JPH0619427U - 屋外における鑑賞用植物の植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉢の設置高さを容易に変更でき、頻繁に手入
れすることなく植物を生存させることができ、鉢の交換
のみによって季節に合った植物を供給できる鑑賞用の植
木鉢を提供する。 【構成】 支柱１を鉛直状態に設ける。支柱１に移動部
材挿入孔２を設ける。移動部材挿入孔２に挿入できる移
動部材３を設ける。移動部材に螺合する固定部材５を設
ける。移動部材３に連続する支持部７を設ける。支持部
７の中空部９に嵌挿できる鉢本体部１４を設ける。鉢本
体部８の開口部ａには突出部１０が設けられている。鉢
本体部８の内部には、下側に保水材料層１４、上側に配
合土層１５が設けられている。鉢本体部Ａのその面に複
数の排水孔１２が設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、屋外において鑑賞用植物を植栽する植木鉢、特に、路肩および中央 分離帯などにおいて、植物を植栽して設置できる植木鉢に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の植木鉢は、底面中央に排水用の孔が設けられたものであって、その内部 には専ら配合土が入れられていた。

【０００３】 また、路肩および中央分離帯においては、手入れをしなくとも生存できるよう に比較的丈夫な植物が選択され、しかも植木鉢を使用することなく、当該部分に 直接植栽するものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前者の植木鉢は、一般的には容易に手入れのできるような場所に載置 するものであり、成育用として使用されるものであり、これを鑑賞用として使用 する場合には、ほとんど同一の高さに並べられるものであって、外観を良くする ために周囲の植物よりも高い位置に設置しようとするときには、設置用の棚を設 けることによらざるを得ず、その後に高さを変更しようとするときには、当該設 置用の棚の高さそのものを変更しなければならないことから、非常に不便なもの であった。

【０００５】 しかも、この植木鉢は、水が鉢の内部に流入した際、または、水を多く与え過 ぎた際に、植物の根が長期間水に浸漬し、腐敗することを防止するために、底面 に排水用の孔を設けたものであることから、仮に、これを屋外に放置した場合に は、降雨による雨水が鉢の内部に流入したとしても、そのほとんどが、外部へ排 出され、その後２、３日程度降雨がなければ、水不足によって植物は枯れてしま い、管理のために非常に手間のかかるものであった。

【０００６】 一方、後者のものは、植栽された植物の開花時期でなければ、開花状態の植物 を鑑賞することはできず、その時期を除けば、華やかさに欠け、あまり変化のな いものであるとともに、路肩および中央分離帯に直接植栽される植物については 、比較的丈夫な植物である必要性から、その種類は極めて制限され、その結果、 ほとんどの道路周辺が同様の植物を植栽された状態となり、自動車運転中の運転 者にとっては、渋滞などによるイライラを解消する効果は全くなかった。

【０００７】 本考案は、上記諸点にかんがみ、鉢の設置高さを容易に変更でき、頻繁に手入 れすることなく植物を生存させることができ、鉢本体の交換のみによって季節に 合った植物を供給できる鑑賞用の植木鉢を提供するとともに、さらに、これを路 肩および中央分離帯に設置したときには、自動車運転者が多種類の植物を鑑賞で きることによって、運転中のイライラ等を多少なりとも解消できるような植木鉢 を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記の目的を達成するために、下部を地中に埋設して鉛直状態にし た支柱と、移動手段によって該支柱の範囲内を移動できる移動部材と、該移動部 材を支柱の一部で固定する固定部材と、該移動部材に連続する薄肉の筒状の支持 部と、本体部を該支持部の中空内に嵌挿できる大きさにするとともに、開口部か ら横方向へ突出して該支持部で支持される鉢体とを備え、さらに、鉢体内におい て下側に保水材料層を、上側に配合土層をそれぞれ設け、該保水材料層と該配合 土層との境界位置より若干下方の鉢体本体部側面に複数の排水孔を設けてなる構 成とした。

【０００９】

【作用】

上記のような構成にすれば、移動部材は、支柱に沿って移動でき、かつ、該移 動部材は固定部材によって固定できるようになっていることから、鉛直状態の支 柱のうちの適当な位置で移動部材を固定することができ、さらに、該移動部材に は筒状の支持部が連続していることから、該支持部の高さを自由に調節すること ができる。

【００１０】 一方、鉢体には予め植物を植栽しておき、固定状態の支持部の中空内に、上部 から鉢体の本体部を嵌挿すれば、開口部の突出部分が支持部に当接するととなり 、この支持部によって支持されることとなるから、高さを調節した支持部の位置 において植物が植栽された鉢体を設置し得るものである。

【００１１】 ここで、鉢体の本体部の側面に複数の排水孔を設けることにより、降雨によっ て鉢体内に入った雨水は、当該鉢体内底部に溜ることとなるが、この雨水の水位 が、排水孔の位置まで上昇したときには、当該排水孔を通って外部へ放出でき、 植物を生存させるために必要な水分のみを鉢体内に保存させることができるもの であり、さらに、鉢体内においては、下側、すなわち、底面から数センチメート ル程度の範囲に吸水材料層を、その上部には配合土層を設けるものであることか ら、鉢体内に保存される水は、保水材料層内に存在することとなり、降雨がなく 植物が水分を欲するときには、保水材料層まで伸びた植物の根から水分を吸収で きることとなるので、鉢体内に植栽された植物を手入れせずに長期間放置したと しても、植物が枯れることがなくなるものである。

