JPH06192466A - 合成樹脂系多孔質体の製造方法 - Google Patents

合成樹脂系多孔質体の製造方法

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JPH06192466A
JPH06192466A JP35844192A JP35844192A JPH06192466A JP H06192466 A JPH06192466 A JP H06192466A JP 35844192 A JP35844192 A JP 35844192A JP 35844192 A JP35844192 A JP 35844192A JP H06192466 A JPH06192466 A JP H06192466A
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JP
Japan
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synthetic resin
water
substance
porous body
powdery
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Application number
JP35844192A
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English (en)
Inventor
Yasumichi Tamura
泰通 田村
Hiroshi Miyaji
宏 宮地
Yoji Tomita
洋司 富田
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的強度に優れ且つ気孔率の高い合成樹脂
系多孔質体の製造方法を提供する。 【構成】 粉末状合成樹脂と繊維状物質と水溶性物質と
からなる均一混合物を型枠に充填する。これを焼結した
のち、前記水溶性物質を水で溶出除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂系多孔質体に
係り、更に詳しくは、気孔率が高く、濾材として好適な
合成樹脂系多孔質体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔質構造をした合成樹脂は、軽量で且
つ加工性に優れているため、建材,充填材,浮揚材,壁
材等の構造材料をはじめ、断熱材,保温材,防音材等の
用途に広く用いられ、更に通気通液性を有するものは各
種の濾材として幅広く応用されている。
【0003】上述のような合成樹脂系多孔質体は、例え
ば焼結法と称される方法で製造することができる。この
方法は、合成樹脂の粉末を所定の型枠に充填し、所定圧
にて押圧した後、該合成樹脂の融点近辺まで昇温し、合
成樹脂粉末同士を互いに融着せしめ固定化するものであ
る。
【0004】しかしながら、上述の焼結法によって得ら
れた合成樹脂系多孔質体は、使用した合成樹脂の粉末の
充填状態によって気孔形状が決まることになり、比較的
規則的な形状に限定され、且つその充填密度も比較的高
い。このため、気孔率の高い構造のものを得るのは困難
であり、その気孔率は高々40%を程度であった。
【0005】焼結法により気孔率の高い合成樹脂系多孔
質体を得るためには、前述の製造法において、押圧の圧
力を低くする方法、あるいは焼結温度履歴を小さくして
焼結による体積収縮を出来るだけ少なくする方法が考え
られるが、このような方法によって得られる気孔率の向
上はせいぜい数%程度であり、気孔率が40%を越える
ものではなく、しかも多孔質体としては機械的強度が著
しく低下し好ましくない。
【0006】また、気孔形状を複雑にするため、球状を
した合成樹脂の球径を不揃いにしてその分布の広いもの
を充填して製造すると、充填密度が高くなるため、かえ
って気孔率が低下することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度に優れ且つ気孔率の高い合成樹脂系多孔質体を製
造する方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、粉末状
合成樹脂と繊維状物質と水溶性物質とからなる均一混合
物を型枠に充填し、これを焼結したのち、前記水溶性物
質を水で溶出除去することを特徴とする合成樹脂系多孔
