a multi-phase fluid composition |
US9746452B2 (en) | 2012-08-22 | 2017-08-29 | General Electric Company | Wireless system and method for measuring an operative condition of a machine |
US10598650B2 (en) | 2012-08-22 | 2020-03-24 | General Electric Company | System and method for measuring an operative condition of a machine |
US10684268B2 (en) | 2012-09-28 | 2020-06-16 | Bl Technologies, Inc. | Sensor systems for measuring an interface level in a multi-phase fluid composition |
US10914698B2 (en) | 2006-11-16 | 2021-02-09 | General Electric Company | Sensing method and system |
CN113588759A (zh) * | 2021-07-12 | 2021-11-02 | 成都云芯医联科技有限公司 | 一种虹吸式离子选择电极电解质检测试纸 |
-
1991
- 1991-03-20 JP JP3080616A patent/JP2859458B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9658178B2 (en) | 2012-09-28 | 2017-05-23 | General Electric Company | Sensor systems for measuring an interface level in a multi-phase fluid composition |
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US9536122B2 (en) | 2014-11-04 | 2017-01-03 | General Electric Company | Disposable multivariable sensing devices having radio frequency based sensors |
CN113588759A (zh) * | 2021-07-12 | 2021-11-02 | 成都云芯医联科技有限公司 | 一种虹吸式离子选择电极电解质检测试纸 |
CN113588759B (zh) * | 2021-07-12 | 2024-01-23 | 成都云芯医联科技有限公司 | 一种虹吸式离子选择电极电解质检测试纸 |
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---|---|
JP2859458B2 (ja) | 1999-02-17 |
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Legal Events
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