JPH06186565A - 強誘電性液晶素子 - Google Patents

強誘電性液晶素子

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JPH06186565A
JPH06186565A JP4354785A JP35478592A JPH06186565A JP H06186565 A JPH06186565 A JP H06186565A JP 4354785 A JP4354785 A JP 4354785A JP 35478592 A JP35478592 A JP 35478592A JP H06186565 A JPH06186565 A JP H06186565A
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JP
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liquid crystal
ferroelectric liquid
tilt angle
angle
crystal device
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JP4354785A
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Hirokatsu Miyata
浩克 宮田
Yukio Haniyu
由紀夫 羽生
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 双安定状態の安定性に優れ、しきい値が変化
することが少なく、焼き付きを防止した強誘電性液晶素
子を提供する。 【構成】 強誘電性液晶と、この強誘電性液晶を間に保
持して対向するとともにその対向面にはそれぞれ強誘電
性液晶に電圧を印加するための電極が形成されかつ強誘
電性液晶を配向するための相互にほぼ平行で同一方向も
しくは逆方向の一軸性配向処理が施された一対の基板と
を備え、配向状態における強誘電性液晶が少くとも2つ
の安定状態を示す強誘電性液晶素子において、プレチル
ト角αが10°以下で、界面における強誘電性液晶分子
のコーン角θs が真のチルト角Θに比べて小さいことを
特徴とする強誘電性液晶素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子や液晶光
シャッター等で用いる液晶素子、特に強誘電性液晶素子
に関し、更に詳しくは、強誘電性液晶層と基板との界面
近傍に存在する液晶分子の配向状態を制御することによ
り表示特性を改善した液晶素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶分子の屈折率異方性を利用
して偏光素子との組み合わせにより透過光線を制御する
型の表示素子がクラーク(Clark)およびラガウォ
ール(Lagerwall)により提案されている(特
開昭56−107216号公報、米国特許第43679
24号明細書等)。この強誘電性液晶は、一般に特定の
温度域において、非らせん構造のカイラルスメクチック
C相(Sm* C)又はH相(Sm* H)を有し、この状
態において、印加される電界に応答して第一の光学的安
定状態と第2の光学的安定状態のいずれかを取り、かつ
電界の印加のないときにはその状態を維持する性質、す
なわち双安定性を有し、また電界の変化に対する応答も
速やかであり、高速ならびに記憶型の表示素子用として
の広い利用が期待され、特にその機能から大画面で高精
細なディスプレーへの応用が期待されている。
【0003】この双安定性を有する液晶を用いた光学変
調素子が所定の駆動特性を発揮するためには、一対の平
行基板間に配列される液晶が、電界の印加状態とは無関
係に、上記2つの安定状態の間での変換が効率的に起こ
るような分子配列状態にあることが必要である。
【0004】また、液晶の複屈折率を利用した液晶素子
の場合、直交ニコル下での透過率は、I/IO =sin
2 4Θsin2 (Δ・ndπ/λ)で表される。
【0005】(式中:IO は入射光強度、Iは透過光強
度、Θは真のチルト角、Δnは屈折率異方性、dは液晶