質体の製造方法によって達成される。
【0009】本発明に用いる粉末状合成樹脂の素材は、
融点を有する熱可塑性樹脂が好ましいが、加圧加熱によ
り融着するものであれば熱硬化性樹脂でもよい。このよ
うなものとしては、例えばポリオレフィン,ポリアミ
ド,ポリエステル,ポリスチレン,ポリアクリル等の系
統の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、熱硬化
性樹脂としてはフェノール系樹脂を挙げることができ
る。
【0010】本発明に用いる繊維状物質は、微細針状物
質又は短繊維状物質のことである。微細針状物質として
は、例えば炭化珪素ウィスカー,チタン酸カリウム繊維
等のウィスカー類を挙げることができる。また、短繊維
状物質としては、例えば木綿,麻,羊毛等の天然繊維、
ポリオレフィン,ポリアミド,ポリエステル,ポリスチ
レン,ポリアクリル,ビニロン等の合成繊維のカットフ
ァイバー、酢酸セルロース等の繊維状有機物、ガラス繊
維,金属繊維等の無機繊維類等を挙げることができる。
【0011】本発明において繊維状物質の繊維径、繊維
長等は特に限定されるものではないが、使用する粉末状
合成樹脂の大きさとあまりにかけ離れて大きいものや小
さいものは好ましくない。
【0012】本発明に用いる水溶性物質とは、水に容易
に溶解する粉末状のものであれば特に限定されるもので
はないが、塩化ナトリウム,硫酸ナトリウム,塩化マグ
ネシウム等の無機系塩類が好ましい。
【0013】本発明の方法で合成樹脂系多孔質体を製造
するには、例えば次のようにして製造することができ
る。まず、上記粉末状合成樹脂と上記繊維状物質と上記
水溶性物質とを均一に混合し、これを型枠にできるだけ
隙間のないように充填したのち、該粉末状合成樹脂の融
点よりも僅かに高い温度で焼結を行う。焼結するに際
し、予め型枠中で例えば1〜2kg/cm2 程度の圧力で加
圧し一時的に固形化してもよい。また、焼結はゆっくり
と昇温して行うのが好ましい。焼結によって、前記粉末
状合成樹脂はその表面が部分的に融解し、樹脂同士の接
触点が融着すると共に、樹脂と繊維状物質とが融着する
ことになる。
【0014】ここで、水溶性物質の混合割合は、所望す
る気孔率に応じ適宜設定すればよい。なお、上記方法に
おいては、気孔率,気孔径は、使用する粉末状合成樹脂
の粒径及び繊維状物質の繊維径と繊維長、並びに粉末状
合成樹脂と繊維状物質との混合比並びに圧縮比を適宜設
定することによっても加減することができるが、水溶性
物質の混合割合が極めて大きな影響を与えるものであ
る。
【0015】上記方法において使用する繊維状物質は、
使用する粉末状合成樹脂よりも熱的に安定なものであ
る。即ち、融点を有しないか、あるいは融点を有する場
合には、その融点は粉末状合成樹脂の融点よりも高いも
のである。繊維状物質の融点の方が低い場合には、焼結
する際に繊維状物質が大きく変形し、高い気孔率で安定
した形状のものが得られ難い。
【0016】次いで、焼結後、放冷して室温付近まで冷
却した焼結体を型枠より取り出し、そのまま水中に浸漬
するかあるいはシャワー状の流水下に置いて、該焼結体
中の水溶性物質を溶解せしめ、これを溶出除去する。該
水溶性物質が溶出した跡の空隙が気孔となり、連続気孔
を有する合成樹脂系多孔質体が得られる。
【0017】上述の方法において、水溶性物質を用いな
いで粉末状合成樹脂を焼結した場合には、融点付近にお
ける体積の収縮が著しく、また組織が崩れることも多い
が、本発明のように水溶性物質、例えば塩化ナトリウ
ム,硫酸ナトリウム等の水に易溶性の塩類を用いれば、
この程度の熱に対しては極めて安定で殆ど変化すること
がなく熱履歴を十分に与えることが可能であり、しっか
りと融着し安定した焼結体を容易に製造することができ
る。
【0018】もし、水溶性物質を混合しないで製造しよ
うとすると、焼結する際の温度条件を緩めに設定せざる
をえないが、その場合は粉末状合成樹脂同士の融着及び
粉末状合成樹脂と繊維状物質との融着が不十分となり、
機械的強度の弱いものしか得られない。就中、繊維状物
質が無機系のウィスカー類であった場合は、その傾向が
著しくなる。
【0019】本発明の方法で得られる合成樹脂系多孔質
体は、上記粉末状合成樹脂と上記繊維状物質とを均質に
混合して得られる連続気孔を有する疎な嵩高性構造体で
ある。気孔構造は、粉末状合成樹脂同士、繊維状物質同
士、粉末状合成樹脂と繊維状物質とが接着して形成され
