JPH06193830A - 噴霧燃焼器 - Google Patents

噴霧燃焼器

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JPH06193830A
JPH06193830A JP35828692A JP35828692A JPH06193830A JP H06193830 A JPH06193830 A JP H06193830A JP 35828692 A JP35828692 A JP 35828692A JP 35828692 A JP35828692 A JP 35828692A JP H06193830 A JPH06193830 A JP H06193830A
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flame
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Hirofumi Yasuda
裕文 安田
Takahiro Matsuda
孝洋 松田
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Noritz Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧力噴射弁11の中心軸とカット板26の中心軸
とのズレがある程度生じた場合でも、それによって生じ
る燃料噴霧分布の偏りを抑制し、燃焼負荷の大きな可変
幅にわたって保炎性、燃焼性が良く、煤の発生や火炎の
短炎化を図れ、また適性燃焼が生じるための燃料と空気
との比率の余裕幅である燃焼余裕幅の大きい噴霧燃焼器
の提供を目的とする。 【構成】 燃焼筒7の基端側に保炎器22を取り付け、燃
料噴射弁11からの燃料を保炎器22の中心孔を通して燃焼
用一次空気と共に燃焼筒7内に噴霧し、燃焼を行う噴霧
燃焼器であって、保炎器22は、中心孔の周囲に少なくと
も旋回羽根部22bと、その周囲に連続して形成されて前
方へ拡大するスワラ・コーン部22d と、その先端部に連
続して形成される短筒部22e とを有し、且つ短筒部22e
に、旋回羽根部22b を通過する空気流の旋回方向と同方
向の旋回流を発生せしめる複数の旋回空気孔22f を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料噴射弁から燃焼筒
内へ燃料を噴射して燃焼を行う噴霧燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】噴霧比例制御燃焼を行う1つの手段とし
て、従来から噴霧カット方式が提案されている。この方
式は、図6の(A)、(B)の概略図に示すように、圧
力噴射弁11から噴射された燃料噴霧の一部を、下流に配
された孔開きカット板26によってカットし、圧力噴射弁
11を前記カット板26に対して前後させることで、噴霧カ
ット量を調整し、燃料の比例制御を行うものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記噴霧カ
ット方式においては、噴霧カット機構の作製精度上、前
記機構の組み立ての際等において、圧力噴射弁11の中心
軸X1 とカット板26の中心軸X2 とのズレLがある範囲
内で生じるため、燃焼筒内へ噴射される噴霧が放射状に
均一に拡がらず、図7の(A)、(B)で示すように、
噴霧が半径方向に偏ってなされる問題があった。即ち、
ズレLが大きいと、特に中心過濃領域Dが放射状に拡が
らず、半径方向の一部へ偏る問題があった。そして上記
噴霧領域の偏りや噴霧の拡がりの悪さにより、発生する
火炎も燃焼筒全体に拡がらず、偏ってしまうことから、
保炎性も悪くなり、また空気との混合が悪くなって煤が
