JPH06190499A - 砂中子の製造方法 - Google Patents
砂中子の製造方法Info
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- JPH06190499A JPH06190499A JP34660992A JP34660992A JPH06190499A JP H06190499 A JPH06190499 A JP H06190499A JP 34660992 A JP34660992 A JP 34660992A JP 34660992 A JP34660992 A JP 34660992A JP H06190499 A JPH06190499 A JP H06190499A
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- sand
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- core prototype
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- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ウォームボックス法を用いて固めた砂中子原
型でも,優れたコーティング性を有する砂中子を得る。 【構成】 砂をフラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤
とともに加熱して固めた砂中子原型を,フタル酸ジブチ
ルのアセトン溶液等中に浸漬するなどして液状有機化合
物処理した砂中子原型を得,この砂中子原型を加熱乾燥
した後,コーティング剤中に浸漬するなどして砂中子原
型の表面に均一なコーティングを行い,次いで乾燥して
優れたコーティングを有する砂中子を得る。
型でも,優れたコーティング性を有する砂中子を得る。 【構成】 砂をフラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤
とともに加熱して固めた砂中子原型を,フタル酸ジブチ
ルのアセトン溶液等中に浸漬するなどして液状有機化合
物処理した砂中子原型を得,この砂中子原型を加熱乾燥
した後,コーティング剤中に浸漬するなどして砂中子原
型の表面に均一なコーティングを行い,次いで乾燥して
優れたコーティングを有する砂中子を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば,クローズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコーティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは,ウォームボック
ス法で造型した砂中子原型をコーティング剤との界面張
力が少なくとも2.0mN/m以上の液状有機化合物で
処理することにより,砂中子原型の表面に同一コーティ
ング剤を1回だけで厚くコーティングでき,しかも,高
圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法に関するものであ
る。
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコーティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは,ウォームボック
ス法で造型した砂中子原型をコーティング剤との界面張
力が少なくとも2.0mN/m以上の液状有機化合物で
処理することにより,砂中子原型の表面に同一コーティ
ング剤を1回だけで厚くコーティングでき,しかも,高
圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】ここで,優れたコーティング性とは,砂中
子原型にコーティング剤をコーティングする際に,コー
ティング剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった
状態で深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面か
らはじかれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面
に,所定の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成
され,それが剥がれないようにコーティングされること
であり,鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ること
である。
子原型にコーティング剤をコーティングする際に,コー
ティング剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった
状態で深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面か
らはじかれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面
に,所定の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成
され,それが剥がれないようにコーティングされること
であり,鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ること
である。
【0003】
