JP3473794B2 - 気孔をもつ材料およびその製造方法 - Google Patents

気孔をもつ材料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス、金属、
高分子等よりなる母材中に気孔が分散してなる材料およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミックス、焼結金属あるいは高分子
材料の熱伝導率、熱膨張率あるいは弾性率等を低下させ
るために、材料中に意図的に気孔を形成することがあ
る。この場合、熱伝導率あるいは弾性率を大きく低下さ
せるには、気孔率を高くする必要があり、その結果、強
度、耐酸化性等が低下する。
【0003】気孔を分散させた従来の材料としては、マ
トリックス中に気孔を均一に分散させたものが一般的で
ある。この材料は、気孔の存在により熱伝導率等を低く
することができるが、気孔がランダムに分散しているた
め、気孔の特性、すなわち、熱伝導率等を低くする特性
を十分に発揮できないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、機械的特性
を著しく低下させることなく、気孔の特性を十分に発揮
させることができる気孔をもつ材料およびその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の如
き従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究し、各種の系
統的実験を重ねた結果、本発明を成すに至ったものであ
る。本発明の気孔をもつ材料は、母材と、該母材中に形
成された気孔をもつ材料であって、前記母材は径の大き
い大径粒子と隣接する該大径粒子の間隙を埋める径の小
さい小径粒子群とからなり、該小径粒子群で形成される
マトリックス中に不連続に分散した前記気孔が形成され
ていることを特徴とする。
【0006】本発明の気孔をもつ材料は、気孔が母材中
に三次元網目状に配列している点に特色がある。例え
ば、本発明の気孔をもつ材料の母材を径の大きい大径粒
子で主として構成し、気孔は隣接する大径粒子の間隙に
位置するようにして気孔を三次元網目状に配列すること
ができる
【0007】また、母材を大径粒子と小径粒子とで構成
し、大径粒子の間隙を小径粒子群で埋め、これら小径粒
子群の間隙に気孔を形成するようにしてもよい。小径粒
子群の間隙に形成される気孔は、小径粒子群内に均一に
細かく分散されていても、粗く分散されているものでも
良い。気孔は、気孔毎に独立した独立気孔であるのが好
ましい
【0008】母材は、金属、セラミックスおよびプラス
チックスで構成することができる。本発明の気孔をもつ
材料の製造方法は、母材の主材としての径の大きい大径
粒子の表面に、母材となる径の小さい母材形成用小径粒
子と径の小さい気孔形成用小径粒子とを、該母材形成用
小径粒子または該母材形成用小径粒子および該気孔形成
用小径粒子で形成されるマトリックス中に気孔が不連続
に存在する状態となるように、該母材形成用小径粒子
割合に対して該気孔形成用小径粒子の割合を少なく調整
する原料粉末調整工程と、該原料粉末を所定形状に成形
して成形体とする成形工程と、該成形体を加熱して一体
化し、前記母材と該母材中に不連続に分散した前記気孔
とを形成する加熱工程と、からなることを特徴とする。
【0009】本発明の大径粒子は、小径粒子に対するも
ので、大径粒子の径は小径粒子の径の3〜5×105
倍程度のものをいう。なお、大径粒子、小径粒子とも
に、各粒子が同一径である必要はなく、平均粒子径とし
ての大径粒子および小径粒子を意味する。大径粒子、小
径粒子ともに、一つの粒子が一つの結晶等の均一な構造
のものでも、いわゆる造粒粉といわれるより小径の粒子
が凝集して形成された粒子でもよい。本発明の大径粒子
は通常母材を形成する。
【0010】小径粒子は母材を形成する成分となる場合
と、気孔を形成する成分となる場合がある。気孔形成用
小径粒子は、後の加熱工程で完全には溶け合わず、小粒
子間に気孔を残すものとすることができる。この場合、
大径粒子はこの小径粒子よりより低い温度で溶け合う必
要がある。また、気孔形成用小径粒子は、カーボン、有
機物のように燃焼して消失するものでもよい。また、大