発生しやすくなる欠点があった。その結果、ズレLが大
きくなるほど、同じ燃料量に対して適正燃焼が生じるた
めの空気量の幅(空気量の範囲)、即ち燃焼余裕幅が小
さくなる問題があった。また燃焼最大負荷を増大した場
合には、燃焼筒内への噴霧流速の増大が大きく、炎の浮
き上がりによる火炎の長炎化、保炎性の悪化が著しくな
る欠点があった。
【0004】そこで本発明は上記従来の噴霧燃焼器の欠
点を解消し、圧力噴射弁11の中心軸X1 とカット板26の
中心軸X2 とのズレLがある程度生じた場合でも、それ
によって生じる燃料噴霧分布の偏りを抑制し、燃焼負荷
の大きな可変幅にわたって保炎性、燃焼性が良く、煤の
発生や火炎の短炎化を図れ、また適性燃焼が生じるため
の燃料と空気との比率の余裕幅である燃焼余裕幅の大き
い噴霧燃焼器の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の噴霧燃焼器は、燃焼筒の基端側に保炎器を
取り付け、燃料噴射弁からの燃料を前記保炎器の中心孔
を通して燃焼用一次空気と共に燃焼筒内に噴霧し、燃焼
を行う噴霧燃焼器であって、前記保炎器は、前記中心孔
の周囲に少なくとも旋回羽根部と、その周囲に連続して
形成されて前方へ拡大するスワラ・コーン部と、その先
端部に連続して形成される短筒部とを有し、且つ前記短
筒部に、前記旋回羽根部を通過する空気流の旋回方向と
同方向の旋回流を発生せしめる複数の旋回空気孔を設け
たことを第1の特徴としている。また本発明の噴霧燃焼
器は、前記第1の特徴に加えて、保炎器の短筒部に、旋
回空気孔に加えて、燃焼筒の半径方向中心に向けて開口
される複数の向心空気孔を設けたことを第2の特徴とし
ている。また本発明の噴霧燃焼器は、前記第1又は第2
の特徴に加えて、保炎器の短筒部の内径を燃焼筒の内径
よりも小径としていることを第3の特徴としている。ま
た本発明の噴霧燃焼器は、前記第1から第3のいずれか
の特徴に加えて、中心孔から燃料と共に噴出される空気
の供給経路と、その回りの前記保炎器を通って噴出され
る空気の供給経路とを互いに遮断して構成したことを第
4の特徴としている。また本発明の噴霧燃焼器は、前記
第4の特徴に加えて、保炎器を通って噴出される空気の
供給経路を、保炎器の旋回羽根部を通って噴出される空
気の供給経路と、保炎器の短筒部に開口された空気孔を
通って噴出される空気の供給経路とに互いに遮断して構
成したことを第5の特徴としている。
【0006】
【作用】上記第1の特徴によれば、保炎器の中心孔を通
って燃料と一次空気が燃焼筒内に噴出せられ、また保炎
器の旋回羽根部を通って空気が燃焼筒内に導入せられ、
旋回流を形成する。そしてこのとき保炎器の短筒部の旋
回空気孔からも燃焼筒の半径方向中心とある旋回角度を
もった方向に向けて空気が送り込まれる。この旋回空気
孔から送られる空気流は、旋回羽根部より送り込まれる
旋回流の旋回(回転)方向と同じ方向であるため、燃料
噴射弁から前記保炎器の中心孔を通って燃焼筒内に噴霧
された燃料に噴霧の半径方向分布の偏りがある場合にお
いても、該噴霧の偏りを、前記旋回羽根部からの旋回流
に加えて、前記短筒部の旋回空気孔からの旋回流によっ
て、保炎器周方向全体に拡がらせる。これによって火炎
の一方向への偏りが防止され、空気との混合が良くな
り、また火炎が燃焼筒内壁へ当たるのを防止することが
できる。火炎がよく拡がって燃え、空気との混合がよく
なり、一方向への偏りが防止され、火炎が燃焼筒内壁へ
当たるのが防止されるので、煤の発生が防止され、また
保炎器や燃焼筒の内壁への煤の付着が防止され、、短炎
化し、健全な燃焼が確保されて、偏りが存在しなかった
場合とほとんど同じ燃焼余裕幅を確保することができ
る。また、旋回空気流から送り込まれる旋回空気流は、
