JPH05227841A - 伸縮可能な高枝鋏 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 鋏１を先端に支持させた前部管体２と、操作
レバー４を後端に取着した後部管体３とを中継体６にて
継脱自在に接続せしめ、これら各管体２，３と、前部管
体２に挿入した前部駆動力伝達部材７と、後部管体に挿
入した後部駆動力伝達部材９とを中継体６に装着した押
圧作動部１２によって接合離脱しうるように構成したこ
とを特徴としている。 【効果】 前部管体２、後部管体３及び前部駆動力伝達
部材７、後部駆動力伝達部材９のそれぞれが、中継体６
に設けられた押圧作動部１２の一つのワンタッチ操作で
接合離脱を行ないうるので、接合離脱、長短調節の操作
に要する時間、労力等を著しく短縮軽減し、効率アツプ
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、筒状長尺柄の先端に支
持させた鋏を手元の操作レバーにより開閉させるように
した高枝鋏において、前記筒状長尺柄を、鋏を先端に支
持させた前部管体と、操作レバーを後端に設けた後部管
体とに分割形成し、これら前部管体と後部管体との間隔
を調整可能なごとく接続せしめて、高枝鋏における柄の
長さを長短調節せしめるようにした伸縮可能な高枝鋏に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、高枝鋏は筒状長尺柄の一端側に設
けられた操作レバーを操作することで、筒状長尺柄の他
端側に設けられた鋏を、ロッドやワイヤー等の駆動力伝
達部材を介して遠隔操作し、高所あるいは離間した果実
の枝等の切断が可能となる。そして、このような高枝鋏
は被切断物までの遠近距離の度合によって、筒状長尺柄
の長短を調節して地上で操作できるいわゆる伸縮可能な
高枝鋏が、好都合であることは周知されている。

【０００３】ところで、従来のこの種の高枝鋏は、筒状
長尺柄及び駆動力伝達部材の両部材共に、二以上の構成
体に分割形成されており、これら各筒状長尺柄、駆動力
伝達部材のそれぞれの構成体を接合、離脱させるのが通
常である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに高枝鋏の筒状長尺柄、駆動力伝達部材の両部材共に
それぞれの構成体を接合、離脱させるものでは、いちい
ち前記両部材の個々について、分解し、長短調節した
後、再び組立なければならないため、高枝鋏の長短調節
が複雑、かつ厄介なものになり、、高所、遠隔位置又は
低所、近接位置というようにその場、その場に応じて被
切断物に対して高枝鋏の長さを調節して自由自在に即応
することが困難である等の問題があった。

【０００５】本発明は、かかる課題を解消し、被切断物
までの距離に適した長短調節に際して、それに付随する
接合離脱、長短調節操作が極めて容易でかつ迅速に行な
いうる伸縮可能な高枝鋏を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る伸縮可能な
高枝鋏は、鋏１を先端に支持させた前部管体２と、操作
レバー４を後端に取着した後部管体３とから互いに挿脱
可能な筒状長尺柄５を形成し、これら前部管体２と後部
管体３とを中継体６にて継脱自在に接続せしめ、前記筒
状長尺柄５に挿入した前部駆動力伝達部材７の先端部を
鋏１の可動刃８に、また後部駆動力伝達部材９の後端部
を操作レバー４の可動把持部２０にそれぞれ連結したも
のであって、前部駆動力伝達部材７と後部駆動力伝達部
材９とによつて形成される重合部分１３がこの部分に止
着される継具２７によって接続されるようになし、、前
記前部管体２または後部管体３の少なくとも一方に長手
方向適所に所定間隔を存して数個の透孔１１を設け、か
つ前記中継体６に押圧作動部１２を装着し、この押圧作
動部１２を前記透孔１１に貫通して前部管体２及び後部
管体３を所望の伸縮長さに対応した長手方向の位置に拘
束せしめると共に押圧作動部１２を前記継具２７に対向
させて両駆動力伝達部材７，９を押圧ロックするように
構成したことを特微とするものである。

【０００７】

【作用】しかして、本発明に係る伸縮可能な高枝鋏の柄
の長短調節に際しては、あらかじめ、前部管体２、後部
管体３は透孔１１に貫挿される押圧作動部１２によって
長手方向の位置が拘束された状態になっており、また、
前部駆動力伝達部材７、後部駆動力伝達部材９は、これ
らの重合部分１３に設けられた継具２７に対向する押圧
作動部１２によって押圧ロックされた状態にあるが、押
圧作動部１２を押圧操作することにより、該押圧作動部
１２が透孔１１から脱出し、前部管体２、後部管体３の
長手方向の動きが自由になるように拘束が解除される。
また、かかる押圧作動部１２の透孔１１からの脱出と同
時に両前部駆動力伝達部材７、後部駆動力伝達部材９の
押圧ロックも解除されて、それぞれ筒状長尺柄５及び駆
動力伝達部材が自由な伸縮状態に保たれる。