径粒子を鉄で形成し、気孔形成用小径粒子を銅で形成
し、加熱工程で、銅の小径粒子を溶融させるとともに、
焼結した大径粒子の鉄に溶融した銅を吸収させ、銅の小
径粒子の後に気孔を形成するものでもよい。また、食塩
のように水等の液体に可溶な物質で気孔形成用小径粒子
を形成し、母材を焼結等で互いに結合した後、液体で気
孔形成用小径粒子を溶かし去り、その後に気孔を形成す
ることもできる。また、気孔形成用小径粒子としてシラ
スバルーンのように中空粒子も使用できる。この中空粒
子を大径粒子に混合することにより、両者は一体化さ
れ、中空粒子の部分に気孔が形成された材料となる。
【0011】なお、気孔形成用小径粒子と母材形成用小
径粒子あるいは母材形成用中径粒子とを混合して使用す
ることもできる。母材形成用小径粒子および母材形成用
中径粒子は大径粒子と同一材質のものとすることができ
る。原料粉末調整工程は、大径粒子の表面に、径の小さ
い気孔形成用小径粒子を不連続に存在させた状態となる
ように原料粉末を調整する工程である。大径粒子と気孔
形成用小径粒子とを結合剤となる液体の存在下で混合す
ることにより、大径粒子の表面に気孔形成用小径粒子を
付着させることができる。大径粒子の割合に対して、
孔形成用小径粒子の割合が少ないと、得られる気孔は不
連続となり、多いと連続となりやすい。また、小径粒子
が気孔形成用小径粒子と母材形成用小径粒子との混合物
である場合、気孔形成用小径粒子の割合が多い程、連続
気孔となり易い。
【0012】成形工程は得られた原料粉末を所定形状に
成形して成形体とする工程である。通常原料粉末を型に
入れ、加圧することでグリーンコンパクトを形成し、成
形体とする。原料粉末を熱可塑性樹脂とともに成形し、
後で樹脂を除きグリーンコンパクトとすることもでき
る。その他、粉末冶金等で用いられている成形方法を本
発明の成形工程として採用することができる。
【0013】加熱工程は成形体を加熱して少なくとも大
径粒子を一体化する工程である。この工程で母材が形成
されるとともに多くの場合気孔も形成される。加熱工程
の加熱温度、昇温速度および加熱時間で気孔の程度が異
なる。目的とする気孔を得るためには、それに適した加
熱温度、昇温速度、加熱時間やこれらを含む焼結パター
ンを選択する必要がある。
【0014】溶液等で溶出する場合には、加熱工程の後
で溶解工程を必要とする。また、微細な気孔を三次元網
目状でかつ不連続に分散させて母材連続部の幅の減少を
できるだけ小さくすることにより、強度を大幅に低下さ
せることなく、気孔の特性を強く発現するような材料を
製造することができる。気孔のサイズとしては、0.0
1μm〜50μmが好ましい。気孔サイズが0.01μ
mより小さいと気孔の特性が発現されにくくなり、ま
た、50μmより大きいと強度低下が著しくなるおそれ
がある。気孔の間隔としては0.1μm〜100μmが
好ましい。0.1μm以下では、強度低下が著しくな
り、一方100μm以上では気孔の特性を効率的に発現
しにくくなるおそれがある。
【0015】
【作用】本発明の気孔をもつ材料は、気孔が三次元網目
状に母材中に形成されている。すなわち、母材の多い部
分と気孔の多い部分とが存在し、気孔の多い部分は三次
元網目状に分布している。このため気孔の多い部分では
気孔の特性がより強く顕れる。しかも三次元網目状とな
っているため、材料の一端から他端に至る道程で、母材
の多い部分と気孔の多い部分とが繰り返される。そして
気孔の多い部分でより強く気孔の特性が顕れるため、材
料全体として、気孔の存在割合以上に気孔の特性が強く
なる。
【0016】また、気孔を網目状に配列させているの
で、均一分散系に比べて、気孔の特性を強く発現させる
ことができるとともに、均一分散のものに比べて気孔率
を小さくすることができる。以上により、本発明の気孔
をもつ材料は、母材の機械的な特性を著しく低下させる
ことなく、気孔の特性を十分に発揮させた材料とするこ
とができるものと考えられる。
【0017】本発明の気孔をもつ材料の製造方法では、
原料粉末調整工程で、ほぼ得られる材料の気孔の分布が
定まる。そして成形工程で、全体の外形が規定され、加
熱工程で母材成分が一体化され、気孔が形成される。
【0018】
【発明の効果】本発明の気孔をもつ材料は、母材の機械
的な特性を著しく低下させることなく、気孔の特性を十
