JPH06193773A - 導管類の固定具 - Google Patents

導管類の固定具

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JPH06193773A
JPH06193773A JP4356567A JP35656792A JPH06193773A JP H06193773 A JPH06193773 A JP H06193773A JP 4356567 A JP4356567 A JP 4356567A JP 35656792 A JP35656792 A JP 35656792A JP H06193773 A JPH06193773 A JP H06193773A
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inlet groove
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義男 大西
Masakatsu Onishi
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L3/00Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets
    • F16L3/24Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets with a special member for attachment to profiled girders
    • F16L3/243Supports for pipes, cables or protective tubing, e.g. hangers, holders, clamps, cleats, clips, brackets with a special member for attachment to profiled girders the special member being inserted in the profiled girder

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】導管の溝形レールへの固定作業を、何の熟練も
要さず、だれでも作業ミスなく、極めて簡単、安全、確
実にかつ能率的に行うことができる導管類の固定具を提
供することにある。 【構成】溝形レール4の上にこれと交差状に渡した導管
類を固定するための手段であり、ねじ部材2が頭部20
とねじ部とのあいだに回転リード部24を有し、座部1
2には回転リード部24の断面形状と合致する形状のガ
イド孔120aを有し、ねじ部材2の頭部20と座部1
2間に介装した弾性部材14の引上げ力により締付け具
3は溝形レール4の入口溝42と平行ないしそれに近い
姿勢で座部12に保持され、かつ回転リード部24の始
端部が座部12のガイド孔120aに嵌められており、
ねじ部材2の軸線方向への押圧時に締付け具3は溝形レ
ール4の入口溝中を下降しつつねじ部材2と共に一定角
度回転し、締付け部31,31が入口溝42を形成する
一対の壁40,40の下面に自動的にセットされるよう
に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導管類の固定具の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術及びその技術的課題】工場、営業所、店
舗、集合住宅、倉庫、駅、体育館、劇場などの建築物
や、トンネル、地下道、高架鉄道、高架道路、橋梁など
の建造物においては、天井、側壁、床などに給電用、通
信用のケーブルや線で代表される条体を通した導管やガ
スなどの流体を送る導管が敷設される。このような導管
を敷設する場合、一般的に、サドルと称する溝形レール
を一定間隔で平行に配しておき、それら溝形レールに導
管を交差状に掛け渡し、固定具で固定する方法がとられ
る。導管は各溝形レールごとに固定されなければなら
ず、かつ導管は1つの溝形レールに通常複数本が平行に
固定されることが多い。導管は一定寸法のものを長手方
向で連続的に継がれ、そうした導管の複数本を所定の間
隔で互いに平行に配置されなければならない。それゆ
え、各個所での固定作業は、導管を溝形レールから離脱
しないが長手方向にだけは移動可能なように仮止めする
工程、導管を位置調整し終わった後その位置でしっかり
と固定する工程が必要である。したがって、トータルす
ると一工事あたりの導管固定作業回数は極めて多数とな
り、工数も多大なものとなる。しかも導管は、溝を上向
きにして天井から吊りボルトで吊持された溝形レールに
載せて固定するケースだけでなく、溝が下向きとなった
溝形レールに導管を下方からあてがって固定するケース
も多い。前者においては天井と溝形レール間には狭い作
業空間しかないことが多く、後者では上向きでかつ首を
後方に90度近く曲げた苦痛を伴う姿勢での作業とな
る。従って、こうした導管の固定作業は、簡単、確実、
安全に行え、かつコストの低減や苦痛の軽減の面から少
ない人員で短時間で能率よく行えることが望まれる。
【0003】従来、かかる導管の固定具として、実開昭
63−48085号公報が提案されている。この先行技
術は、正面T字状の脚部に続いて導管の半周を包囲する
抱持部を有する金具本体と、その金具本体の脚部と反対
側に設けた座部に挿通されたねじと、ねじに螺通された
平たい羽根板からなっている。そして、羽根板の長手方
向端面をレール部材のフランジ内壁に当接させることで
回転を止め、引き続くねじの回動によって羽根板をフラ
ンジ内壁に沿って上昇させ、羽根板の上面をレール部材
の壁下面に接触することで締付けるようになっていた。
しかし、この先行技術では、いちいち羽根板をその長手
方向が溝形レールの溝方向と平行になるように姿勢を整
えて羽根板を溝形レール内に挿入し、その状態でねじを
多数回回転して羽根板を上昇させなければならない。こ
のため、一人での作業が困難であり、一人が導管を溝形
レールにあてがい、もう一人が固定具を操作することが
必要となり、仮止め作業に極めて時間と手間がかかる問
題があった。また、仮止めに際して、ねじを回転するこ
とが必要であり、その際に誤って反時計方向にねじを回
した場合には羽根板がねじから外れ、溝形レール内に羽
根板が落ちこんでしまい、その取出しに手間と時間がか
かって能率を低下させる。また、溝形レールの溝が下向
きの場合には、ねじから外れた羽根板、さらには金具本
体から外れた導管が落下して作業員の頭部や顔面等を打
