JPH06182483A - 砂中子の製造方法 - Google Patents

砂中子の製造方法

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JPH06182483A
JPH06182483A JP33894092A JP33894092A JPH06182483A JP H06182483 A JPH06182483 A JP H06182483A JP 33894092 A JP33894092 A JP 33894092A JP 33894092 A JP33894092 A JP 33894092A JP H06182483 A JPH06182483 A JP H06182483A
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sand core
sand
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coating
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JP33894092A
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English (en)
Inventor
Hidemasa Okamoto
秀正 岡本
Shigeru Yao
滋 八尾
Masaru Kunimura
勝 国村
Kenji Kawanishi
賢治 川西
Hideyuki Iitani
英之 飯谷
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウォームボックス法を用いて固めた砂中子原
型でも,優れたコーティング性を有する砂中子を得る。 【構成】 砂中子を造型する際,フタル酸ジブチル等の
フタル酸エステル類,あるいは,脂肪酸エステル類を配
合し,砂中子原型を得,この砂中子原型をカセイソーダ
水溶液等のアルカリで処理し,コーティング剤中に浸漬
するなどして砂中子原型の表面に均一なコーティングを
行い,次いで乾燥して優れたコーティングを有する砂中
子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば,クローズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等,アンダーカット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコーティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは,ウォームボック
ス法で造型時にコーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上の液状有機化合物を配合すること
により,砂中子原型の表面に同一コーティング剤を1回
だけで厚くコーティングでき,しかも,高圧鋳造用にも
適した砂中子の製造方法に関するものである。
【0002】ここで,優れたコーティング性とは,砂中
子原型にコーティング剤をコーティングする際に,コー
ティング剤が,薄い液状で砂中子原型の内部に広がった
状態で深く浸み込まずに,または,砂中子原型の表面か
らはじかれずに,砂中子原型の表面層のみにかつ全面
に,所定の厚さで均一に,かつ,確実容易に強固に形成
され,それが剥がれないようにコーティングされること
であり,鋳造時の高圧の鋳込圧力に充分に耐え得ること
である。
【0003】
【従来の技術】従来より,例えば,クローズドデッキタ
イプの自動車用エンジンブロックやその他のアンダーカ
ット部分を有するアルミニウム合金やマグネシウム合金
等の鋳造品をダイカストで鋳造して製造する場合,崩壊
性砂中子を用いてダイカスト鋳造することが行われてい
る。そして,崩壊性砂中子を得る場合,まず,砂を所望
の形に固め,次に,その固めた砂中子原型の表面にコー
ティング剤を塗布し,高圧下での溶湯鋳込時には砂中子
が破損したり,溶湯が砂中子内に侵入しないようにし,
鋳造後には,ほとんど力を加えずに砂中子を崩壊させて
容易に取出せるようにし,かつ,砂が隅々まで充分に取
出せるようにすることが試みられている。勿論,その場
合,砂中子原型の成分,砂の固め方,コーティング剤の
成分,コーティングの仕方等,従来よりいろいろ試みら
れているが,充分に満足し得るものは得られていないの
が現状である。
【0004】その中で,砂を固めて砂中子原型を得る方
法として,ハードックス法,ウォームボックス法,
シェルモールド法,コールドボックス法等がある。
ハードックス法としては,例えば,特公昭64−989
8号公報に記載されている技術が知られている。そし
て,この方法においては,砂中子原型は砂,酸硬化性樹
脂および酸化剤を主成分とする結合剤からなっており,
二酸化硫黄によって硬化される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記ハードックス法に
おいては,所望の形状に造型した砂を硬化して砂中子原
型を得る場合,二酸化硫黄すなわち亜硫酸ガスを使用し
て硬化する。したがって,亜硫酸ガスを使用するため,
作業環境が悪く,日本の工場では,人体に悪影響を与え
るようなガスの使用は好まれない。また,仮に亜硫酸ガ
スを使用するとしても,人体に悪影響を与えず,作業環
境も悪化させないようにするためには,その為の付属設
備の設置が大変であり,また,その設置,運転のために
法規制も受ける。
【0006】そのため,本発明者は,酸化剤と亜硫酸ガ