【従来の技術】従来より,例えば,クローズドデッキタ
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。
【0004】そして,崩壊性砂中子を得る場合,まず,
砂を所望の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表
面にコーティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時に
は砂中子が破損したり,溶湯が砂中子内に浸入しないよ
うにし,鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩
壊させて容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで
充分に取出せるようにすることが試みられている。勿
論,その場合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーテ
ィング剤の成分,コーティングの仕方等,従来よりいろ
いろ試みられているが,充分に満足し得るものは得られ
ていないのが現状である。
砂を所望の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表
面にコーティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時に
は砂中子が破損したり,溶湯が砂中子内に浸入しないよ
うにし,鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩
壊させて容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで
充分に取出せるようにすることが試みられている。勿
論,その場合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーテ
ィング剤の成分,コーティングの仕方等,従来よりいろ
いろ試みられているが,充分に満足し得るものは得られ
ていないのが現状である。
【0005】その中で,砂を固めて砂中子原型を得る方
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記ハードックス法に
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
【0007】そのため,本発明者は,酸化剤と亜硫酸ガ
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部に浸
み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得られ
なかった。
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部に浸
み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得られ
なかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては,砂,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子
原型を造型する工程と,この砂中子原型を粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコー
ティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以
上の液状有機化合物で処理する工程と,この液状有機化
合物で処理した砂中子原型を乾燥する工程と,この乾燥
した砂中子原型の表面に上記コーティング剤をコーティ
ングする工程と,このコーティングして得た砂中子を乾
燥させる工程によって優れたコーティングを有する砂中
子を得る。
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子
原型を造型する工程と,この砂中子原型を粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコー
ティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以
上の液状有機化合物で処理する工程と,この液状有機化
合物で処理した砂中子原型を乾燥する工程と,この乾燥
した砂中子原型の表面に上記コーティング剤をコーティ
ングする工程と,このコーティングして得た砂中子を乾
燥させる工程によって優れたコーティングを有する砂中
子を得る。
【0009】なお,砂中子原型を処理する液状有機化合
物は,フタル酸エステル,トリメリット酸エステル,脂
肪族一塩基酸エステル,脂肪族二塩基酸エステル,リン
酸エステル,エポキシ脂肪酸エステル,ポリエステル,
二価アルコールエステル,オキシ酸エステルから選ば
れ,例えば,フタル酸ジブチル,フタル酸ジ2−エチル
ヘキシル,アジピン酸ジ2−エチルヘキシル,セバシン
酸ジ2−エチルヘキシル等が挙げられる。また,砂中子
原型を液状有機化合物で処理する場合は,例えば,フタ
ル酸ジブチルのアセトン溶液のような有機溶媒溶液中に
浸漬したり,有機溶媒溶液を砂中子原型の表面に刷毛塗
りしたり,吹付けたりする。
物は,フタル酸エステル,トリメリット酸エステル,脂
肪族一塩基酸エステル,脂肪族二塩基酸エステル,リン
酸エステル,エポキシ脂肪酸エステル,ポリエステル,
二価アルコールエステル,オキシ酸エステルから選ば
