JPH06193758A - 水栓金具 - Google Patents

水栓金具

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JPH06193758A
JPH06193758A JP34487192A JP34487192A JPH06193758A JP H06193758 A JPH06193758 A JP H06193758A JP 34487192 A JP34487192 A JP 34487192A JP 34487192 A JP34487192 A JP 34487192A JP H06193758 A JPH06193758 A JP H06193758A
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JP
Japan
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plating
valve seat
water
water cock
group
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Pending
Application number
JP34487192A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuo Imamoto
光男 今本
Takeshi Matsuda
豪 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅又は銅合金製の水栓金具において、弁座付
近への適切なメッキ処理によって弁座周りの腐食を抑
え、水栓金具の素材を青銅以外の金属材料に拡大するこ
と。 【構成】 銅又は銅合金を素材とする水栓具の本体に対
し、その内部の少なくとも弁座付近の表面にSn系のメ
ッキ層を形成する。Sn系の合金の中で、たとえばSn
−Ni合金メッキでは、メッキ皮膜がSn−Niの微細
な結晶粒から構成されるので、ピンホールが少なくまた
不動態化皮膜を作りやすく、水栓金具の銅又は銅合金の
生地の腐食を抑えることが可能となる。また、Crメッ
キ等に比べると、クラックが発生し難くく、これによっ
ても良好な耐食性が維持され、メッキ層の厚みが比較的
均一に維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、最も腐食しやすい弁座
部分の腐食を効果的に防止できるようにした水栓金具に
関する。
【0002】
【従来の技術】単水栓や湯水混合栓等の各種の水栓具
は、金具製品としたものが一般的であり、その本体は主
に銅や銅合金又はステンレス材が従来から広く利用され
ている。これらの素材の中で、ステンレス材は銅や銅合
金に比べると、加工性に劣るほか価格的にも高いので、
素材としては銅や銅合金が好ましいとされている。
【0003】水栓金具の中で最も簡単な単水栓の場合で
は、その内部流路に弁座を形成し、この弁座に着座する
弁体を操作用のハンドルによって操作することにより、
弁開度を変える構成が一般的である。
【0004】水栓の内部の弁体を操作するとき、開弁時
や閉弁の直前では弁体と弁座との間の流路が縮小されて
いくので、他の流路部分と比べると弁座及びその周りの
流路での流速が最も大きくなるほか、通水の圧力も一時
的に上昇しやすい。このため、流路の開閉による水の流
速や圧力の変動を繰り返し受けることになる。
【0005】したがって、弁座周りの表面が受ける機械
的及び化学的条件は厳しく、その他の部分の内部流路の
壁面に比べると腐食の発生度も大きい。また、水質によ
る影響も無視できず、使用環境によっては大きな腐食を
免れないことも多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、水栓金具
においては、その内部の弁座部分の腐食を防ぐことが重
要となり、従来からその素材としては青銅が主として利
用されている。これは、先にも述べたように、銅合金が
そのコストや加工性の面でステンレス材等よりも評価が
高いことを一つの背景としたものである。
【0007】したがって、水栓の分野では、その素材が
青銅に制約される傾向が強く、水栓として有効であって
コストも低減できる他の金属材料への転化志向を阻害す
る一因となっている。
【0008】本発明において解決すべき課題は、弁座へ
の適切なメッキ処理によって青銅を素材としなくても弁
座周りの腐食を抑えることのできる水栓金具を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の水栓金具は、銅
又は銅合金を素材とする水栓具の本体に対し、その内部
の少なくとも弁座付近の表面にSn系のメッキ層を形成
してなることを特徴とする。
【0010】
【作用】Sn系のメッキの中で、たとえばSn−Ni合
金メッキでは、メッキ皮膜がSn−Niの微細な結晶粒
から構成されるので、ピンホールが少なくまた不動態化
皮膜を作りやすい。このため、水栓金具の銅又は銅合金
の生地の腐食を抑えることができる。
【0011】更に、Sn−Ni合金メッキは、水中での
耐食性皮膜として従来から知られているCrメッキ等に
