JPH06187932A - 電子銃装置 - Google Patents

電子銃装置

Info

Publication number
JPH06187932A
JPH06187932A JP33832092A JP33832092A JPH06187932A JP H06187932 A JPH06187932 A JP H06187932A JP 33832092 A JP33832092 A JP 33832092A JP 33832092 A JP33832092 A JP 33832092A JP H06187932 A JPH06187932 A JP H06187932A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulator
electron
electrode
electron gun
electron source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33832092A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Shinada
博之 品田
Hideo Todokoro
秀男 戸所
Masahide Okumura
正秀 奥村
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP33832092A priority Critical patent/JPH06187932A/ja
Publication of JPH06187932A publication Critical patent/JPH06187932A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】絶縁碍子2の沿面に電界の方向が逆転する領域
を設ける。たとえば高電位の部分からグランド電位側に
いたるまでの碍子沿面に鋭角に折れ曲がる部分を少なく
とも一つ設ける。さらに、従来独立した碍子で保持され
ていた引出電極3を電子源を保持する碍子から吊り下げ
る構造とし、碍子2と陰極電極6の接合部に強い電界が
入り込まないよう陰極電極6で電極3を覆う構造とす
る。 【効果】放電の原因となる電極と絶縁碍子の接合部から
の電界放出電子が発生する可能性が著しく減少し、万
一、発生した電界放出電子も絶縁碍子の沿面の電位極大
点で進行が妨げられ、0V電極まで達しない。これによ
り、放電の生じない電子銃を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線描画装置や電子顕
微鏡等の電子線応用装置において用いられる電子銃に係
り、特に、高加速電圧で用いる電界放出型電子銃の構成
に関する。
【0002】
【従来の技術】高加速電圧電子銃の最大の問題は放電で
ある。特に電界放出型の電子銃では微弱な放電が電子源
の破損に至る。電子銃室内の放電には二つのタイプがあ
る。一つは高電圧を印加すると直ちに生じるものであ
り、もう一つは高電圧を印加し、電子線を引き出してい
るとき、すなわち、長い潜伏期間の後に突然、発生する
ものである。前者は、電極を注意深くクリーニングする
ことにより、ほとんどの場合防ぐことができる。また、
この放電は数回の放電後安定になることが多い。
【0003】後者は前者ほどその原因がはっきりしてい
ない。現在、有力な考えは、例えば、300万V超高圧
電子顕微鏡の加速系の改良:電子ビーム研究第3巻、大
阪大学工学部電子ビーム研究施設、昭和56年12月に
記載されているように、碍子表面に静電荷が蓄積し、電
界を高め、この電子増殖によって絶縁破壊を起こすとい
う説である。具体的には真空雰囲気中に置かれた電極と
絶縁碍子との接触面(いわゆる三重接合部)の微小な凹
凸部に電界が集中し、ここから電界放出電子が発生して
いる。この電子が絶縁物表面に衝突する毎に二次電子雪
崩を起こして、表面に静電荷が蓄積するというものであ
る。
【0004】そこで、電極と絶縁碍子との接触面(三重
接合部)への電界集中を避ける形状が検討されている。
この例が特開平4−39849号公報に記述されている。この
発明に示された電子銃の構造を図3に示す。1は高電圧
を導入するためのブッシング部、7は真空筒の内壁、8
は大気側で放電が生じないようにフレオンガス等が充填
される不活性ガス充填部である。2は大気と真空とを気
密封じし、電子源が取り付けられる陰極電極6を電気的
に絶縁して保持するための第一の絶縁碍子である。3
a,3bは電子ビーム引出の為の引出電極、4は引出電
極3を電気的に絶縁し保持する機能を持つ第二の絶縁碍
子。第二の絶縁碍子4の断面形状をすり鉢上にすること
で、碍子沿面の距離を長くとり、かつ等電位線の乱れを
最小に抑えようとする構造である。しかし、実際上加工
精度の問題から微小な凹凸部からの電界放出電子や陰極
電極6と第一の絶縁碍子2との接合部からの電界放出電
子等が残る。したがって電界放出電子をゼロにすること
は困難で、放電するという問題が依然として残ってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電界
放出電子が碍子と電極の接合部から発生しても、放電に
結び付かない構造を持った電子銃を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】絶縁碍子の回転対象軸を
含む平面における断面の真空側の碍子沿面に電界の方向
が逆転する領域を設ける。具体的には、たとえば高電位
の部分からグランド電位側にいたるまでの碍子沿面に鋭
角に折れ曲がる部分が少なくとも一つ存在するような構
造とし、碍子の沿面に沿った電位勾配がその部分で極大
値を持つようにする。さらに、従来は電子源の取り付い
た陰極電極の保持部と引出電極の保持部の二個所に碍子
と電極の接合部が存在していたが、この引出電極を電子
源保持部から吊り下げる構造とし、この接合部を陰極電
極保持部の1か所とする。そして、その部分に電界が入
り込まないような電極構造とする。
【0007】
【作用】碍子の形状を図2に示すように、外周部を湾曲
させたM字型の構造とする。これにより、万が一微弱な
電界放出電子が発生し、碍子の沿面に沿って二次電子雪
崩が起きてもグランド電位の金属部までは達せず、放電
をくいとめられる。
【0008】この詳細について図2と図4により説明す
る。碍子の先端には電子源(図示されていない)と陰極
電極が取り付けられており、真空外から高電圧が印加さ
れる構造となっている。0Vである真空容器の内壁と高
い負電位を持った電子源及び引出電極の間隔は充分離れ
ており真空中を放電することはない。図2にはこのよう
な構造の電子銃の等電位線5を示してある。図4は碍子
の沿面の電位を示したものである。
【0009】高電位の接合部a点から沿面が湾曲する部
分までは電位は正の勾配を持ってグランド電位に近づい
ていくがb点で電位は極大値を持ちc点までは電位は逆