れ,例えば,フタル酸ジブチル,フタル酸ジ2−エチル
ヘキシル,アジピン酸ジ2−エチルヘキシル,セバシン
酸ジ2−エチルヘキシル等が挙げられる。また,砂中子
原型を液状有機化合物で処理する場合は,例えば,フタ
ル酸ジブチルのアセトン溶液のような有機溶媒溶液中に
浸漬したり,有機溶媒溶液を砂中子原型の表面に刷毛塗
りしたり,吹付けたりする。
【0010】
【作用】本発明においては,まず,前記したように砂,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子
原型を造型した後,その砂中子原型を粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティ
ング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上の
フタル酸ジブチル等の液状有機化合物中に浸漬するなど
して砂中子原型の内部に液状有機化合物を浸み込ませ,
次いでこの砂中子原型を乾燥する。
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子
原型を造型した後,その砂中子原型を粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティ
ング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上の
フタル酸ジブチル等の液状有機化合物中に浸漬するなど
して砂中子原型の内部に液状有機化合物を浸み込ませ,
次いでこの砂中子原型を乾燥する。
【0011】この場合,造型した砂中子原型を,例えば
フタル酸ジブチルのアセトン溶液等の液状有機化合物溶
液の中に浸漬すれば,砂中子原型の表層部や液状有機化
合物が付着したり浸み込んだりする。この砂中子原型を
浸漬槽から引き上げた後,80〜200℃で数分〜2時
間乾燥させると砂中子原型の表層部に液状有機化合物が
均一に付着する。このような液状有機化合物処理および
乾燥を経て得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分
とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤
を塗布すれば,該砂中子原型表面に付着した特定の界面
張力をもった液状有機化合物により,コーティング剤が
該砂中子原型内部に浸透することなく,該砂中子原型表
面に厚くコーティングできる。その後これを乾燥すれば
所望の厚さの均質なコーティング層が形成される。
フタル酸ジブチルのアセトン溶液等の液状有機化合物溶
液の中に浸漬すれば,砂中子原型の表層部や液状有機化
合物が付着したり浸み込んだりする。この砂中子原型を
浸漬槽から引き上げた後,80〜200℃で数分〜2時
間乾燥させると砂中子原型の表層部に液状有機化合物が
均一に付着する。このような液状有機化合物処理および
乾燥を経て得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分
とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤
を塗布すれば,該砂中子原型表面に付着した特定の界面
張力をもった液状有機化合物により,コーティング剤が
該砂中子原型内部に浸透することなく,該砂中子原型表
面に厚くコーティングできる。その後これを乾燥すれば
所望の厚さの均質なコーティング層が形成される。
【0012】このようにすれば,ウォームボックス法で
も砂中子原型を固めることができ,かつ,砂中子原型の
表面にコーティング剤を所望の状態で確実容易にコーテ
ィングすることができる。そして,この発明によって得
られたコーティング砂中子を用いれば,高圧ダイカスト
のように高圧下での溶湯鋳込時に砂中子が破損したりク
ラックが入ったりすることなく溶湯が砂中子内に浸入す
ることもない。
も砂中子原型を固めることができ,かつ,砂中子原型の
表面にコーティング剤を所望の状態で確実容易にコーテ
ィングすることができる。そして,この発明によって得
られたコーティング砂中子を用いれば,高圧ダイカスト
のように高圧下での溶湯鋳込時に砂中子が破損したりク
ラックが入ったりすることなく溶湯が砂中子内に浸入す
ることもない。
【0013】
【実施例】砂中子原型を製造するときは,まず,中子砂
等の砂中子骨材にフラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化
剤を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジルコンサ
ンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用い,フラン
系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウォームボッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。
等の砂中子骨材にフラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化
剤を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジルコンサ
ンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用い,フラン
