JPH0619424U - 高枝鋏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワンタッチ式にポール柄自体の長さとポール
柄内における鋏と鋏操作レバーとを連結する連結機構の
長さ変更ができる構造簡単な高枝鋏を提供する。 【構成】 高枝鋏のポール柄内における鋏と鋏操作レバ
ーとを連結する連結機構５が、鋏操作レバー４に連結さ
れ、基部ポール上端部に位置して先部ポール内に収嵌さ
れた中継ぎ部材６と、鋏２に連結され、中継ぎ部材に挿
通した帯状部材９と、該帯状部材に所定の間隔で設けた
複数個の係止孔１０と、該係止孔に対応して先部ポール
に設けた複数個の係止孔１１と、前記中継ぎ部材に設け
られ、帯状部材の係止孔に選択的に係脱する連結ピン１
４と、該連結ピンを帯状部材側から離す方向に付勢する
引上げバネ１５と、中継ぎ部材に枢着され、連結ピンに
連係した押圧部材１６と、中継ぎ部材に対応してポール
柄外からポール柄内に出入り自在に設けられ、先部ポー
ルの係止孔を貫通して押圧部材に圧接される固縛ピン１
７と、該固縛ピンをポール柄内に押入する方向に付勢す
る押込みバネ１９を備えたことを特徴とする高枝鋏であ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は果樹の枝の剪定などに使用される高枝鋏に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、基部ポールに先部ポールを摺嵌して伸縮自在なポール柄を構成し、 該ポール柄上端に鋏を配装し、下端に固定ハンドルと鋏操作レバーを設け、前記 鋏と鋏操作レバーをポール柄内に設けた長さ変更可能な連結機構によって連結し た構成の高枝鋏が提案されており、ポール柄長が伸長状態と短縮状態の二様に変 更できる構成のものの他、段階的にポール柄長を変更可能にしたものなどがある 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記する従来の高枝鋏で、段階的にポール柄長を変更可能なものにあっては、 ポール柄自体の長さ変更に合わせてポール柄内において鋏と鋏操作レバーとを連 結する連結機構の長さを変更させなければならないため、この連結機構が複雑な 構成となり、使用時における取り扱い面から面倒なところがある。また、部品点 数を多くして組み立て、分解に時間が掛かり、製作コストを高くするばかりでな く、メンテナンス面からも不便がある。

【０００４】 この考案は上述の点に鑑みなされたものであって、ワンタッチ式にポール柄自 体の長さとポール柄内における鋏と鋏操作レバーとを連結する連結機構の長さ変 更ができる構造簡単な高枝鋏を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するためのこの考案の要旨とするところは、基部ポールに先 部ポールを摺嵌して伸縮自在なポール柄を構成し、該ポール柄上端に鋏を配装し 、下端に固定ハンドルと鋏操作レバーを設け、前記鋏と鋏操作レバーをポール柄 内に設けた長さ変更可能な連結機構によって連結した高枝鋏において、前記連結 機構が、鋏操作レバーに連結され、基部ポール上端部に位置して先部ポール内に 収嵌された中継ぎ部材と、鋏に連結され、中継ぎ部材に挿通した帯状部材と、該 帯状部材に所定の間隔で設けた複数個の係止孔と、該係止孔に対応して先部ポー ルに設けた複数個の係止孔と、前記中継ぎ部材に設けられ、帯状部材の係止孔に 選択的に係脱する連結ピンと、該連結ピンを帯状部材側から離す方向に付勢する 引上げバネと、中継ぎ部材に枢着され、連結ピンに連係した押圧部材と、中継ぎ 部材に対応してポール柄外からポール柄内に出入り自在に設けられ、先部ポール の係止孔を貫通して押圧部材に圧接される固縛ピンと、該固縛ピンをポール柄内 に押入する方向に付勢する押込みバネを備えたことを特徴とする高枝鋏にある。