撃し、人身事故につながる危険があった。
【0004】米国特許第4770378号には、座部と
ねじ頭部との間にスプリングを介装して羽根板を吊り上
げておくことが提案されている。しかし、この先行技術
においても、仮止めを行うには、ねじを軸線方向に押し
て羽根板を溝形レールの垂れ壁の下まで降ろし、その状
態でねじを回転させて羽根板を溝形レールと直交状に旋
回させるという2段動作が必要である。このため、この
先行技術においても手間がかかり、手首のねじれが反復
することによって作業者の疲れも増加させる。また、仮
止めにねじの回転操作が必要なため、誤って反時計方向
にねじを回転して羽根板が外れ、前記したようなトラブ
ルが発生する事を避けられなかった。
【0005】なお、いずれの先行技術においても、羽根
板の長手方向両端が溝形レールの左右フランジ内壁に当
接することで羽根板の回転を止めるようにしていた。こ
れも一つの問題となっていた。すなわち、羽根板の寸法
が非常に長いものとなるため、ねじの締付けが作用する
とたわみが生じやすく、これを防ぐには羽根板の厚さを
増さなければならない。このため、固定具全体が大型
で、重くなり、運送や作業時の取扱いが面倒になるとい
う問題があった。使用上も、羽根板が長い寸法であるた
め、羽根板の長手方向を溝形レールと平行状の向きにし
たときに、金具本体の抱持部領域のかなり内部にまで進
入する。このため、導管を抱持部で抱くときに羽根板が
邪魔になり、一旦、羽根板の向きを溝形レールの溝方向
と直交するように90度回転調整しなければならない。
そして、金具本体を溝形レールにセットするときには、
もう一度羽根板の向きをレールの溝方向と平行になるよ
うに90度回転調整しなければ、羽根板をレール部材内
に挿入することができない。この調整はねじを回転操作
して行わなければならず、このため、この面でも作業性
が悪く、作業能率が低下した。また、羽根板の長手方向
先端面が溝形レールのフランジ内壁に当接することで回
転を止めるようにしているため、フランジ内壁の表面性
状によってはレール溝方向と直交せずに斜めにひっかか
り、それによってねじを回転できなくなったり、斜めの
まま羽根板が上昇する。しかも、羽根板の向きの良否を
外部から容易に目視確認できない。このため、溝形レー
ル部材の垂下壁端面と十分な締付け面積が取られないで
締め付けられ、不安定、不確実な締付け状態となりやす
く、固定性能に不安があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前記のような問
題点を解消するために考案されたもので、その第1の目
的は、導管の溝形レールへの固定作業を、何の熟練も要
さず、だれでも作業ミスなく、極めて簡単、安全、確実
にかつ能率的に行うことができる導管類の固定具を提供
することにある。また、本発明の第2の目的は、第1の
目的に加え、締付け具も小型、軽量であり、導管を抱持
するための被せ操作において、締付け具の方向を変えず
にワンタッチで行え、仮止め時における締付け具の向き
の適否も外部から明確に判別することができ、固定状態
の緩みが生じない導管類の固定具を提供することにあ
る。本発明において、「導管類」とは、電線、ケーブ
ル、通信用の線やケーブルなどの条体を通してそれらを
保護する配管、ガスなどの流体を送る配管のほか、棒材
や筋材のほか、ケーブルの束そのものなどを含むものと
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の第1発明は、溝形レールの上にこれと交差状に
渡した導管類を固定するための手段であって、導管等の
断面形状に対応する形状の抱持部に続いて座部を有する
本体と、前記座部に挿通されるねじ部材と、ねじ部材に
螺通する締付け具を備えた形式のものにおいて、前記ね
じ部材が頭部とねじ部とのあいだに回転リード部を有
し、座部には回転リード部の断面形状と合致する形状の
ガイド孔を有し、ねじ部材の頭部と座部間に介装した弾
性部材の引上げ力により締付け具は溝形レールの入口溝
と平行ないしそれに近い姿勢で座部に保持され、かつ回
転リード部の始端部が座部のガイド孔に嵌められてお
り、ねじ部材の軸線方向への押圧時に締付け具は溝形レ
ールの入口溝中を下降しつつねじ部材と共に一定角度回
転し、締付け具の締付け部が入口溝を形成する一対の壁
の下面に自動的にセットされるように構成したものであ
る。この第1発明における締付け部材は、好適には、溝
形レール4の内側溝幅よりも小さい長さ寸法と入口溝幅
と同等以下の幅寸法を持ち、長さ方向両端部に入口溝を
形成する一対の壁の下面に接し得る締付け部を有し、幅
方向両側域には締付け部よりも上方に立上り、入口溝壁
に当接可能な一対の突部を有している。
【0008】また、同じ目的を達成するため本発明の第
2発明は、締付け具を拡縮自在としたものである。すな
わち、締付け部材を水平軸線の回りで揺動可能な2個の
締付け片に分割し、それら締付け片はねじ部材の頭部と
座部との間に介装した弾性部材の引上げ力により座部に
保持され、ねじ部材の軸線方向への押圧により下降しつ
つ溝形レールの入口溝を形成する壁との接触で一旦すぼ
まり、ついで水平軸線の回りで傾転して拡開し、それぞ
れの締付け部が入口溝を形成する壁の下面に自動的にセ
ットされるように構成したものである。この第2発明に
おける締付け部材は、好適には中心にナット部材を有
し、該ナット部材に締付け片が軸片により連結されてお
り、締付け片は両者が全開状態においても溝形レールの
内側溝幅よりも小さな寸法を有し、かつ締付け片はそれ
ぞれ締付け部よりも上方に立上り、入口溝を形成する壁
に当接可能な突部を有している。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図1ないし図7は第1発明の第1実施例を示して
いる。図1において、Aは本発明による導管類の固定具
の全体を指し、本体1と、ねじ部材2と、締付け具3
と、ねじ部材2および締付け具3に引き上げ力を与える
弾性部材14を備えている。4,4は溝形レール、5,
5は導管である。溝形レール4,4は所定の間隔をおい
て平行状に配され、天井から図示しない吊りボルトで吊
られ、あるいは図1の天地を逆にした状態で天井に直固
定される。導管5,5は溝形レール4,4に交差状に渡
されている。図1と図2においては、溝形レール4は、
ウエブ4aの両側に一対のフランジ4b,4bを有し、
各フランジ4b,4bは、上端から内方に水平に伸びさ
らに下方に屈曲され、それによって入口溝壁40,40
が形成されている。それら入口溝壁40,40によっ
て、フランジ内幅W2よりも狭い幅W1を持つ入口溝42