【０００８】次に、背の高い樹木や果樹の剪定や採果作
業において切断すべき被切断物の高さや距離に応じた量
だけ互いに前記前部管体２、後部管体３及び前部駆動力
伝達部材７、後部駆動力伝達部材９の引き出しまたは収
納が行なわれる。以上の筒状長尺柄５及び駆動力伝達部
材の全長の長短調節操作が完了すると、再び押圧作動部
１２の押圧を放すことによって、前記筒状長尺柄５たる
前部管体２、後部管体３を再び中継体６に接続させるこ
とができる。即ち、前部管体２、後部管体３は透孔１１
に押圧作動部１２が貫挿されることによって、長手方向
の動きが拘束され、筒状長尺柄５の全長が規制される。

【０００９】そして、これと同時に前部駆動力伝達部材
７、後部駆動力伝達部材９は、これらの重合部分１３に
対向する押圧作動部１２によって再び押圧ロックされ、
高枝鋏における柄の長さが所望長に保たれ、一連の調節
操作が完了する。その後通常の高枝鋏と同様に可動刃
８、固定刃１４との間に被切断物たる果実の軸柄や高所
の枝等を装入するのである。次にこの状態において、前
記操作レバー４を閉成することによって、鋏１の可動刃
８、固定刃１４との間で被切断物の切断が可能となる。

【００１０】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る伸縮可能な高枝鋏は、前部管体２、後部管体３及
び前部駆動力伝達部材７、後部駆動力伝達部材９のそれ
ぞれが、中継体６に設けられた押圧作動部１２の一つの
ワンタッチ操作で接合離脱が行なわれるので、従来のご
とき、いちいち筒状長尺柄５及び駆動力伝達部材の個々
について、接合離脱を行なわなくても伸縮できるので、
それら筒状長尺柄５及び駆動力伝達部材の接合離脱、長
短調節の操作に要する時間、労力等を著しく短縮軽減
し、効率アップして、被切断物までの距離に適した高枝
鋏の長さを極めて容易で、かつ迅速に得ることができ、
更に梯子や踏台等足継ぎを必要とせずに地上から高所の
被切断物を切断することができるので、作業が安全で、
移動が容易であるほか、不使用時においても、筒状長尺
柄５及び駆動力伝達部材の長さがいかなる長さであって
も、これらを短縮しておくことにより嵩をとらず格納や
輸送等に至便であるなどの効果を奏する。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図１〜図５は、本発明に係る伸縮可能な
高枝鋏の一実施例を示すもので、図１は鋏全体の一部切
り欠き断面した正面図、図２は中継体と前，後管体との
接続関係を示す斜視図、図３は前，後管体、前，後部駆
動力伝達部材の重合部分がそれぞれ中継体にて拘束、押
圧ロックされる状態を示す断面図、図４は図３における
継具の断面図、図５は図４の分解斜視図である。

【００１２】これらの図において、５は、アルミニュー
ム製のパイプ材よりなる長さが１７０〜１９０ｃｍ程度
の筒状長尺柄で、この筒状長尺柄５の先端部は、断面が
鍵穴を呈するように扁平に変形されている。そして、一
方の扁平部１５には、鋏１の固定刃１４の基部がボルト
類により取着されると共に他方の通挿部１６からは、筒
状長尺柄５に挿通される前部駆動力伝達部材７を取り出
せるようになっている。前部駆動力伝達部材７の先端は
前記固定刃１４の基部に対して開閉しうるよう枢着１７
された可動刃８の基端に連結１８されるのである。

【００１３】筒状長尺柄５の基部には、固定把持部１９
と可動把持部２０とよりなる操作レバー４が設けられ、
一方の固定把持部１９は先端に形成した取り付け部２１
を介して筒状長尺柄５の基端に固定されると共に、他方
の可動把持部２０は基部にて前記固定把持部１９の腹部
に枢着２２される。可動把持部２０の屈曲部には、前記
前部駆動力伝達部材７の末端が連結され、この可動把持
部２０は固定把持部１９に対して開き勝手に付勢せしめ
るよう内装したばね２４に抗して引き寄せうるようにな
つている。

【００１４】前記筒状長尺柄５は、鋏１を先端に支持さ
せた前部管体２と、操作レバー４を後端に取着した後部
管体３とから分割形成されており、これら前部管体２及
び後部管体３は互いに挿脱可能なごとく大小直径の異な
った二段のパイプ材からなっている。そして、これら前
部管体２、後部管体３はそれぞれ、周面に凹設形成され
た長手方向に延びる突条２５，２６を有しており、これ
ら突条２５，２６の係合により、互いに回転方向に拘束
されるが、軸方向のみの移動が許容されるようにつま
り、筒状長尺柄５の全長の伸縮が可能なようになってお
り、前部管体２及び後部管体３は中継体６にて継脱自在
に接続される。

