JPH0618404A - 衣服のなめらかさを測定する方法および装置 - Google Patents
衣服のなめらかさを測定する方法および装置Info
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- JPH0618404A JPH0618404A JP17833692A JP17833692A JPH0618404A JP H0618404 A JPH0618404 A JP H0618404A JP 17833692 A JP17833692 A JP 17833692A JP 17833692 A JP17833692 A JP 17833692A JP H0618404 A JPH0618404 A JP H0618404A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ストッキング等、人体の足または脚部を覆
う筒状部を備えた衣服について、その肌触りの一要素で
あるなめらかさを、実際に衣服を着用している状態に準
じて直接に測定し、客観的に数量化して新製品の開発に
役立てる。 【構成】 ストッキングを実物大の脚型に装着し、そ
の脚型表面上に設置した摩擦特性を測定する装置の摩擦
子を、衣服の裏面に接触させ、さらにその摩擦子を脚型
の上下方向に駆動させることによって、衣服の裏面、す
なわち肌に直接触れる面の摩擦特性を測定し、この測定
によって得られる摩擦抵抗力の大きさを肌触りとしての
なめらかさの尺度に使用する。
う筒状部を備えた衣服について、その肌触りの一要素で
あるなめらかさを、実際に衣服を着用している状態に準
じて直接に測定し、客観的に数量化して新製品の開発に
役立てる。 【構成】 ストッキングを実物大の脚型に装着し、そ
の脚型表面上に設置した摩擦特性を測定する装置の摩擦
子を、衣服の裏面に接触させ、さらにその摩擦子を脚型
の上下方向に駆動させることによって、衣服の裏面、す
なわち肌に直接触れる面の摩擦特性を測定し、この測定
によって得られる摩擦抵抗力の大きさを肌触りとしての
なめらかさの尺度に使用する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ストッキング等、人
体の足または脚部を覆う筒状部を備えた衣服の肌触りの
一要素であるなめらかさを測定するための方法および装
置に関するものであり、従来、官能テストによる評価に
頼っていた衣服の肌触りとしてのなめらかさを数量化す
るための一手段を提供するものである。
体の足または脚部を覆う筒状部を備えた衣服の肌触りの
一要素であるなめらかさを測定するための方法および装
置に関するものであり、従来、官能テストによる評価に
頼っていた衣服の肌触りとしてのなめらかさを数量化す
るための一手段を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】衣服の肌触りを判断する尺度として、衣
服を構成する布地表面のなめらかさがあることが知られ
ているが、従来は、単に、衣服を構成する布地の一部を
裁断したものを試料とする摩擦試験等が行われていたに
過ぎず、実際に衣服を着用している状態に準じた、衣服
表面のなめらかさを直接測定するための方法および装置
は存在しない。
服を構成する布地表面のなめらかさがあることが知られ
ているが、従来は、単に、衣服を構成する布地の一部を
裁断したものを試料とする摩擦試験等が行われていたに
過ぎず、実際に衣服を着用している状態に準じた、衣服
表面のなめらかさを直接測定するための方法および装置
は存在しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、衣服の肌触り
の一要素であるなめらかさを計測する方法として、衣服
を構成する布地について単に、その構成布地の一部を裁
断したものを試料とする摩擦試験等が行われていたに過
ぎず、実際に衣服を着用している状態に準じた測定方法
ではなく、よって衣服としての肌触りの官能値とは対応
がとれるものではなかった。この発明は、このような事
情に鑑みなされたもので、ストッキング、ソックス、ズ