が形成されている。本発明で適用される溝形レール4は
これに限定されるものではない。すなわち、図6のよう
にフランジ4b,4bの頂部から入口溝壁40,40が
傾斜状に下ったもの、図7のようにフランジ4b,4b
の頂部から入口溝壁40,40が水平に伸びただけのも
のなどもすべて含む。
【0010】本体1は鉄系、アルミニウム系などの金属
材料、プラスチックなどの非金属材料あるいはそれらの
複合材料で作られ、導管5の断面形状に対応する輪郭の
抱持部10を有しており、この実施例では導管5は円形
断面であるため、抱持部10は少なくとも1/3円周長
以上に接し得るわん曲状となっている。本体1はこの抱
持部10から下る脚部11を有し、この脚部11の下部
には、レール部材4の入口壁40,40の下面41,4
1に対する係止部13が張り出している。抱持部10は
前記脚部11と反対側の下部に、水平状ないし適度の傾
斜角度を持つ座部12が屈曲形成されている。この座部
12は平らなプレートでもよいが、強度を高めるととも
に締付け具3の保持を確実にするため幅方向両側に屈曲
側壁121,121が形成されている。側壁は必ずしも
座部から垂直状に下がっている必要はない。
【0011】ねじ部材2はねじ軸(ねじ部)21の上端に
頭部20を有し、それら頭部20の下にはねじなし首下
部211を有し、ねじなし首下部211とねじ軸21の
間に、ねじ部材2を軸線方向に押圧したときに座部12
と協働して約90度の時計方向回転力を得るための回転
リード部24が形成されている。この実施例において、
回転リード部24は、ねじ軸21よりも径が大きな筒部
の周面に、大きなリードの複数の歯が配された円筒歯車
ないしこれに類するものである。具体的にはねじりロー
レット、多条ウォームなどが挙げられる。前記座部12
の中央部には図3で示すように前記回転リード部24の
断面形状と合致するガイド孔120aが形成されてお
り、この実施例ではガイド孔120aは内歯歯車状の輪
郭を有している。なお、ねじ部材2を軸線方向に押圧
し、前記回転リード部24とガイド孔120aとにより
ねじ部材2が回転したときに、締付け具3は単独で回転
させられないことが好ましい。これは、ねじの噛み合い
を強くするか、ねじ軸21の下部表面に軸線と平行な溝
210を設けるか、あるいは接着剤で軽く仮止めしてお
くなどの方法をとればよい。
【0012】締付け具3は、図3のように長さLが幅W
よりも寸法が大きい。具体的には、幅Wは、図1におけ
る入口溝壁40,40の内幅W1より小さい寸法であ
り、長さLは、レール部材4の溝内幅W2よりも小さ
く、入口溝壁40,40が垂直状に下っている溝形レー
ルの場合にも、入口溝壁40,40の外幅W3と同等か
それよりも少し大きな寸法である。この締付け具3は、
中央にねじ部材2のねじ軸21と螺合するねじ穴33を
有し、長さ方向両側域には入口溝壁40,40の下面4
1,41に対する締付け部31,31を有する。また、
幅方向両側域には締付け部31,31よりも上方に立ち
上がる一対の突部30,30を有している。締付け部3
1,31は図6のような溝形レール4に使用する場合に
は、入口溝壁40,40の傾斜に合致した傾斜を有して
いることが好ましい。前記突部30,30は、締付け具
3が入口溝42と直交する関係位置になったときに入口
溝壁40,40に当接して締付け具3の回転を止める機
能を果たす。そのため、それぞれの突部30,30は入
口溝壁40,40に当接されるべきストッパ面300,
300を対角上に有している。
【0013】前記弾性部材14はウレタン等の筒でもよ
いが、一般的には圧縮スプリングより好適にはコニカル
スプリングが用いられる。弾性部材14はねじ部材2に
嵌められ、座部12によって下端が支持される。弾性部
材14の下端は座部12に接着や溶接などにより固定さ
れていてもよい。ねじ軸21は座部12のガイド孔12
0aに通され、ねじ軸21を締付け具3のねじ穴33に
螺通させることによりねじ部材2と締付け具3は組付け
られる。この組付けは、図3で示す状態でねじ部材2を
弾性部材14の弾性に抗して軸線方向に押圧し、ガイド
孔120aに回転リード部24が所要長さ嵌まった状態
で締付け具3のねじ穴33をねじ軸21に螺通させ、ね
じ部材2の押圧を解除することで行えばよい。回転リー
ド部24とガイド孔120aによってねじ部材2が反時
計方向に90度回転するため、締付け具3は長手方向が
座部12の側壁と平行状になり、弾性部材14の弾性に
よって突部30,30が座部12の下面に当接する位置
まで引き上げられる。この状態で回転リード部24は少
なくとも端部がガイド孔120aにはまっていることが
必要であり、それは、弾性部材14のばね力の選択か、
回転リード部24の長さの設定あるいは突部30,30
の高さの設定などによって容易に実現できる。なお、突
部30,30は座部12の屈曲側壁121,12にピッ
タリとはまることは必要でなく、ガタツキがあってもよ
い。また、突部30,30は図9で例示するように屈曲
側壁121,121に外はめされてもよい。
【0014】図8は第1発明の第2実施例を示してお
り、この実施例では回転リード部24はねじ軸21より
も大きな断面積を持つ四角形断面のねじり棒であり、ガ
イド孔120aは四角形輪郭をなしている。図9は第1
発明の第3実施例を示しており、この実施例では回転リ
ード部24はねじ軸21と同等以上の断面積を持つ円筒
部に大きなリードの2条のねじれ歯240,240を形
成している。ガイド孔120aは円形輪郭孔の外側に1
80度対称で溝孔を形成している。なお、第2実施例も
第3実施例も、図1、図6、図7に例示する溝形レール
に適用されることはもちろんである。
【0015】締付け具3は、前記した基本構造を有して
いる限りいかなるものでもよい。まず材質については鉄
系のもの、アルミニウム系のもの、合成樹脂系のものな
ど用途に応じて選択される。図10と図11は、図1な
いし図7で用いられている締付け具3を単体で示してい
る。この実施例においては、締付け具3は長手方向と直
角の断面形状が溝形をなしており、ウエブ3aにバーリ
ング加工によりボス330を形成し、これにねじ穴33
を設けている。締付け部31,31はウエブ3aから比
較的短い高さで立ち上がるフランジ3b,3bからなっ
ており、フランジ端面が入口溝壁40,40の下面4
1,41に強圧される部分である。この構造は、アング
ル効果によって締付け部31,31の強度を高くするこ
とができ、したがって、締付け具3の板厚を薄くでき
る。また、フランジ端面が締付け作用面であるため面圧
を高くすることができ、入口溝壁40,40の下面4