比べると、クラックが発生し難く、これによっても良好
な耐食性が維持される。そして、Sn−Ni合金メッキ
では、Crメッキの場合に比較して、メッキ層の厚みが
比較的均一にできるという特性もあり、流路内壁の平滑
化も図られる。
【0012】
【実施例】図1は本発明の水栓金具をSn系メッキ液に
よってメッキする工程の一例を示す概略図である。
【0013】図において、鋳造法によって製造され必要
な部分を機械加工された水栓の本体1は、従来の素材で
あった青銅に代えて、黄銅をその素材として製造された
ものである。
【0014】水栓の本体1は、従来からの典型的なもの
と同様に、一端側に建屋の配管に接続する流入口1aを
設け、他端側に下向きに開放する吐水口1bを備えたも
のである。そして、これらの流入口1aと吐水口1bと
の間の流路に弁座1cを形成してこれに弁孔1dを開
け、更にこの弁孔1dと同軸上に操作ハンドル(図示せ
ず)がネジ接合されるスリーブ1eを設けている。
【0015】本体1が浸漬されるメッキ槽2は、通常の
電気メッキの設備であればよく、その内部にはSn系の
メッキ液を溜めておく。また、直流電源の整流器3に接
続した陰極電極4及び陽極電極5をメッキ液の中に浸漬
する。そして、図示の例では、陰極電極4を流入口1a
から挿入して内部流路の壁面に接触させ、陽極電極5に
はその下端を球体状としてスリーブ1eの中に挿入して
弁座1cに臨ませている。
【0016】ここで、Sn系のメッキ液としては、従来
から知られているように、Snメッキ,Sn−Niメッ
キ,Sn−Coメッキ,Sn−Znメッキ,Sn−Ni
−Cuメッキ及びSn−Cu−Znメッキの6種類のも
のが適用できる。
【0017】本体1をメッキ槽2に浸漬してメッキする
前段階として、本体1をNiメッキ浴によって表面のみ
にNiメッキを施す。この工程の後、図1のメッキ槽2
によってSn系のメッキを施し、更にこの後にCrメッ
キ浴によって本体1の表面のみにCrメッキを施す。こ
のようなメッキの工程によって、本体1の表面及び内面
に最終製品としてのメッキが施される。
【0018】ここで、図1の設備によるメッキ処理で
は、陽極電極5がメッキ液に浸漬されていることから、
本体1の外側の表面及び内部の表面の全体がSn系の金
属によってメッキされる。そして、陽極電極5はスリー
ブ1eの中に入り込み弁座1cに臨む位置であるため、
この弁座1cの表面及びスリーブ1eの下端側のSn系
のメッキ層を厚くすることができる。
【0019】これに対し、陽極電極5を本体1の中から
引き抜いた配置でメッキ液に浸漬した場合では、本体1
の表面及び内面の全体がほぼ一様な厚さのSn系のメッ
キ層を得ることができる。
【0020】図2は別のメッキ設備によるメッキ処理を
示す例である。
【0021】この例は、本体1の内部のみにSn系のメ
ッキ処理を行うものであって、メッキ槽2に配管2aを
接続すると共にポンプ2bによってメッキ液を本体1の
中に供給循環させる設備としたものである。このような
メッキ液の循環のために、本体1のスリーブ1eの上端
には蓋6を被せる。
【0022】配管2aは本体1の流入口1aに接続金具
2cによって接続され、本体1の吐水口1bはメッキ槽
2に向いたものとし、ポンプ2bから供給されたメッキ
液をメッキ槽2に直接戻す。
【0023】この設備でも、陰極電極4は接続金具2c
に接続され、陽極電極5がスリーブ1eの中に入り込ん
でいるので、本体1の内部の壁面がSn系金属によりメ
ッキ処理され、特に弁座1c部分のメッキの肉厚を大き
くした処理が行われる。
【0024】更に、図3は電気メッキに代えて、メッキ
液を通すだけでメッキ処理する例である。
【0025】これは、図2の設備から整流器3,陰極電
極4及び陽極電極5を省いたものに相当し、ポンプ2b
によってメッキ槽2から本体1にメッキ液を供給して通
過させてメッキする通液化学メッキ法を採用したもので
ある。そして、この例では、メッキ液の内部流路の通過
によってほぼ一様な厚さのメッキ層が得られる。
【0026】なお、以上の各例のメッキにおいて、Sn
系のメッキ層の厚さはできるだけ厚い方が耐食性の面で
好ましく、最低厚さは1ミクロン程度である。また、2
ミクロン以上とすることは、メッキ液が無駄になるほか
寸法公差に適合しなくなるため、好ましくない。
【0027】このようにしてメッキ処理を施した製品に
対して、図4の概略図で示す試験設備によって、通水腐
食試験を行った。
【0028】この設備では、水栓の本体1の流入口1a
に水槽10からの配管10aを接続し、ポンプ10bに
よって一定水圧の水を循環させ、本体1内の弁座1c部
分の腐食量を測定する。そして、通水の条件は次のとお
りで行った。
【0029】 水質:上水(pH=6に常時管理したもの) 水温:60℃ 水圧:6.0kgf/cm2 流量:1.0リットル/分 図5は以上の通水条件に対して4種類の被試験用の水栓
を用いて計測した通水時間と腐食量の関係を示すデータ
線図であり、プロットは通水開始から500時間及び1
000時間を経過した2点で採取したものである。
【0030】被試験用の水栓は、たとえば図1で示した
本体1と同様の形状を持つもので、その素材を黄銅と青
銅の2種類とし、それぞれにSn系のメッキを施したも