系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウォームボッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。
【0014】また,同樹脂加熱硬化用硬化剤としては,
ベンゼルスルホン酸,フェノールスルホン酸,トルエン
スルホン酸,キシレンスルホン酸,低級アルキルスルホ
ン酸の少なくとも1種と,アルミニウム,銅,亜鉛,
鉄,アンモニウムの少なくとも1種との塩からなるもの
を用いる。また,硬化促進剤として塩化銅,塩化亜鉛,
塩化鉄等を少量併用してもよい。
ベンゼルスルホン酸,フェノールスルホン酸,トルエン
スルホン酸,キシレンスルホン酸,低級アルキルスルホ
ン酸の少なくとも1種と,アルミニウム,銅,亜鉛,
鉄,アンモニウムの少なくとも1種との塩からなるもの
を用いる。また,硬化促進剤として塩化銅,塩化亜鉛,
塩化鉄等を少量併用してもよい。
【0015】これらの構成部材を配合したものを,所定
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成型した。この場合,中子成型
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約2分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成型した。この場合,中子成型
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約2分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
【0016】次に,このようにして成型した砂中子原型
を,液状有機化合物を混合した溶媒溶液で処理する。こ
の液状有機化合物としては,フタル酸ジブチル,フタル
酸ジ2−エチルヘキシル,フタル酸イソノニル,オレイ
ン酸ブチル,アジピン酸ジブチル,セバシン酸ジブチ
ル,リン酸トリクレシル,エポキシ化大豆油,ジエチレ
ングリコールジベンゾエート,ブチルフタリルブチルグ
リコレート等が挙げられる。また,液状有機化合物を混
合する溶媒としては,アセトン,メタノール等の低沸点
の有機溶媒が挙げられる。これらの液状有機化合物の溶
媒溶液中に砂中子原型を浸漬し,砂中子原型に吸収させ
た後,加熱乾燥させる。
を,液状有機化合物を混合した溶媒溶液で処理する。こ
の液状有機化合物としては,フタル酸ジブチル,フタル
酸ジ2−エチルヘキシル,フタル酸イソノニル,オレイ
ン酸ブチル,アジピン酸ジブチル,セバシン酸ジブチ
ル,リン酸トリクレシル,エポキシ化大豆油,ジエチレ
ングリコールジベンゾエート,ブチルフタリルブチルグ
リコレート等が挙げられる。また,液状有機化合物を混
合する溶媒としては,アセトン,メタノール等の低沸点
の有機溶媒が挙げられる。これらの液状有機化合物の溶
媒溶液中に砂中子原型を浸漬し,砂中子原型に吸収させ
た後,加熱乾燥させる。
【0017】有機溶媒溶液の濃度は稀釈倍率10〜10
0倍である。稀釈倍率が100倍より大きいとコーティ
ング剤が砂中子原型の内部深くまで浸み込んでしまい,
砂中子原型の表面に厚いコーティング層が形成せず,処
理効果がなくなる。また,稀釈倍率が10倍より小さい
とコーティング剤が砂中子原型の表面ではじいてしま
い,コーティング厚みが薄く,処理効果がなくなる。浸
漬時間は,処理液の濃度および砂中子原型と処理液との
親和性によっても異なるが,0.5秒の短時間から5分
程度である。浸漬処理した砂中子原型の乾燥は,温度が
高いほど時間が短くてすみ,目安として120℃で30
分程度である。
0倍である。稀釈倍率が100倍より大きいとコーティ
ング剤が砂中子原型の内部深くまで浸み込んでしまい,
砂中子原型の表面に厚いコーティング層が形成せず,処
理効果がなくなる。また,稀釈倍率が10倍より小さい
とコーティング剤が砂中子原型の表面ではじいてしま
い,コーティング厚みが薄く,処理効果がなくなる。浸
漬時間は,処理液の濃度および砂中子原型と処理液との
親和性によっても異なるが,0.5秒の短時間から5分
程度である。浸漬処理した砂中子原型の乾燥は,温度が
高いほど時間が短くてすみ,目安として120℃で30
分程度である。
【0018】次に,上記のように処理された砂中子原型
の表面にコーティング剤をコーティングする。この場
合,この砂中子原型をコーティング剤中に浸漬してもよ
いし,この砂中子原型の表面にコーティング剤を刷毛塗
りしたり吹付けたりしてもよい。コーティング剤は,微
粉末シリカと微粉末アルミナを主成分とし,少量のコロ
イドシリカを加えた固形分50〜90重量%のスラリと
した。固形分が50重量%以下ではコーティング層の厚
みが薄くなり,90重量%以上になるとスラリを撹拌す
るのが極めて困難となる。なお,このコーティング剤の
pHを7.0±1.0に維持していなければ,撹拌下で
も沈殿,凝固することがある。
の表面にコーティング剤をコーティングする。この場
合,この砂中子原型をコーティング剤中に浸漬してもよ
いし,この砂中子原型の表面にコーティング剤を刷毛塗
りしたり吹付けたりしてもよい。コーティング剤は,微
粉末シリカと微粉末アルミナを主成分とし,少量のコロ
イドシリカを加えた固形分50〜90重量%のスラリと
した。固形分が50重量%以下ではコーティング層の厚
みが薄くなり,90重量%以上になるとスラリを撹拌す
るのが極めて困難となる。なお,このコーティング剤の
pHを7.0±1.0に維持していなければ,撹拌下で
も沈殿,凝固することがある。
【0019】なお,コーティング剤としては,他のコー
ティング剤を用いることもできる。例えば,グラファイ
