JPH0618948A - 半導体微粒子分散ガラス - Google Patents
半導体微粒子分散ガラスInfo
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- JPH0618948A JPH0618948A JP17791892A JP17791892A JPH0618948A JP H0618948 A JPH0618948 A JP H0618948A JP 17791892 A JP17791892 A JP 17791892A JP 17791892 A JP17791892 A JP 17791892A JP H0618948 A JPH0618948 A JP H0618948A
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- JP
- Japan
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- dispersed
- glass
- cdse
- semiconductor fine
- fine particles
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 大きな3次の非線形光学感受率を有し、しか
も光吸収係数の小さな半導体微粒子分散ガラスを提供す
る。 【構成】 ガラス1中に、平均粒径が20nm以下であ
る半導体微粒子2を10体積%以上分散させた高密度領
域3を、複数個含む半導体微粒子分散ガラスであり、S
iO2 及びCdSeをターゲットとした2元の高周波ス
パッタリングにより、SiO2 基板上に膜厚が1nmの
SiO2 及び膜厚が1nmのCdSeを交互に500回
堆積させ、500 ℃でアニールし、SiO2 中に平均粒径
5nmのCdSe微粒子が20体積%分散した高密度領
域とCdSe微粒子が平均で0.1体積%分散している
領域の全体に占める割合を体積で1:3とする。
も光吸収係数の小さな半導体微粒子分散ガラスを提供す
る。 【構成】 ガラス1中に、平均粒径が20nm以下であ
る半導体微粒子2を10体積%以上分散させた高密度領
域3を、複数個含む半導体微粒子分散ガラスであり、S
iO2 及びCdSeをターゲットとした2元の高周波ス
パッタリングにより、SiO2 基板上に膜厚が1nmの
SiO2 及び膜厚が1nmのCdSeを交互に500回
堆積させ、500 ℃でアニールし、SiO2 中に平均粒径
5nmのCdSe微粒子が20体積%分散した高密度領
域とCdSe微粒子が平均で0.1体積%分散している
領域の全体に占める割合を体積で1:3とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非線形光学効果を利用し
た光デバイスなどに用いられる無機の非線形光学材料な
どに好適な、半導体微粒子をガラス中に分散させた半導
体微粒子分散ガラスに関するものである。
た光デバイスなどに用いられる無機の非線形光学材料な
どに好適な、半導体微粒子をガラス中に分散させた半導
体微粒子分散ガラスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術としては、例えばジ
ャーナル オブ オプティカル ソサエティ オブ ア
メリカ第73巻第647 頁(Journal of Optical Society of
America 73, 647(1983)) に記載されているCdSx S
e1-x をホウケイ酸ガラスに分散したフィルタガラスが
ある。このフィルタガラスは粒径1 〜10nmのCdSx S
e1-x 微粒子をホウケイ酸ガラス材料に2重量%程度分
散させたものである。
ャーナル オブ オプティカル ソサエティ オブ ア
メリカ第73巻第647 頁(Journal of Optical Society of
America 73, 647(1983)) に記載されているCdSx S
e1-x をホウケイ酸ガラスに分散したフィルタガラスが
ある。このフィルタガラスは粒径1 〜10nmのCdSx S
e1-x 微粒子をホウケイ酸ガラス材料に2重量%程度分
散させたものである。
【0003】また、ジャーナル オブ アプライド フ
ィジックス第63巻 第957 頁(Journal of Applied Phys
ics 63, 957(1988))に示されているようなCdS 微粒子分
散ガラス薄膜がある。このガラス薄膜はタ−ゲットにコ
−ニング社製“7059ガラス”(Ba含有ホウケイ酸ガラ
ス)と、CdS ペレットとを用いて、アルゴンガス中で高