層の膜厚、λは入射光の波長である。)前述の非らせん
構造におけるみかけのチルト角は、第1と第2の配向状
態での捩じれ配列した液晶分子の平均分子軸方向の角度
として現れることになる。上式によれば、かかる真のチ
ルト角Θが22.5゜の角度のとき最大の透過率とな
り、双安定性を実現する非らせん構造でのみかけのチル
ト角が22.5°にできる限り近いことが必要である。
【0006】上記のような強誘電性液晶素子を得る方法
として交流を印加して配向を変化させた液晶素子が提案
されている(特開昭62−161123号公報)。この
技術により非螺旋構造におけるみかけのチルト角を増大
させることができ、さらに液晶の配列を上下基板間でツ
イスト配向からほぼ同じC−ダイレクタを有するパラレ
ル配向(ユニフォーム配向)にできることからクロスニ
コル下における暗状態の透過率を少なくすることができ
る。これにより高いコントラストが得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた“双安定
性”は強誘電性液晶素子の優れた性能の1つであるがそ
の特性を利用した、異なる2種の安定状態をスイッチン
グさせる素子においてはその安定状態間をスイッチング
させるしきい値の変動は駆動特性を大きく悪化させてし
まう。
【0008】ここで、多くの強誘電性液晶素子の共通課
題として“焼き付き(surface memory)
があげられる。この現象は前記のしきい値の変動につな
がり、交流を印加して配向を変化させる前記技術を用い
る場合にも“焼き付き(surface memor
y)を低減することは必要であり、特に階調表示のでき
る素子を得るためには重要である。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明によれば、
強誘電性液晶と、この強誘電性液晶を間に保持して対向
するとともにその対向面にはそれぞれ強誘電性液晶に電
圧を印加するための電極が形成されかつ強誘電性液晶を
配向するための相互にほぼ平行で同一方向もしくは逆方
向の一軸性配向処理が施された一対の基板とを備え、配
向状態における強誘電性液晶が少くとも2つの安定状態
を示す強誘電性液晶素子において、プレチルト角αが1
0°以下で、界面における強誘電性液晶分子のコーン角
θs が真のチルト角Θに比べて小さい様にすることによ
って、2つの安定状態のうちいずれか一方の状態にして
素子を放置しておくとその状態が安定化して双安定性が
崩れてしまうという問題点を解決できる。
【0010】以下、図面により本発明を詳細に説明す
る。
【0011】図1は、本発明の強誘電性液晶セルの一例
を模式的に描いたものである。11aと11bはそれぞ
れIn23 やITO(Indium Tin Oxi
de)等の透明電極12aと12bで被覆された基板
(ガラス板)であり、その上にポリイミド等で形成した
50〜1000Å厚の配向制御膜14aと14bがそれ
ぞれ積層されている。配向制御膜14aと14bは配向
方向が平行かつ同一方向(図1で言えばA方向)或いは
逆方向(図示せず)になる様にラビング処理等の一軸性
配向処理を施してある。基板11aと11bの間には、
強誘電性液晶15が配置され、基板11aと11bの間
の距離は強誘電性液晶15のらせん配列構造の形成を抑
制するのに十分小さい距離(例えば、0.1〜3μm)
に設定され、強誘電性液晶15は双安定性配向状態を生
じている。また、上述の十分小さい距離は、基板11a
と11bとの間に配置したビーズスペーサ16(シリカ
ビーズ、アルミナビーズ)によって保持される。17
a,17bは偏光板である。透明電極12と配向制御膜
14の間に200〜3000Åの厚さのSiO2 ,Ti
2 ,Ta25 等の絶縁膜層13a,13bを設けて
も良い。
【0012】この様な構成において、本発明者等は、強
誘電性液晶層と基板との界面近傍に存在する液晶分子の
配向状態を制御することにより、第1の安定状態及び第
2の安定状態にそれぞれ長時間放置しても、第1の安定
状態で放置した部分と第2の安定状態で放置した部分の
しきい値のずれが非常に少ないユニフォーム配向の液晶
素子を得ることができることを見出した。
【0013】図4は、界面におけるチルト角θ,界面に
