JPH06187751A - 磁気記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 光学的に読み取りが行なわれる信号（以下、
「光学的信号」という）が周方向に記録された円盤状の
磁気記録媒体において、上記光学的信号の記録部は周方
向に区分されており（以下、区分された記録部の各々を
「記録区画」という）、上記光学的信号は複数の周波数
成分を有し、かつ、上記記録区画の各々には単一の周波
数成分が記録されていることを特徴とする磁気記録媒
体。 【効果】 本発明の磁気記録媒体は、単一の検出器で正
確なトラッキングが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体に関し、特
に、光学的手段によりトラッキングを行なう際に好適な
磁気記録媒体に関する。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサなどの
情報記録用に、フロッピーディスク装置が大量に使用さ
れている。通常のフロッピーディスク装置は、ヘッドの
位置決めを、ステップモータを用いたオープンループ制
御（フィードバックなしの制御）によって行なうため、
位置決め精度が悪く、トラック密度を上げることができ
ないという問題点があった。

【０００３】近年、磁気記録媒体に溝を設け、ヘッドと
一体に設けられた光学的センサーで溝位置を読みとるこ
とによりヘッドの位置を計測することが提案されてい
る。この方法によれば、クローズドループ制御（フィー
ドバック制御）によってヘッドの位置決めを行なうた
め、位置決め精度が向上し、従来の磁気記録媒体に比べ
て一桁程度高いトラック密度が実現できる。

【０００４】この原理を応用したフロッピーディスクの
一例を図３〜４に示す。１９はフロッピーディスクであ
り、図４は図３の媒体４の部分拡大図である。図５は光
学式トラックサーボ機構のサーボ信号読み取り系を示す
媒体面と垂直な面の断面図である。媒体４の表面上に、
トラックピッチに従って多数のピット５を設けてある。
ヘッド６の中央に設けられた穴７を通して、発光素子８
からの光を媒体４の表面に投射する。この反射光を光学
系９を通して受光素子１０により読み取り、トラッキン
グを行なっている。

【０００５】これに用いられるトラッキングエラー検出
回路及び光学検出器をそれぞれ図６及び図７に示す。な
お、以下において、Ｐはトラックピッチである。受光素
子１０は正方格子状に配列された４個の単位素子からな
り、上記反射光を受けて４個の信号Ａ〜Ｄを出力する。
ヘッドがトラック位置（半径Ｒ）にある時、差動増幅器
１１にて信号Ａから信号Ｂを差し引くことにより、ｃｏ
ｓ（２πＲ／Ｐ）に比例する信号を得る。また、差動増
幅器１２にて信号Ｃから信号Ｄを差し引くことにより、
ｓｉｎ（２πＲ／Ｐ）に比例する信号を得る。一方、目
標値Ｔの二進符号をｓｉｎ表及びｃｏｓ表を書き込んだ
ＲＯＭ１３，１４のアドレス端子に与えることにより、
ｓｉｎ（２πＴ／Ｐ）とｃｏｓ（２πＴ／Ｐ）を表す二
進符号を作る。この二進符号を乗算型ＤＡ変換器１５，
１６によりアナログ信号に直すと同時に、次式の如く、
光学検出器から得られる上記信号ｓｉｎ（２πＲ／
Ｐ）、ｃｏｓ（２πＲ／Ｐ）との乗算を行ない、次いで
差動増幅器１７で差をとることにより、次式に示す演算
により誤差信号が得られる。

【０００６】

【表１】 cos(２πT/P)sin(２πR/P)−sin(２πT/P)cos(２πR/P) （１） ＝sin( (２πＲ／Ｐ）−（２πＴ／Ｐ）） （２） ≒２π（Ｒ−Ｔ）／Ｐ （３） これをトラッキング装置にフィードバックすることによ
り、誤差が０に近い、精度の高いトラッキングが行なわ
れる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このようなトラッキン
グサーボ装置は、検出装置が二組必要であり、装置の形
状が大きく、製造に要する費用も大であるという問題が
あることから、サーボ信号として二種類の周波数成分を
含む信号を媒体上に記録し、これを単一の装置で検出す
るという試みもなされている。