周波マグネトロンスパッタリング法により製造したもの
で、“7059ガラス”中にCdS を2 〜4 重量%分散させた
ものである。
ィジックス第63巻 第957 頁(Journal of Applied Phys
ics 63, 957(1988))に示されているようなCdS 微粒子分
散ガラス薄膜がある。このガラス薄膜はタ−ゲットにコ
−ニング社製“7059ガラス”(Ba含有ホウケイ酸ガラ
ス)と、CdS ペレットとを用いて、アルゴンガス中で高
周波マグネトロンスパッタリング法により製造したもの
で、“7059ガラス”中にCdS を2 〜4 重量%分散させた
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体微粒子分
散ガラスでは、半導体微粒子の分散量は2重量%程度で
あり、非線形光学特性の指標となる3次の非線形光学感
受率χ(3) の値は10-1 1 esu程度である。このχ
(3) の値を大きくするために、半導体微粒子の分散量を
増やす試みがなされている。
散ガラスでは、半導体微粒子の分散量は2重量%程度で
あり、非線形光学特性の指標となる3次の非線形光学感
受率χ(3) の値は10-1 1 esu程度である。このχ
(3) の値を大きくするために、半導体微粒子の分散量を
増やす試みがなされている。
【0005】半導体微粒子分散ガラスの非線形光学特性
の増大は共鳴波長域におけるレーザ光照射によりなされ
ており、光学非線形性の大小の目安としてはχ(3) と光
吸収係数αの比χ(3) /αの大小で判断する必要があ
る。半導体微粒子を高濃度に分散させた場合、χ(3) の
値は大きくなるが、同時に光吸収係数も増大するため、
χ(3) /αの値はさほど変わらず、実質的な光学非線形
性では変化がないという問題がある。
の増大は共鳴波長域におけるレーザ光照射によりなされ
ており、光学非線形性の大小の目安としてはχ(3) と光
吸収係数αの比χ(3) /αの大小で判断する必要があ
る。半導体微粒子を高濃度に分散させた場合、χ(3) の
値は大きくなるが、同時に光吸収係数も増大するため、
χ(3) /αの値はさほど変わらず、実質的な光学非線形
性では変化がないという問題がある。
【0006】本発明は、χ(3) /αの値が大きく、非線
形光学材料などに好適な半導体微粒子分散ガラスを提供
することを目的とする。
形光学材料などに好適な半導体微粒子分散ガラスを提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の半導体微粒子分散ガラスは、ガラス中に半導
体微粒子が分散された半導体微粒子分散ガラスにおい
て、平均粒径が20nm以下である半導体微粒子を10
体積%以上分散させた高密度領域を、複数個含むことを
特徴とする。
に本発明の半導体微粒子分散ガラスは、ガラス中に半導
体微粒子が分散された半導体微粒子分散ガラスにおい
て、平均粒径が20nm以下である半導体微粒子を10
体積%以上分散させた高密度領域を、複数個含むことを
特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の半導体微粒子分散ガラスは、平均粒径
が20nm以下である半導体微粒子を10体積%以上分
散させた領域を、複数個含む。半導体微粒子を10%体
積以上分散させた領域では、半導体微粒子間の近接距離
が微粒子半径の3倍以内となる割合が増えるため、半導
体微粒子間の相互作用により、3次の非線形光学感受率
χ(3) の値が増大する。また、全体の系ではガラス全体
に半導体微粒子をほぼ均一に分散させた場合にくらべて
半導体微粒子の濃度を小さくすることができるので、α
の値を小さくすることができる。したがって、χ(3) の
値を大きくしてαの値を小さくすることができるため、
非線形光学特性の指標となるχ(3)/αの値を大きくす
ることができるのである。
が20nm以下である半導体微粒子を10体積%以上分
散させた領域を、複数個含む。半導体微粒子を10%体
積以上分散させた領域では、半導体微粒子間の近接距離
が微粒子半径の3倍以内となる割合が増えるため、半導
体微粒子間の相互作用により、3次の非線形光学感受率
χ(3) の値が増大する。また、全体の系ではガラス全体
に半導体微粒子をほぼ均一に分散させた場合にくらべて
半導体微粒子の濃度を小さくすることができるので、α
の値を小さくすることができる。したがって、χ(3) の
値を大きくしてαの値を小さくすることができるため、
非線形光学特性の指標となるχ(3)/αの値を大きくす