おけるコーン角θs ,プレチルト角α,シェブロン構造
の傾き角δを示す図である。スメクチック液晶は一般に
層構造を有するが、スメクチックC(Sc)相では、バ
ルク中の分子の配向ベクトルは層法線方向からチルト角
Θだけ傾いている。また、基板界面の液晶分子は、ラビ
ングの様な1軸性配向処理によって基板に対して角度を
なし(プレチルト角α)その方向は、配向処理方向に向
かって液晶分子が頭をもたげる(先端が浮いた格好にな
る)向きである。プレチルト角αは、配向処理の条件に
よって変化し、配向処理の程度が強くなるに従って一般
に小さくなる。これは、配向処理が強い場合には、液晶
分子が基板の配向処理方向に沿って配向する傾向がある
ことを示しており、その場合、界面におけるコーン角θ
s 及び界面におけるチルト角θも小さくなる場合があ
る。また、プレチルト角α、界面におけるチルト角θ
は、配向膜又は液晶の材料を変えることで変化させるこ
とができる。
【0014】従って、特定の液晶と配向膜を組み合わせ
て適切な条件で配向処理を行うことで、配向膜と液晶分
子の相互作用によって基板との界面近傍に存在する液晶
分子の配向状態を変化させることができる。
【0015】本発明によれば、プレチルト角αが10°
以下、好ましくは5°以下、より好ましくは2°以下
で、界面における強誘電性液晶分子のコーン角θs が真
のチルト角Θより小さく、好ましくは1/4以下、より
好ましくは1/6以下、更に好ましくは1/8以下であ
る様にすると、第1の安定状態及び第2の安定状態にそ
れぞれ長時間放置しても、第1の安定状態で放置した部
分と第2の安定状態で放置した部分のしきい値のずれが
非常に少ないユニフォーム配向の液晶素子が得られた。
【0016】強誘電性液晶がシェブロン構造である場
合、その傾き角度δは好ましくは10°以下、より好ま
しくは5°以下である。
【0017】また、本発明の強誘電性液晶素子は、高い
コントラストが得るため、交流を印加することによっ
て、見かけのチルト角を交流を印加しない場合よりも大
きくし、ユニフォーム配向とすることが好ましい。
【0018】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
る。本実施例における測定方法は以下の通りである。
【0019】(プレチルト角αの測定)Jpn.J.A
ppl.Phys.Vol19(1980)NO.1
0,Short.Notes 2013に記載されてい
る方法(クリスタルローテーション法)に従って求め
た。
【0020】つまり、平行かつ反対方向にラビングした
基板を貼り合せてセル厚20μmのセルを作成し、0℃
〜60℃の範囲でSmA相を有する液晶(A)を封入し
測定を行った。
【0021】液晶セルを上下基板に垂直かつ配向処理軸
を含む面で回転させながら回転軸と45°の角度をなす
偏光面をもつヘリウム・ネオンレーザ光を回転軸に垂直
な方向から照射し、その反対側で入射偏光面と平行な透
過軸をもつ偏光板を通してフォトダイオードで透過光強
度を測定した。
【0022】干渉によってできた透過光強度の双曲線群
の中心となる角と液晶セルに垂直な線となす角度をφx
とし、下式に代入してプレチルト角αを求めた。
【0023】
【数1】 (界面におけるチルト角θの測定)Appl.Phy
s.Lett.vol.53 no.24 2397に
記載されている方法(内部全反射法)に従って求めた。
【0024】つまりITOで被覆されたガラス板に配向
膜を形成しラビングした基板と、これと同様にITOコ
ートした後に配向膜を形成し、ラビングを行った高屈折
率ガラス製の半球プリズムの底面との間に液晶をはさん
だセルを作成し測定を行った。全反射条件において入射
角一定でレーザー光を入射させ、反射光中に含まれる偏
光面が90°回転した成分の強度の入射方位角依存性を
測定する。第1の安定状態について測定された反射光強
度の角度依存性と、第2の安定状態について測定された
反射光強度の角度依存性は、それぞれを界面でのチルト
角θの2倍だけシフトさせた関係にあり、ここから2θ
を求められるわけである。この測定は、全反射の条件で
行われるので、界面から1000Å程度の領域からの情
報を選択的に得られるものである。
【0025】(界面のコーン角θs )界面でのチルト角