【０００８】図２はこのような磁気記録媒体を示すもの
であり、信号５１と信号５２という２つの異なる周波数
成分をもつ信号を単一の検出器が検出領域５３で読み取
る様子を示したものである。各サーボ信号は二つの周波
数成分（信号５１および信号５２）を半径方向（トラッ
キング方向）のわずかに異なる位置に記録し、検出器が
両者を同時に検出することにより合成信号を得るように
構成している。しかしながら、このような媒体を製造す
るに際しては、１トラックのサーボ信号を書き込むため
に３回の走査が必要であり、生産性が悪く、媒体のコス
トが増加するという問題があった。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点に鑑
みなされたもので、複数の周波数成分の各々をその記録
部（サーボトラック）上の周方向に区分された区画に記
録することによって、単一の検出器でトラッキングエラ
ーが検出でき、しかも、各サーボトラックへのサーボ信
号の書き込みを一回の走査で達成できることを見い出し
たことに基づくものである。

【００１０】即ち、本発明の要旨は、光学的に読み取り
が行なわれる信号（以下、「光学的信号」という）が周
方向に記録された円盤状の磁気記録媒体において、上記
光学的信号の記録部は周方向に区分されており（以下、
区分された記録部の各々を「記録区画」という）、上記
光学的信号は複数の周波数成分を有し、かつ、上記記録
区画の各々には単一の周波数成分が記録されていること
を特徴とする磁気記録媒体、に存する。

【００１１】本発明の磁気記録媒体は、複数の周波数成
分を含む光学的信号を磁気記録媒体に書き込むにあた
り、周方向に沿って設けたサーボトラックを周方向に微
細な区画に分割し、各周波数成分を対応する異なる記録
区画に順次記録するものである。区画の幅は各周波数成
分の波長よりも十分に小さければよく、区画の幅を検出
器の検出領域に対して充分小さくすることにより、それ
ぞれの周波数成分を合成した信号が検出装置から出力さ
れる。検出された信号は周波数分離手段により各周波数
成分に分離され、これらからトラッキングエラーを検出
するための誤差信号が得られ、正確なトラッキングが可
能になる。

【００１２】光学的信号の各周波数成分は、各トラック
で互いに順次異なる位相差をもつように記録されている
のが好ましい。この場合、この位相差を計測することに
よって現在のヘッド位置を検出し、この値が所定の値に
なるようにヘッド位置を制御する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の具体的態様の例を示す図面を
参照しながら、本発明を詳細に説明する。図１は本発明
に係る磁気記録媒体の一例を一部拡大して示す模式図で
ある。図１では、周方向に設けられたサーボトラック０
〜３に記録された２種の周波数成分、すなわち波長が長
い信号２１と波長が短い信号２２を有する光学的信号を
検出部３１から読み取る様子を示している。

【００１４】図１に示した例では、サーボトラックを周
方向に微細な区間に分割し、２種の周波数成分、信号２
１と信号２２とを記録すべき部分を交互に設けている。
図１において、上部に示すは波長の長い信号２１が記
録されるべき区画、は波長の短い信号２２が記録され
るべき区画を示す。とはサーボトラックを周方向に
区分し、交互に設けられている。トラック１において、
信号２１の記録されるべき位置は周方向の位置０から
連続して８区画は記録状態（図中黒部で示す）であり、
次の８区画はブランク（図中空白で示す）である。この
記録パターンを順次くり返すことによって図中λで示す
波長の信号を得る。信号２２の記録されるべき位置は
トラック１では距離０から連続して４区画ブランクであ
り、次いで４区画連続して記録状態、続いて同様に４区
画ブランク、４区画記録状態であり、この記録パターン
を順次くり返すことによって波長λ／２の信号を得る。