ト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグネシ
ア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機耐火
性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,アルミ
ナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無機結
合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いてもよ
い。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシリカ
とコロイドシリカである。なお,これに約10容量%の
メタノールとカオリンを加えても良い。
ティング剤を用いることもできる。例えば,グラファイ
ト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグネシ
ア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機耐火
性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,アルミ
ナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無機結
合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いてもよ
い。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシリカ
とコロイドシリカである。なお,これに約10容量%の
メタノールとカオリンを加えても良い。
【0020】前記コーティング剤中に,同コーティング
剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上である
液状有機化合物処理次いで加熱乾燥された砂中子原型を
数秒間浸漬し,その後,加熱乾燥を行う。乾燥条件は1
20℃,10分程度である。コーティング厚みは,上記
液状有機化合物処理を行わない場合には砂中子原型にほ
とんど浸み込んで,ほぼ0mmであるのに対して,充分
に厚く,砂中子原型への浸透は少なくしかも塗膜は堅固
である。
剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上である
液状有機化合物処理次いで加熱乾燥された砂中子原型を
数秒間浸漬し,その後,加熱乾燥を行う。乾燥条件は1
20℃,10分程度である。コーティング厚みは,上記
液状有機化合物処理を行わない場合には砂中子原型にほ
とんど浸み込んで,ほぼ0mmであるのに対して,充分
に厚く,砂中子原型への浸透は少なくしかも塗膜は堅固
である。
【0021】コーティング層は1層でもよいが,製品と
コーティング層との離型性を良くするため,2層の方が
より好ましい。2層目のコーティング層を形成するため
のコーティング剤としては,例えば,3%水溶性フェノ
ール樹脂溶液1リットルに対し,雲母粉500グラム,
湿潤剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
0グラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムを
よく撹拌混合したもの等を用いることができる。このコ
ーティングは前記第1層コーティングを終えた砂中子原
型を第2層コーティング剤中に浸漬したり,該砂中子原
型の表面に第2層コーティング剤を刷毛塗りしたり吹付
けたりした後,乾燥して形成する。
コーティング層との離型性を良くするため,2層の方が
より好ましい。2層目のコーティング層を形成するため
のコーティング剤としては,例えば,3%水溶性フェノ
ール樹脂溶液1リットルに対し,雲母粉500グラム,
湿潤剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
0グラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムを
よく撹拌混合したもの等を用いることができる。このコ
ーティングは前記第1層コーティングを終えた砂中子原
型を第2層コーティング剤中に浸漬したり,該砂中子原
型の表面に第2層コーティング剤を刷毛塗りしたり吹付
けたりした後,乾燥して形成する。
【0022】さらに詳しい実施例として,実験例をつぎ
に示す。 [実験例1〜5,および比較例]骨材としてフラタリ砂
100部,有機バインダとしてフラン樹脂1.5部,フ
ラン樹脂用硬化剤としてパラトルエンスルホン酸塩を主
成分とする市販の硬化剤(花王クエーカー製品FC−1
00,主成分パラトルエンスルホン酸銅塩)0.6部,
および,市販の添加剤(花王クエーカー製品J−20,
主成分シラン化合物)0.06部を混合し,重量約2k
gのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボックス
法で造型した。造型条件は金型温度120℃,吹込み圧
4.5kg/cm2 ,加熱時間90秒であった。1日放
置した後の砂中子原型の抗折力は30kgであった。こ
のうちの1個は,後記する液状有機化合物処理を何ら行
わずに,本実験例と同一のコーティングを行ったので,
比較例として表1に示す。
に示す。 [実験例1〜5,および比較例]骨材としてフラタリ砂