分に発揮させることができる。また、本発明の気孔をも
つ材料の製造方法により、母材の機械的な特性を低下さ
せることなく気孔の特性を十分に発揮させることができ
る材料を容易に製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明をより具体的にした具体例を説
明する。粒径約4μmのアトマイズしたステンレススチ
ール粉末(SUS304)を通常の方法で造粒し、粒径
110〜500μmの大径粒子とした。小径粒子として
粒径約1μmの、3重量%のイットリア粉末を含むジル
コニア粉末(1350℃で焼結可能)を用いた。大径粒
子80重量%、残り20重量%を小径粒子とし、大径粒
子の表面にまぶした。これにより原料粉末を調製した。
【0020】得られた原料粉末を金型に入れ、圧力5t
/cm2 でプレス成形し、グリーンコンパクトを得た。
次にこのグリーンコンパクトを真空中、1200℃で4
時間加熱して焼結した。これにより本発明の気孔をもつ
材料を得た。この材料を切断し、その断面をSEMで観
察した。この結果、本実施例の気孔を持つ材料は、50
0μm以下の粒径をもつ母材結晶粒子の回りをジルコニ
アが連続して取り囲むような三次元網目組織とその組織
中に気孔が不連続に分布しているのが観察された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−170381(JP,A) 特開 昭62−82047(JP,A) 特開 昭59−169977(JP,A) 特開 昭62−21770(JP,A) 特開 昭53−39564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】母材と、該母材中に形成された気孔をもつ
    材料であって、 前記母材は径の大きい大径粒子と隣接する該大径粒子の
    間隙を埋める径の小さい小径粒子群とからなり、該小径
    粒子群で形成されるマトリックス中に不連続に分散した
    前記気孔が形成されていることを特徴とする気孔をもつ
    材料。
  2. 【請求項2】前記母材は、金属、セラミックスおよびプ
    ラスチックのうちの少なくとも1種からなる請求項1記
    載の気孔をもつ材料。
  3. 【請求項3】前記大径粒子の径は、小径粒子の径の3倍
    〜5×10倍である請求項1または2記載の気孔をも
    つ材料。
  4. 【請求項4】前記不連続に分散した気孔の平均径は、
    0.01μm〜50μmである請求項1〜3のいずれか
    に記載の気孔をもつ材料。
  5. 【請求項5】前記不連続に分散した気孔は、隣り合う気
    孔の間隔が0.1μm〜100μmである請求項1〜4
    のいずれかに記載の気孔をもつ材料。
  6. 【請求項6】母材の主材としての径の大きい大径粒子の
    表面に、母材となる径の小さい母材形成用小径粒子と
    の小さい気孔形成用小径粒子とを、該母材形成用小径粒
    子または該母材形成用小径粒子および該気孔形成用小径
    粒子で形成されるマトリックス中に気孔が不連続に存在
    する状態となるように、該母材形成用小径粒子の割合に
    対して該気孔形成用小径粒子の割合を少なく調整する原
    料粉末調整工程と、 該原料粉末を所定形状に成形して成形体とする成形工程
    と、 該成形体を加熱して一体化し、前記母材と該母材中に不
    連続に分散した前記気孔とを形成する加熱工程と、 からなることを特徴とする気孔をもつ材料の製造方法。
  7. 【請求項7】前記気孔形成小径粒子は加熱工程で溶融
    して前記大径粒子に吸収されるか、あるいは燃焼、分解
    して消失する請求項6記載の気孔をもつ材料の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記気孔形成小径粒子は内部が中空のバ
    ルーンである請求項6記載の気孔をもつ材料の製造方
    法。
  9. 【請求項9】隣接する前記気孔形成用小径粒子は連続せ
    ず、前記母材形成用小径粒子で互いに隔てられる請求項
    6記載の気孔をもつ材料の製造方法。
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