る空隙よりなり、複雑な骨格構造をしている。
【0020】また、この合成樹脂系多孔質体は、細長い
繊維状物質が粉末状樹脂中に介在しているため、気孔形
状が不規則なものになると共に、球状樹脂同士が密着し
ない部分もあるため気孔率が40%以上、通常は50%
以上と極めて高い。したがって、このものを濾材として
用いた場合、通気通液に対する抵抗、所謂圧力損失が低
く、濾過効率の高いものとなる。
【0021】
【実施例】平均粒径80〜100μmの粉末状ポリプロ
ピレン100重量部と、直径0.5〜2μm、長さ10
〜20μmの炭化珪素ウィスカー10重量部と、塩化ナ
トリウムの微細粉末とを均一に混合した後、これを黄銅
製の方形をした型枠に内部に隙間や空間が形成されない
ように充填し、2kg/cm 2 で加圧し、そのままの状態で
室温から30分かけて170℃まで昇温した。170℃
に到達したら昇温を止め、室温まで放冷したのち、型枠
より取り出し、三者の混合物からなる焼結体を得た。
【0022】ここで、塩化ナトリウムの配合量は、粉末
状ポリプロピレンと炭化珪素ウィスカーとの合計体積と
同じ体積となるように設定した。
【0023】得られた焼結体を水中に投入し、約一昼夜
放置した。その間に、該焼結体中の塩化ナトリウムは水
に溶解し、徐々に水中に溶出して、焼結体から殆ど除去
された。次に、このものを水中より取り出し、さらにシ
ャワー状の流水に曝し、残存する塩化ナトリウムを除去
した。続いて、これを80℃の通風式乾燥機中に入れ、
乾燥して合成樹脂系多孔質体を得た。
【0024】得られた合成樹脂系多孔質体は、ポリプロ
ピレンと炭化珪素ウィスカーとからなり、平均気孔径が
40μmで気孔率が63%の連続気孔を有するものであ
った。この合成樹脂系多孔質体は、圧力損失が低く且つ
濾過効率が高いため、濾材として極めて好適なものであ
った。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、粉末状合成樹脂
以外に繊維状物質と水溶性物質とを混合して焼結し、且
つ水溶性物質を溶出除去するため、従来にない高い気孔
率を有すると共に気孔形状が複雑で且つ孔径分布が大き
い合成樹脂系多孔質体を、安定且つ容易に得ることがで
きる。
【0026】また、水溶性物質を用いたため、焼結する
際に収縮させることなく熱履歴を十分与えることが可能
となり、そのため樹脂が強固に融着し、機械的強度に優
れた多孔質体を得ることができる。更に、水溶性物質の
配合割合を加減することで、所望する気孔率の多孔質体
を容易に得ることができる。
【0027】本発明の方法で得られる合成樹脂系多孔質
体は、組織の崩れ,偏向,かたより等がなく、極めて均
質であり、機械的強度に優れている。また、このもの
は、濾過精度が高く且つ圧力損失が低いため、各種の濾
材用として極めて好適なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状合成樹脂と繊維状物質と水溶性物
    質とからなる均一混合物を型枠に充填し、これを焼結し
    たのち、前記水溶性物質を水で溶出除去することを特徴
    とする合成樹脂系多孔質体の製造方法
JP35844192A 1992-12-24 1992-12-24 合成樹脂系多孔質体の製造方法 Pending JPH06192466A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004105511A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Mitsubishi Electric Corp 乾燥機
JP2011084591A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 Masanori Ishihara 多孔質合成樹脂製造方法
CN107759823A (zh) * 2017-11-20 2018-03-06 中北大学 一种pp开孔材料及其制备方法

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JPS62122721A (ja) * 1985-02-18 1987-06-04 Teijin Ltd 芳香族ポリアミド成形品の製造法

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