ボン、スラックス等、人体の足または脚部を覆う筒状部
を備えた衣服について、その肌触りの一要素であるなめ
らかさを、実際に衣服を着用している状態に準じて直接
測定し、かつなめらかさの官能値と対応がとれるような
方法および装置を提供することをその目的とする。
の一要素であるなめらかさを計測する方法として、衣服
を構成する布地について単に、その構成布地の一部を裁
断したものを試料とする摩擦試験等が行われていたに過
ぎず、実際に衣服を着用している状態に準じた測定方法
ではなく、よって衣服としての肌触りの官能値とは対応
がとれるものではなかった。この発明は、このような事
情に鑑みなされたもので、ストッキング、ソックス、ズ
ボン、スラックス等、人体の足または脚部を覆う筒状部
を備えた衣服について、その肌触りの一要素であるなめ
らかさを、実際に衣服を着用している状態に準じて直接
測定し、かつなめらかさの官能値と対応がとれるような
方法および装置を提供することをその目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係る衣服の肌
触りの一要素であるなめらかさを測定するための方法
は、ストッキング等、人体の足または脚部を覆う筒状部
を備えた衣服を、実物大の脚型に装着し、その脚型表面
上に設置した摩擦特性を測定する装置の摩擦子を、衣服
の裏面に接触させ、さらにその摩擦子を脚型の上下方向
に駆動させることによって、衣服の裏面、すなわち肌に
直接触れる面の摩擦特性を測定し、この測定によって得
られる摩擦抵抗力の大きさを肌触りとしてのなめらかさ
の尺度に使用することを特徴とする。
触りの一要素であるなめらかさを測定するための方法
は、ストッキング等、人体の足または脚部を覆う筒状部
を備えた衣服を、実物大の脚型に装着し、その脚型表面
上に設置した摩擦特性を測定する装置の摩擦子を、衣服
の裏面に接触させ、さらにその摩擦子を脚型の上下方向
に駆動させることによって、衣服の裏面、すなわち肌に
直接触れる面の摩擦特性を測定し、この測定によって得
られる摩擦抵抗力の大きさを肌触りとしてのなめらかさ
の尺度に使用することを特徴とする。
【0005】また、この発明に係る衣服の肌触りの一尺
度であるなめらかさを測定するための装置は、水平な台
板上に、内部が空洞である実物大の脚型を倒立状に固定
してなる装置において、少なくともその脚型表面の一箇
所に、脚型内部と連通したスリット状の空洞部が、脚型
の長手方向に形成されており、その脚型空洞部に摩擦子
を有する摩擦特性を測定する装置が内蔵されており、上
記摩擦子は前記スリット部分より外側に向かって押し出
すことができ、かつ前記摩擦子が脚型の上下方向に駆動
自在である機構を持つことを特徴とする。
度であるなめらかさを測定するための装置は、水平な台
板上に、内部が空洞である実物大の脚型を倒立状に固定
してなる装置において、少なくともその脚型表面の一箇
所に、脚型内部と連通したスリット状の空洞部が、脚型
の長手方向に形成されており、その脚型空洞部に摩擦子
を有する摩擦特性を測定する装置が内蔵されており、上
記摩擦子は前記スリット部分より外側に向かって押し出
すことができ、かつ前記摩擦子が脚型の上下方向に駆動
自在である機構を持つことを特徴とする。
【0006】
【作用】上記の測定方法において、脚型内部と連通した
スリット状の空洞部より、その脚型に内蔵した摩擦特性
の測定装置の摩擦子を、脚型外枠より外側に向かって押
し出し、筒状部を備えた衣服に接触させ、さらに衣服の
裏面より外側に向かって押し出し、衣服に押圧荷重を掛
けた状態にした後、摩擦子を脚型の上下方向に駆動させ
ることによって発生する、衣服の裏面、すなわち肌に直
接触れる面の摩擦抵抗力を測定する。この測定によって
得られる摩擦抵抗力の大きさは肌触りの一要素であるな
めらかさの官能値との対応がとれることを見い出した。
したがって、この摩擦抵抗力を測定することにより、上
記衣服のなめらかさを、実際に衣服を着用している状態
に準じて直接知ることができ、上記の摩擦抵抗力をもっ
て衣服の肌触りの一要素であるなめらかさの尺度とする
ことができる。
スリット状の空洞部より、その脚型に内蔵した摩擦特性