ることができるのである。
【0009】
【実施例】図1は、本発明の半導体微粒子分散ガラスの
一態様を模式的に示した断面図である。ガラス1中に、
半導体微粒子2を10体積%以上分散させた高密度領域
3が、複数個分布した構造になっている。ここで、高密
度領域とは、半導体微粒子間の近接距離が該微粒子の半
径の3倍以下である半導体微粒子が密に分散された部分
を言い、特に限定するものではないが、通常かかる高密
度領域の平均径は2μm以下程度の大きさのものであ
り、この1つの高密度領域中には、特に限定するもので
はないが、およそ100個以上の半導体微粒子が含まれ
ている。高密度領域中の半導体微粒子の分散量の上限
は、半導体微粒子が接しない程度であり、通常80体積
%以下が適当である。
一態様を模式的に示した断面図である。ガラス1中に、
半導体微粒子2を10体積%以上分散させた高密度領域
3が、複数個分布した構造になっている。ここで、高密
度領域とは、半導体微粒子間の近接距離が該微粒子の半
径の3倍以下である半導体微粒子が密に分散された部分
を言い、特に限定するものではないが、通常かかる高密
度領域の平均径は2μm以下程度の大きさのものであ
り、この1つの高密度領域中には、特に限定するもので
はないが、およそ100個以上の半導体微粒子が含まれ
ている。高密度領域中の半導体微粒子の分散量の上限
は、半導体微粒子が接しない程度であり、通常80体積
%以下が適当である。
【0010】この高密度領域の形は球形である必要はな
く、半導体微粒子間の近接距離が該微粒子の半径の3倍
以下である半導体微粒子が密に分散されたまとまった領
域であれば、より偏平な形であっても、その他の形状で
あっても差支えない。
く、半導体微粒子間の近接距離が該微粒子の半径の3倍
以下である半導体微粒子が密に分散されたまとまった領
域であれば、より偏平な形であっても、その他の形状で
あっても差支えない。
【0011】本発明においては、この高密度領域がガラ
スマトリックス中に複数個存在するものである。具体的
な高密度領域の数は、数値で限定しがたいが、半導体微
粒子分散ガラスの全体の体積に対して70〜10体積
%、より好ましくは50〜10体積%の割合で存在させ
ることが好ましい。
スマトリックス中に複数個存在するものである。具体的
な高密度領域の数は、数値で限定しがたいが、半導体微
粒子分散ガラスの全体の体積に対して70〜10体積
%、より好ましくは50〜10体積%の割合で存在させ
ることが好ましい。
【0012】また、この高密度領域以外の領域において
は、半導体微粒子が稀薄に存在していてもよいし、半導
体微粒子が存在せずにガラスマトリックスのみでもよい
し、これらが混在していてもよい。この領域における半
導体微粒子の存在割合は、特に限定するものではない
が、通常2体積%以下である。
は、半導体微粒子が稀薄に存在していてもよいし、半導
体微粒子が存在せずにガラスマトリックスのみでもよい
し、これらが混在していてもよい。この領域における半
導体微粒子の存在割合は、特に限定するものではない
が、通常2体積%以下である。
【0013】半導体微粒子が10体積%以上分散した前
記高密度領域では、半導体微粒子間の相互作用により、
3次の非線形光学感受率χ(3) の値が増大する。半導体
微粒子の分散量の上限は、半導体微粒子が接しない程度
であり、80%以下が適当である。
記高密度領域では、半導体微粒子間の相互作用により、
3次の非線形光学感受率χ(3) の値が増大する。半導体
微粒子の分散量の上限は、半導体微粒子が接しない程度
であり、80%以下が適当である。
【0014】半導体微粒子を10%以上分散させた前記
高密度領域のガラス全体に占める割合は3次の非線形光
学感受率χ(3) と光吸収係数αの兼ね合いで決まり、少
なくても多くてもχ(3) /αの値は小さくなる。従って
前述したように10〜70体積%程度の値が適当であ
る。半導体微粒子の粒径は、量子サイズ効果が現れる程
度に小さい方がよいため、20nm以下が好ましい。半導体
微粒子の粒径の下限は特に制限はないが、通常1nm 程度
である。
高密度領域のガラス全体に占める割合は3次の非線形光
学感受率χ(3) と光吸収係数αの兼ね合いで決まり、少
なくても多くてもχ(3) /αの値は小さくなる。従って
前述したように10〜70体積%程度の値が適当であ
る。半導体微粒子の粒径は、量子サイズ効果が現れる程
度に小さい方がよいため、20nm以下が好ましい。半導体
微粒子の粒径の下限は特に制限はないが、通常1nm 程度
である。
【0015】半導体微粒子として用いられる材料には、