θ,プレチルト角α,及びX線回折分析によって求めら
れたシェブロン構造の傾き角δより、以下の式によって
界面でのコーン角θs を求めることができる。 θs =cos-1(cosδcosαcosθ+sinδ
sinα) (真のチルト角Θの測定)10V〜30VのDCをFL
C素子の上下基板間に印加しながら直交クロスニコル
下、その間に配置されたFLC素子を偏光板と水平に回
転させ第1の消光位(透過率が最も低くなる位置)をさ
がし、次に上記と逆極性のDCを印加しながら第2の消
光位をさがす。このときの第1の消光位から第2の消光
位までの角度の1/2を真のチルト角Θとした。
【0026】(焼き付きの測定)図3のように上下の基
板にストライプ状の電極を付けそれらの交叉部に画素を
形成したマトリクス表示パネルを作成し、液晶を注入
し、しきい値を方形波にて測定した。
【0027】初期状態で安定状態Aから安定状態Bへの
しきい値、安定状態Bから安定状態Aへのしきい値を測
定し、双安定であることを確認した。その後a、bの画
素をそれぞれ安定状態A、安定状態Bにスイッチングさ
せ、30℃に保って3日間放置した。その後a、bの画
素別々にしきい値の測定を行い、しきい値のズレを算出
した。
【0028】(実施例1)以下、本発明に係る液晶素子
を作成した第1の実施例について説明する。
【0029】ガラス基板上に、ITO膜をスパッタ法に
よって約150nmの厚さに形成し、この上に東レ社製
セミコファインLP64,クラレ社製PVA(R−21
05),及び日産化学社製サンエバーSE−100を、
表1の条件でスピンコートし、次に、表2の条件でこれ
を焼成して、配向膜を作成した。
【0030】また、633nmの波長における屈折率が
1.9082であるショットグラス(Schott g
lass)社製LaSF18で作成した半球状プリズム
の底面上にも、スパッタ法によってITO膜を約150
nmの厚さに形成し、この上にも、LP64,PVA
(R−2105),及びSE−100を、表1の条件で
スピンコートし、表2の条件で焼成し、配向膜を作成し
た。
【0031】作成した配向膜の膜厚はLP64が25
Å,PVA(R−2105)が190Å,SE−100
が37Åであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】 この様にしてガラス基板上、及びプリズム底面上に作成
した配向膜に対して、ローラー押し込み0.4mm,ロ
ーラー回転数16.7回転/秒,ローラー送り速度0.
2mm/秒の条件でラビング処理を施した。
【0034】この様にして作成したガラス基板、及びプ
リズム底面に同じ処理をしたガラス基板を互いのラビン
グ方向が同じ向きになる様に、1.5μmのギャップを
保って貼り合わせ、セルを作成した。
【0035】該セルのプレチルト角αは、クリスタルロ
ーテーション法によって、また、シェブロン構造の傾き
角δはX線回折分析によって表3の様に求められた。
【0036】
【表3】 該セルにフェニルベンゾエート系液晶を主成分とする多
成分液晶で、真のチルト角Θが30℃で22.2°の強
誘電性液晶を注入した。相転移温度は以下の通りであ
り、Psは24nC/cm2 であった。
【0037】
【数2】 この様に作成したセルに±20V,10Hzの交流電界
を3分間印加して層構造を変化させる処理を行ったとこ
ろ、30℃において、見かけのチルト角は8.5°から
19.5°に増大した。
【0038】半球プリズムとガラス基板によって作成さ
れたセルについて、前記の交流印加処理を行った後、内
部全反射法で界面付近のチルト角θの測定を行った。測
定装置構成の概略を図2に示す。レーザーとしては出力
5mWのHe−Neレーザーを用い、方位角を変化させ
た場合の、反射光中に含まれる90°偏光面が回転した
成分の強度の変化を、強誘電液晶の2つの安定状態につ
いて測定し、得られた2つのパターンのシフト角から、
界面におけるチルト角θを求めた。レーザーの入射角度
は、80°で一定とした。
【0039】次に、上下ともにガラス基板を用いて作成
したセルを用いて40μsecの矩形パルスを1回印加
して、焼き付きの評価を行った。初期状態で安定状態A
から安定状態Bへのしきい値電圧と、安定状態Bから安