1,41との滑りが生じにくいという利点を持つ。突部
30,30は前記フランジ3b,3bをさらに上方に延
長した壁として構成されている。
【0016】図12と図13締付け具3の別の例を示し
ている。図12の実施例では、突部30,30を一連の
壁とせず2つに分割した壁としている。図13の実施例
では突部30,30を長さの短い壁としている。図14
と図15は締付け具3の他の実施例を示している。この
実施例においては、締付け部31,31はプレート状を
なし、表面にはローレットなどの摩擦増加部311が形
成されている。そして締付け具3の幅方向両側に突部3
0,30がフランジとして形成されている。この態様に
おいても、図12や図13のように突部30,30を分
割したり、長さを短くする構造をとることができるのは
もちろんである。他の構成は前記第1実施例と同じであ
るから、同じ部分に同じ符号を付すにとどめ、説明は省
略する。
【0017】図16ないし図18は締付け具3の別の実
施例を示している。図16は全体として溝形断面をなし
ているが、ウエブ3aの側縁ないしこれに近い領域に切
込み360,360を設け、この切込み内の部分を上方
に屈曲して爪状の突部30,30を形成している。図1
7は全体として台形状をなし、ウエブ3aの側縁部に長
手方向と平行な切込み360,360を形成し、その切
込みの外側の部分を屈曲して爪状の突部30,30を形
成したものである。図18はプレート状であるが強度を
増すためウエブ3aに幅方向に走るリブ(段部)3d,3
dを形成し、リブ3d,3dの端部領域にピンを植え立
てて突部30,30を得たものである。ピンの植え立て
方法は圧入、溶接、かしめ、ねじ止めなど任意である。
図19と図20は締付け具3の別の実施例である。この
実施例では締付け具3は横方向に開口した角筒状の断面
形状をなし、締付け部31,31はウエブ(下壁)3a
を延長した部分に形成されている。突部30,30は角
筒の側壁によって形作られ、天壁3cとウエブ3aには
穴331,331が同心上に設けられ、ウエブ3aにナ
ット332を固定することでねじ穴33を得ている。天
壁3cの穴331はねじ部材2の回転リード部24の自
由な装脱を許す径寸法とすることが好ましい。ナット3
32を使用せずウエブaに直接ねじ穴を形成してもよ
い。この実施例は、角パイプをカットして作ることがで
きる利点と、強度を高くすることができる利点がある。
ことに側壁のカットラインを図示する位置よりも高くす
れば締付け部31,31を図10や図11のようなフラ
ンジ形態とすることができ、全体の強度が向上する。な
お、プレス加工でこの実施例を作る場合は、素材のフラ
ンジ形成用部分を天壁分だけ長くし、そのフランジ用部
分に半穴を形成し、曲げ加工すればよい。
【0018】なお、上記した締付け具3の各実施例にお
いて、2つのストッパ面300,300は、両方の突部
30,30において対称的な位置にある。すなわち、図
10を代表的に述べると、図において下側の突部30の
ストッパ300面は左側にあり、上側の突部30のスト
ッパ300面は右側にある。ストッパ面300,300
間の距離L2は入口溝壁40,40の内幅W1とほぼ同等
に設定する。各ストッパ面300,300からそれぞれ
自由端までの距離L1が締付け部31,31の有効長さ
となる。なお、各突部30,30の反ストッパ面30
1,301は回転のストッパとして機能しない。したが
って、反ストッパ面301から自由端までの距離L3
前記距離L1より大きい。しかし、反ストッパ面30
1,301は必ずしも締付け部の延長部部分に対し直角
であることは必要ではなく、傾斜状ないし曲率状となっ
ていてもよい。そして、2つの反ストッパ面301,3
01間の距離L4は入口溝壁40,40の内幅W1より小
さな寸法でなければならない。これは、締付け具3を溝
形レール4の長手方向と平行な状態から約90度回転さ
せるために必要である。締付け部31を基準とする突部
30,30の高さHは、ストッパ面300,300が入
口溝壁40,40に当接した状態でこれらから外れない
だけの寸法が必要である。
【0019】図10ないし図16および図19と図20
の締付け具3においては、反ストッパ面301,301
から締付け部31,31の有効締付け域の始まり位置
(幅方向で反対側のストッパ300と合致する位置)に
段部32,32を形成し、それにより締付け部31,3
1よりも少し高いサブストッパ面304,304を形成
している。図10ないし図15においては、段部32,
32はそのまま突部30,30につながる。図17にあ
っては、締付け部31,31よりも少し高いサブストッ
パ面304,304は、ウエブそのものを台形状にする
ことで作られる。図18にあっては、ストッパ面30
4,304はリブ3d,3dによって作られる。このよ
うにサブストッパ面304,304を設けた場合、締付
け具3の強度が増し、また、幅方向両側の締付け部31
の有効長さが均等になるため、締付け具3を確実に溝形
レール4と直交させることができる。また、締付け具3
を溝形レール4に仮止めした状態で導管5の位置を調整
すべく固定具Aをスライドしたときに、締付け具3が不
用意に反時計方向に旋回することを防止し、締付け部3
1,31を溝形レール4と直交状態を保ちつつ移動する
ことができる。
【0020】図21は本発明における本体1の別の実施
例を示している。この実施例は1つの本体で2本の導管
5,5を固定できるようにしたものである。このため、
抱持部10を両側のわん曲部10a,10aとそれらの
間を結ぶ直線部10bで構成し、直線部10bに含まれ
る領域の本体幅方向両側に、それぞれ凹入状の円弧面1
0c,10cを有する突片10dを連設している。本体
幅方向両側の2つの突片10d,10dは本体に対し直
角状に下向きに屈曲され、一対のスペーサ部を構成す
る。そして、幅方向両側の各突片の円弧面10c,10
cとわん曲部10aとがペアとなって導管5の断面形状
に則した抱持部が形成される。なお、突片10dの数は
限定がなく、直線部10bの長さ方向で2つ形成すれば
3本の導管を固定することができ、3つ形成すれば4本
の導管を固定することができる。
【0021】図22は本発明における本体1の別の実施
例を示しており、この実施例は図1と図2のような脚部
11を設けず、抱持部10の両側下部に座部12,12
を形成し、それら座部12,12にそれぞれ前述した構
造のねじ部材2と締付け具3と弾性部材14とを配した
ものである。
【0022】図23ないし図38は第2発明を示してい
る。図23ないし図25はその1つの実施例であり、図
30ないし図33はその実施例の使用状態における部品