燃焼筒から軸中心へ向って流れる空気流と同程度の貫通
力を持っているために、僅かな空気量ではあるが、一次
燃焼領域内の混合を活発にする。ゆえに、この旋回流
は、燃焼負荷の小さな領域においても、保炎を阻害する
ことなく完全燃焼をさせる役割を果たし、燃焼負荷の大
きな領域においては、本来の旋回羽根の持つ保炎能力を
補助する役目を果たす。従って、大きな燃焼負荷可変幅
にわたって保炎性、燃焼性が向上する。
【0007】また上記第2の特徴によれば、前記第1の
特徴による作用に加えて、保炎器の短筒部の旋回空気孔
と共に、向心空気孔を設けることによって、さらに一次
燃焼領域への空気の混合が活発になり、燃焼が活発にな
って、温度上昇が図られ、煤の発生が更に減少せられ
る。また上記第3の特徴によれば、保炎器の短筒部の内
径を燃焼筒の内径よりも小径とすることで、保炎器短筒
部の向心空気孔(旋回空気孔、向心空気孔)から吹き出
される空気流がそれだけ燃焼筒の中心へ届きやすくなり
(貫通距離が小さくなる)、より混合が促進される。よ
って一層燃焼が促進せられ、煤発生防止と短炎化を図る
ことができる。また上記第4の特徴によれば、中心孔か
ら燃料と共に噴出される空気の供給経路と、その回りの
前記保炎器を通って噴出される空気の供給経路とを互い
に遮断して構成することで、中心孔通過空気と、その回
りの旋回羽根部等を通過する空気とを完全に分離独立さ
せることで、燃焼負荷を大きく変化させても、安定な火
炎が形成できる。また上記第5の特徴によれば、前記第
4の特徴による効果に加えて、保炎器を通って噴出され
る空気の供給経路を、保炎器の旋回羽根部を通って噴出
される空気の供給経路と、保炎器の短筒部に開口された
空気孔を通って噴出される空気の供給経路とに互いに遮
断して構成することで、旋回羽根を通過する空気量と、
保炎器の短筒部を通過する空気量との比率を容易に変更
調整しやすくなり、燃焼負荷の大小に応じた保炎能力の
調整が可能となり、火炎の浮き上がりや振動等を抑える
ことができる結果、燃焼余裕幅が大きくなる。
【0008】
【実施例】以下に本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明の噴霧燃焼器の1実施例を示す縦断面図、図
2はその要部の詳細図で、(A)は正面図、(B)は縦
断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−
B断面図である。ノズル取り付けフランジ1の一方の面
に、ほぼ円筒状の一次空気筒2と、一次空気筒2に所定
間隔をあけて外嵌するほぼ円管状の二次空気筒3と、二
次空気筒2に所定間隔をあけて外嵌するほぼ円管状の外
筒4とが取り付けられており、ノズル取り付けフランジ
1の他方の面には、ほぼ円筒状の空気流入筒5が取り付
けられている。
【0009】一次空気筒2は、一端部に先すぼまり状の
コーン部2aを一体にして有しており、他端部がノズル取
り付けフランジ1に嵌合している。二次空気筒3は、一
端部に円管状の環状板部3aを一体にして有しており、ま
た他端部に円板状の環状板部3bを一体にして、ノズル取
り付けフランジ1に取り付けられている。外筒4は、一
端部に円管状の環状板部4aを設けており、他端部は円板
状の環状板部4bを一体にして有し、それが二次空気筒環
状板部3bを介してノズル取り付けフランジ1に当接して
いる。外筒4の一端部にはほぼ円筒状の燃焼筒7が所定
間隔をあけて内嵌しており、燃焼筒7の一端は外筒4の
環状板部4aの内周に固着されている。
【0010】燃焼筒7の基端側に保炎器22を設けてい
る。該保炎器22は前記一次空気筒2のコーン部2aの先端
と前記二次空気筒3の環状板部3aの内周との間に設けら
れ、その本体部分である旋回羽根部22b と、該旋回羽根