の測定装置の摩擦子を、脚型外枠より外側に向かって押
し出し、筒状部を備えた衣服に接触させ、さらに衣服の
裏面より外側に向かって押し出し、衣服に押圧荷重を掛
けた状態にした後、摩擦子を脚型の上下方向に駆動させ
ることによって発生する、衣服の裏面、すなわち肌に直
接触れる面の摩擦抵抗力を測定する。この測定によって
得られる摩擦抵抗力の大きさは肌触りの一要素であるな
めらかさの官能値との対応がとれることを見い出した。
したがって、この摩擦抵抗力を測定することにより、上
記衣服のなめらかさを、実際に衣服を着用している状態
に準じて直接知ることができ、上記の摩擦抵抗力をもっ
て衣服の肌触りの一要素であるなめらかさの尺度とする
ことができる。
【0007】また、上記測定装置において、スリット状
の空洞部より、脚型に内蔵した摩擦特性測定装置の摩擦
子を、脚型外枠より外側に向かって押し出すことがで
き、かつ摩擦子が上下方向に駆動自在であるという機構
を持つもので、上記脚型に衣服を装着させた場合に、押
圧荷重調整用ハンドル16によって押し出された摩擦子
を衣服に接触させることにより、衣服の一定面積に、一
定の圧力を与えることができ、またその状態で摩擦子が
駆動するために、衣服の裏面、すなわち肌に直接触れる
面の摩擦抵抗力が測定でき、この測定によって得られる
摩擦抵抗力が力計によって検出される。したがって、こ
の摩擦抵抗力を測定することにより、上記衣服のなめら
かさを、実際に衣服を着用している状態に準じて直接測
定することができ、上記の摩擦抵抗力の大きさとなめら
かさの官能値との対応がとれることより、上記の摩擦抵
抗力をもって衣服の肌触りの一要素であるなめらかさが
測定できる。
の空洞部より、脚型に内蔵した摩擦特性測定装置の摩擦
子を、脚型外枠より外側に向かって押し出すことがで
き、かつ摩擦子が上下方向に駆動自在であるという機構
を持つもので、上記脚型に衣服を装着させた場合に、押
圧荷重調整用ハンドル16によって押し出された摩擦子
を衣服に接触させることにより、衣服の一定面積に、一
定の圧力を与えることができ、またその状態で摩擦子が
駆動するために、衣服の裏面、すなわち肌に直接触れる
面の摩擦抵抗力が測定でき、この測定によって得られる
摩擦抵抗力が力計によって検出される。したがって、こ
の摩擦抵抗力を測定することにより、上記衣服のなめら
かさを、実際に衣服を着用している状態に準じて直接測
定することができ、上記の摩擦抵抗力の大きさとなめら
かさの官能値との対応がとれることより、上記の摩擦抵
抗力をもって衣服の肌触りの一要素であるなめらかさが
測定できる。
【0008】
【実施例】次に、この発明を実施例について具体例と併
せて説明する。図1ないし図2は、この発明に係る測定
装置の一例を示す。図1において、10はアルミニウム
からなる内部が空洞である実物大の脚型であり、標準サ
イズの日本人女性の脚と実質的に同じ立体形状に作られ
ている。この脚型10は、逆さに立てられ、その大腿部
側の端部が長方形の水平支持板11の上に固定され、こ
の水平支持板11はさらにそれよりも大きい長方形の水
平な台板12の上に固定されている。
せて説明する。図1ないし図2は、この発明に係る測定
装置の一例を示す。図1において、10はアルミニウム
からなる内部が空洞である実物大の脚型であり、標準サ
イズの日本人女性の脚と実質的に同じ立体形状に作られ
ている。この脚型10は、逆さに立てられ、その大腿部
側の端部が長方形の水平支持板11の上に固定され、こ
の水平支持板11はさらにそれよりも大きい長方形の水
平な台板12の上に固定されている。
【0009】上記の台板12には、モーター固定格納部
材14を支える受け台15が固定されている。図3ない
し図4において、モーター固定格納部材14を前後に可
動させるための押圧荷重調整用ハンドル16は、そのシ
ャフト部が受け台15に摺動自在に挿通され、その先端
はナット17で固定されている。このシャフト部の一部
分はネジシャフト18となっており、この部分がモータ
ー固定格納部材14の下部のネジ溝部分と接合している
ので、押圧荷重調整用ハンドル16を回転させることに
よって、モーター固定格納部材14を前後に可動させる