【０００６】

【作用】

押込みバネに抗して固縛ピンがポール柄内から抜出した状態では、基部ポール と先部ポールの固縛関係が解かれてポール柄長が自由に変更できる。また、ポー ル柄内において中継ぎ部材に対する帯状部材の連結関係も解かれて鋏と鋏操作レ バーを連結する連結機構の長さがポール柄長に追随する。押込みバネのバネ力を 効かせて固縛ピンをポール柄内に押入した状態では、固縛ピンが先部ポールの係 止孔を貫通して基部ポールに対し先部ポールが固縛され、また、固縛ピンは押圧 部材に圧接して引上げバネに抗して連結ピンを押圧し、連結ピンを帯状部材の係 止孔に係止させて中継ぎ部材と帯状部材を連結し、鋏操作レバーの操作動が鋏に 伝達される。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１はこの考案の一部を欠除した断面図、図２は連結機構の要部断面図、図３ は図２のａ−ａ線における断面図、図４は鋏と連結機構の連結部を示す断面図で ある。

【０００９】 図において、１はポール柄で、基部ポール１ａに先部ポール１ｂを伸縮自在に 摺嵌してなる。２はポール柄上端に配装した鋏で、先部ポール１ａに対して固定 した固定刃片２ａに対し可動刃片２ｂを開閉動自在に枢着してなる。３はポール 柄下端に設けた固定ハンドル、４は同じくポール柄下端に設けた鋏操作レバーで 、この固定ハンドル３と鋏操作レバー４は片方の手で握って鋏操作レバー４を操 作するようにしている。５はポール柄内に設けられ、鋏２と鋏操作レバー４を連 結した連結機構で、この考案では連結機構５を次のように構成している。

【００１０】 即ち、基部ポール１ａ上端部に位置して先部ポール内に中継ぎ部材６を収嵌し 、この中継ぎ部材６と鋏操作レバー４を連結杆７で連結する。鋏２の可動刃片基 部に連結部材８を介して帯状部材９を連結し、この帯状部材９に所定の間隔で複 数個の係止孔１０を設ける。また、この係止孔１０に対応して先部ポール１ｂに 複数個の係止孔１１を設ける。帯状部材９を中継ぎ部材６に設けた挿通孔１２に 挿通させ、端部を先部ポール端部に装着した案内部材１３に保持する。中継ぎ部 材６に帯状部材９の係止孔１０に選択的に係脱する連結ピン１４を配装し、この 連結ピン１４に引上げバネ１５を設け、連結ピン１４を帯状部材側から離す方向 に付勢する。中継ぎ部材６に押圧部材１６の基部を枢着し、この押圧部材１６で 連結ピン１４を押圧可能に連係する。中継ぎ部材６に対応してポール柄外からポ ール柄内に出入り自在に固縛ピン１７を設ける。この固縛ピン１７は基部ポール 上端部に設けた調整レバー１８に連係し、この調整レバー１８に押込みバネ１９ を設け、固縛ピン１７をポール柄内に押入する方向に付勢する。固縛ピン１７は ポール柄内に押入されて先端が押圧部材１６に圧接して連結ピン１４を引上げバ ネ１５に抗して押圧し、帯状部材９の係止孔１０に係止させる。このために、引 上げバネ１５に比べて押込みバネ１９のバネ力をはるかに大きく設定している。

【００１１】 なお、図中２０は鋏２の可動刃片基部と帯状部材９を連結する連結部材８に設 けた鋏復元用バネ、２１は基部ポール下端部に嵌着した取付け管で、この取付け 管２１に対して固定ハンドル３と鋏操作レバー４は所定の範囲で回動を可能に取 着ピン２２で係合しており、鋏２の向きに対応できるようにしている。

【００１２】 また、上記実施例では連結ピン１４と押圧部材１６を別体構成にし、連結ピン １４に引上げバネ１５を設けた構成を示したが、連結ピン１４と押圧部材１６を 一体構成にして引上げバネ１５を押圧部材１６に効かせるように構成にしてもよ い。

【００１３】 上記構成において、鋏操作レバー４に手を掛けない状態で、調整レバー１８を 握り操作すると、押込みバネ１９に抗して固縛ピン１７がポール柄内から抜出し て基部ポール１ａと先部ポール１ｂの固縛関係が解かれ、ポール柄長は自由に変 更できる。また、ポール柄内の中継ぎ部材６においては、固縛ピン１７による押 圧部材１６の押圧がなくなって引上げバネ１５により連結ピン１４は帯状部材９ から離れて係止孔１０との係止を解き、帯状部材９は中継ぎ部材６に対して先部 ポール１ｂと一体的に追随した動きをする。