【００１５】前記前部管体２には、その一側に長手方向
適所に数個の円形の透孔１１が等間隔に穿設されてい
る。また、前記前部駆動力伝達部材７、後部駆動力伝達
部材９は、それぞれ帯状の薄鋼板でなつており、前部駆
動力伝達部材７の先端部、後部駆動力伝達部材９の尾端
部のみ、それぞれ鋏１や操作レバー４に連結しやすいよ
うに一体的に固着されたロッドやワイヤーでもって形成
されている。そして、前部駆動力伝達部材７の尾端部及
び後部駆動力伝達部材９の先端部は、それぞれ重合部分
１３が形成され、継具２７によって連結されている。、
換言すれば、後部駆動力伝達部材９の先端部には継具２
７が、リベット３８，３８によって止着されている。

【００１６】中継体６は、図２及び図３に示されるよう
にほぼパイプ状を呈しており、前部管体２を嵌挿せしめ
る前部管体嵌挿部２８、後部管体３を嵌挿せしめる後部
管体嵌挿部２９、通孔３０、凹部３５をそれぞれ有する
金具３１と、凹部３５に装着される押圧作動部１２とを
備えている。押圧作動部１２には、前記金具３１の凹部
３５に収納され、かつ支軸３２にて枢支されるレバー３
３を備えており、このレバー３３は、先端に一体的に固
着され、かつ前記通孔３０及び前部管体２の透孔１１を
貫通しうる突棒３３ａと、基端にハンドル部３３ｂとを
有し、常時はレバー３３の突棒３３ａは、このレバー３
３の先端と金具３１に止着された帯金３６との間に介装
されるばね３７の弾発力によって、前記継具２７を介し
て両前部駆動力伝達部材７、後部駆動力伝達部材９を押
圧ロックしうるようになっている。

【００１７】継具２７は、前部駆動力伝達部材７、後部
駆動力伝達部材９を挿入すべく前後に挿嵌部３４ａ，３
４ｂを設けた合成樹脂製の本体３４と、後部駆動力伝達
部材９の先端部に対設される押圧板４０と、板バネ３
９，３９とを備え、後部駆動力伝達部材９の先端部を、
押圧板４０と板バネ３９によってサンドイッチ状にリベ
ット３８によって一体的に止着される。板バネ３９は、
図４に示すごとく、継具２７に挿入された前部駆動力伝
達部材７の後端を、この板バネ３９と本体３４の底部と
の間で接圧挟持できるように下側が弓形湾曲状に形成さ
れ、前部駆動力伝達部材７に対向している。

【００１８】なお、本実施例においては、レバー３３を
筒状長尺柄５の片側に設けたが、力のバランスあるいは
部品の損傷等の関係から、両側に設ける等発明の要旨を
逸脱しない範囲内において変更できることは勿論であ
る。

【００１９】しかして、高枝鋏の柄の長短調節操作に際
しては、前部管体２、後部管体３が透孔１１に貫挿され
る押圧作動部１２によって長手方向の位置のずれが拘束
された状態になっており、また、前部駆動力伝達部材
７、後部駆動力伝達部材９は、これらの重合部分１３に
設けられた継具２７に対向し、かつばね３７のスプリン
グ力が付勢され、押圧作動部１２によって押圧ロックさ
れた状態にあるが、前記レバー３３のハンドル部３３ｂ
をばね３７の弾発力に抗して押圧作動部１２が透孔１１
から脱出するまで、押動することにより、前部管体２、
後部管体３の長手方向の動きが自由になるように拘束が
解除される。また、かかる押圧作動部１２、つまり突棒
３３ａの透孔１１からの脱出と同時に両前部駆動力伝達
部材７、後部駆動力伝達部材９の押圧ロックも解除され
て、それぞれ筒状長尺柄５及び駆動力伝達部材が自由な
伸縮状態に保たれる。

【００２０】次に、被切断物の高さや距離に応じた量だ
け互いに前記前部管体２、後部管体３及び前部駆動力伝
達部材７、後部駆動力伝達部材９の引き出しまたは収納
が行なわれる。以上の筒状長尺柄５及び駆動力伝達部材
の全長の長短調節操作が完了すると、再び押圧作動部１
２つまり、レバー３３のハンドル部３３ｂを押圧を放す
ことによって、前記筒状長尺柄５たる前部管体２、後部
管体３を再び中継体６に接続させることができる。即
ち、前部管体２、後部管体３は透孔１１に押圧作動部１
２が貫挿されることによって、長手方向の動きが拘束さ
れ、筒状長尺柄５の全長が規制される。これと同時にあ
らかじめ、後部管体３の前端は金具３１に設けられた段
部４１に接当した状態にあり、これと同時に後部駆動力
伝達部材９の先端に一体的に固着された継具２７も丁度
押圧作動部１２の突棒３３ａの下方位置に対向した状態
にあるが、この継具２７は前記突棒３３ａの下降によっ
て押圧ロックされ、駆動力伝達部材の全長が規制され、
一連の高枝鋏の長短調節操作が完了するのである。