部22b の外周全周に設けられる空気遮断壁としての旋回
羽根外周壁22c と、該外周壁22c から連続して形成され
前方へ拡大するスワラ・コーン部22d と、該スワラ・コ
ーン部22d の先端部に連続して形成される短筒部22e
と、該短筒部22e に複数の旋回空気孔22f と複数の向心
空気孔22g とから形成されている。前記旋回空気孔22f
は、噴出する空気流が前記旋回羽根部22b を通過する空
気流の旋回成分と同じ旋回(回転)方向成分をもつよう
に、半径中心方向とある旋回角度ωを有するよう開口さ
れている。また前記向心空気孔22g は、半径方向中心に
向けて空気が噴出するよう開口されている。旋回空気孔
22f 及び向心空気孔22g は、前記中心孔22a よりも小さ
い。また前記保炎器22の短筒部22e の内径D1は燃焼筒7
の内径D2よりも小さくなされている。前記二次空気筒3
の環状板部3aにも、燃焼筒7の内壁に沿う形で空気を燃
焼筒7内に流入する補助孔3cを設けている。
【0011】ノズル取り付けフランジ1の円筒部1aには
ほぼ円筒状のノズルガイド25が内嵌しており、ノズルガ
イド25には略円筒状ノズルアダプタ9が図1の左右方向
に移動可能に内嵌している。ノズルアダプタ9の一端部
には、燃料を噴射する燃料噴射弁11が取り付けられてお
り、ノズルガイド25には、燃料噴射弁11の噴射孔から噴
霧された燃料の一部を遮断して燃料流量を調節するため
の噴霧カッター26と、該噴霧カッター26を固定し、且つ
該噴霧カッター26の後流へ溢れだした燃料を補足・回収
するために設けられた噴霧カッター抑え板27と、燃料に
着火するためのイグナイタ10とが取り付けられている。
燃料噴射弁11には空気流入筒5の円盤部5aを貫通する燃
料供給管20とノズルアダプタ9とを介して図外の燃料供
給装置から燃料が圧送され、噴霧カッター26により遮断
された燃料は、ノズルガイド25及び空気流入筒5を貫通
する燃料回収管23を介して回収される。
【0012】以上の構成により、空気流入筒5とノズル
取り付けフランジ1とにより囲まれた燃焼用空気室12
と、一次空気筒2とノズル取り付けフランジ1とによっ
て囲まれ、保炎器22の中心孔22a を介して燃焼筒7内に
連通する第1の空気室13と、一次空気筒2と二次空気筒
3との間に構成される第2の空気室14と、外筒4とノズ
ル取り付けフランジ1と二次空気筒3と燃焼筒7とによ
り囲まれた第3の空気室15とが形成されている。ノズル
取り付けフランジ1には、燃焼用空気室12と第1の空気
室13とを連通させる複数の整流空気孔16と、燃焼用空気
室12と第2の空気室14とを連通させる複数の整流空気孔
17と、燃焼用空気室12と第3の空気室15とを連通させる
複数の整流空気孔18とが形成されている。燃焼筒7に
は、一部分に多数の孔19が形成されている。
【0013】次に動作を説明する。燃料供給管20とノズ
ルアダプタ9とを介して燃料噴射弁11に供給された燃料
は、燃料噴射弁11の噴射孔から噴射され、保炎器の中心
孔22aを通って燃焼筒7内に流入する。このとき、ノズ
ルアダプタ9を図1に示す位置よりも右側に後退させて
おくと、燃料噴射弁11の噴射孔から噴霧された燃料の一
部が噴霧カッターによって遮られ、燃料回収管23を介し
て回収されるので、燃焼筒7への燃料の噴霧量が減少す
る。この減少量は燃料噴射弁11の位置によって決まる。
一方、燃焼用空気供給管6を介して燃焼用空気室12に圧
送された燃焼用空気は、整流板を兼ねたノズル取り付け
フランジ1の整流空気孔16を通って第1の空気室13に送
られ、燃料噴射弁11から噴霧された燃料と共に一次空気
A1として保炎器の中心孔22a を通って、燃焼筒7内に流
入する。したがって燃焼筒7内への燃料の噴霧量が少な
い場合でも、一次空気A1により燃料に十分な貫通力を与