ことができる。
材14を支える受け台15が固定されている。図3ない
し図4において、モーター固定格納部材14を前後に可
動させるための押圧荷重調整用ハンドル16は、そのシ
ャフト部が受け台15に摺動自在に挿通され、その先端
はナット17で固定されている。このシャフト部の一部
分はネジシャフト18となっており、この部分がモータ
ー固定格納部材14の下部のネジ溝部分と接合している
ので、押圧荷重調整用ハンドル16を回転させることに
よって、モーター固定格納部材14を前後に可動させる
ことができる。
【0010】モーター13の回転シャフトには、ネジシ
ャフト18が連結されており、モーター固定格納部材1
4の上部位置に摺動自在に挿通されている。このネジシ
ャフト18は、逆L字体19のネジ溝部分と接合してお
り、モーター13の正逆回転により逆L字体19が昇降
する。逆L字体19には、摩擦体支持部材1,20が取
り付けられており、力計21を介して摩擦体支持部材
2,22と連結されている。さらに摩擦体支持部材2,
22の上部位置には、2枚の鋼板23,23’、力計2
4および摩擦棒25などがそれぞれ結合された摩擦体2
6が接合されている。
ャフト18が連結されており、モーター固定格納部材1
4の上部位置に摺動自在に挿通されている。このネジシ
ャフト18は、逆L字体19のネジ溝部分と接合してお
り、モーター13の正逆回転により逆L字体19が昇降
する。逆L字体19には、摩擦体支持部材1,20が取
り付けられており、力計21を介して摩擦体支持部材
2,22と連結されている。さらに摩擦体支持部材2,
22の上部位置には、2枚の鋼板23,23’、力計2
4および摩擦棒25などがそれぞれ結合された摩擦体2
6が接合されている。
【0011】摩擦棒25の先端には、図5に示すような
表面に細い鋼丸棒を並べた凹凸状の摩擦子27が接合さ
れている。また、摩擦棒25は鋼板23,23’に孔を
開けて挿通され、ナット28,28’で鋼板23,2
3’に固定されている。また、該鋼板23,23’はそ
れぞれボルト29,29’で摩擦体26に固定されてい
る。摩擦体支持部材2,22は、逆L字体19に取り付
けた2個のベアリング30,30’によって、表側、裏
側の両側より上下動が可動なように支持されている。上
記の構造において、モーター13の正逆回転によって摩
擦体26およびそれに連結した摩擦子27が昇降する。
表面に細い鋼丸棒を並べた凹凸状の摩擦子27が接合さ
れている。また、摩擦棒25は鋼板23,23’に孔を
開けて挿通され、ナット28,28’で鋼板23,2
3’に固定されている。また、該鋼板23,23’はそ
れぞれボルト29,29’で摩擦体26に固定されてい
る。摩擦体支持部材2,22は、逆L字体19に取り付
けた2個のベアリング30,30’によって、表側、裏
側の両側より上下動が可動なように支持されている。上
記の構造において、モーター13の正逆回転によって摩
擦体26およびそれに連結した摩擦子27が昇降する。
【0012】衣服のなめらかさに関連する摩擦抵抗力を
測定する手順としては、脚型10の上端より、一例とし
て婦人用ストッキングを装着させた後、摩擦子27を昇
降ストロークの上端に位置させ、押圧荷重調整用ハンド
ル16を回し、脚型10のスリット部より摩擦子27
を、脚型外枠より外側に向かって押し出し、ストッキン
グに接触させ、さらにその裏面より外側に向かって押し
出してストッキングに押圧荷重を掛ける。押圧荷重の大
きさは、力計19によって検出される電圧等で調整す
る。所定の押圧荷重を掛けた状態にした後、モーター1
3を回転させ、ストッキングの被着面に沿って摩擦子2
7を脚型の下方に向かって駆動させる。摩擦子27の駆
動によって発生するストッキングの裏面、すなわち肌に
直接触れる面の摩擦抵抗力を力計21によって検出す
る。
測定する手順としては、脚型10の上端より、一例とし
て婦人用ストッキングを装着させた後、摩擦子27を昇
降ストロークの上端に位置させ、押圧荷重調整用ハンド
ル16を回し、脚型10のスリット部より摩擦子27
を、脚型外枠より外側に向かって押し出し、ストッキン
グに接触させ、さらにその裏面より外側に向かって押し