【００２１】なお、本実施例においては、前部駆動力伝
達部材７は、その長手方向適所に所定間隔を存して数個
の切欠き７ａがその左右両側に設けられ、高枝鋏の伸縮
時に継具２７の前記押圧板４０におけるほぼ左右両側の
中央部に設けられた突起４０ａが切欠き７ａに対向し
て、押圧板４０の下降を許容せしめると共に前部駆動力
伝達部材７の長手方向のずれを確実に皆無となしている
のである。また、継具２７の本体３４の底面は、図４か
ら明らかなように前後に配設される突出部４２，４２の
間に凹部４３を設け、この凹部４３に対向する前部駆動
力伝達部材７の部位が、本体３４の底面から一定の間隔
を存して離間した状態に保たれているため、仮に誤って
前部駆動力伝達部材７の切欠き７ａが、突起４０ａに対
向しない状態、つまり前部駆動力伝達部材７が突棒３３
ａによって押圧されても凹部４３で緩衝されることにな
り、継具２７、前部駆動力伝達部材７、押圧作動部１２
等の各部品が破損しないように配慮されている。更に前
部駆動力伝達部材７の後端部は、前記本体３４に係止し
うる鉤状７ｂに折曲されており、前部駆動力伝達部材７
の抜け止め機能を果たしうるようになっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る伸縮可能な高枝鋏全体の一部切り
欠き断面した正面図である。

【図２】中継体と前，後管体との接続関係を示す斜視図
である。

【図３】前，後管体、前，後部駆動力伝達部材の重合部
分がそれぞれ中継体にて拘束、押圧ロックされる状態を
示す断面図である。

【図４】図３における継具の断面図である。

【図５】図４の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 鋏 ２ 前部管
体 ３ 後部管体 ４ 操作レ
バー ５ 筒状長尺柄 ６ 中継体 ７ 前部駆動力伝達部材 ７ａ 切欠き ７ｂ 鉤状 ８ 可動板 ９ 後部駆動力伝達部材 １１ 透孔 １２ 押圧作動部 １３ 重合
部分 １４ 固定刃 １５ 扁平
部 １６ 通挿部 １７ 枢着 １８ 連結 １９ 固定
刃持部 ２０ 可動把持部 ２１ 取り
付け部 ２２ 枢着 ２３ 連結 ２４ ばね ２５ 突条 ２６ 突条 ２７ 継具 ２８ 前部管体嵌挿部 ２９ 後部
管体嵌挿部 ３０ 通孔 ３１ 金具 ３２ 支軸 ３３ レバ
ー ３３ａ 突棒 ３３ｂ ハン
ドル部 ３４ 本体 ３４ａ 挿嵌
部 ３４ｂ 挿嵌部 ３５ 凹部 ３６ 帯金 ３７ ばね ３８ リベット ３９ 板バ
ネ ４０ 押圧板 ４０ａ 突起 ４１ 段部 ４２ 突出
部 ４３ 凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋏１を先端に支持させた前部管体２と、
   操作レバー４を後端に取着した後部管体３とから互いに
   挿脱可能な筒状長尺柄５を形成し、これら前部管体２と
   後部管体３とを中継体６にて継脱自在に接続せしめ、前
   記筒状長尺柄５に挿入した前部駆動力伝達部材７の先端
   部を鋏１の可動刃８に、また後部駆動力伝達部材９の後
   端部を操作レバー４の可動把持部２０にそれぞれ連結し
   たものであって、前部駆動力伝達部材７と後部駆動力伝
   達部材９とによつて形成される重合部分１３がこの部分
   に止着される継具２７によって接続されるようにな
   し、、前記前部管体２または後部管体３の少なくとも一
   方に長手方向適所に所定間隔を存して数個の透孔１１を
   設け、かつ前記中継体６に押圧作動部１２を装着し、こ
   の押圧作動部１２を前記透孔１１に貫通して前部管体２
   及び後部管体３を所望の伸縮長さに対応した長手方向の
   位置に拘束せしめると共に押圧作動部１２を前記継具２
   ７に対向させて両駆動力伝達部材７，９を押圧ロツクす
   るように構成したことを特徴とする伸縮可能な高枝鋏。