えることができる。
【0014】また、燃焼用空気室12の燃焼用空気は、二
次空気として整流空気孔17を通って第2の空気室14に供
給され、保炎器の本体部分の旋回羽根部22b を通過す
る。このとき、旋回羽根部22b を通過した二次空気A2は
前方、周方向に流れる旋回流となって燃焼筒7内に流入
し、燃焼筒7の気流ガイドであるスワラ・コーン部22d
により、円滑な流れになって、保炎させる役目を果た
す。また二次空気A2は保炎器22の短筒部22e の旋回通気
孔22f 、向心空気孔22g 、及び二次空気筒3の環状板3a
の補助孔3cからも燃焼筒7に流入する。また気流遮断壁
である旋回羽根外周壁22c が構成されることで、旋回羽
根部22b の半径方向へ出ようとする気流の流出が防止さ
れ、前方、周方向への気流に滑らかな旋回流が形成され
る。また前記一次空気筒2によって中心孔22a から燃料
とともに噴出される一次空気A1の供給経路と、その回り
の旋回羽根部22b がある側から噴出される二次空気A2の
供給経路とを互いに遮断して構成したので、燃料流量が
大きく変化しても安定な火炎を形成し、保炎性及び燃焼
性を向上させることができる。
【0015】特に、本発明では、二次空気A2の一部が保
炎器22の短筒部22e の旋回空気孔22f から、保炎器の旋
回羽根部22b より流入する旋回流と同じ旋回(回転)方
向に向けて空気が送り込まれる。この空気流は、噴霧の
半径方向分布の偏りが生ずる場合においても、噴霧の偏
りを保炎器22の周方向全体に拡がらせ、火炎の一方向へ
の偏りを防ぎ、保炎器22への煤の付着、堆積を防ぐと共
に、噴霧の半径方向分布の偏りがほとんど存在しない場
合と同様な燃焼余裕幅を確保することが可能になる。ま
た燃焼負荷の小さい領域においては、保炎を阻害するこ
となく完全燃焼させる役目を果たし、燃焼負荷の大きな
領域においては、本来の旋回羽根の持つ保炎能力を補助
する役割を果たし、大きな燃焼負荷可変幅にわたって保
炎性、燃焼性を向上させる。
【0016】また、本発明においては、保炎器の短筒部
22e の旋回空気孔22f からの空気流に加えて、該短筒部
22e の向心空気孔22g から燃焼筒7の半径中心方向に向
けて空気が送り込まれる。この空気流は一次燃焼領域24
の中心部に向かっており、燃料とともに吹き出される一
次空気(軸方向空気)や、旋回羽根部22b 及び旋回空気
孔22f より吹き出される旋回空気の流れ方向とは異なっ
た方向であるため、僅かな空気量でも、比較的混合が活
発になる。また空気流量が少ないため、旋回流を阻害し
ないので、保炎には悪影響を及ぼさない。
【0017】また、保炎器22の短筒部22e の内径D1は燃
焼筒7の内径D2よりも小さくしていることで、旋回空気
孔22f 及び向心空気孔22g から吹き込まれる空気の貫通
距離が短くなり、それだけ混合が促進される。また、二
次空気筒3の環状板部3aに設けた補助孔3cからも新鮮な
二次空気が燃焼筒7の内壁に沿う形で流入せられ、燃焼
筒7内壁への煤の付着が抑制される。その他、燃焼用空
気室12の燃焼用空気は、整流空気孔18を通って第3の空
気室15に供給され、孔19を通って三次空気A3として燃焼
筒7内に流入する。かくしてイグナイタ10により燃料噴
射弁11の噴射孔から噴射された燃料に着火されると、燃
焼筒7内に安定した火炎が形成される。
【0018】図5は本発明の第2の実施例を示す噴霧燃
焼器の断面図である。本実施例においては、上述の第1
の実施例における噴霧燃焼器に対して、二次空気分離筒
28を付加している。この二次空気分離筒28は、一端部に
円管状の環状板部28a を一体にして有しており、また他
端部に円板状の環状板部28b を有して取り付けフランジ
