JPH0619239U - キースイッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレートキーの先端部の振れと半挿入解錠に
よる誤動作を的確に防止したキースイッチ装置を提供す
る。 【構成】 ロータ後部のガイドポスト１３をマイクロス
イッチ１２と平行に配置し、プレートキー１０の腹面１
０ｃの位置決め溝１４に係合する位置決め突起１５を、
キー溝４の内壁面４ａの延長線上に整列したガイドポス
ト１３の側面１３ａに長手方向に設け、ロック本体１に
固着したガイドディスク１６の規制用前面１６ａをロー
タ３の後端面３ｂに当接させ、円弧状縁部１７ａの曲率
半径をプレートキー１０の回転半径よりも短くした規制
切欠１７をガイドディスク１６に設け、所定深さまで挿
入したプレートキー１０を回転したとき、円弧状縁部１
７ａが係合する逃げ溝１８をプレートキー１０の側縁部
１０ｂに設け、ガイドポスト１３の根元部に円弧状縁部
１７ａが係合する逃げ溝３２を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はロック本体の背後のマイクロスイッチをロータに挿入したキーで開閉 操作するキースイッチ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

実公昭５４−２３６５０号公報に開示されたように、従来のキースイッチ装置 では、ロック本体のロータ受孔に嵌挿したロータに軸方向のキー溝と半径方向の ピン受孔を設け、ロータのピン受孔に連通する半径方向のピン受孔をロック本体 に設け、これらのピン受孔に収容した従動ピンと駆動ピンを圧縮コイルバネでキ ー溝に向かって摺動付勢し、従動ピンと駆動ピンの接触点をロータの外周面に移 動させるピン操作部をプレートキーの側縁部に設け、軸方向に複数個積層したマ イクロスイッチをロック本体の背後に固定し、ロータの背後に突出するプレート キーの先端部の腹面にマイクロスイッチのアクチュエータピンを押すスイッチ操 作部と、アクチュエータピンが通過するスイッチ非操作部を設けている。

【０００３】 このキースイッチ装置では、スイッチ操作部とスイッチ非操作部が対象とする アクチュエータピンに対面する所定深さまでプレートキーをキー溝に挿入したと き、従動ピンと駆動ピンの接触点がロータの外周面に移動することによって、ロ ック本体に対するロータの錠止が解かれ、ロータが回転可能となる。プレートキ ーでロータを回したとき、プレートキーの先端部のスイッチ操作部が特定のマイ クロスイッチをオンまたはオフ操作し、スイッチ非操作部は特定のマイクロスイ ッチをオンまたはオフ状態に維持する。これによって、各マイクロスイッチが接 続された特定の機器が作動可能となり、特定の機器が不作動に保たれる。

【０００４】 このように構成された従来のキースイッチ装置では、プレートキーの先端部が 正規位置から振れることによって、プレートキーとの開き間隔が大きくなった後 方寄りのマイクロスイッチでは、アクチュエータピンが押し込み不足あるいは押 し込み不能となって、機器に対して過った作動信号が送られることがある。この プレートキーの振れが生じる大きな原因は、ロータ受孔の内周面とロータの外周 面の間に存在する遊び間隙にあり、この遊び間隙を減少させてロータの軸線とロ ータ受孔の軸線をできる限り合致させることが望ましい。

【０００５】 しかしながら、ロック本体やロータの製造に当たっては一定範囲の許容公差が ある共に、ロータを円滑に回転操作させるためには最低限度の遊び間隙が必要不 可欠であるから、遊び間隙の縮小には製造上および機能上の限界がある。また、 長期使用による摩耗の発生は、遊び間隙を拡大させる要因となっている。

【０００６】 また、従来のキースイッチ装置では、プレートキーを所定深さまで完全に挿入 していない段階においてもロータの錠止が過って解かれることがあり、この半挿 入解錠状態でプレートキーを回転操作してしまうと、プレートキーが届いていな い区域のマイクロスイッチは全くオン・オフ操作されない一方、プレートキーが 届いている区域のマイクロスイッチでもオン・オフ操作が本来の形で行われず、 各機器には過った作動信号が送られることになる。

【０００７】 このキースイッチ装置に用いた施錠構造では、プレートキーの各ピン操作部の 深さと各従動ピンの長さを一定寸法を単位として増減変更することによって、多 数の相異なるキーコードすなわち鍵違いを得ているのであるが、実際においては 、製造上の許容公差に長期使用による摩耗が加わることによって、ロータ受孔と ロータ間の遊び間隙が前記キーコード設定の最小単位を越えてしまうことがあり 、これが半挿入解錠を招く原因となっている。