【００１４】 予定するポール柄長を設定、すなわち、固縛ピン１７と先部ポール１ｂの１つ の係止孔１１との位置合わせを行って調整レバー１８を離すと、押込みバネ１９ の作用で固縛ピン１７は先部ポール１ｂの係止孔１１を貫通してポール柄内に押 入し、その先端が押圧部材１６に圧接し、引上げバネ１５に抗して連結ピン１４ を押圧してこれが対応する帯状部材９の係止孔１０に係止する。こうして、固縛 ピン１７によって基部ポール１ａに対し先部ポール１ｂは固縛され、同じく固縛 ピン１７によって押圧部材１６を介して連結ピン１４を押圧して中継ぎ部材６と 帯状部材が連結され、鋏操作レバー４の操作動が鋏２に伝達される。なお、この 鋏操作レバー４の操作動でポール柄内では中継ぎ部材６が所定の範囲を上下動す るが、この動きで固縛ピン先端は押圧部材面を圧接状態で摺動する。

【００１５】

【考案の効果】

上記構成からなるこの考案によれば、次のような効果を奏する。

【００１６】 (１） ポール柄は最大伸長状態から最小縮小状態まで、調整レバーの握り操 作だけで複数段階に長さ設定ができ、また、このポール柄の長さに対応してポー ル柄内では鋏と鋏操作レバーを連結する連結機構の長さ調整が適切に行われるか ら、ポール柄長の調整はワンタッチ式にできて取り扱い上からの面倒がなく、鋏 を開閉動させての的確な切断作用を行わしめることができる。

【００１７】 (２） ポール柄外からポール柄内に出入りする固縛ピン１つで、ポール柄を 構成する基部ポールと先部ポールの固縛（ポール柄長の調整）と、ポール柄内で 鋏と鋏操作レバーを連結する連結機構の長さ調整ができるから、部品点数を少な くして構成を簡素化し、組み立て・分解を容易にして生産コストを低減でき、ま た、メンテナンス面からも簡単になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の一部を欠除した断面図である。

【図２】 連結機構の要部断面図である。

【図３】 図２のａ−ａ線における断面図である。

【図４】 鋏と連結機構の連結部を示す断面図である。

【符号の説明】

1 …ポール柄 2 …鋏 3 …固定ハンドル 4 …鋏操作レバー 5 …連結機構 6 …中継ぎ部材 9 …帯状部材 10…帯状部材の係止孔 11…先部ポールの係止孔 14…連結ピン 15…引上げバネ 16…押圧部材 17…固縛ピン 19…押込みバネ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基部ポールに先部ポールを摺嵌して伸縮
   自在なポール柄を構成し、該ポール柄上端に鋏を配装
   し、下端に固定ハンドルと鋏操作レバーを設け、前記鋏
   と鋏操作レバーをポール柄内に設けた長さ変更可能な連
   結機構によって連結した高枝鋏において、前記連結機構
   が、鋏操作レバーに連結され、基部ポール上端部に位置
   して先部ポール内に収嵌された中継ぎ部材と、鋏に連結
   され、中継ぎ部材に挿通した帯状部材と、該帯状部材に
   所定の間隔で設けた複数個の係止孔と、該係止孔に対応
   して先部ポールに設けた複数個の係止孔と、前記中継ぎ
   部材に設けられ、帯状部材の係止孔に選択的に係脱する
   連結ピンと、該連結ピンを帯状部材側から離す方向に付
   勢する引上げバネと、中継ぎ部材に枢着され、連結ピン
   に連係した押圧部材と、中継ぎ部材に対応してポール柄
   外からポール柄内に出入り自在に設けられ、先部ポール
   の係止孔を貫通して押圧部材に圧接される固縛ピンと、
   該固縛ピンをポール柄内に押入する方向に付勢する押込
   みバネを備えたことを特徴とする高枝鋏。