定状態Aへのしきい値電圧を測定し、これが同じ値Vi
であり、双安定性を示すことを確認した。その後、セル
を安定状態Aにスイッチングさせ、30℃に保って3日
間放置したセルについて、安定状態Aから安定状態Bに
10%スイッチングさせるのに要する電圧VA→Bと、安
定状態Bから安定状態Aに10%スイッチングさせるの
に要する電圧VB →Aを測定した。
【0040】ここで、焼き付きの程度をあらわすパラメ
ータとして、 S=(VA→B−VB→A)/Vi を定義し、この値の大きさによって焼き付きの程度を見
積った。
【0041】内部全反射法によって求めた界面における
チルト角θと、界面のチルト角θとシェブロン構造の傾
き角δとプレチルト角αとから前述の式を用いて計算さ
れた界面でのコーン角θS ,及び測定された焼き付きの
程度を表わすパラメータSを表4に示す。
【0042】
【表4】 表4に示した様に、界面でのコーン角θS が真のチルト
角Θ22.2°の1/4以下のLP64,PVA(R−
2105)を配向膜に用いたセルでは、焼き付きによる
しきい値電圧の変化が少なかった。
【0043】(実施例2)以下、本発明に係る液晶素子
を作成した第2の実施例について説明する。
【0044】ガラス基板上にITO膜をスパッタ法によ
って約150nmの厚さに形成し、この上に、クラレ社
製PVA(R−2105)の1%水溶液を、33.3回
転/秒,20秒間の条件でスピンコートし、100℃で
10分の前焼成の後、180℃で30分焼成し配向膜を
作成した。
【0045】また、実施例1で述べた高屈折率ガラス半
球プリズムの底面上にもスパッタ法でITOを約150
nmの厚さに形成し、この上にも、上記のガラス基板の
場合と同様にPVA(R−2105)の配向膜を作成し
た。作成した配向膜の膜厚は、190Åであった。
【0046】この様にガラス基板上、及びプリズム底面
上に作成した配向膜に対して、表5に示す様にローラー
回転数を3通り変化させてラビング処理を施した。
【0047】
【表5】 この様にして作成したガラス基板、及び半球プリズム底
面に同じ処理をしたガラス基板を、互いのラビング方向
が同じになる様に、1.5μmのギャップを保って貼り
合わせ、セルを作成した。
【0048】該セルのプレチルト角αをクリスタルロー
テーション法によって求めたところ、上のNo.1〜3
のラビング条件のいずれで作成したセルにおいても、プ
レチルト角αはほとんど0°であった。また、X線回折
分析によって求めたシェブロン構造の傾き角δは、1〜
3のいずれの条件で作成したセルにおいても4.0°で
あった。
【0049】該セルに実施例1で述べたのと同じフェニ
ルベンゾエート系液晶を主成分とする多成分液晶で真の
チルト角Θが30℃で22.2°の強誘電液晶を注入し
た。その後実施例1で述べたのと同様に、このセルに1
20V,10Hzの交流電界を3分間印加させる処理を
行ったところ、見かけのチルト角は、8.5°から1
9.5°にと増大した。
【0050】半球プリズムとガラス基板によって作成さ
れたセルについて、前記交流印加処理を行った後に、実
施例1で述べた内部全反射法による界面におけるチルト
角θの測定を行った。
【0051】次に、上下ともにガラス基板を用いて作成
したセルを用いて、実施例1で述べたのと同じ方法で焼
き付きの評価を行った。
【0052】内部全反射法によって求めた界面における
チルト角θと、界面のチルト角θとシェブロン構造の傾
き角δとプレチルト角αとから前述の式を用いて計算さ
れた界面でのコーン角θS ,及び測定された焼き付きの
程度を表わすパラメータSを表6に示す。
【0053】
【表6】 表6に示した様に、ラビング条件を変化させて界面での
コーン角θS を真のチルト角Θ22.2°の1/4以下
にしたセルでは、焼き付きによるしきい値電圧の変化が
少なかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
双安定状態の安定性に優れ、しきい値が変化することが
少なく、焼き付きを防止した強誘電性液晶素子を得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる液晶素子の模式的
断面図。
【図2】本発明において界面でのチルト角θを測定する