の変化を示している。1は本体、2はねじ部材、3は締
付け具、14は弾性部材である。本体1は前記第1発明
と同様に導管5の断面形状に合致する形状の抱持部10
を有し、抱持部10の下部には前方に突出する座部12
が形成され、反抱持部側には、係止部13を有する脚部
11が形成されている。前記座部12にはほぼ中央に通
孔120が形成され、幅方向両側には強度を高めるとと
もに締付け具3を保持するための屈曲側壁121,12
1が形成されている。ねじ部材2は頭部20とねじ軸2
1とを有し、ねじ軸21が前記座部12の通孔120に
挿通され、締付け具3の後述するナット部材と螺合して
いる。弾性部材14は、好適には圧縮円筒スプリングや
コニカルスプリングが使用され、頭部20と座部12と
の間に介装され、その弾性によって締付け具3は吊り上
げられ、締付け具3が所定の向きすなわち長手方向が溝
形レール4の入口溝42と直交する配向となるように座
部12に保持されている。
【0023】この第2発明においては、締付け具3は水
平軸線の周りを回転し、かつ拡開・縮小可能な構造とな
っている。詳しくは、締付け具3は、図23ないし図2
5のように2つの締付け片3A,3Aとナット部材3B
を有し、2つの締付け片3A,3Aはこの実施例ではそ
れぞれ軸片6,6によってナット部材3Bに支持され、
垂直軸線(ねじ部材2の軸線)と直交する軸線の周りで約
90度揺動可能である。各締付け片3A,3Aは、材質
的には前記した第1実施例と同じである。各締付け片3
A,3Aは、それぞれウエブ3aと該ウエブの両側から
立ち上がるフランジ3b,3bを有し、全体として図2
3と図24のように少なくとも上方と後方がそれぞれ開
放された溝形の断面形状を持っている。フランジ3b,
3bには溝形レール4の入口溝壁40,40の下面4
1,41に対する締付け部31,31が形成され、この
締付け部31,31の近傍に、溝形レール4の入口壁4
0,40に当接可能なストッパ面300,300を持つ
突部30,30が形成されている。突部30,30は、
図31のように締付け部31,31が入口壁40,40
の下面41,41を通過したときに入口溝壁40,40
に当接し得るだけの高さが必要であり、ストッパ面30
0,300の頂点から背方は下がり斜面305,305
となっている。これは図23の状態から押し込まれたと
きに締付け片3A,3Aのフランジ同士を衝突させずに
すぼませることを可能にするためである。溝形レール4
の入口溝42にセットされた状態からスムーズなすぼま
りを図るため、ウエブ3aは前記下り斜面305と平行
に近い角度で傾斜しており、傾斜上端部位は締付け部3
1に達する壁となっている。この壁は締付け部の強度を
高めるうえで効果的である。そして、ウエブ3aの下端
306は図24のようにフランジ3b,3bの後方端面
よりも手前で終わっている。
【0024】ナット部材3Bは、左右方向に長い矩形状
断面の頭部370と、該頭部370と幅を同じくし左右
方向だけが断面積の減少した脚部371を備え、正面か
ら見てほぼT状をなしている。頭部370の下面には前
記ウエブ3a,3aに対応する角度の斜面376,37
6が設けられている。ナット部材3Bは、ねじ部材2の
ねじ軸21がねじこまれるねじ穴33を中央に有し、ね
じ穴33の両側の頭部371にはそれぞれ横孔372,
372が設けられている。前記締付け片3A,3Aは、
背方の開口により図25のように対称的にナット部材3
Bに嵌められ、フランジ3b,3bの所定部位に予め設
けてある孔を前記横孔372,372に合わせ、それら
孔と横孔372,372に軸片6,6を通すことにより
ナット部材3Bに組み付けられる。この実施例では軸片
6,6はかしめによって抜け止めされるがこれに限定さ
れるものではなく、Eリングなど回転軸の抜け止めとし
て知られている各種方法をとることができる。この組付
け状態において、締付け片3A,3Aのウエブ3aの下
端306は脚部371の側面に当接する。これにより締
付け片3A,3Aは最大開き角度が規制され、この最大
拡開状態での締付け片3A,3Aの先端間の距離が締付
け具3としての長さ寸法Lである。その長さ寸法Lは、
入口溝42の幅W1よりも大きく、溝形レール4のフラ
ンジ内面間寸法W2よりも小さい。また、締付け片3
A,3Aの幅Wは、座部12の長さと同等以下であるこ
とが好ましい。なお、ナット部材3Bは、脚部371を
有さず頭部370の長さのまま延長された矩形ブロック
状であってもよい。この場合、ウエブ3aは下端位置を
後退させるべく短くされる。
【0025】前記締付け片3A,3Aは、すぼまった状
態から確実に拡開状態に変化できるように、常時拡開気
味とすることが好ましい。このための手段としては、締
付け片3A,3Aの締付け部31,31領域の質量を増
すことがあげられる。これは錘要素を付加し、あるいは
ウエブ3aの傾斜上端部位の壁の肉厚を増すことなどに
よって実現できる。しかし、本実施例では、2つの弾性
部材7,7を用いて締付け片3A,3Aの下部領域を引
っ張っている。弾性部材7,7はたとえば引っ張りばね
が用いられ、その両端が軸片6,6の取付け位置よりも
下のフランジ面に固定される。引っ張りばねの固定方法
は任意であり、溶接でもよいが、この例ではフランジ3
b,3bに切り起し片を設け、これに引っ張りばねの端
部を掛け止めしている。これに代えてフランジに小穴を
設け、これに引っ張りばねの端部を掛け止めしてもよ
い。
【0026】図26と図27は締付け具3の別の実施例
を示している。この実施例においては、左右の締付け片
3A,3Aは幅が異なり、かつ、支点は1つの共通支点
である。締付け片3A,3Aはフランジ3b,3b同士
がオーバーラップするように組み合わされ、幅の狭いフ
ランジ3b,3bがナット部材3Bに面する。ナット部
材3Bにはめねじ穴33と直交する関係で横ねじ穴37
3,373が設けられており、これらに締付け片3A,
3Aを貫いた軸片6,6がねじ込まれている。そして、
この実施例では、弾性部材7,7は引っ張りスプリング
であり、ウエブ3a,3a間を結んでいる。詳細には、
ナット部材3Bの下面にねじ軸と直交する方向にのびる
切欠き374,374が設けられ、これら切欠き37
4,374に弾性部材7,7が配され、両端がウエブ3
a,3aに任意な方法で固定されている。この実施例で
は固定方法としてウエブ3a,3aに小穴377,37
7を設け、これに弾性部材7,7の両端を掛け止めして
いる。拡開角度の規制のためウエブ3a,3aの下端3
06,306をナット部材3Bの側面に当接させるよう
にしていることは前記実施例と同様である。