スの代りに硬化剤を使用するウォームボックス法の良さ
を見直すこととした。ウォームボックス法では,砂と結
合剤の混合物を固めて砂中子原型を得るのに亜硫酸ガス
を使用するのではなく,例えば,90〜240℃に加熱
した砂中子原型造型用の金型内に砂と結合剤の混合物を
圧縮空気で吹込んで加熱硬化させて造型する。しかし,
この場合,前記ハードックス法ではかなり良好に行われ
ていたコーティング剤と同一のコーティング剤を砂中子
原型に塗布しても,コーティング剤が砂中子原型の内部
に浸み込んでしまい,充分な厚さのコーティング層が得
られなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては,砂,
フラン樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤と粉末状の耐火物
を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコーテ
ィング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以上
であり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よりも高い
液状有機化合物を配合して砂中子原型を造型する工程
と,この砂中子原型をアルカリで処理する工程と,この
砂中子原型を乾燥する工程と,この砂中子原型の表面に
上記のコーティング剤をコーティングする工程によって
優れたコーティングを有する砂中子を得る。
【0008】なお,上記液状有機化合物は,フタル酸エ
ステル,トリメリット酸エステル,脂肪族一塩基酸エス
テル,脂肪族二塩基酸エステル,リン酸エステル,エポ
キシ脂肪酸エステル,ポリエステル,二価アルコールエ
ステル,オキシ酸エステルから選ばれ,例えば,フタル
酸ジブチル,フタル酸ジ2−エチルヘキシル,アジピン
酸ジ2−エチルヘキシル,セバシン酸ジ2−エチルヘキ
シル等が挙げられる。また,上記液状有機化合物を配合
した砂中子原型を造型する場合は,砂,フラン系樹脂,
同樹脂加熱硬化用硬化剤に,例えば,フタル酸ジブチル
あるいはその溶剤希釈液を配合した後,これを,例え
ば,90〜240℃に加熱した砂中子原型造型用の金型
内に圧縮空気で吹込んで乾燥,加熱硬化させる。
【0009】次に,上記のようにして造型された砂中子
原型を処理するアルカリとしては,例えば,カセイソー
ダ,カセイカリ等の無機アルカリを用いる。また,砂中
子原型をアルカリで処理する場合は,例えば,カセイソ
ーダ水溶液のようなアルカリ溶液中に浸漬したり,アル
カリ溶液を砂中子原型の表面に刷毛塗りしたり,吹付け
たりする。
【0010】
【作用】本発明においては,まず,砂,フラン樹脂,同
樹脂加熱硬化用硬化剤に,粉末状の耐火物を主成分とす
る中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤との
界面張力が少なくとも2.0mN/m以上の液状有機化
合物を配合し砂中子原型を造型した後,砂中子原型を前
記した無機アルカリ溶液中に浸漬するなどして処理し,
砂中子原型の内部に無機アルカリを浸み込ませて,次い
で,この砂中子原型を乾燥する。
【0011】このような,アルカリ処理および乾燥を経
て得た砂中子原型に,粉末状の耐火物を主成分とする中
性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤を塗布す
れば,該砂中子原型表面に付着したアルカリおよび特定
の界面張力をもった液状有機化合物によりコーティング
剤が砂中子原型内部に浸透することなく該砂中子原型表
面に厚くコーティングできる。その後これを乾燥すれば
所望の厚さの均質なコーティング層が形成される。
【0012】なお,前記液状有機化合物を配合すること
により,造型後処理する無機アルカリ溶液の濃度が低く
ても,上記コーティング剤が砂中子原型内部に浸透する
ことはない。このようにすれば,ウォームボックス法で
も砂中子原型を固めることができ,かつ,砂中子原型の
表面にコーティング剤を所望の状態で確実容易にコーテ
ィングすることができる。そして,この発明によって得
られたコーティング砂中子を用いれば,高圧ダイカスト
のように高圧下での溶湯鋳込時に砂中子が破損したりク
ラックが入ったりすることなく溶湯が砂中子内に侵入す
ることもない。
【0013】
【実施例】請求項に記載の液状有機化合物含有の砂中子
原型を製造するときは,まず,中子砂等の砂中子骨材に
フラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤および上記液状
有機化合物を混合する。砂中子骨材としては,硅砂,ジ
ルコンサンド,クロマイトサンド,セラビーズ等を用
い,フラン系樹脂としては,フルフリルアルコール・ホ
ルムアルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・尿素・ホ
ルムアルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂,フルフリルアルコール・フ
ェノール・尿素・ホルムアルデヒド樹脂等のいわゆるウ
ォームボックス用のフラン系樹脂を用いる。
【0014】また,同樹脂加熱硬化用硬化剤としては,
ベンゼルスルホン酸,フェノールスルホン酸,トルエン
スルホン酸,キシレンスルホン酸,低級アルキルスルホ
ン酸の少なくとも1種と,アルミニウム,銅,亜鉛,
鉄,アンモニウムの少なくとも1種との塩からなるもの
を用いる。また,硬化促進剤として塩化銅,塩化亜鉛,