に負の勾配を持つ。そしてc点から再び電位はグランド
電位に近づいていき、真空筒の内壁d点でグランド電位
となる。
【0010】放電は、電極と碍子の接合部から放出され
た電子が碍子の沿面に沿って走る結果生じる。しかし、
図2の構造では、図4のように碍子の沿面に沿った電位
勾配には電位極大点が生じる。従って、碍子の沿面を二
次電子雪崩を起こしながら進んできた電子はこの電位極
大点付近から先は逆電界となるため進行が妨げられる。
【0011】さらに、引出電極が図3のように独立した
碍子4で保持されている構造の場合、引出電極とこの碍
子の接合部から電界放出電子が発生し、この碍子の沿面
で放電が生じるおそれがある。本発明では引出電極を電
子源の取り付けられる陰極電極から吊り下げる構造とす
ることで接合部を減らし、このような電界放出電子の発
生を防いでいる。さらに、陰極電極と絶縁碍子の接合部
を補助電極または陰極電極の一部で覆い、グランド電位
の金属と直接対面しないような構造とし、接合部に電界
が集中しないようにする。これにより放電が生じない電
子銃が実現できる。
【0012】
【実施例】図2は、本発明を適用した50kV電子銃の
概略図である。同図で1は高電圧を導入するためのブッ
シング部、7は真空筒、8は大気側で放電が生じないよ
うにフレオンガス等が充填される不活性ガス充填部、2
は大気と真空とを気密封じし、電子源が取り付けられる
陰極電極6,電子源保持部13および電子源20を電気
的に絶縁し保持するための本発明の形状を有する絶縁碍
子である。絶縁碍子2はべローズ11を有する金具9に
つながれ、べローズ11を通して真空筒7に固定されて
いる。さらに、金具9はねじ10を回すことによって、
水平方向に移動できる構造になっている。こうすること
によって、電子源20の軸調整を行うことができる。3
は電子ビーム引出の為の引出電極、14は引出電極3を
保持するための金具である。
【0013】本発明の特徴は3点ある。第1は絶縁碍子
2の形状である。つまり、碍子沿面の形状が、図1に示
すように高電位の部分からグランド電位側にいたるまで
に鋭角に折れ曲がる部分が一つ存在するようなM字型の
構造にしたことである。これにより絶縁碍子の真空側の
碍子沿面の高電位の部分からグランド電位側にいたるま
でに電位勾配が極大値を持つようになる。この鋭角に折
れ曲がる部分は複数個存在しても良い。この構造の利点
については作用の項で既に説明したとおりである。
【0014】第2に、電極と碍子の接合部を1か所に減
らした点である。従来の電子銃(図3)では引出電極3
と陰極電極6はそれぞれ異なる碍子により保持されてい
た。従って電極と碍子の接合部は2か所存在することに
なる。本発明では、引出電極を陰極電極部から吊り下げ
る構造としたことで電極と碍子の接合部を1か所に減ら
した。これにより、放電の元となる電子の放出を最小限
に食い止められている。
【0015】第3は、陰極電極6が絶縁碍子2を覆うよ
うな構造とすることで絶縁碍子と陰極電極の接合部が真
空筒の内壁等のグランド電位の部分に対面しないように
したことである。この電極により、絶縁碍子と陰極電極
の接合部に電界が集中しなくなり、放電の引き金となる
電子の放出が防げる。ここでは陰極電極の構造を図1の
ようにすることで絶縁碍子2と陰極電極の接合部を覆う
ようにしたが陰極電極とは別の補助電極によってこの接
合部分を覆うようにしても良い。
【0016】
【発明の効果】本発明により放電の原因となる電極と絶
縁碍子の接合部からの電界放出電子が発生する可能性が
著しく減少し、かつ、万一、発生した電界放出電子も絶
縁碍子の円面の電位極大点で進行が妨げられ0V電極ま
で達しない。これにより、放電の生じない電子銃を実現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図。
【図2】本発明の作用の説明図。
【図3】従来例の電子銃の断面図。
【図4】本発明の絶縁碍子の沿面の電位分布図。
【符号の説明】
1…電圧導入ブッシング、2…絶縁碍子、3…引出電
極、6…陰極電極、7…真空筒内壁、8…不活性ガス充
填部、9…金具、10…ねじ、11…べローズ、12…
陽極電極、13…電子源保持部、14…引出電極保持
部、20…電子源。
フロントページの続き (72)発明者 黒田 勝広 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子源と、前記電子源が先端に取り付けら
    れた絶縁碍子と前記電子源から電子を引き出すための引
    出電極とを含む電子銃において、前記絶縁碍子の回転対
    象軸を含む平面における断面の真空側の碍子沿面に生じ
    る電界の方向が逆転する領域が存在することを特徴とす
    る電子銃装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記絶縁碍子は、前記
    電子源を有する電極の高電位の部分からグランド電位側
    にいたる碍子沿面に鋭角に折れ曲がる部分が少なくとも
    一つ存在する電子銃装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記絶縁碍子
    は、円筒形状部分と円錐台形状部分とが一体となった構
    造で、前記円筒形状部分の内側に円錐台形状部分が入り
    込む構造で、前記円錐台形状部分の底面部分が円筒の内
    径と一体となった構造で、円錐台先端部に前記陰極電極
    が取り付けられ、円筒形状部分の外周が真空鏡筒本体に
    固定されている電子銃装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記引出
    電極が前記絶縁碍子から吊り下げられることにより保持
    されている電子銃装置。
  5. 【請求項5】前記絶縁碍子先端と電子源の間に陰極電極
    が取り付けられ、前記陰極電極は、前記絶縁碍子の先端
    および前記電子源との接合部がグランド電位の金属部分
    と直接対面しないような構造を有する電子銃装置。
JP33832092A 1992-12-18 1992-12-18 電子銃装置 Pending JPH06187932A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33832092A JPH06187932A (ja) 1992-12-18 1992-12-18 電子銃装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33832092A JPH06187932A (ja) 1992-12-18 1992-12-18 電子銃装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06187932A true JPH06187932A (ja) 1994-07-08

