JPH06182486A - 砂中子の製造方法 - Google Patents
砂中子の製造方法Info
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- JPH06182486A JPH06182486A JP33894392A JP33894392A JPH06182486A JP H06182486 A JPH06182486 A JP H06182486A JP 33894392 A JP33894392 A JP 33894392A JP 33894392 A JP33894392 A JP 33894392A JP H06182486 A JPH06182486 A JP H06182486A
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- sand
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ウォームボックス法を用いて固めた砂中子原
型でも,優れたコーティング性を有する砂中子を得る。 【構成】 砂中子を造型する際,Na2 SO4 等の無機
塩及びフタル酸ジブチル等のフタル酸エステル類,ある
いは,脂肪酸エステル類を配合し,砂中子原型を得,コ
ーティング剤中に浸漬するなどして砂中子原型の表面に
均一なコーティングを行い,次いで乾燥して優れたコー
ティングを有する砂中子を得る。
型でも,優れたコーティング性を有する砂中子を得る。 【構成】 砂中子を造型する際,Na2 SO4 等の無機
塩及びフタル酸ジブチル等のフタル酸エステル類,ある
いは,脂肪酸エステル類を配合し,砂中子原型を得,コ
ーティング剤中に浸漬するなどして砂中子原型の表面に
均一なコーティングを行い,次いで乾燥して優れたコー
ティングを有する砂中子を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば,クローズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコーティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは,ウォームボック
ス法で造型時にコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上の液状有機化合物を配合すること
により,砂中子原型の表面に同一コーティング剤を1回
だけで厚くコーティングでき,しかも,高圧鋳造用にも
適した砂中子の製造方法に関するものである。
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコーティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは,ウォームボック
ス法で造型時にコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上の液状有機化合物を配合すること
により,砂中子原型の表面に同一コーティング剤を1回
だけで厚くコーティングでき,しかも,高圧鋳造用にも
適した砂中子の製造方法に関するものである。
【0002】ここで,優れたコーティング性とは,砂中
子原型にコーティング剤をコーティングする際に,コー
ティング剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった
状態で深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面か
らはじかれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面
に,所定の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成
され,それが剥がれないようにコーティングされること
であり,鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ること
である。
子原型にコーティング剤をコーティングする際に,コー
ティング剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった
状態で深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面か
らはじかれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面
に,所定の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成
され,それが剥がれないようにコーティングされること
であり,鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ること
である。
【0003】
【従来の技術】従来より,例えば,クローズドデッキタ
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。そして,崩壊性砂中子を得る場合,まず,砂を所望
の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表面にコー
ティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時には砂中子
が破損したり,溶湯が砂中子内に侵入しないようにし,
鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩壊させて
容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで充分に取
出せるようにすることが試みられている。勿論,その場
合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーティング剤の
成分,コーティングの仕方等,従来よりいろいろ試みら
れているが,充分に満足し得るものは得られていないの
が現状である。
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。そして,崩壊性砂中子を得る場合,まず,砂を所望
の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表面にコー
ティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時には砂中子
が破損したり,溶湯が砂中子内に侵入しないようにし,
鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩壊させて
容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで充分に取
出せるようにすることが試みられている。勿論,その場
合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーティング剤の
成分,コーティングの仕方等,従来よりいろいろ試みら
れているが,充分に満足し得るものは得られていないの
が現状である。
【0004】その中で,砂を固めて砂中子原型を得る方
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記ハードックス法に
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
【0006】そのため,本発明者は,酸化剤と亜硫酸ガ
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
原型に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部
に浸み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得
られなかった。
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
原型に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部
に浸み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得
られなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては,砂,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩と粉
末状の耐火物を主成分とする中性水分散体からなるスラ
リ状のコーティング剤との界面張力が少なくとも2.0
mN/mであり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よ
り高い液状有機化合物を用いて砂中子原型を造型する工
程と,この造型した砂中子原型の表面に粉末状の耐火物
を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーテ
ィング剤をコーティングする工程と,このコーティング
して得た砂中子を乾燥させる工程によって優れたコーテ
ィングを有する砂中子を得る。
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩と粉
末状の耐火物を主成分とする中性水分散体からなるスラ
リ状のコーティング剤との界面張力が少なくとも2.0
mN/mであり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よ
り高い液状有機化合物を用いて砂中子原型を造型する工
程と,この造型した砂中子原型の表面に粉末状の耐火物
を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーテ
ィング剤をコーティングする工程と,このコーティング
して得た砂中子を乾燥させる工程によって優れたコーテ
ィングを有する砂中子を得る。
【0008】なお,砂中子原型を造型する際に配合する
無機塩は,Li+ ,Na+ ,K+ ,Cs+ ,Cu+ ,C
u2+,Mg2+,Ca2+,Ba2+,Zn2+,Al3+,Mn
2+,Fe2+,Fe3+,Co2+,Ni2+,NH4 +などの陽
イオンと,F- ,Cl- ,Br- ,I- ,NO3 -,CO
3 2- ,SO4 2- ,PO4 3- などの陰イオンが電荷を中和
する形で生成するものをいう。例えば,Na2 SO4 ,
K2 CO3 ,MgCl 2 ,Ba3 (PO4 )2 ,Al2
(SO4 )3 ,MnCl2 ,FeSO4 ,NH 4 NO3
等が挙げられる。
無機塩は,Li+ ,Na+ ,K+ ,Cs+ ,Cu+ ,C
u2+,Mg2+,Ca2+,Ba2+,Zn2+,Al3+,Mn
2+,Fe2+,Fe3+,Co2+,Ni2+,NH4 +などの陽
イオンと,F- ,Cl- ,Br- ,I- ,NO3 -,CO
3 2- ,SO4 2- ,PO4 3- などの陰イオンが電荷を中和
する形で生成するものをいう。例えば,Na2 SO4 ,
K2 CO3 ,MgCl 2 ,Ba3 (PO4 )2 ,Al2
(SO4 )3 ,MnCl2 ,FeSO4 ,NH 4 NO3
等が挙げられる。
【0009】さらに,砂中子原型を造型する際に配合す
る液状有機化合物は,フタル酸エステル,トリメリット
酸エステル,脂肪族一塩基酸エステル,脂肪族二塩基酸
エステル,リン酸エステル,エポキシ脂肪酸エステル,
ポリエステル,二価アルコールエステル,オキシ酸エス
テルから選ばれ,例えば,フタル酸ジブチル,フタル酸
ジ2−エチルヘキシル,アジピン酸ジ2−エチルヘキシ
ル,セバシン酸ジ2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また,上記無機塩及び液状有機化合物を配合した砂中子
原型を造型する場合は,砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱
硬化用硬化剤に,例えば,Na2 SO4 及びフタル酸ジ
ブチルあるいはその溶剤希釈液を配合した後,これを,
例えば,90〜240℃に加熱した砂中子原型造型用の
金型内に圧縮空気で吹込んで加熱硬化させる。
る液状有機化合物は,フタル酸エステル,トリメリット
酸エステル,脂肪族一塩基酸エステル,脂肪族二塩基酸
エステル,リン酸エステル,エポキシ脂肪酸エステル,
ポリエステル,二価アルコールエステル,オキシ酸エス
テルから選ばれ,例えば,フタル酸ジブチル,フタル酸
ジ2−エチルヘキシル,アジピン酸ジ2−エチルヘキシ
ル,セバシン酸ジ2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また,上記無機塩及び液状有機化合物を配合した砂中子