塩化鉄等を少量併用しても良い。フタル酸エステル類,
脂肪族一塩基酸エステル類等の液状有機化合物として
は,フタル酸ジブチル,フタル酸ジ2−エチルヘキシ
ル,フタル酸イソノニル,オレイン酸ブチル,アジピン
酸ジブチル,セバシン酸ジブチル,リン酸トリクレシ
ル,エポキシ化大豆油,ジエチレングリコールジベンゾ
エート,ブチルフタリルブチルグリコレート等を用い
る。
【0015】液状有機化合物は,砂100重量部に対し
て0.05〜0.5重量部配合する。配合量が0.05
重量部未満では,コーティング剤が砂中子原型の内部深
くまで浸み込んでしまい,砂中子原型の表面に厚いコー
ティング層が形成しない。また,配合量が0.5重量部
より多い場合は,コーティング剤が砂中子原型の表面で
はじいてしまい,コーティング層が形成しない。
【0016】また,上記の液状有機化合物は,原液のま
まで配合してもよいし,適当な低沸点溶剤に溶解させて
配合してもよい。後者の場合に用いられる溶剤は,前記
砂中子骨材,フラン系樹脂,同加熱硬化用硬化剤からな
る組成物の貯蔵安定性および加熱硬化性(造型性)を損
なわないものが適宜選ばれる。しかして,上記の液状有
機化合物の溶液の濃度および配合量は,液状有機化合物
のみに換算して砂100重量部に対して0.05〜0.
5重量部となるように,適宜選定される。
【0017】これらの構成部材を配合したものを,所定
の砂中子形状のキャビティを有する金型内に加圧空気と
ともに吹込み,例えば,ウォームボックス法と呼ばれて
いる方法で砂中子原型を成形した。この場合,中子成形
用の金型の加熱温度は例えば90〜240℃,好ましく
は,90〜200℃程度とし,約2分程度加熱して,砂
中子原型を所定の強度に硬化させた。例えば,抗折力2
0〜50kgの砂中子原型を得た。
【0018】次に,このようにして成形した砂中子原型
を,無機アルカリの水溶液で処理する。この無機アルカ
リとしては,カセイソーダ,カセイカリ等が挙げられ
る。これらの無機アルカリの水溶液中に砂中子原型を浸
漬し,砂中子原型に吸収させた後,加熱乾燥させる。水
溶液の濃度は,上記液状有機化合物を配合しない系で
は,希釈倍率が200倍以内である。
【0019】しかし,上記液状有機化合物と無機アルカ
リを併用すると希釈倍率は500倍以内である。希釈倍
率が500倍を越えると無機アルカリ処理効果がなくな
る。浸漬時間は,処理液の濃度および砂中子原型と処理
液の親和性によっても異なるが,0.5秒の短時間から
5分程度である。浸漬処理した砂中子原型の加熱乾燥
は,温度が高いほど時間が短くてすみ,目安として12
0℃で30分程度である。
【0020】つぎに,上記のようにして造型された砂中
子原型の表面にコーティング剤をコーティングする。こ
の場合,この砂中子原型をコーティング剤中に浸漬して
もよいし,この砂中子原型の表面にコーティング剤を刷
毛塗りしたり吹付けたりしてもよい。コーティング剤
は,微粉末シリカと微粉末アルミナを主成分とし,少量
のコロイドシリカを加えた固形分50〜90重量%のス
ラリとした。固形分が50重量%以下ではコーティング
層の厚みが薄くなり,90重量%以上になるとスラリを
撹拌するのが極めて困難となる。なお,このコーティン
グ剤のpHを7.0±1.0に維持していなければ,撹
拌下でも沈殿,凝固することがある。
【0021】なお,コーティング剤としては,他のコー
ティング剤を用いることもできる。例えば,グラファイ
ト,マイカ,ヒューズドシリカ,アルミナ,マグネシ
ア,カーボンブラックおよびジルコン粉末等の無機耐火
性材料約30〜80重量%と,コロイドシリカ,アルミ
ナゾル,粘土およびアミン処理ベントナイト等の無機結
合剤約1〜25重量%と,水からなるものを用いてもよ
い。この場合,より好ましいものは,ヒューズドシリカ
とコロイドシリカである。なお,これに約10容量%の
メタノールとカオリンを加えても良い。
【0022】同コーティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上である液状有機化合物が配合され
た砂中子原型を無機アルカリ処理し,加熱乾燥後,前記
コーティング剤中に数秒間浸漬し,その後,加熱乾燥を
行う。乾燥条件は120℃,10分程度である。
【0023】コーティング層は1層でもよいが,製品と
コーティング層との離型性を良くするため,2層の方が
より好ましい。2層目のコーティング層を形成するため
のコーティング剤としては,例えば,3%水溶性フェノ
ール樹脂溶液1リットルに対し,雲母粉500グラム,
湿潤剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1
0グラム,消泡剤としてオクチルアルコール1グラムを
よく撹拌混合したもの等を用いることができる。このコ
ーティングは前記第1層コーティングを終えた砂中子原
型を第2層コーティング剤中に浸漬したり,該砂中子原
型の表面に第2層コーティング剤を刷毛塗りしたり吹付
けたりした後,乾燥して形成する。
【0024】さらに詳しい実施例として,実験例をつぎ
に示す。 (実験例1)骨材としてフラタリ砂100重量部,フラ
ン樹脂1.5重量部,フラン樹脂用硬化剤としてパラト
ルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤(花王
クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエンスル
ホン酸銅塩)0.6重量部,および,市販の添加剤(花
王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)0.