【００１５】信号２１及び２２は各トラックで各々共通
した波長λ、λ／２を有しているが、これらの波長に特
に制限はなく、要求される応答特性等に応じて適宜選択
すればよい。また、信号２１と２２の間ではトラック毎
に順次異なる位相差を設けている。即ち、図１では、信
号２１はトラック０〜３で全て位相を等しくし、また、
信号２２はトラック０〜３で順次位相をλ／８ずつ変え
ることによって、信号２１と信号２２との間の位相差が
トラック毎に順次λ／８ずつ異なるようにしてある。無
論、トラック間で順次設ける位相差の差はλ／８に限ら
れるものではなく、適宜選択すればよい。また、トラッ
ク間で信号２１同士及び信号２２同士の両方に位相差を
設けてもよい。

【００１６】このようなサーボ信号は、例えば、磁気記
録媒体の表面の特定位置にレーザー光照射を行なう、あ
るいは、所定のパターンを有したマスクを介して光照射
を行なう等の方法によって、記録することができる。光
を照射した部分は、媒体の一部の分解揮散又は変質によ
って、或いは媒体中に予め含有させた色素の化学変化な
どによって、光反射率や光透過率などの光学的性質が変
化し、その部分は記録状態となる。

【００１７】図１に示された磁気記録媒体は、例えば次
のようにしてトラッキングが行なわれる。図示していな
い検出器は、図示していない磁気ヘッドと一体化して設
けられており、図示していない光源からの光線の媒体へ
の照射によって検出部３１からの反射光又は透過光を検
出する。反射光と透過光のどちらを検出するかは、反射
率と透過率のどちらの光学的性質の違いに基づいて媒体
のサーボトラックを記録したかによって決められる。サ
ーボトラック中の記録状態の部分とブランクの部分とで
は光学的性質が異なるため、磁気記録媒体の回転によっ
て検出器の受光量は周期的に変化し、検出器から交流信
号が出力される。この交流信号は、図１において、信号
２１と信号２２という２つの周波数成分をもっているた
め、バンドパスフィルターなどの周波数分離手段を用い
ればこれを分離することができる。前述したように、信
号２１と信号２２との位相差は各トラックでλ／８ずつ
順次異なっているため、分離した各周波数成分の位相差
を位相差検出器等により計測すれば現在の磁気ヘッドの
位置を検出することができる。即ち、磁気ヘッドが所定
の位置から移動すれば、検出器に上記所定の位置外のサ
ーボトラックの信号が入りこむが、この際各トラックで
の両信号の位相差は順次λ／８ずつ異なるため、計測さ
れる両信号の位相差は、磁気ヘッドの移動量に応じてそ
の中間の値となる。従って、この位相差が所定の値とな
るように磁気ヘッドの位置を制御することにより、正確
なトラッキングが可能になる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、単一の
検出器でヘッド位置を計測する目的に好適な、複数の周
波数成分を含むサーボ信号を光学的に記録した媒体を、
各トラックあたり一回の走査で製造することが可能であ
り、製造費用の低減に大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の磁気記録媒体のサーボ信号パターンを
検出器によって読み取る様子を示す模式図である。

【図２】参考例における磁気記録媒体のサーボ信号パタ
ーンを検出器によって読み取る様子を示す模式図であ
る。

【図３】フロッピーディスクの斜視図である。

【図４】図３の媒体４部分を拡大したディスク表面の模
式図である。

【図５】従来の光学式トラックサーボ機構のサーボ信号
読み取り系を示す断面図である。

【図６】従来の光学式トラックサーボ機構の検出回路ブ
ロック図である。

【図７】従来の光学式トラックサーボ機構の検出器と媒
体との関係を示す説明図である。

【符号の説明】

０，１，２，３ トラック ４ 磁気記録媒体 ５ ピット ６ ヘッド ８ 発光素子 １０ 受光素子 ２１ 波長が長い信号 ２２ 波長が短い信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的に読み取りが行なわれる信号（以
   下、「光学的信号」という）が周方向に記録された円盤
   状の磁気記録媒体において、上記光学的信号の記録部は
   周方向に区分されており（以下、区分された記録部の各
   々を「記録区画」という）、上記光学的信号は複数の周
   波数成分を有し、かつ、上記記録区画の各々には単一の
   周波数成分が記録されていることを特徴とする磁気記録
   媒体。