のに用いた内部全反射法測定装置の構成の概略図。
【図3】マトリクス表示パネルの模式図。
【図4】界面におけるチルト角θ,界面におけるコーン
角θs ,プレチルト角α,シェブロン構造の傾き角δを
示す図。
【符号の説明】
11a,11b 基板 12a,12b 透明電極 13a,13b 絶縁膜 14a,14b 配向制御膜 15 強誘電性液晶 16 ビーズスペーサ 17a,17b 偏光板 21 光学顕微鏡 22 ITO配向膜付き半球プリズム 23 強誘電性スメクチック液晶 24 ITO配向膜付きガラス基板 25 回転ステージ 26 白色光源 27 He−Neレーザー 28 光電子増倍管 29a,29b 偏光子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電性液晶と、この強誘電性液晶を間
    に保持して対向するとともにその対向面にはそれぞれ強
    誘電性液晶に電圧を印加するための電極が形成されかつ
    強誘電性液晶を配向するための相互にほぼ平行で同一方
    向もしくは逆方向の一軸性配向処理が施された一対の基
    板とを備え、配向状態における強誘電性液晶が少くとも
    2つの安定状態を示す強誘電性液晶素子において、プレ
    チルト角αが10°以下で、界面における強誘電性液晶
    分子のコーン角θs が真のチルト角Θに比べて小さいこ
    とを特徴とする強誘電性液晶素子。
  2. 【請求項2】 界面における強誘電性液晶分子のコーン
    角θs が真のチルト角Θの1/4以下である請求項1記
    載の強誘電性液晶素子。
  3. 【請求項3】 界面における強誘電性液晶分子のコーン
    角θs が真のチルト角Θの1/6以下である請求項1記
    載の強誘電性液晶素子。
  4. 【請求項4】 界面における強誘電性液晶分子のコーン
    角θs が真のチルト角Θの1/8以下である請求項1記
    載の強誘電性液晶素子。
  5. 【請求項5】 界面における強誘電性液晶分子のチルト
    角θが真のチルト角Θの1/4以下である請求項2記載
    の強誘電性液晶素子。
  6. 【請求項6】 界面における強誘電性液晶分子のチルト
    角θが真のチルト角Θの1/6以下である請求項3記載
    の強誘電性液晶素子。
  7. 【請求項7】 界面における強誘電性液晶分子のチルト
    角θが真のチルト角Θの1/8以下である請求項4記載
    の強誘電性液晶素子。
  8. 【請求項8】 プレチルト角αが5°以下である請求項
    1〜7記載の強誘電性液晶素子。
  9. 【請求項9】 プレチルト角αが2°以下である請求項
    1〜7記載の強誘電性液晶素子。
  10. 【請求項10】 シェブロン構造の傾き角度δが10°
    以下である請求項1〜9記載の強誘電性液晶素子。
  11. 【請求項11】 シェブロン構造の傾き角度δが5°以
    下である請求項1〜9記載の強誘電性液晶素子。
  12. 【請求項12】 交流を印加することによって見かけの
    チルト角を交流を印加しない場合よりも大きくすること
    ができる様な請求項1〜11記載の強誘電性液晶素子。
JP4354785A 1992-12-17 1992-12-17 強誘電性液晶素子 Withdrawn JPH06186565A (ja)

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JP4354785A JPH06186565A (ja) 1992-12-17 1992-12-17 強誘電性液晶素子

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JP4354785A JPH06186565A (ja) 1992-12-17 1992-12-17 強誘電性液晶素子

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JPH06186565A true JPH06186565A (ja) 1994-07-08

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