原型を造型する場合は,砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱
硬化用硬化剤に,例えば,Na2 SO4 及びフタル酸ジ
ブチルあるいはその溶剤希釈液を配合した後,これを,
例えば,90〜240℃に加熱した砂中子原型造型用の
金型内に圧縮空気で吹込んで加熱硬化させる。
【0010】
【作用】本発明においては,まず,砂,フラン系樹脂,
同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコー
ティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以
上であり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よりも高
い液状有機化合物を用いて砂中子原型を造型する。次
に,このようにして得た砂中子原型の表面に,粉末状の
耐火物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状の
コーティング剤をコーティングする。
同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコー
ティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以
上であり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よりも高
い液状有機化合物を用いて砂中子原型を造型する。次
に,このようにして得た砂中子原型の表面に,粉末状の
耐火物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状の
コーティング剤をコーティングする。
【0011】このような無機塩,液状有機化合物を配合
して得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分とする
中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤を塗布
すれば,該砂中子原型の表面および表面近くに付着した
液状有機化合物でコーティング剤が砂中子原型内部に浸
透することなく,さらに配合されている無機塩はコーテ
ィング剤を瞬時に凝集する効果があり該砂中子原型表面
に厚くコーティングできる。その後これを乾燥すれば,
所望の厚さの均質なコーティング層が形成される。
して得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分とする
中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤を塗布
すれば,該砂中子原型の表面および表面近くに付着した
液状有機化合物でコーティング剤が砂中子原型内部に浸
透することなく,さらに配合されている無機塩はコーテ
ィング剤を瞬時に凝集する効果があり該砂中子原型表面
に厚くコーティングできる。その後これを乾燥すれば,
所望の厚さの均質なコーティング層が形成される。
【0012】なお,前記液状有機化合物と無機塩を併用
することにより,造型時配合する無機塩の配合量が少な
くても,上記コーティング剤が砂中子原型の内部に浸透
することはない。このようにすれば,ウォームボックス
法でも,砂中子原型を固めることができ,かつ,砂中子
原型の表面にコーティング剤を所望の状態で確実容易に
コーティングすることができる。そして,この発明によ
って得られたコーティング砂中子を用いれば,高圧ダイ
カストのように高圧下での溶湯鋳込時に砂中子が破損し
たりクラックが入ったりすることもなく,溶湯が砂中子
内に侵入することもない。
することにより,造型時配合する無機塩の配合量が少な
くても,上記コーティング剤が砂中子原型の内部に浸透
することはない。このようにすれば,ウォームボックス
法でも,砂中子原型を固めることができ,かつ,砂中子
原型の表面にコーティング剤を所望の状態で確実容易に
コーティングすることができる。そして,この発明によ
って得られたコーティング砂中子を用いれば,高圧ダイ
カストのように高圧下での溶湯鋳込時に砂中子が破損し
たりクラックが入ったりすることもなく,溶湯が砂中子
内に侵入することもない。
【0013】
【実施例】請求項に記載の砂中子原型を製造するとき
は,まず,中子砂等の砂中子骨材にフラン系樹脂,同樹
脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに前記液状有機化合
物を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジルコンサ
ンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用い,フラン
系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウォームボッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。また,同樹脂加熱硬化
用硬化剤としては,ベンゼルスルホン酸,フェノールス
ルホン酸,トルエンスルホン酸,キシレンスルホン酸,
低級アルキルスルホン酸の少なくとも1種と,アルミニ
ウム,銅,亜鉛,鉄,アンモニウムの少なくとも1種と
の塩からなるものを用いる。また,硬化促進剤として塩
化銅,塩化亜鉛,塩化鉄等を少量併用しても良い。
は,まず,中子砂等の砂中子骨材にフラン系樹脂,同樹
脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに前記液状有機化合
物を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジルコンサ
ンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用い,フラン
系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・ホルム
アルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノール・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウォームボッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。また,同樹脂加熱硬化
用硬化剤としては,ベンゼルスルホン酸,フェノールス
ルホン酸,トルエンスルホン酸,キシレンスルホン酸,
低級アルキルスルホン酸の少なくとも1種と,アルミニ
ウム,銅,亜鉛,鉄,アンモニウムの少なくとも1種と
の塩からなるものを用いる。また,硬化促進剤として塩
化銅,塩化亜鉛,塩化鉄等を少量併用しても良い。
【0014】フタル酸エステル類,脂肪族一塩基酸エス
テル類等の液状有機化合物としては,フタル酸ジブチ
ル,フタル酸ジ2−エチルヘキシル,フタル酸イソノニ
ル,オレイン酸ブチル,アジピン酸ジブチル,セバシン
酸ジブチル,リン酸トリクレシル,エポキシ化大豆油,
ジエチレングリコールジベンゾエート,ブチルフタリル
ブチルグリコレート等を用いる。液状有機化合物は,砂
100重量部に対して0.05〜0.5重量部配合す
る。配合量が0.05重量部未満では,砂中子原型の表
面に厚いコーティング層が形成しない。また,配合量が
0.5重量部より多い場合は,コーティング剤が砂中子
原型の表面ではじいてしまい,コーティング層が形成し
ない。
テル類等の液状有機化合物としては,フタル酸ジブチ
ル,フタル酸ジ2−エチルヘキシル,フタル酸イソノニ
ル,オレイン酸ブチル,アジピン酸ジブチル,セバシン
酸ジブチル,リン酸トリクレシル,エポキシ化大豆油,
ジエチレングリコールジベンゾエート,ブチルフタリル
ブチルグリコレート等を用いる。液状有機化合物は,砂
100重量部に対して0.05〜0.5重量部配合す
る。配合量が0.05重量部未満では,砂中子原型の表
面に厚いコーティング層が形成しない。また,配合量が
0.5重量部より多い場合は,コーティング剤が砂中子
原型の表面ではじいてしまい,コーティング層が形成し
ない。
【0015】また,上記の液状有機化合物は,原液のま
まで配合してもよいし,適当な低沸点溶剤に溶解させて
配合してもよい。後者の場合に用いられる溶剤は,前記
砂中子骨材,フラン系樹脂,同加熱硬化用硬化剤からな
る組成物の貯蔵安定性および加熱硬化性(造型性)を損
なわないものが適宜選ばれる。しかして,上記の液状有
機化合物の溶液の濃度及び配合量は,液状有機化合物の
みに換算して砂100重量部に対して0.05〜0.5
重量部となるように,適宜選定される。
まで配合してもよいし,適当な低沸点溶剤に溶解させて
配合してもよい。後者の場合に用いられる溶剤は,前記
砂中子骨材,フラン系樹脂,同加熱硬化用硬化剤からな
る組成物の貯蔵安定性および加熱硬化性(造型性)を損
なわないものが適宜選ばれる。しかして,上記の液状有
機化合物の溶液の濃度及び配合量は,液状有機化合物の
みに換算して砂100重量部に対して0.05〜0.5
重量部となるように,適宜選定される。
【0016】無機塩としては,NaSO4 ,K2 CO
3 ,Al2 (SO4 )3 等の無機塩が挙げられる。これ
らの無機塩は,上記液状有機化合物が配合されない系で
は,砂100重量部に対して少なくとも0.1重量部以
上配合する。配合量が0.1重量部未満では,砂中子原
型の表面に厚いコーティング層が形成しない。しかし,
これら液状有機化合物と無機塩を併用することにより,
無機塩は,砂100重量部に対して少なくとも0.05
重量部以上配合すればよい。なお,これらの無機塩は,
砂中子原型の造型に支障をきたさない限り,砂100部
に対し前記0.05重量部以上を越えてさらに大量配合
することができる。
3 ,Al2 (SO4 )3 等の無機塩が挙げられる。これ
らの無機塩は,上記液状有機化合物が配合されない系で
は,砂100重量部に対して少なくとも0.1重量部以
上配合する。配合量が0.1重量部未満では,砂中子原
型の表面に厚いコーティング層が形成しない。しかし,
これら液状有機化合物と無機塩を併用することにより,
無機塩は,砂100重量部に対して少なくとも0.05
重量部以上配合すればよい。なお,これらの無機塩は,
砂中子原型の造型に支障をきたさない限り,砂100部
に対し前記0.05重量部以上を越えてさらに大量配合
することができる。
【0017】また,上記した無機塩は,粉末等の固体の
ままで配合してもよいし,水溶液等の溶液あるいは適当
な分散剤への分散体の形で配合してもよい。後者の場合
に用いられる溶剤あるいは分散剤は,前記砂中子骨材,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤からなる組成物
の貯蔵安定性および加熱硬化性(造型性)を損なわない
ものが適宜選ばれる。しかして,上記した無機塩の溶液
あるいは分散体の濃度および配合量は,無機塩のみに換
算して砂100重量部に対して少なくとも0.05重量
部以上になるように,適宜選定される。
ままで配合してもよいし,水溶液等の溶液あるいは適当
な分散剤への分散体の形で配合してもよい。後者の場合
に用いられる溶剤あるいは分散剤は,前記砂中子骨材,
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤からなる組成物
の貯蔵安定性および加熱硬化性(造型性)を損なわない
ものが適宜選ばれる。しかして,上記した無機塩の溶液
あるいは分散体の濃度および配合量は,無機塩のみに換
算して砂100重量部に対して少なくとも0.05重量
部以上になるように,適宜選定される。
【0018】これらの構成部材を配合したものを,所定
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成形した。この場合,中子成形
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約2分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成形した。この場合,中子成形
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約2分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
【0019】つぎに,上記のようにして造型された砂中
子原型の表面にコーティング剤をコーティングする。こ
の場合,この砂中子原型をコーティング剤中に浸漬して
もよいし,この砂中子原型の表面にコーティング剤を刷