100部,有機バインダとしてフラン樹脂1.5部,フ
ラン樹脂用硬化剤としてパラトルエンスルホン酸塩を主
成分とする市販の硬化剤(花王クエーカー製品FC−1
00,主成分パラトルエンスルホン酸銅塩)0.6部,
および,市販の添加剤(花王クエーカー製品J−20,
主成分シラン化合物)0.06部を混合し,重量約2k
gのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボックス
法で造型した。造型条件は金型温度120℃,吹込み圧
4.5kg/cm2 ,加熱時間90秒であった。1日放
置した後の砂中子原型の抗折力は30kgであった。こ
のうちの1個は,後記する液状有機化合物処理を何ら行
わずに,本実験例と同一のコーティングを行ったので,
比較例として表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】フタル酸ジブチル(DBP)1部にアセト
ンを各々8部,9部,49部,99部,100部混合し
て,稀釈倍率9倍,10倍,50倍,100倍,101
倍のアセトン溶液をそれぞれ調製した。この処理液に砂
中子原型を1〜2秒間浸漬した後,120℃の循環式熱
風加熱炉で10分間乾燥した。(実験例1〜5)なお,
DBPと下記コーティング剤との界面張力は6.8mN
/mであった。
ンを各々8部,9部,49部,99部,100部混合し
て,稀釈倍率9倍,10倍,50倍,100倍,101
倍のアセトン溶液をそれぞれ調製した。この処理液に砂
中子原型を1〜2秒間浸漬した後,120℃の循環式熱
風加熱炉で10分間乾燥した。(実験例1〜5)なお,
DBPと下記コーティング剤との界面張力は6.8mN
/mであった。
【0025】これらフタル酸ジブチル処理を行わなかっ
たものと,それぞれ溶液濃度が異った液によってフタル
酸ジブチル処理された砂中子原型を,同一のコーティン
グ剤に1〜2秒浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱
炉で10分間乾燥した。コーティング剤の組成は,微粉
末シリカ50部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリ
カ3部を水20部に懸濁させたもので,pHは7.0に
調製されたものであった。比較例のものおよび実験例
4,5のものは,コーティングが不良ないしやや良程度
であった。これにより,フタル酸ジブチル稀釈倍率は1
0〜100倍が良いことが推定された。
たものと,それぞれ溶液濃度が異った液によってフタル
酸ジブチル処理された砂中子原型を,同一のコーティン
グ剤に1〜2秒浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱
炉で10分間乾燥した。コーティング剤の組成は,微粉
末シリカ50部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリ
カ3部を水20部に懸濁させたもので,pHは7.0に
調製されたものであった。比較例のものおよび実験例
4,5のものは,コーティングが不良ないしやや良程度
であった。これにより,フタル酸ジブチル稀釈倍率は1
0〜100倍が良いことが推定された。
【0026】前記の第1層コーティングを終えた後,次
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,雲母粉500グラム,湿潤剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラム,消泡剤と
してオクチルアルコール1グラムをよく撹拌混合したも
のを用いた。すなわち,前記第1層コーティングを済ま
せた砂中子原型をこの第2層コーティング剤中に1〜2
秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10分
間乾燥した。
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,雲母粉500グラム,湿潤剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラム,消泡剤と
してオクチルアルコール1グラムをよく撹拌混合したも
のを用いた。すなわち,前記第1層コーティングを済ま
せた砂中子原型をこの第2層コーティング剤中に1〜2
秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10分
間乾燥した。
【0027】以上のようにして得た砂中子を金型にセッ
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm2 ,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落としを行ったところ,実験例1
〜3の場合には中子砂は完全に除去され,優れた鋳造品
が得られた。実験例4,5の場合には中子砂の除去はや
や良であったが,比較例の場合には溶湯が砂中子原型に
差込んでおり中子砂の除去は不良であった。まとめて,
結果を表1に示す。
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm2 ,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落としを行ったところ,実験例1
〜3の場合には中子砂は完全に除去され,優れた鋳造品
が得られた。実験例4,5の場合には中子砂の除去はや
や良であったが,比較例の場合には溶湯が砂中子原型に