ガラスとの反応性が小さい材料が好ましく、CuCl,CuBr
などの金属塩化物の半導体、あるいはCdS,CdSe,CdTe,Zn
S,ZnSe,ZnTe,HgTe, CdSx Se1-x (ただし、xは0
より大きく、1より小さい数を示す。)などのII−VI族
化合物半導体、あるいはGaAs,GaN,GaP,GaSb,InAs,InP,I
nSb,Alx Ga1-x As(ただし、xは0より大きく、
1より小さい数を示す。),InAlAs などのIII −V族
化合物半導体、あるいはSi、Ge等のIV族半導体があげら
れる。特に分散性が良好であり、作り易さの点から、Cd
S,CdSe,CdTe が好ましい。
ガラスとの反応性が小さい材料が好ましく、CuCl,CuBr
などの金属塩化物の半導体、あるいはCdS,CdSe,CdTe,Zn
S,ZnSe,ZnTe,HgTe, CdSx Se1-x (ただし、xは0
より大きく、1より小さい数を示す。)などのII−VI族
化合物半導体、あるいはGaAs,GaN,GaP,GaSb,InAs,InP,I
nSb,Alx Ga1-x As(ただし、xは0より大きく、
1より小さい数を示す。),InAlAs などのIII −V族
化合物半導体、あるいはSi、Ge等のIV族半導体があげら
れる。特に分散性が良好であり、作り易さの点から、Cd
S,CdSe,CdTe が好ましい。
【0016】またマトリックスとして用いられるガラス
材料としては石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス
など半導体材料より大きな禁制帯幅を有するガラス材料
であればよく、とりわけ半導体微粒子との反応が少ない
石英ガラスが好ましい。
材料としては石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、鉛ガラス
など半導体材料より大きな禁制帯幅を有するガラス材料
であればよく、とりわけ半導体微粒子との反応が少ない
石英ガラスが好ましい。
【0017】以下本発明の実施例について具体的に説明
する。 実施例1 SiO2 及びCdSeをターゲットとして用いた2元の
高周波スパッタリングにより、SiO2 基板上にSiO
2 及びCdSeを交互に500回堆積させた。スパッタ
用ガスとしてアルゴンを用いて、圧力を1Paにした。
SiO2 の膜厚が1nm、CdSeの膜厚が1nmとな
るようにシャッターの開閉を調節した。この様にして、
酸化珪素(SiO2 )中にセレン化カドミウム(CdS
e)微粒子が20体積%分散させた高密度領域とセレン
化カドミウム(CdSe)微粒子が平均で0.1体積%
分散している領域の全体に占める割合を体積で1:3と
した。この薄膜を500 ℃の温度でアニールした。得られ
た薄膜中に分散されているCdSe微粒子の平均粒径は
5nmであり、粒径分布の標準偏差は1nmであった。
このような材料のχ(3) を波長575nm のレーザ光線を用
いた縮退4光波混合法により測定したところ、1.5×
10-7esu の値を示した。また光吸収係数αは1.5×
103 cm-1であった。このときχ(3) /αは1×10
-10 esu ・cmとなった。
する。 実施例1 SiO2 及びCdSeをターゲットとして用いた2元の
高周波スパッタリングにより、SiO2 基板上にSiO
2 及びCdSeを交互に500回堆積させた。スパッタ
用ガスとしてアルゴンを用いて、圧力を1Paにした。
SiO2 の膜厚が1nm、CdSeの膜厚が1nmとな
るようにシャッターの開閉を調節した。この様にして、
酸化珪素(SiO2 )中にセレン化カドミウム(CdS
e)微粒子が20体積%分散させた高密度領域とセレン
化カドミウム(CdSe)微粒子が平均で0.1体積%
分散している領域の全体に占める割合を体積で1:3と
した。この薄膜を500 ℃の温度でアニールした。得られ
た薄膜中に分散されているCdSe微粒子の平均粒径は
5nmであり、粒径分布の標準偏差は1nmであった。
このような材料のχ(3) を波長575nm のレーザ光線を用
いた縮退4光波混合法により測定したところ、1.5×
10-7esu の値を示した。また光吸収係数αは1.5×
103 cm-1であった。このときχ(3) /αは1×10
-10 esu ・cmとなった。
【0018】比較として、SiO2 及びCdSeをター
ゲットとして用いた2元の高周波スパッタリングによ
り、SiO2 基板上にSiO2 及びCdSeを同時に堆
積させて、酸化珪素中の全体にCdSeをほぼ均一に分
散させた。この際、SiO2 中に含まれるCdSeの含