毛塗りしたり吹付けたりしてもよい。コーティング剤
は,微粉末シリカと微粉末アルミナを主成分とし,少量
のコロイドシリカを加えた固形分50〜90重量%のス
ラリとした。固形分が50重量%以下ではコーティング
層の厚みが薄くなり,90重量%以上になるとスラリを
撹拌するのが極めて困難となる。なお,このコーティン
グ剤のpHを7.0±1.0に維持していなければ,撹
拌下でも沈殿,凝固することがある。
子原型の表面にコーティング剤をコーティングする。こ
の場合,この砂中子原型をコーティング剤中に浸漬して
もよいし,この砂中子原型の表面にコーティング剤を刷
毛塗りしたり吹付けたりしてもよい。コーティング剤
は,微粉末シリカと微粉末アルミナを主成分とし,少量
のコロイドシリカを加えた固形分50〜90重量%のス
ラリとした。固形分が50重量%以下ではコーティング
層の厚みが薄くなり,90重量%以上になるとスラリを
撹拌するのが極めて困難となる。なお,このコーティン
グ剤のpHを7.0±1.0に維持していなければ,撹
拌下でも沈殿,凝固することがある。
【0020】なお,コーティング剤としては,他のコー
ティング剤を用いることもできる。例えば,グラファイ
ト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグネシ
ア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機耐火
性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,アルミ
ナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無機結
合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いてもよ
い。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシリカ
とコロイドシリカである。なお,これに約10容量%の
メタノールとカオリンを加えても良い。
ティング剤を用いることもできる。例えば,グラファイ
ト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグネシ
ア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機耐火
性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,アルミ
ナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無機結
合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いてもよ
い。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシリカ
とコロイドシリカである。なお,これに約10容量%の
メタノールとカオリンを加えても良い。
【0021】前記コーティング剤中に,無機塩および同
コーティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/
m以上である液状有機化合物が配合された砂中子原型を
数秒間浸漬し,その後,加熱乾燥を行う。乾燥条件は1
20℃,10分程度である。コーティングの厚みは,上
記無機塩,液状有機化合物を配合していない場合には砂
中子原型にほとんど浸み込んでほぼ0mmであるのに対
して,充分に厚く,砂中子原型への浸透は少なく,しか
も,塗膜は堅固である。
コーティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/
m以上である液状有機化合物が配合された砂中子原型を
数秒間浸漬し,その後,加熱乾燥を行う。乾燥条件は1
20℃,10分程度である。コーティングの厚みは,上
記無機塩,液状有機化合物を配合していない場合には砂
中子原型にほとんど浸み込んでほぼ0mmであるのに対
して,充分に厚く,砂中子原型への浸透は少なく,しか
も,塗膜は堅固である。
【0022】コーティング層は1層でもよいが,製品と
コーティング層との離型性を良くするため,2層の方が
より好ましい。2層目のコーティング層を形成するため
のコーティング剤としては,例えば,3%水溶性フェノ
ール樹脂溶液1リットルに対し,雲母粉500グラム,
湿潤剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
0グラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムを
よく撹拌混合したもの等を用いることができる。このコ
ーティングは前記第1層コーティングを終えた砂中子原
型を第2層コーティング剤中に浸漬したり,該砂中子原
型の表面に第2層コーティング剤を刷毛塗りしたり吹付
けたりした後,乾燥して形成する。
コーティング層との離型性を良くするため,2層の方が
より好ましい。2層目のコーティング層を形成するため
のコーティング剤としては,例えば,3%水溶性フェノ
ール樹脂溶液1リットルに対し,雲母粉500グラム,
湿潤剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
0グラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムを
よく撹拌混合したもの等を用いることができる。このコ
ーティングは前記第1層コーティングを終えた砂中子原
型を第2層コーティング剤中に浸漬したり,該砂中子原
型の表面に第2層コーティング剤を刷毛塗りしたり吹付
けたりした後,乾燥して形成する。
【0023】さらに詳しい実施例として,実験例をつぎ
に示す。 (実験例1)骨材としてフラタリ砂100重量部,フラ
ン樹脂1.5重量部,フラン樹脂用硬化剤としてパラト
ルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤(花王
クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエンスル
ホン酸銅塩)0.6重量部,および,市販の添加剤(花
王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)0.