1に取り付けられている。燃焼用空気室12の燃焼用空気
は、二次空気として整流空気孔29を通って、第2の空気
室の内側室14a に供給され、保炎器22の本体部分の旋回
羽根部22b を通過する。このとき、旋回羽根部22b を通
過した二次空気A2-1は、前方周方向に流れる旋回流とな
って燃焼筒7に流入し、燃焼筒7の気流ガイドであるス
ワラ・コーン部22d により、円滑な流れになって、保炎
の役目を果たす。また燃焼用空気室12の燃焼用空気は、
二次空気として整流空気孔30を通って、第2の空気室の
外側室14b に供給され、二次空気A2-2は保炎器22の短筒
部22e の旋回空気孔22f 、向心空気孔22g 、及び二次空
気筒3の環状板3aの補助孔3cから燃焼筒7に流入する。
また気流遮蔽壁である旋回羽根外周壁22c が構成される
ことで、旋回羽根部22b の半径外側へ出ようとする気流
の流出が防止され、前方周方向への気流に滑らかな旋回
流が形成される。このように、保炎器22の旋回羽根部22
b を通って噴出される空気の供給経路と、保炎器22の短
筒部22e に開口された空気孔22f 、22g を通って噴出さ
れる空気の供給経路とを互いに遮断して構成すること
で、旋回羽根を通過する空気量と、保炎器22の短筒部22
e を通過する空気量との比率を容易に変更調整する(二
次空気室の内側室14a と第2の空気室の外側室14b との
空気供給圧を相対的に変化させる)ことができるので、
燃焼負荷の大小に応じて、保炎能力の調整が可能にな
り、火炎の浮き上がり、振動等を抑えることができ、そ
の結果、燃焼余裕幅が大きくなる。
【0019】尚、以上の実施例において、旋回角度ωの
大きさは特に限定されない。また旋回角度ωの大きさの
異なる旋回空気孔22f を同列に設けるようにしてもよ
い。また保炎器22の短筒部22e の旋回空気孔22f 及び向
心空気孔22g の孔径、孔数、孔列数は特に限定されな
い。また実施例では旋回空気孔22f の下流に向心空気孔
22g を設けているが、逆の位置に設けるようにしてもよ
し、同列に設けるようにしてもよい。更に、保炎器22側
壁孔の設置と併用して、スワラ・コーン部22d に補助炎
孔を設けてもよい。また本実施例では、噴霧カット方式
を採用した場合に大きな効果を示すが、比例制御に及ぼ
す保炎性の観点から、燃料戻りノズル、空気噴射ノズ
ル、超音波ノズル等を用いてもよい。又、単一入力ノズ
ルを用いてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の噴霧燃焼器によれば、短筒部に、前記旋
回羽根部を通過する空気流の旋回方向と同方向の旋回流
を発生せしめる複数の旋回空気孔を設けたので、噴霧の
半径方向分布の偏りがある場合においても、該噴霧の偏
りを保炎器周方向全体に拡がらせ、火炎の一方向への偏
りを防止し、空気との混合を良くし、また火炎が燃焼筒
内壁へ当たるのを防止することができる。またこれによ
って、煤の発生を防止し、保炎器や燃焼筒の内壁への煤
の付着を防止し、短炎化し、また噴霧の偏りに対して十
分な燃焼余裕幅を確保することができる。また、燃焼負
荷の小さい領域においては、保炎を阻害することなく完
全燃焼をさせる役目を果たすことができ、燃焼負荷の大
きな領域においては、本来の旋回羽根の持つ保炎能力を
補助する役目を果たし、大きな燃焼負荷可変幅にわたる
保炎性、燃焼性を向上させることができる。また請求項
2に記載の噴霧燃焼器によれば、請求項1に記載の構成
による効果に加えて、向心空気孔を付加して設けること
によって、更に一次燃焼領域の混合を活発にすることが
でき、燃焼を活発にし、温度上昇を図り、煤の発生、付
着、堆積を一層減少させることができる。また請求項3
に記載の噴霧燃焼器によれば、請求項1又は2に記載の