06重量部,フタル酸ジブチル(DBP)0.17重量
部を混合し,重量約2kgのエンジンブロック用砂中子
原型をウォームボックス法で造型した。なお,DBPと
下記コーティング剤との界面張力は6.8mN/mであ
った。造型条件は金型温度120℃,吹込み圧4.5k
g/cm2 ,加熱時間90秒であった。1日放置した後
の砂中子原型の抗折力は31kgであった。この砂中子
原型を希釈倍率500倍(カセイソーダ1部に水を49
9部混合)のカセイソーダ水溶液に1〜2秒浸漬し,1
20℃,30分循環式熱風加熱炉で乾燥した。
【0025】この砂中子原型を粉末状の耐火物を主成分
とする中性水分散体からなるスラリ状のコーティング剤
に1〜2秒浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で
10分乾燥した。コーティング剤の組成は,微粉末シリ
カ50部と微粉末アルミナ30部にコロイドシリカ3部
を水20部に懸濁させたもので,pHは7.0に調製さ
れたものであった。
【0026】前記の第1層コーティングを終えた後,次
に第2層目のコーティングを行った。第2層のコーティ
ング剤としては,3%水溶性フェノール樹脂溶液1リッ
トルに対し,雲母粉500グラム,湿潤剤としてドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム10グラム,消泡剤と
してオクチルアルコール1グラムをよく撹拌混合したも
のを用いた。すなわち,前記第1層コーティングを済ま
せた砂中子原型をこの第2層コーティング剤中に1〜2
秒間浸漬した後,120℃の循環式熱風加熱炉で10分
間乾燥した。
【0027】以上のようにして得た砂中子を金型にセッ
トし,アルミニウム合金ADC10を鋳造圧力600k
g/cm2 ,湯口速度200mm/sec,注湯温度7
60℃の条件下で高圧鋳造した。鋳造後に通常のコアノ
ックアウトマシンで砂落としを行ったところ,中子砂は
完全に除去され,優れた鋳造品が得られた。結果を表1
に示す。
【0028】
【表1】
【0029】(比較例1)骨材としてフラタリ砂100
部,フラン樹脂1.5部,フラン樹脂用硬化剤としてパ
ラトルエンスルホン酸塩を主成分とする市販の硬化剤
(花王クエーカー製品FC−100,主成分パラトルエ
ンスルホン酸銅塩)0.6部,および,市販の添加剤
(花王クエーカー製品J−20,主成分シラン化合物)
0.06部を混合し,重量約2kgのエンジンブロック
用砂中子原型をウォームボックス法で造型した。造型条
件は金型温度120℃,吹込み圧4.5kg/cm2
加熱時間90秒であった。1日放置した後の砂中子原型
の抗折力は30kgであった。この砂中子原型を使用
し,実験例1と同様な処理,操作をした。鋳造後に通常
のコアノックアウトマシンで砂落としを行ったところ,
溶湯が砂中子原型に差込んでおり中子砂の除去は不良で
あった。結果を表1に示す。
【0030】(比較例2)比較例1の組成物で,重量約
2kgのエンジンブロック用砂中子原型をウォームボッ
クス法で造型した。造型条件は金型温度120℃,吹込
み圧4.5kg/cm2 ,加熱時間90秒であった。1
日放置した後の砂中子原型の抗折力は30kgであっ
た。この砂中子原型を,希釈倍率500倍のカセイソー
ダ水溶液で処理し,120℃,30分乾燥した。この砂
中子原型を使用し,実験例1と同様な処理,操作をし
た。鋳造後に通常のコアノックアウトマシンで砂落とし
を行ったところ,溶湯が砂中子原型に差込んでおり中子
砂の除去は不良であった。結果を表1に示す。
【0031】(実験例2)実験例1のフタル酸ジブチル
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。なお,DOPと前記コーティング剤との界面
張力は10.0mN/mであった。その結果を表1に示
す。
【0032】(実験例3)実験例1のカセイソーダの代
りにカセイカリを使用し,それ以外は全く同様に処理,
操作したところ,カセイソーダの場合と同様に優れた結
果が得られた。その結果を表1に示す。
【0033】(実験例4)実験例3のフタル酸ジブチル
(DBP)の代りにフタル酸ジ2−エチルヘキシル(D
OP)を使用し,それ以外は全く同様に処理,操作した