06重量部,Na2 SO4 を0.07重量部,フタル酸
ジブチル(DBP)0.17重量部を混合し,重量約2
kgのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボック
ス法で造型した。なお,DBPと下記コーティング剤と
の界面張力は6.8mN/mであった。造型条件は金型
温度120℃,吹込み圧4.5kg/cm2 ,加熱時間
90秒であった。1日放置した後の砂中子原型の抗折力
は32kgであった。
に示す。 (実験例1)骨材としてフラタリ砂100重量部,フラ
ン樹脂1.5重量部,フラン樹脂用硬化剤としてパラト
ルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤(花王
クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエンスル
ホン酸銅塩)0.6重量部,および,市販の添加剤(花
王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)0.
06重量部,Na2 SO4 を0.07重量部,フタル酸
ジブチル(DBP)0.17重量部を混合し,重量約2
kgのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボック
ス法で造型した。なお,DBPと下記コーティング剤と
の界面張力は6.8mN/mであった。造型条件は金型
温度120℃,吹込み圧4.5kg/cm2 ,加熱時間
90秒であった。1日放置した後の砂中子原型の抗折力
は32kgであった。
【0024】この砂中子原型を粉末状の耐火物を主成分
とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤
に1〜2秒浸漬した後,120℃の循環式加熱炉で10
分乾燥した。コーティング剤の組成は,微粉末シリカ5
0部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリカ3部を水
20部に懸濁させたもので,pHは7.0に調製された
ものであった。
とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤
に1〜2秒浸漬した後,120℃の循環式加熱炉で10
分乾燥した。コーティング剤の組成は,微粉末シリカ5
0部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリカ3部を水
20部に懸濁させたもので,pHは7.0に調製された
ものであった。
【0025】前記の第1層コーティングを終えた後,次
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,雲母粉500グラム,湿潤剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラム,消泡剤と
してオクチルアルコール1グラムをよく撹拌混合したも
のを用いた。すなわち,前記第1層コーティングを済ま
せた砂中子原型をこの第2層コーティング剤中に1〜2
秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10分
間乾燥した。
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,雲母粉500グラム,湿潤剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラム,消泡剤と
してオクチルアルコール1グラムをよく撹拌混合したも
のを用いた。すなわち,前記第1層コーティングを済ま
せた砂中子原型をこの第2層コーティング剤中に1〜2
秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10分
間乾燥した。
【0026】以上のようにして得た砂中子を金型にセッ
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm2 ,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落としを行ったところ,中子砂は
完全に除去され,優れた鋳造品が得られた。結果を表1
に示す。
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm2 ,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落としを行ったところ,中子砂は
完全に除去され,優れた鋳造品が得られた。結果を表1
に示す。
【0027】
【表1】
【0028】(比較例1)骨材としてフラタリ砂100
部,フラン樹脂1.5部,フラン樹脂用硬化剤としてパ
ラトルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤
(花王クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエ
ンスルホン酸銅塩)0.6部,および,市販の添加剤
(花王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)
0.06部を混合し,重量約2kgのエンジンブロック
用砂中子原型をウォームボックス法で造型した。造型条
件は金型温度120℃,吹込み圧4.5kg/cm2 ,
加熱時間90秒であった。1日放置した後の砂中子原型
の抗折力は30kgであった。この砂中子原型を使用
し,実験例1と同様な処理,操作をした。鋳造後に通常
のコアノックアウトマシンで砂落としを行ったところ,
溶湯が砂中子原型に差込んでおり中子砂の除去は不良で
あった。結果を表1に示す。
部,フラン樹脂1.5部,フラン樹脂用硬化剤としてパ
ラトルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤
(花王クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエ
ンスルホン酸銅塩)0.6部,および,市販の添加剤
(花王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)