差込んでおり中子砂の除去は不良であった。まとめて,
結果を表1に示す。
【0028】[実験例6〜10]実験例1〜5におい
て,フタル酸ジブチルの代りにフタル酸ジ2−エチルヘ
キシル(DOP)を使用し,それ以外は全く同様に処
理,操作したところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に
優れた結果が得られた。その結果を表2に示す。なお,
DOPと前記コーティング剤との界面張力は10.0m
N/mであった。
て,フタル酸ジブチルの代りにフタル酸ジ2−エチルヘ
キシル(DOP)を使用し,それ以外は全く同様に処
理,操作したところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に
優れた結果が得られた。その結果を表2に示す。なお,
DOPと前記コーティング剤との界面張力は10.0m
N/mであった。
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】このように,本発明においては,砂,フ
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子原
型を造型する工程と,この砂中子原型を粉末状の耐火物
を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーテ
ィング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上
の液状有機化合物で処理する工程と,この液状有機化合
物で処理した砂中子原型を乾燥する工程と,この乾燥し
た砂中子原型の表面に上記のコーティング剤をコーティ
ングする工程と,このコーティングして得た砂中子原型
を乾燥させる工程によってコーティングされた砂中子を
製造するようにしたので,コーティング剤でコーティン
グするとき,コーティング剤は砂中子原型内に浸み込む
ことなく,均一で適当な厚さのコーティング層を形成す
る。したがって,砂中子は,鋳造時には高圧の鋳込圧力
に充分耐えることができる。
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤を用いて砂中子原
型を造型する工程と,この砂中子原型を粉末状の耐火物
を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーテ
ィング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上
の液状有機化合物で処理する工程と,この液状有機化合
物で処理した砂中子原型を乾燥する工程と,この乾燥し
た砂中子原型の表面に上記のコーティング剤をコーティ
ングする工程と,このコーティングして得た砂中子原型
を乾燥させる工程によってコーティングされた砂中子を
製造するようにしたので,コーティング剤でコーティン
グするとき,コーティング剤は砂中子原型内に浸み込む
ことなく,均一で適当な厚さのコーティング層を形成す
る。したがって,砂中子は,鋳造時には高圧の鋳込圧力
に充分耐えることができる。
【0031】すなわち,本発明で得られた崩壊性砂中子
を用いてダイカストのような高圧鋳造を行った場合,砂
中子中に溶湯が差込むことがなく,砂を排出した後の製
品の鋳肌面には砂は全く残留せず,非常に平滑である。
また,鋳造後の砂中子の崩壊性も良く,砂出しも容易で
ある。したがって,このような砂中子を,例えば,クロ
ーズドデッキ型のエンジンブロックの冷却ジャケット部
分のように,非常に複雑な形状を有する製品を鋳造する
際に用いても,充分に満足のいく作業状態と製品を確実
容易に得ることができる。
を用いてダイカストのような高圧鋳造を行った場合,砂
中子中に溶湯が差込むことがなく,砂を排出した後の製
品の鋳肌面には砂は全く残留せず,非常に平滑である。
また,鋳造後の砂中子の崩壊性も良く,砂出しも容易で
ある。したがって,このような砂中子を,例えば,クロ
ーズドデッキ型のエンジンブロックの冷却ジャケット部
分のように,非常に複雑な形状を有する製品を鋳造する
際に用いても,充分に満足のいく作業状態と製品を確実
容易に得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】この場合、造型した砂中子原型を、例えば
フタル酸ジブチルのアセトン溶液等の液状有機化合物溶
液の中に浸漬すれば、砂中子原型の表層部や中に液状有
機化合物が付着したり浸み込んだりする。この砂中子原
型を浸漬槽から引き上げた後、80〜200℃で数分〜
2時間乾燥させると、砂中子原型の表層部に液状有機化
合物が均一に付着する。このような液状有機化合物処理
および乾燥を経て得た砂中子原型に、粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコ−ティ
ング剤を塗布すれば、該砂中子原型表面に付着した特定
の界面張力をもった液状有機化合物により、コ−ティン
グ剤が該砂中子原型内部に浸透することなく、該砂中子
原型表面に厚くコ−ティングできる。その後、これを乾
燥すれば、所望の厚さの均質なコ−ティング層が形成さ
れる。
フタル酸ジブチルのアセトン溶液等の液状有機化合物溶
液の中に浸漬すれば、砂中子原型の表層部や中に液状有
機化合物が付着したり浸み込んだりする。この砂中子原
型を浸漬槽から引き上げた後、80〜200℃で数分〜
2時間乾燥させると、砂中子原型の表層部に液状有機化
合物が均一に付着する。このような液状有機化合物処理
および乾燥を経て得た砂中子原型に、粉末状の耐火物を