のとそうでないものの合計4種であり、データ線図中に
記号A〜Dについて対応する条件は次のとおりである。
【0031】A:黄銅製,Sn系メッキなし B:青銅製,Sn系メッキなし C:黄銅製,Sn−Niメッキ(1ミクロン厚) D:黄銅製,Sn−Coメッキ(1ミクロン厚) このデータ線図から明らかなように、素材が黄銅であっ
てSn系のメッキを施さないもの(Aの条件)では、弁
座1c部分の腐食量はその他のものに比べて格段に大き
い。これに対し、黄銅製であってSn系のメッキを施し
たもの(Cの条件)では、青銅製であってSn系のメッ
キがないもの(Bの条件)よりも腐食量は小さく、黄銅
製であっても腐食量の減少が明らかに見られる。
【0032】また、同じ黄銅製であっても、Sn−Ni
メッキよりもSn−Coメッキを用いたほうが腐食量は
小さく、より一層の改善が図られていることが判る。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、水栓の内部で最も腐食
しやすい部分である弁座及びその周りをSn系メッキに
よって保護することによって、腐食の進行を抑えること
ができる。このため、従来では水栓金具の素材として青
銅が主として用いられていたのに対し、その他の金属素
材であってもSn系メッキを施せば腐食のない製品が得
られる。したがって、水栓金具の素材を青銅に限定する
ことなく、他の金属素材を用いることができ、適性な素
材の選択によって加工性の向上やコストの削減が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Sn系のメッキを水栓の本体に施す例であっ
て、本体の内部及び外部にメッキ層を形成する電気メッ
キの例を示す図である。
【図2】Sn系のメッキを水栓の本体の内部のみに施す
電気メッキの一例を示す図である。
【図3】通液化学メッキ法によって本体の内部のみにS
n系のメッキを施す例を示す図である。
【図4】通水試験の設備の概要を示す図である。
【図5】4種の水栓について弁座付近の腐食量を測定し
たデータ線図である。
【符号の説明】
1 本体 1a 流入口 1b 吐水口 1c 弁座 1d 弁孔 1e スリーブ 2 メッキ槽 3 整流器 4 陰極電極 5 陽極電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅又は銅合金を素材とする水栓具の本体
    に対し、その内部の少なくとも弁座付近の表面にSn系
    のメッキ層を形成してなる水栓金具。
JP34487192A 1992-12-24 1992-12-24 水栓金具 Pending JPH06193758A (ja)

Priority Applications (1)

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JP34487192A JPH06193758A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 水栓金具

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JP34487192A JPH06193758A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 水栓金具

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JPH06193758A true JPH06193758A (ja) 1994-07-15

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ID=18372640

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34487192A Pending JPH06193758A (ja) 1992-12-24 1992-12-24 水栓金具

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JP (1) JPH06193758A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146558A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Toto Ltd マークの表示方法およびその製品
EP2034054A1 (de) 2007-09-07 2009-03-11 VIEGA GmbH & Co. KG. Verfahren zur Herstellung eines beschichteten Bauteils für fluidführende Gewerke und beschichtetes Bauteil

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002146558A (ja) * 2000-11-14 2002-05-22 Toto Ltd マークの表示方法およびその製品
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