有量を20体積%にした。次いでこの薄膜を500 ℃の温
度でアニールした。この薄膜のχ(3) は3×10-7 esu
の値を示した。またαは6×103 cm-1であり、χ
(3) /αは5×10-11 esu ・cmの値であった。また、
CdSeの濃度が5%の時には、χ(3) は1.5×10
-9 esuの値を示した。このときαは1.5×103 cm
-1の値を示し、χ(3) /αは1×10-12 esu ・cmの値
であった。
ゲットとして用いた2元の高周波スパッタリングによ
り、SiO2 基板上にSiO2 及びCdSeを同時に堆
積させて、酸化珪素中の全体にCdSeをほぼ均一に分
散させた。この際、SiO2 中に含まれるCdSeの含
有量を20体積%にした。次いでこの薄膜を500 ℃の温
度でアニールした。この薄膜のχ(3) は3×10-7 esu
の値を示した。またαは6×103 cm-1であり、χ
(3) /αは5×10-11 esu ・cmの値であった。また、
CdSeの濃度が5%の時には、χ(3) は1.5×10
-9 esuの値を示した。このときαは1.5×103 cm
-1の値を示し、χ(3) /αは1×10-12 esu ・cmの値
であった。
【0019】これらのことから半導体微粒子を10体積
%以上分散させた高密度領域を、複数個含むほうがχ
(3) /αの値では大きくなっており、光学的非線形性が
増大していることがわかる。
%以上分散させた高密度領域を、複数個含むほうがχ
(3) /αの値では大きくなっており、光学的非線形性が
増大していることがわかる。
【0020】実施例2 SiO2 及びCdSeをターゲットとして用いた2元の
高周波スパッタリングにより、SiO2 基板上にSiO
2 及びCdSeを交互に500回堆積させた。スパッタ
用ガスとしてアルゴンを用いて、圧力を1Paにした。
SiO2 の膜厚が0.5nm、CdSeの膜厚が1nm
となるようにシャッターの開閉を調節した。この様にし
て、酸化珪素(SiO2 )中にセレン化カドミウム(C
dSe)微粒子が50体積%分散させた高密度領域とセ
レン化カドミウム(CdSe)微粒子が平均で2体積%
分散している領域の全体に占める割合を体積で1:3と
した。この薄膜を500 ℃の温度でアニールした。得られ
た薄膜中に分散されているCdSe微粒子の平均粒径は
6nmであり、粒径分布の標準偏差はは1nmであっ
た。
高周波スパッタリングにより、SiO2 基板上にSiO
2 及びCdSeを交互に500回堆積させた。スパッタ
用ガスとしてアルゴンを用いて、圧力を1Paにした。
SiO2 の膜厚が0.5nm、CdSeの膜厚が1nm
となるようにシャッターの開閉を調節した。この様にし
て、酸化珪素(SiO2 )中にセレン化カドミウム(C
dSe)微粒子が50体積%分散させた高密度領域とセ
レン化カドミウム(CdSe)微粒子が平均で2体積%
分散している領域の全体に占める割合を体積で1:3と
した。この薄膜を500 ℃の温度でアニールした。得られ
た薄膜中に分散されているCdSe微粒子の平均粒径は
6nmであり、粒径分布の標準偏差はは1nmであっ
た。
【0021】このような材料の3次の非線形光学感受率
χ(3) を測定したところ、7.5×10-7esu の値を示
した。また光吸収係数αは2.5×103 cm-1であっ
た。このときχ(3) /αを計算すると3×10-10 esu
・cmとなる。
χ(3) を測定したところ、7.5×10-7esu の値を示
した。また光吸収係数αは2.5×103 cm-1であっ
た。このときχ(3) /αを計算すると3×10-10 esu
・cmとなる。
【0022】比較として、SiO2 及びCdSeをター
ゲットとして用いた2元の高周波スパッタリングによ
り、SiO2 基板上にSiO2 及びCdSeを同時に堆
積させて、酸化珪素中の全体にCdSeをほぼ均一に分
散させた。この際、SiO2 中に含まれるCdSeの含
有量を50体積%にした。次いでこの薄膜を500 ℃の温
度でアニールした。この薄膜のχ(3) は1.5×10-6
esuの値を示した。このときのαは1.5×104 cm
-1であり、χ(3) /αは1.0×10-10 esu ・cmの値
になった。また、CdSeの濃度が25%の時には、χ
(3) は5×10-7esuの値を示した。このときαは7.
5×103 cm-1の値を示し、χ(3) /αは6.7×1
0-11 esu ・cmの値であった。これらのことから半導体
微粒子を10体積%以上分散させた高密度領域を、複数
個含む半導体微粒子分散ガラスの方がχ(3) /αの値で