主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコ−ティ
ング剤を塗布すれば、該砂中子原型表面に付着した特定
の界面張力をもった液状有機化合物により、コ−ティン
グ剤が該砂中子原型内部に浸透することなく、該砂中子
原型表面に厚くコ−ティングできる。その後、これを乾
燥すれば、所望の厚さの均質なコ−ティング層が形成さ
れる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】次に、このようにして成型した砂中子原型
を、液状有機化合物を混合した溶媒溶液で処理する。こ
の液状有機化合物としては、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソノニル、オレイ
ン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチ
ル、リン酸トリクレジル、エポキシ化大豆油、ジエチレ
ングリコ−ルジベンゾエ−ト、ブチルフタリルブチルグ
リコレ−ト等が挙げられる。また、液状有機化合物を混
合する溶媒としては、アセトン、メタノ−ル等の低沸点
の有機溶媒が挙げられる。これらの液状有機化合物の溶
媒溶液中に砂中子原型を浸漬し、砂中子原型に吸収させ
た後、加熱乾燥させる。
を、液状有機化合物を混合した溶媒溶液で処理する。こ
の液状有機化合物としては、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸イソノニル、オレイ
ン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジブチ
ル、リン酸トリクレジル、エポキシ化大豆油、ジエチレ
ングリコ−ルジベンゾエ−ト、ブチルフタリルブチルグ
リコレ−ト等が挙げられる。また、液状有機化合物を混
合する溶媒としては、アセトン、メタノ−ル等の低沸点
の有機溶媒が挙げられる。これらの液状有機化合物の溶
媒溶液中に砂中子原型を浸漬し、砂中子原型に吸収させ
た後、加熱乾燥させる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】次に、フタル酸ジブチル(DBP)1部に
アセトンを各々8部、9部、49部、99部、100部
混合して、希釈倍率9倍、10倍、50倍、100倍、
101倍のアセトン溶液をそれぞれ調製した。この処理
液に砂中子原型を1〜2秒間浸漬した後、120℃の循
環式熱風加熱炉で10分間乾燥した。(実験例1〜5な
お、DBPと下記コ−ティング剤との界面張力は6.8
mN/mであった。
アセトンを各々8部、9部、49部、99部、100部
混合して、希釈倍率9倍、10倍、50倍、100倍、
101倍のアセトン溶液をそれぞれ調製した。この処理
液に砂中子原型を1〜2秒間浸漬した後、120℃の循
環式熱風加熱炉で10分間乾燥した。(実験例1〜5な
お、DBPと下記コ−ティング剤との界面張力は6.8
mN/mであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 賢治 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 飯谷 英之 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬
化剤を用いて砂中子原型を造型する工程と,この砂中子
原型を粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体から
なるスラリ状のコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上の液状有機化合物で処理する工程
と,この液状有機化合物で処理した砂中子原型を乾燥す
る工程と,この乾燥した砂中子原型の表面に上記コーテ
ィング剤をコーティングする工程と,このコーティング
して得た砂中子を乾燥させる工程を有する砂中子の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34660992A JPH06190499A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 砂中子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34660992A JPH06190499A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 砂中子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06190499A true JPH06190499A (ja) | 1994-07-12 |
Family
ID=18384593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34660992A Pending JPH06190499A (ja) | 1992-12-25 | 1992-12-25 | 砂中子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06190499A (ja) |
-
1992
- 1992-12-25 JP JP34660992A patent/JPH06190499A/ja active Pending
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