【０００８】 この半挿入解錠を回避するには、キーコード設定の最小単位の寸法をできる限 り長くすれば良いのである。しかしながら、最小単位の寸法を長くした場合、多 数のキーコードを確保するためには、ロータとロック本体の外径を大きくしなけ ればならないが、これは装置の小型軽量化の要請に逆行することになる。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

したがって本考案の目的は、プレートキーの先端部の振れと半挿入解錠による 誤動作を的確に防止できるキースイッチ装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると、本考案のキースイッチ装置 では、ロック本体１のロータ受孔２に嵌挿したロータ３に軸方向のキー溝４と半 径方向のピン受孔５を設け、ピン受孔５に連通する半径方向のピン受孔６をロッ ク本体１に設け、ピン受孔５とピン受孔６に収容した従動ピン７と駆動ピン８を 圧縮コイルバネ９でキー溝４に向かって摺動付勢し、従動ピン７と駆動ピン８の 接触点をロータ３の外周面３ａに移動させるピン操作部１１をプレートキー１０ の一方の側縁部１０ａに設け、軸方向に複数個積層したマイクロスイッチ１２を ロック本体１の背後に固定する。

【００１１】 ロータ３の後部に突設したガイドポスト１３をマイクロスイッチ１２と平行に 配置し、プレートキー１０の一方の腹面１０ｃが摺接するガイドポスト１３の長 手方向の側面１３ａをキー溝４の内壁面４ａの延長線上に整列させ、プレートキ ー１０の腹面１０ｃの長手方向の位置決め溝１４に係合する長手方向の位置決め 突起１５をガイドポスト１３の側面１３ａに設け、ロック本体１の後端面１ａに ガイドディスク１６を固着し、ガイドディスク１６の規制用前面１６ａをロータ ３の後端面３ｂに当接させる。

【００１２】 円弧状縁部１７ａの曲率半径をプレートキー１０の回転半径よりも短くした規 制切欠１７をガイドディスク１６に設け、所定深さまで挿入したプレートキー１ ０を回転したとき、規制切欠１７の円弧状縁部１７ａが係合する逃げ溝１８をプ レートキー１０の他方の側縁部１０ｂに設け、ガイドポスト１３の根元部外周面 に円弧状縁部１７ａが係合する逃げ溝３２を設け、プレートキー１０の先端部の 他方の腹面１０ｄにマイクロスイッチ１２のアクチュエータピン１９を押すスイ ッチ操作部２０と、アクチュエータピン１９が逃げ込むスイッチ非操作部２１を 設ける。

【００１３】

【作用】

図７に示したようにプレートキー１０をロータ３のキー溝４から抜き取った状 態においては、圧縮コイルバネ９によって摺動付勢された駆動ピン８がロータ３ のピン受孔５に一部入り込み、従動ピン７と駆動ピン８の接触点がロータ３の外 周面３ａよりも内側に移動しているため、ロータ３はロック本体１に対して回転 不能に錠止されている。

【００１４】 図１５に示したようにプレートキー１０をロータ３のキー溝４に所定深さまで 挿入すると、プレートキー１０の先端部が所定長さだけロック本体１の後端面１ ａから突出する。ロック本体１の後端面１ａから突出するまでは、プレートキー １０の腹面１０ｃはキー溝４の内壁面４ａに摺接し、ロック本体１の後端面１ａ から突出した後は、プレートキー１０の腹面１０ｃはガイドポスト１３の長手方 向側面１３ａに摺接し、図１６に示したようにプレートキー１０の位置決め溝１ ４はガイドポスト１３の位置決め突起１５に係合する。

【００１５】 このようにしてプレートキー１０が所要長さだけ完全に挿入されると、図１７ と図１８に示したように各スイッチ操作部２０とスイッチ非操作部２１が対象と するマイクロスイッチ１２のアクチュエータピン１９と同じ位置に来ており、図 １６に示したようにプレートキー１０の逃げ溝１８はガイドディスク１６の規制 切欠１７の円弧状縁部１７ａに対面する位置に来ている。この完全挿入状態では 、プレートキー１０の各ピン操作部１１が各従動ピン７を所定長さだけ外向きに 押しているため、各従動ピン７と駆動ピン８の接触点がロータ３の外周面３ａに 来ており、ロック本体１に対するロータ３の錠止が解除されている。