【0027】図28と図29は締付け具3の別の実施例
を示している。この実施例においても、左右の締付け片
3A,3Aは幅が異なり、かつ支点が共通支点である。
異なる点は、ナット部材3Bに抜け止め突起付きの軸片
6,6を設け、締付け片3A,3Aのフランジ3b,3
bには軸片6,6の径とほぼ一致する幅の割溝375,
375を設け、それら割溝375,375を軸片6,6
にはめることで組み立てている。弾性部材7はこの実施
例では1本であり、ねじ穴33の鉛直下を横切るように
ウエブ3a,3a間に張設されている。この場合には、
ナット部材3Bの高さ寸法を大きくすれば、ねじ軸21
が締付け時に進出しても弾性部材7に接触することはな
い。図28と図29に示す抜け止め突起付きの軸片と割
溝の組合せは図23ないし図25の実施例にも適用可能
である。
【0028】図34と図35は、第2発明を、入口溝壁
40,40が斜め下がったタイプの溝形レール4に適用
した実施例を示しており、図36は入口溝壁40,40
が水平なタイプの溝形レール4に適用した実施例を示し
ている。図34と図35の場合、締付け部31,31は
入口溝壁40,40の傾斜に対応した傾斜角度を持たせ
ることが望ましい。図37は第2発明の締付け具3を使
用して複数本の導管5,5を固定する態様を示してお
り、本体1は、座部12にガイド孔でなく通孔が設けら
れることを除いて前記図21と同じである。それ故、同
じ部分に同じ符号を付し、説明は省略する。図38は第
1発明や第2発明の固定具を1つ使用して複数本の導管
を固定する態様を示している。これは、本体1の脚部1
1に設けられている係止部13を水平状に屈曲し、その
屈曲した係止部13の幅方向中央部にねじ穴130を設
けることで実現される。この場合には左端の係止部13
の上に次の本体1の座部12を位置させ、その座部12
にねじ部材2のねじ軸21を通し、係止部13のねじ穴
130にねじ込むことを順次繰り返せばよい。図39は
抱持部10の前後に座部12,12を設け、それら座部
12,12に第2本発明の締付け具3とねじ部材2と弾
性部材14をアッセンブリした状態を示している。この
両側に座部を設ける態様は図37にも適用可能である。
【0029】
【実施例の作用】次に本発明の実施例の作用を説明す
る。溝形レール4は入口溝42を上にして、あるいは入
口溝42を下にして所定間隔で配置される。第1発明に
おいて、導管5を固定するにあたっては、本体1の脚部
11を入口溝42を通して溝形レール4の中に入れ、係
止部13を入口溝壁40,40の下面41,41に係止
させる。そして、溝形レール4に直交状に渡した導管5
に抱持部10を被せる。このときの状態が図1と図2で
ある。締付け具3は弾性部材14によって吊りあげら
れ、本体1の座部12に保持されており、回転リード部
24の下端が座部12のガイド孔120aにはまってい
る。このため、締付け具3は長手方向が溝形レール4の
長手方向と正しく平行状に保持される。締付け具3は長
さが短く、図2から明らかなように抱持部10の内部に
まで達していない。このため、抱持部10を導管5に被
せる際に締付け具3が全く障害とならず、締付け具3を
何ら動かすことなくワンタッチで抱持を行うことができ
る。
【0030】次いで仮止め工程に移るが、この工程はね
じ部材2を軸線方向にプッシュするだけでよい。すなわ
ち、プッシュ操作によりねじ部材2は弾性部材14の弾
性に抗して押し下げられ始め、それに伴い、締付け具3
の突部30,30は座部12の屈曲側壁121,121
から脱出する。同時にねじ部材2が下降すると回転リー
ド部24が働き、座部12のガイド孔120aとの関係
により、ねじ部材2それ自体が時計方向に回転する。こ
のため、締付け具3は図4のように入口溝42内でねじ
部材2とともに時計方向に回転する。締付け具3は反ス
トッパ面301,301の距離L4が入口壁40,40
の内幅W1よりも小さいが、ストッパ面300,300
間の距離L2は入口溝壁40,40の内幅W1と同等であ
る。また、回転リード部24の高さは90度の回転に必
要なだけの寸法である。このため、図4の状態からさら
にねじ部材2が下がりつつ回転すると、対称位置にある
ストッパ面300,300は入口溝壁40,40に次第
に接近し、回転リード部24がガイド孔120aから脱
出して回転が止まると同時に、ストッパ面300,30
0は入口溝壁40,40にカチンと当接する。これによ
り締付け具3は回転が止められ、締付け部31,31が
入口溝壁40,40の下面41,41と直交する姿勢と
なる。
【0031】そこでねじ部材2の軸線方向のプッシュを
解除すれば、図5のように弾性部材14の復元力により
ねじ部材2は引き上げられ、それにより締付け部31,
31が入口溝壁40,40の下面41,41に密接し、
仮止め状態となる。この時、反ストッパ面側の入口溝壁
40には突部30よりも低位なサブストッパ面304が
当接する。そのサブストッパ面304は反対側の突部の
ストッパ面300と整合し、一直線上にある。このた
め、誤ってねじ部材2に手が触れても、締付け部31,
31はもはや時計方向にも反時計方向にも動かず、入口
溝壁40,40の下面41,41と正確な直交状態に規
定される。したがって、導管5を持って溝形レール4の
長手方向に移動させることにより自由に位置調整を行う
ことができ、その時に締付け部31,31は方向が変わ
らずに入口溝壁40,40に沿って移動するため、かか
る調整作業は極めて容易かつ安全である。
【0032】導管5の正規な位置が決まり、本固定を行
うには図5の状態でねじ部材2を所定トルクだけ可転す
ればよい。ねじなし首下部211が座部12のガイド孔
120aに位置し、ねじなし首下部211の径はガイド
孔120aよりも小さいためねじ軸2の回転によりねじ
軸21は締付け具3のねじ穴33に進出し、それにより
締付け具3は上昇し、締付け部31,31が入口溝壁4
0,40,の下面41,41に強力に締め付けられる。
これにより本体1は下方に引っ張られ、導管5は抱持部
10に密着し、溝形レール4に強固に固定される。弾性
部材14は以後スプリングワッシャとして機能するた
め、振動等が加わっても緩みが生じない。
【0033】図6や図7の溝形レール4の場合の使用法
と作用は前記したものと同様である。図22の実施例に
おいては脚部11を溝形レール4内に挿入する操作が不
要であり、図示する状態からねじ部材2,2をプッシュ
することで仮止めを行うことができる。
【0034】次に第2発明の使用法と作用を説明する。
図23は本体1の脚部11を溝形レール4内に挿入し、
係止部13によって係止し、抱持部10で導管5を抱