ところ,フタル酸ジブチルの場合と同様に優れた結果が
得られた。その結果を表1に示す。
【0034】
【発明の効果】このように,本発明においては,砂,フ
ラン系樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化剤及び粉末状の耐火
物を主成分とする中性水分散体からなるスラリ状のコー
ティング剤との界面張力が少なくとも2.0mN/m以
上であり互いに溶解せずしかも沸点が造型温度よりも高
い液状有機化合物を用いて砂中子原型を造型する工程
と,この砂中子原型をアルカリで処理する工程と,この
アルカリで処理した砂中子原型を乾燥する工程と,この
砂中子原型の表面に上記のコーティング剤をコーティン
グする工程と,このコーティングして得た砂中子原型を
乾燥させる工程によってコーティングされた砂中子を製
造するようにしたので,コーティング剤をコーティング
するとき,コーティング剤は砂中子原型に浸み込むこと
なく,均一で適当な厚さのコーティング層を形成する。
したがって,砂中子は,鋳造時には高圧の鋳込圧力に充
分耐えることができる。
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、クロ−ズドデ
ッキタイプの自動車用エンジン等、アンダ−カット部分
を有する鋳造品の高圧ダイカスト鋳造時に用いる耐圧性
および優れたコ−ティング性を有する砂中子の製造方法
に関するものである。さらに詳しくは、ウオ−ムボック
ス法で造型時にコ−ティング剤との界面張力が少なくと
も2.0mN/m以上の液状有機化合物を配合した砂中
子原型をアルカリで処理することにより、砂中子原型の
表面に同一コ−ティング剤を1回だけ厚くコ−ティング
でき、しかも、高圧鋳造用にも適した砂中子の製造方法
に関するものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】また、同樹脂加熱硬化用硬化剤としては、
ベンゼンスルホン酸、フェノ−ルスルホン酸、トルエン
スルホン酸、キシレンスルホン酸、低級アルキルスルホ
ン酸の少なくとも1種と、アルミニウム、銅、亜鉛、
鉄、アンモニウムの少なくとも1種との塩からなるもの
を用いる。また、硬化促進剤として、塩化銅、塩化亜
鉛、塩化鉄等を少量併用しても良い。フタル酸エステル
類、脂肪族一塩基酸エステル類等の液状有機化合物とし
ては、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシ
ル、フタル酸イソノニル、オレイン酸ブチル、アジピン
酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、リン酸トリクレシ
ル、エポキシ化大豆油、ジエチレングリコ−ルジベンゾ
エ−ト、ブチルフタリルブチルグリコレ−ト等を用い
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 賢治 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内 (72)発明者 飯谷 英之 大阪府枚方市中宮北町3番10号 宇部興産 株式会社枚方研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂,フラン樹脂,同樹脂加熱硬化用硬化
    剤とこれに粉末状の耐火物を主成分とする中性水分散体
    からなるスラリ状のコーティング剤との界面張力が少な
    くとも2.0mN/m以上であり互いに溶解せずしかも
    沸点が造型温度よりも高い液状有機化合物を用いて砂中
    子原型を造型する工程と,この砂中子原型をアルカリで
    処理する工程と,このアルカリで処理した砂中子原型を
    乾燥する工程と,この砂中子原型の表面に上記コーティ
    ング剤をコーティングする工程と,このコーティングし
    て得た砂中子を乾燥させる工程からなる砂中子の製造方
    法。
JP33894092A 1992-12-18 1992-12-18 砂中子の製造方法 Pending JPH06182483A (ja)

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