【００１６】 そこで、図１９に示したようにプレートキー１０を回転操作すると、図２０に 示したように，プレートキー１０の逃げ溝１８とガイドポスト１３の逃げ溝３２ にガイドディスク１６の円弧状縁部１７ａが相対的に入り込むことによって、ロ ータ３とプレートキー１０はロック本体１に対して回転する。マイクロスイッチ １２に向かって回転したプレートキー１０は、回転終端において、スイッチ操作 部２０で特定のマイクロスイッチ１２のアクチュエータピン１９を所定深さまで 押し込むことによって、当該マイクロスイッチ１２をオンまたはオフ操作し、接 続された機器に所定の動作信号を送る。また、スイッチ非操作部２１にアクチュ エータピン１９の先端部が逃げ込んだ特定のマイクロスイッチ１２では、当初の オン・オフ状態が維持される。

【００１７】

【実施例】

図示の実施例では、ロータ３の外周面３ａの後端部の環状溝２２には、図４に 示したようにロック本体１の半径方向のピン孔２３に打ち込み固定した抜け止め ピン２４の先端部が係合しており、ロータ３の軸方向の移動を阻止している。ガ イドポスト１３は横断面扇形であり、ロータ３と一体に形成されている。図２と 図８に示したようにガイドディスク１６は２本のビス２５によってロック本体１ の後端面１ａに締め付け固着され、図２と図９に示したようにマイクロスイッチ １２は２本のビス２６によって、ガイドディスク１６及びロック本体１に締め付 け固着されている。

【００１８】 図９に示したようにガイドディスク１６の規制切欠１７には円弧状縁部１７ａ に直線縁部１７ｂが連設されており、図２０に示したように該直線縁部１７ｂに プレートキー１０の腹面１０ｄが当接することによって、ロータ３の回転角度は ９０度に限定されている。ロック本体１は取付パネル２７の受孔２８に嵌挿され 、外周螺子部２９に螺合したナット３０と前端鍔部３１によって取付パネル２７ に締め付け固定される。ロック本体１のピン受孔６は加工の都合上、キー溝４を 横断して形成され、外周螺子部２９に一端が開口している。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように本考案のキースイッチ装置では、ロック本体１の後端面１ａにガ イドディスク１６を固着し、ロータ３の後端面３ｂをガイドディスク１６の規制 用前面１６ａに当接させることによって、ロータ３の軸線がロータ受孔２の軸線 に対して偏位するのを阻止すると共に、ロータ３の後部のガイドポスト１３をマ イクロスイッチ１２と平行に配置し、キー溝４の内壁面４ａの延長線上に整列さ せたガイドポスト１３の長手方向の側面１３ａにプレートキー１０の腹面１０ｃ を当接させ、プレートキー１０の長手方向の位置決め溝１４をガイドポスト１３ の長手方向の位置決め突起１５に係合させたので、プレートキー１０の先端部の 振れが的確に阻止されることになる。そのため、プレートキー１０のスイッチ操 作部２０は対象とするマイクロスイッチ１２のアクチュエータピン１９を所定深 さまで押し込むことによって、所定の動作信号を対応する機器に送ることができ る。

【００２０】 また、本考案のキースイッチ装置では、ガイドディスク１６に規制切欠１７を 設け、規制切欠１７の円弧状縁部１７ａの曲率半径をプレートキー１０の回転半 径よりも短く設定し、プレートキー１０を所定深さまで挿入して回転したとき、 円弧状縁部１７ａと係合する逃げ溝１８をプレートキー１０の他方の側縁部１０ ｂに設けてあり、プレートキー１０の挿入が不完全であるときにはガイドディス ク１６の円弧状縁部１７ａの始端面がプレートキー１０の腹面１０ｄに当接する ので、プレートキー１０の半挿入状態での回転操作が的確に阻止される。そのた め、ロータ受孔２とロータ３間の遊び間隙が拡大しても、半挿入解錠によるマイ クロスイッチ１２の誤動作が発生せず、所定の動作信号を対応する機器に正確に 送ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るキースイッチ装置のプ
レートキー抜取り状態の正面図である。