Family

ID=18317033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33832092A Pending JPH06187932A (ja) 1992-12-18 1992-12-18 電子銃装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06187932A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006173033A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Hitachi High-Technologies Corp 電子銃
JP2014137998A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Ims Nanofabrication Ag 荷電粒子光学機器用高電圧絶縁装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006173033A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Hitachi High-Technologies Corp 電子銃
JP2014137998A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Ims Nanofabrication Ag 荷電粒子光学機器用高電圧絶縁装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
GB1355365A (en) Electron guns
US2831134A (en) Extraction probe for ion source
US4715054A (en) Plasma x-ray source
Palacios-Serrano et al. Electrostatic design and conditioning of a triple point junction shield for a− 200 kV DC high voltage photogun
US4760262A (en) Ion source
US4053802A (en) High-voltage vacuum tube, particularly an x-ray tube
US6236054B1 (en) Ion source for generating ions of a gas or vapor
JPH06187932A (ja) 電子銃装置
US3718836A (en) Multipactor ion generator
Hackam et al. ac (50 Hz) and dc electrical breakdown of vacuum gaps and with variation of air pressure in the range 10− 9− 10− 2 Torr using OFHC copper, nickel, aluminum, and niobium parallel planar electrodes
JPH0213900A (ja) 密封高ビーム束中性子管
US20020047545A1 (en) Particle accelerator
JPS5844662A (ja) セラミツク外囲器x線管
US3400882A (en) Ion pump
JPS5923432A (ja) プラズマイオン源
JP2766243B2 (ja) 真空用絶縁スペーサ
JP3225283B2 (ja) 表面処理装置
Hackam Determination of the electric field enhancement factor and crater dimensions in aluminum from scanning electron micrographs
JP2615300B2 (ja) 加速管
US6555961B1 (en) Anode initiated surface flashover switch
CN112582248B (zh) 一种用于汞离子微波频标的电子枪装置
US4572982A (en) Apparatus for reducing the effects of thermal stresses on breakdown voltage in high voltage vacuum devices
JPH0652645B2 (ja) 真空バルブ
JPS6323876Y2 (ja)
RU2034657C1 (ru) Электроимпульсное дробильное устройство