は大きくなっており、光学的非線形性が増大しているこ
とがわかる。
ゲットとして用いた2元の高周波スパッタリングによ
り、SiO2 基板上にSiO2 及びCdSeを同時に堆
積させて、酸化珪素中の全体にCdSeをほぼ均一に分
散させた。この際、SiO2 中に含まれるCdSeの含
有量を50体積%にした。次いでこの薄膜を500 ℃の温
度でアニールした。この薄膜のχ(3) は1.5×10-6
esuの値を示した。このときのαは1.5×104 cm
-1であり、χ(3) /αは1.0×10-10 esu ・cmの値
になった。また、CdSeの濃度が25%の時には、χ
(3) は5×10-7esuの値を示した。このときαは7.
5×103 cm-1の値を示し、χ(3) /αは6.7×1
0-11 esu ・cmの値であった。これらのことから半導体
微粒子を10体積%以上分散させた高密度領域を、複数
個含む半導体微粒子分散ガラスの方がχ(3) /αの値で
は大きくなっており、光学的非線形性が増大しているこ
とがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、3次の非線形光学感受率が大
きく、かつ光吸収係数を小さくすることができ、従来の
材料に比べて光学的非線形性の大きな半導体微粒子分散
ガラス材料を提供できる。
きく、かつ光吸収係数を小さくすることができ、従来の
材料に比べて光学的非線形性の大きな半導体微粒子分散
ガラス材料を提供できる。
【図1】本発明の半導体微粒子分散ガラスの一態様の模
式的断面図。
式的断面図。
1 ガラス 2 半導体微粒子 3 半導体微粒子を10体積%以上分散させた高密度領
域
域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三露 常男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 ガラス中に半導体微粒子が分散された半
導体微粒子分散ガラスにおいて、平均粒径が20nm以
下である半導体微粒子を10体積%以上分散させた高密
度領域を、複数個含むことを特徴とする半導体微粒子分
散ガラス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17791892A JPH0618948A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 半導体微粒子分散ガラス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17791892A JPH0618948A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 半導体微粒子分散ガラス |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618948A true JPH0618948A (ja) | 1994-01-28 |
Family
ID=16039347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17791892A Pending JPH0618948A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 半導体微粒子分散ガラス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0618948A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005321421A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Okamoto Glass Co Ltd | 回折光学素子およびガラス材料 |
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1992
- 1992-07-06 JP JP17791892A patent/JPH0618948A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005321421A (ja) * | 2004-05-06 | 2005-11-17 | Okamoto Glass Co Ltd | 回折光学素子およびガラス材料 |
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