【図２】該キースイッチ装置のプレートキー抜取り状態
の背面図である。

【図３】該キースイッチ装置のプレートキー抜取り状態
の平面図である。

【図４】該キースイッチ装置のプレートキー抜取り状態
の底面図である。

【図５】該キースイッチ装置のプレートキー抜取り状態
の左側面図である。

【図６】該キースイッチ装置のプレートキー抜取り状態
の右側面図である。

【図７】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図８】図６のＢ−Ｂ線断面図である。

【図９】図７のＣ−Ｃ線断面図である。

【図１０】該キースイッチ装置に使用するプレートキー
の右側面図である。

【図１１】該プレートキーの左側面図である。

【図１２】図１１のＤ−Ｄ線断面図である。

【図１３】図１１のＥ−Ｅ線断面図である。

【図１４】図１１のＦ−Ｆ線断面図である。

【図１５】該キースイッチ装置のプレートキー挿入状態
における図７に対応した断面図である。

【図１６】図１５のＧ−Ｇ線断面図である。

【図１７】図１５のＨ−Ｈ線断面図である。

【図１８】図１５のＩ−Ｉ線断面図である。

【図１９】該キースイッチ装置のプレートキー回転状態
における図７に対応した断面図である。

【図２０】図１９のＪ−Ｊ線断面図である。

【符号の説明】

１ ロック本体 １ａ ロック本体の後端面 ２ ロータ受孔 ３ ロータ ３ａ ロータの外周面 ３ｂ ロータの後端面 ４ キー溝 ４ａ キー溝の内壁面 ５ ロータのピン受孔 ６ ロック本体のピン受孔 ７ 従動ピン ８ 駆動ピン ９ 圧縮コイルバネ １０ プレートキー １０ａ プレートキーの側縁部 １０ｂ プレートキーの側縁部 １０ｃ プレートキーの腹面 １０ｄ プレートキーの腹面 １１ ピン操作部 １２ マイクロスイッチ １３ ガイドポスト １３ａ 長手方向側面 １４ 位置決め溝 １５ 位置決め突起 １６ ガイドディスク １６ａ 規制用前面 １７ 規制切欠 １７ａ 円弧状縁部 １７ｂ 直線状縁部 １８ プレートキーの逃げ溝 １９ アクチュエータピン ２０ スイッチ操作部 ２１ スイッチ非操作部 ２２ 環状溝 ２３ ピン孔 ２４ 抜け止めピン ２５ 固着用ビス ２６ 固着用ビス ２７ 取付パネル ２８ 受孔 ２９ 外周螺子部 ３０ 固着用ナット ３１ 前端鍔部 ３２ ガイドポストの逃げ溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロック本体１のロータ受孔２に嵌挿した
   ロータ３に軸方向のキー溝４と半径方向のピン受孔５を
   設け、ピン受孔５に連通する半径方向のピン受孔６をロ
   ック本体１に設け、ピン受孔５とピン受孔６に収容した
   従動ピン７と駆動ピン８を圧縮コイルバネ９でキー溝４
   に向かって摺動付勢し、従動ピン７と駆動ピン８の接触
   点をロータ３の外周面３ａに移動させるピン操作部１１
   をプレートキー１０の一方の側縁部１０ａに設け、軸方
   向に複数個積層したマイクロスイッチ１２をロック本体
   １の背後に固定し、ロータ３の後部に突設したガイドポ
   スト１３をマイクロスイッチ１２と平行に配置し、プレ
   ートキー１０の一方の腹面１０ｃが摺接するガイドポス
   ト１３の長手方向の側面１３ａをキー溝４の内壁面４ａ
   の延長線上に整列させ、腹面１０ｃの長手方向の位置決
   め溝１４に係合する長手方向の位置決め突起１５を側面
   １３ａに設け、ロック本体１の後端面１ａにガイドディ
   スク１６を固着し、ガイドディスク１６の規制用前面１
   ６ａをロータ３の後端面３ｂに当接させ、円弧状縁部１
   ７ａの曲率半径をプレートキー１０の回転半径よりも短
   くした規制切欠１７をガイドディスク１６に設け、所定
   深さまで挿入したプレートキー１０を回転したとき、円
   弧状縁部１７ａが係合する逃げ溝１８をプレートキー１
   ０の他方の側縁部１０ｂに設け、円弧状縁部１７ａが係
   合する逃げ溝３２をガイドポスト１３の根元部外周面に
   設け、プレートキー１０の先端部の他方の腹面１０ｄに
   マイクロスイッチ１２のアクチュエータピン１９を押す
   スイッチ操作部２０と、アクチュエータピン１９が逃げ
   込むスイッチ非操作部２１を設けたキースイッチ装置。