き、締付け具3を溝形レール4の入口部位にセットした
状態である。締付け具3はこの時には弾性部材14によ
って吊りあげられ、左右の締付け片3A,3Aはストッ
パ面300,300が座部12の屈曲側壁121,12
1に挟持されることによって拡開状態のまま保持され
る。図25ように締付け具3は座部12の突出長さより
も幅Wが短いため、導管5に対する被せは極めて容易で
ある。このセット状態では左右の締付け片3A,3Aの
傾斜状のウエブ3a,3aが入口溝壁40,40の開口
に接している。
【0035】仮止めは第1発明と同様にねじ部材2の軸
線方向のプッシュで完了する。すなわち、図23の状態
からねじ部材2を弾性部材14の弾性に抗して押し下げ
れば、ナット部材3Bに加わる推力により左右の締付け
片3A,3Aは下降して座部12の屈曲側壁121,1
21から脱出する。それと同時にウエブ3a,3aが入
口溝壁40,40の開口によって押圧されるため、締付
け片3A,3Aは軸片6,6を支点として弾性部材7,
7の力に抗して内向きに傾動し、図30のようにウエブ
3a,3aが入口溝壁40,40に接するようにすぼま
りつつ下降する。なおもプッシュ状態が続き、ねじ部材
2の頭部20が座部12に接近する位置まで押し下げら
れ、締付け片3A,3Aのウエブ3a,3aの傾斜部分
が入口溝壁40,40の下面41,41を過ぎると、入
口溝壁40,40による狭圧作用が解除される。このた
め、弾性部材7,7の復元力とあいまって図31のよう
に締付け片3A,3Aは軸片6,6を支点として外転
し、締付け部31,31が入口溝壁40,40の下面4
1,41の下を抜ける。締付け部31,31に隣接して
これらよりも高い突部30,30があり、突部30,3
0回転半径は締付け部31,31の回転半径よりも大き
い。このため、突部30,30の先端のストッパ面30
0,300は図31のように入口溝壁40,40に急速
に接近し、締付け部31,31が水平状態になるのと同
時にストッパ面300,300が入口溝壁40,40に
当接する。
【0036】ねじ部材2,2のプッシュを解除すれば、
図32のように、弾性部材14によりねじ部材2は引き
上げられる。この時に、締付け片3A,3Aのストッパ
面300,300が入口溝壁40,40に当接した状態
のままであり、良好なガイド作用を発揮する。従って締
付け具3は垂直に上昇し、締付け部31,31が入口溝
壁40,40の下面41,41に密接し、仮止め状態と
なる。締付け片3A,3Aは図25のように所定の幅W
を有し、各締付け片3A,3Aのストッパ面300,3
00は所定の間隔をおいて平行である。このため、締付
け部31,31は正確に入口溝壁40,40の下面4
1,41に直交する状態に保たれる。従って、導管5の
位置調整は容易である。
【0037】位置調整後、ねじ部材2を回転すれば、締
付け片3A,3Aはねじ軸21の進出に伴って垂直に上
昇し、図33のように締付け部31,31が入口溝壁4
0,40の下面41,41に強力に締め付けられる。こ
のとき、ストッパ面300,300と入口溝壁40,4
0とが当接し合い、ウエブ3a,3aの下端306,3
06がナット部材3Bの側面に当接しているため、締付
け片3A,3Aは図33の角度以上開くことがない。溝
形レール4の入口溝壁40,40が傾斜している場合に
は、ねじ部材2を最大プッシュしたときに図34のよう
に外転し、プッシュを解除すると図35のように仮止め
状態となる。
【0038】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、ねじ部材
2を軸線方向にワンプッシュするだけで締付け具3が溝
形レール内に下降しつつ90度回転し締付け部31,3
1が入口溝壁40,40の下面41,41に弾接して仮
止めされるため、何の熟練も要さず、だれでもミスな
く、極めて簡単、確実、能率的に作業を行える。ことに
溝形レールが入口溝42を下に向けて配置され、それに
導管5を下からあてがって固定する無理な姿勢が要求さ
れる場合にも、仮止めを一人で簡単に行うことができ、
また操作ミスによって締付け具3が溝形レールから外れ
て落下するトラブルも解消されるため安全性を高くする
ことができるなどのすぐれた効果が得られる。 また、
本発明においては、締付け具3が溝形レール4の入口溝
壁40,40に当接するストッパ面300,300を有
しており、この関係で回転規制が行われるため締付け具
3を長さの短い小型なものとすることができ、このよう
に締付け具3が短いことから、導管5を抱持するための
被せ工程において、締付け具3の方向を変えずにワンタ
ッチで行うことができ、ねじ部材2の回転操作は本締め
のためだけで足りるため、この面でも作業が簡単とな
り、極めて能率的に導管の固定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明のセット状態を示す正面図である。
【図2】同じくその側面図である。
【図3】第1発明の要部を分解状態で示す斜視図であ
る。
【図4】第1発明においてねじ部材のプッシュ中の状態
を示す正面図である。
【図5】同じくねじ部材のプッシュを解除した仮止め状
態を示す正面図である。
【図6】第1発明を他のタイプの溝形レールに適用した
状態を示す正面図である。
【図7】第1発明を他のタイプの溝形レールに適用した
状態を示す正面図である。
【図8】第1本発明における回転リード部の別の実施例
を示す斜視図である。
【図9】第1本発明における回転リード部の別の実施例
を示す斜視図である。
【図10】第1発明における締付け具の一例を示す平面
図である。
【図11】同じくその部分切欠側面図である。
【図12】締付け具の他の例を示す斜視図である。
【図13】締付け具の他の例を示す斜視図である。
【図14】締付け具の他の例を示す平面図である。
【図15】図14の締付け具の側面図である。
【図16】締付け具の他の例を示す斜視図である。
【図17】締付け具の他の例を示す斜視図である。
【図18】締付け具の他の例を示す斜視図である。
【図19】締付け具の他の例を示す平面図である。
【図20】図19の締付け具の部分切欠側面図である。
【図21】本発明における本体の他の実施例を使用状態
で示す部分切欠側面図である。
【図22】本発明における本体の他の実施例を使用状態
で示す部分切欠側面図である。
【図23】第2発明をセット状態で示す正面図である。
【図24】図23の部分的断面図である。
【図25】図23の平面図である。
【図26】第2発明における締付け具の他の実施例を示
す部分切欠平面図である。
【図27】図26の縦断正面図である。