0.06部を混合し,重量約2kgのエンジンブロック
用砂中子原型をウォームボックス法で造型した。造型条
件は金型温度120℃,吹込み圧4.5kg/cm2 ,
加熱時間90秒であった。1日放置した後の砂中子原型
の抗折力は30kgであった。この砂中子原型を使用
し,実験例1と同様な処理,操作をした。鋳造後に通常
のコアノックアウトマシンで砂落としを行ったところ,
溶湯が砂中子原型に差込んでおり中子砂の除去は不良で
あった。結果を表1に示す。
【0029】(比較例2)比較例1の組成物に,Na2
SO4 を砂に対して0.07重量部配合し,重量約2k
gのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボックス
法で造型した。造型条件は金型温度120℃,吹込み圧
4.5kg/cm2 ,加熱時間90秒であった。1日放
置した後の砂中子原型の抗折力は27kgであった。こ
の砂中子原型を使用し,実験例1と同様な処理,操作を
した。鋳造後に通常のコアノックアウトマシンで砂落と
しを行ったところ,溶湯が砂中子原型に差込んでおり中
子砂の除去は不良であった。結果を表1に示す。
SO4 を砂に対して0.07重量部配合し,重量約2k
gのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボックス
法で造型した。造型条件は金型温度120℃,吹込み圧
4.5kg/cm2 ,加熱時間90秒であった。1日放
置した後の砂中子原型の抗折力は27kgであった。こ
の砂中子原型を使用し,実験例1と同様な処理,操作を
した。鋳造後に通常のコアノックアウトマシンで砂落と
しを行ったところ,溶湯が砂中子原型に差込んでおり中
子砂の除去は不良であった。結果を表1に示す。
【0030】(実験例2)実験例1のフタル酸ジブチル
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。なお,DOPと前記コーティング剤との界面
張力は10.0mN/mであった。その結果を表1に示
す。
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。なお,DOPと前記コーティング剤との界面
張力は10.0mN/mであった。その結果を表1に示
す。
【0031】(実験例3)実験例1のNa2 SO4 の代
りにAl2 (SO4 )3 を使用し,それ以外は全く同様
に処理,操作したところ,Na2 SO4 の場合と同様に
優れた結果が得られた。その結果を表1に示す。
りにAl2 (SO4 )3 を使用し,それ以外は全く同様
に処理,操作したところ,Na2 SO4 の場合と同様に
優れた結果が得られた。その結果を表1に示す。
【0032】(実験例4)実験例3のフタル酸ジブチル
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。その結果を表1に示す。
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。その結果を表1に示す。
【0033】
【発明の効果】このように,本発明においては,砂,フ
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに
これに粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体から
なるスラリ状のコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上であり互いに溶解せずしかも沸点
が造型温度よりも高い液状有機化合物を用いて砂中子原
型を造型する工程と,この砂中子原型の表面に上記のコ
ーティング剤をコーティングする工程と,このコーティ
ングして得た砂中子原型を乾燥させる工程によってコー
ティングされた砂中子を製造するようにしたので,コー
ティング剤でコーティングするとき,コーティング剤は
砂中子原型内に浸み込むことなく,均一で適当な厚さの
コーティング層を形成する。したがって,砂中子は,鋳
造時には高圧の鋳込圧力に充分耐えることができる。
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに
これに粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体から
なるスラリ状のコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上であり互いに溶解せずしかも沸点
が造型温度よりも高い液状有機化合物を用いて砂中子原
型を造型する工程と,この砂中子原型の表面に上記のコ
ーティング剤をコーティングする工程と,このコーティ
ングして得た砂中子原型を乾燥させる工程によってコー
ティングされた砂中子を製造するようにしたので,コー
ティング剤でコーティングするとき,コーティング剤は
砂中子原型内に浸み込むことなく,均一で適当な厚さの
コーティング層を形成する。したがって,砂中子は,鋳
造時には高圧の鋳込圧力に充分耐えることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、クロ−ズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等、アンダ−カット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコ−ティング性を有する砂中子原型の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、ウオ−ムボ
ックス法で造型時に無機塩及びコ−ティング剤との界面
張力が少なくとも2.0mN/m以上の液状有機化合物
を配合することにより、砂中子原型の表面に同一コ−テ
ィング剤を1回だけ厚くコ−ティングでき、しかも、高
圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法に関するものであ
る。