構成による効果に加えて、保炎器の短筒部の内径を燃焼
筒の内径よりも小径としているので、保炎器の短筒部の
旋回空気孔や向心空気孔から吹き出される空気流がそれ
だけ燃焼筒の中心へ届きやすくなり(貫通距離が小さく
なる)、よって混合の促進により一層燃焼が促進せら
れ、煤発生防止と短炎化を図ることができる。また請求
項4に記載の噴霧燃焼器によれば、請求項1から3のい
ずれかに記載の構成による効果に加えて、中心孔から燃
料と共に噴出される空気の供給経路と、その回りの前記
保炎器を通って噴出される空気の供給経路とを互いに遮
断して構成したので、中心孔通過空気とその回りの旋回
羽根部等を通過する空気とを完全に分離独立させること
ができ、燃焼負荷を大きく変化させても、安定な火炎が
形成して、保炎性燃焼性を一層向上させることができ
る。また請求項5に記載の噴霧燃焼器によれば、請求項
4に記載の構成による効果に加えて、旋回羽根を通過す
る空気量と、保炎器の短筒部を通過する空気量との比率
を容易に変更調整することができ、よって燃焼負荷の広
い範囲にわたって保炎能力の調整が可能となり、火炎の
浮き上がりや振動等を抑えることができる。またそれに
よって燃焼余裕幅を十分確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の噴霧燃焼器の1実施例を示す縦断面図
である。
【図2】図1に示す噴霧燃焼器の要部の詳細図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】本発明の噴霧燃焼器の第2の実施例を示す縦断
面図である。
【図6】従来の噴霧燃焼器の例を示す図である。
【図7】従来の噴霧燃焼器による噴霧の偏りを示す図で
ある。
【符号の説明】 7 燃焼筒 11 燃料噴射弁 22 保炎器 22a 中心孔 22b 旋回羽根部 22c 旋回羽根外周壁 22d スワラ・コーン部 22e 短筒部 22f 旋回空気孔 22g 向心空気孔 28 二次空気分離筒

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼筒の基端側に保炎器を取り付け、燃
    料噴射弁からの燃料を前記保炎器の中心孔を通して燃焼
    用一次空気と共に燃焼筒内に噴霧し、燃焼を行う噴霧燃
    焼器であって、前記保炎器は、前記中心孔の周囲に少な
    くとも旋回羽根部と、その周囲に連続して形成されて前
    方へ拡大するスワラ・コーン部と、その先端部に連続し
    て形成される短筒部とを有し、且つ前記短筒部に、前記
    旋回羽根部を通過する空気流の旋回方向と同方向の旋回
    流を発生せしめる複数の旋回空気孔を設けたことを特徴
    とする噴霧燃焼器。
  2. 【請求項2】 保炎器の短筒部に、旋回空気孔に加え
    て、燃焼筒の半径方向中心に向けて開口される複数の向
    心空気孔を設けた請求項1に記載の噴霧燃焼器。
  3. 【請求項3】 保炎器の短筒部の内径を燃焼筒の内径よ
    りも小径としている請求項1又は2に記載の噴霧燃焼
    器。
  4. 【請求項4】 中心孔から燃料と共に噴出される空気の
    供給経路と、その回りの前記保炎器を通って噴出される
    空気の供給経路とを互いに遮断して構成した請求項1か
    ら3のいずれかに記載の噴霧燃焼器。
  5. 【請求項5】 保炎器を通って噴出される空気の供給経
    路を、保炎器の旋回羽根部を通って噴出される空気の供
    給経路と、保炎器の短筒部に開口された空気孔を通って
    噴出される空気の供給経路とに互いに遮断して構成した
    請求項4に記載の噴霧燃焼器。
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