【図28】第2発明における締付け具の他の実施例を示
す平面図である。
【図29】図28の締付け具の正面図である。
【図30】第2発明においてねじ部材のプッシュを開始
したときの状態を示す正面図である。
【図31】ねじ部材を最大プッシュしたときの状態を示
す正面図である。
【図32】ねじ部材のプッシュを解除した仮止め状態の
正面図である。
【図33】固定完了状態の正面図である。
【図34】他のタイプの溝形レールに適用し、ねじ部材
を最大限プッシュした状態を示す正面図である。
【図35】図34匂いてプッシュを解除した状態の正面
図である。
【図36】他のタイプの溝形レールに適用し、セットし
た状態を示す正面図である。
【図37】第2発明のおける本体の別の実施例を使用状
態で示す側面図である。
【図38】第2発明のおける本体の別の実施例を使用状
態で示す側面図である。
【図39】第2発明のおける本体の別の実施例を使用状
態で示す側面図である。
【符号の説明】
1 本体 2 ねじ部材 3 締付け具 3A,3A 締付け片 3B ナット部材 4 溝形レール 5 導管 6 軸片 7 弾性部材 10 抱持部 11 脚部 12 座部 14 弾性部材 21 ねじ軸 30 突部 31 締付け部 40 入口溝壁 41下面 42 入口溝 121 屈曲側壁 300 ストッパ面 301 反ストッパ面 304 サブストッパ面

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溝形レール4の上にこれと交差状に渡した
    導管類を固定するための手段であって、導管等の断面形
    状に対応する形状の抱持部10に続いて座部12を有す
    る本体1と、前記座部12に挿通されるねじ部材2と、
    ねじ部材2に螺通する締付け具3を備えた形式のものに
    おいて、 前記ねじ部材2が頭部20とねじ部とのあいだに回転リ
    ード部24を有し、座部12には回転リード部24の断
    面形状と合致する形状のガイド孔120aを有し、ねじ
    部材2の頭部20と座部12間に介装した弾性部材14
    の引上げ力により締付け具3は溝形レール4の入口溝4
    2と平行ないしそれに近い姿勢で座部12に保持され、
    かつ回転リード部24の始端部が座部12のガイド孔1
    20aに嵌められており、ねじ部材2の軸線方向への押
    圧時に締付け具3は溝形レール4の入口溝中を下降しつ
    つねじ部材2と共に一定角度回転し、締付け部31,3
    1が入口溝42を形成する一対の壁40,40の下面に
    自動的にセットされるように構成されていることを特徴
    とする導管類の固定具。
  2. 【請求項2】回転リード部24が歯車ないしこれに類す
    る形態である請求項1に記載の導管類の固定具。
  3. 【請求項3】回転リード部24が多条ねじである請求項
    1に記載の導管類の固定具。
  4. 【請求項4】回転リード部24がねじりを持つ多角形断
    面の棒である請求項1に記載の導管類の固定具。
  5. 【請求項5】締付け具3が、溝形レール4の内側溝幅よ
    りも小さい長さ寸法と入口溝幅と同等以下の幅寸法を持
    ち、長さ方向両端部に入口溝を形成する一対の壁40,
    40の下面41,41に接し得る締付け部31,31を
    有し、幅方向両側域には、締付け部31,31よりも上
    方に立上り、入口溝壁40,40に当接可能なストッパ
    面300,300を有している請求項1ないし請求項4
    に記載の導管類の固定具。
  6. 【請求項6】締付け具3が反ストッパ面側に締付け部3
    1よりも適度に高い段部32を有しているものを含む請
    求項1ないし請求項5に記載の導管類の固定具。
  7. 【請求項7】溝形レール4の上にこれと交差状に渡した
    導管類を固定するための手段であって、導管等の断面形
    状に対応する形状の抱持部10に続いて座部12を有す
    る本体1と、前記座部12に挿通されるねじ部材2と、
    ねじ部材2に螺通する締付け具3を備えた形式のものに
    おいて、 前記締付け具3が、水平軸線の回りで揺動可能な2の締
    付け片3A,3Aに分割されており、それら締付け片3
    A,3Aはねじ部材2の頭部20と座部12との間に介
    装した弾性部材14の引上げ力により座部12に保持さ
    れ、ねじ部材2の軸線方向への押圧時に下降しつつ溝形
    レール4の入口溝42を形成する壁40,40との接触
    で一旦すぼまり、ついで水平軸線の回りで傾転して拡開
    し、それぞれの締付け部31,31が壁40,40の下
    面に自動的にセットされるようになっていることを特徴
    とする導管類の固定具。
  8. 【請求項8】締付け具3が中心にナット部材3Bを有
    し、該ナット部材3Bに締付け片3A、3Aが軸片6に
    より連結されており、締付け片3A,3Aは、両者が拡
    開したときにも溝形レール4の内側溝幅よりも小さな寸
    法を有し、かつ締付け片3A,3Aは、締付け部31よ
    りも上方に立上り、入口溝42を形成する壁40に当接
    可能なストッパ面300,300を有している請求項7
    に記載の導管類の固定具。
  9. 【請求項9】締付け片3A,3Aが常時拡開傾向となる
    ように少なくとも1つの弾性部材7で付勢されている請
    求項7又は請求項8に記載の導管類の固定具。
  10. 【請求項10】締付け片3A、3Aがそれぞれ溝形断面
    をなし、フランジ3b,3bが軸片6によってナット部
    材3Bに支持され、ウエブ3aの先端がナット部材3B
    の側面に当接することで開き角度が規制されている請求
    項7ないし請求項9のいずれかに記載の導管類の固定
    具。
  11. 【請求項11】本体1の抱持部10が両側のわん曲部1
    0a,10aとそれらを結ぶ直線部10bとを有し、直
    線部10bの領域の幅方向両側に、凹入状の円弧面10
    c,10c有する少なくとも一つの突片10dが屈曲形
    成され、複数本の導管5,5を所定間隔で抱くようにな
    っているものを含む請求項1ないし請求項10のいずれ
    かに記載の導管類の固定具。
  12. 【請求項12】座部12が抱持部10の両側に設けられ
    ているものを含む請求項1ないし請求項11のいずれか
    に記載の導管類の固定具。
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