【００１２】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 本考案は、図１に示すようなものであって、まず、支柱１はその下部が地中に 埋設されており、鉛直状態となっている。支柱１には適当な間隔で移動部材挿入 孔２が設けられ、移動部材３は、この移動部材挿入孔２に挿入できるようになっ ており、挿入すべき移動部材挿入孔２を変更することにより、その位置を容易に 移動させることができる。移動部材３の先端４にはねじ溝が刻設されており、か つ、固定部材５は、その内面６に移動部材のねじと螺合するねじ溝が刻設されて おり、これらの締着によって支柱１に固定できるようになっている。薄肉の筒状 に成形された支持部７は移動部材３に連続しており、移動部材３を移動すること によって支持部７の位置を変化させることができるようになっている。鉢本体部 ８は支持部７の中空部９よりも小さく構成し、支持部７の中空部９の内部に嵌挿 できるようになっており、この鉢本体部８の開口部ａには、支持部７よりも大き く突出する突出部１０が設けられ、鉢本体部８を支持部７の中空部９の内部に嵌 挿させたときに、突出部１０が支持部７の上部１１に当接して、鉢体Ａが支持部 ７によって支持されるようになっている。

【００１３】 また、図２に示すように、鉢体Ａの内部においては、底面１３の付近に保水材 料層１４が、その上部には配合土層１５が設けられており、鉢体Ａの側面１６に は複数の排水孔１２が設けられていることから、鉢体Ａに流入する雨水のうちの 不必要な水を外方へ排出できるようになっている。

【００１４】 ここで、鉢本体部８の側面１６に設けた排水孔１２と保水材料層１４について 説明すれば、植物を生存させるためには配合土が必要となるが、それだけでは植 物を長期間生存させることはできず、適度な水分が不可欠である。しかし、限度 を超えて水を与えたのでは、逆に植物の根が腐敗してしまい、つまり、長期間生 存させることは不可能となる。そのために、適度な水量だけを鉢体Ａに保存させ るとともに、不必要な水は鉢体Ａより外方へ排除することが要求される。

【００１５】 そこで、多量の雨水が鉢体Ａ内へ流入するときには、当然にその開口部ａから 流入するのであるが、この雨水は、配合土層１５を通過して保水材料層１４まで 下降し、鉢体Ａの底面１３に溜ることとなり、この水量が増加して、その水位が 排水孔１２の高さまで達したときに、排水孔１２から外方へ排出されることとな るものである。

【００１６】 そして、降雨による水分の供給がなく、植物が水分を欲するときには、植物の 根の先端部分はこの保水材料層１４に到達していることから、この根によって保 水材料層１４にある水分を吸収できるようになっている。

【００１７】 ここで、保水材料層１４を構成する保水材料は、化学繊維によるものでも良い が、その上に配合土を入れることから、その重量によって、押し潰されるおそれ があり、また、変質等の可能性もあることから、多孔質焼成粒土を用いるのが最 適である。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように、本考案は、鉢体を支持する支持部材の高さを移動部材によって 調節できることから、鉢体の設置高さを容易に変更できるものであり、また、鉢 体は、その開口部のみが支持部によって支持されるものであり、鉢本体部は支持 部の中空内部に嵌挿するものであることから、着脱は極めて簡便であり、鉢体を 他の植物を植栽した鉢体と交換することによって異なる種類の植物を容易に供給 できるものである。

【００１９】 さらに、鉢体内部に保水材料層を設けたことにより、水を供給する必要がなく り、また、鉢体の設置高さを調節して、十分に太陽光が当たる位置に設置してお けば、手入れすることなく植物を生存させることができるものである。

【００２０】 なお、前記のように、多種類の植物を交換できるものであるから、路肩および 中央分離帯に設置すれば、自動車運転手は、信号による停止時、または、渋滞の 際に多種類の植物を鑑賞できることとなり、運転中の気分をリラックスさせるこ とができると思われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる植木鉢の説明図

【図２】鉢本体部の断面図

【符号の説明】 １ 支柱 ２ 移動部材挿入孔 ３ 移動部材 ４ 移動部材先端 ５ 固定部材 ６ 固定部材内面 ７ 支持部 ８ 鉢本体部 ９ 中空部 １０ 突出部 １１ 支持部の上部 １２ 排水孔 １３ 鉢体底面 １４ 保水材料層 １５ 配合土層 １６ 鉢体側面 Ａ 鉢体 ａ 鉢本体部開口部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部を地中に埋設して鉛直状態にした支
   柱と、移動手段によって該支柱の範囲内を移動できる移
   動部材と、該移動部材を支柱の一部で固定する固定部材
   と、該移動部材に連続する薄肉の筒状の支持部と、本体
   部を該支持部の中空内に嵌挿できる大きさにするととも
   に、開口部から横方向へ突出して該支持部で支持される
   鉢体とを備えたことを特徴とする屋外における鑑賞用植
   物の植木鉢。
2. 【請求項２】 前記鉢体内において下側に保水材料層
   を、上側に配合土層をそれぞれ設け、該保水材料層と該
   配合土層との境界位置より若干下方の鉢体本体部側面に
   複数の排水孔を設けてなる請求項１記載の屋外における
   鑑賞用植物の植木鉢。