ッキタイプの自動車用エンジン等、アンダ−カット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコ−ティング性を有する砂中子原型の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは、ウオ−ムボ
ックス法で造型時に無機塩及びコ−ティング剤との界面
張力が少なくとも2.0mN/m以上の液状有機化合物
を配合することにより、砂中子原型の表面に同一コ−テ
ィング剤を1回だけ厚くコ−ティングでき、しかも、高
圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法に関するものであ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【実施例】請求項に記載の砂中子原型を製造するとき
は、まず、中子砂等の砂中子骨材にフラン系樹脂、同樹
脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに前記液状有機化合
物を混合する。砂中子骨材としては、硅砂、ジルコンサ
ンド、クロマイトサンド、セラビ−ズ等を用い、フラン
系樹脂としては、フルフリルアルコ−ル・ホルムアルデ
ヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・フェノ−ル・ホルム
アルデヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・フェノ−ル・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウオ−ムモッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。また、同樹脂加熱硬化
用硬化剤としては、ベンゼンスルホン酸、フェノ−ルス
ルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、
低級アルキルスルホン酸の少なくとも1種と、アルミニ
ウム、銅、亜鉛、鉄、アンモニウムの少なくとも1種と
の塩からなるものを用いる。また、硬化促進剤として、
塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄等を少量併用しても良い。
は、まず、中子砂等の砂中子骨材にフラン系樹脂、同樹
脂加熱硬化用硬化剤及び無機塩さらに前記液状有機化合
物を混合する。砂中子骨材としては、硅砂、ジルコンサ
ンド、クロマイトサンド、セラビ−ズ等を用い、フラン
系樹脂としては、フルフリルアルコ−ル・ホルムアルデ
ヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・尿素・ホルムアルデ
ヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・フェノ−ル・ホルム
アルデヒド樹脂、フルフリルアルコ−ル・フェノ−ル・
尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウオ−ムモッ
クス用のフラン系樹脂を用いる。また、同樹脂加熱硬化
用硬化剤としては、ベンゼンスルホン酸、フェノ−ルス
ルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、
低級アルキルスルホン酸の少なくとも1種と、アルミニ
ウム、銅、亜鉛、鉄、アンモニウムの少なくとも1種と
の塩からなるものを用いる。また、硬化促進剤として、
塩化銅、塩化亜鉛、塩化鉄等を少量併用しても良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 賢治 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 飯谷 英之 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内
Claims (1)
- 【請求項1】 砂,フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬
化剤及び無機塩さらにこれに粉末状の耐火物を主成分と
する中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤と
の界面張力が少なくとも2.0mN/m以上であり互い
に溶解せずしかも沸点が造型温度よりも高い液状有機化
合物を用いて砂中子原型を造型する工程と,この砂中子
原型の表面に上記コーティング剤をコーティングする工
程と,このコーティングして得た砂中子を乾燥させる工
程からなる砂中子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33894392A JPH06182486A (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 砂中子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33894392A JPH06182486A (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 砂中子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06182486A true JPH06182486A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18322787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33894392A Pending JPH06182486A (ja) | 1992-12-18 | 1992-12-18 | 砂中子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06182486A (ja) |
-
1992
- 1992-12-18 JP JP33894392A patent/JPH06182486A/ja active Pending
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