出してストッキングに押圧荷重を掛ける。押圧荷重の大
きさは、力計19によって検出される電圧等で調整す
る。所定の押圧荷重を掛けた状態にした後、モーター1
3を回転させ、ストッキングの被着面に沿って摩擦子2
7を脚型の下方に向かって駆動させる。摩擦子27の駆
動によって発生するストッキングの裏面、すなわち肌に
直接触れる面の摩擦抵抗力を力計21によって検出す
る。
【0013】したがって、この検出値を増幅する増幅
部、この検出値より摩擦抵抗力を算出する演算部および
演算計算を記録する記録部等をあらかじめ設けておくこ
とにより、上記のストッキングの摩擦抵抗力が求めら
れ、肌触りとしてのなめらかさが数値で表現される。な
お、0点調整装置、フルスケール調整装置および感度切
り替え装置等を設けることができ、これによって上記の
測定を一層容易にすることができる。
部、この検出値より摩擦抵抗力を算出する演算部および
演算計算を記録する記録部等をあらかじめ設けておくこ
とにより、上記のストッキングの摩擦抵抗力が求めら
れ、肌触りとしてのなめらかさが数値で表現される。な
お、0点調整装置、フルスケール調整装置および感度切
り替え装置等を設けることができ、これによって上記の
測定を一層容易にすることができる。
【0014】上記の装置を使用し、種々の婦人用サポー
トタイプパンティストッキングについて、その大腿部に
おける摩擦抵抗力を測定し、官能テストによる評価結果
と比較した。表1は、官能テストに用いた試料の構成明
細である。表中、DCYはダブルカバードヤーン、SC
Yはシングルカバードヤーンを表す。
トタイプパンティストッキングについて、その大腿部に
おける摩擦抵抗力を測定し、官能テストによる評価結果
と比較した。表1は、官能テストに用いた試料の構成明
細である。表中、DCYはダブルカバードヤーン、SC
Yはシングルカバードヤーンを表す。
【0015】
【表1】
【0016】これらの試料を用いて、各試料に評点1〜
7を与えるSD法7段階アンケート調査方式により、被
験者20名で着用テストを実施し、肌触りの一要素であ
るなめらかさを官能評価させた。
7を与えるSD法7段階アンケート調査方式により、被
験者20名で着用テストを実施し、肌触りの一要素であ
るなめらかさを官能評価させた。
【0017】一方、本発明に係わる装置により、上記試
料の摩擦抵抗力を測定した。この時の測定条件は、摩擦
子の大きさ0.5cm×0.5cm(接触面積は0.2
5cm2 )、摩擦子の 押圧荷重5gf、摩擦子の駆動
距離(測定距離)30mm、摩擦子の駆動速度1mm/
secとした。摩擦子の押圧荷重は、大きいほど摩擦抵
抗力は高く測定できるが、摩擦子を試料に接触させ、ス
リット部分より外側に向かって押し出すため、試料の変
形が大きくなって実際に衣服を着用している状態とはか
け離れてくる。また、あまりに押圧荷重が小さいと、摩
擦子の駆動距離すべてに渡る摩擦子と試料との均一な接
触が困難となり、測定ができなくなる。摩擦子の駆動速
度は、速いほど実際に衣服を着用している状態に近いと
いえるが、あまりに速くすることは、摩擦特性測定装置
の機構からいって無理がある。図5に本摩擦特性測定装
置による摩擦抵抗力の測定チャート例を示す。
料の摩擦抵抗力を測定した。この時の測定条件は、摩擦
子の大きさ0.5cm×0.5cm(接触面積は0.2
5cm2 )、摩擦子の 押圧荷重5gf、摩擦子の駆動
距離(測定距離)30mm、摩擦子の駆動速度1mm/
secとした。摩擦子の押圧荷重は、大きいほど摩擦抵
抗力は高く測定できるが、摩擦子を試料に接触させ、ス
リット部分より外側に向かって押し出すため、試料の変
形が大きくなって実際に衣服を着用している状態とはか
け離れてくる。また、あまりに押圧荷重が小さいと、摩
擦子の駆動距離すべてに渡る摩擦子と試料との均一な接
触が困難となり、測定ができなくなる。摩擦子の駆動速
度は、速いほど実際に衣服を着用している状態に近いと
いえるが、あまりに速くすることは、摩擦特性測定装置
の機構からいって無理がある。図5に本摩擦特性測定装
置による摩擦抵抗力の測定チャート例を示す。
【0018】上記摩擦抵抗力の測定結果と、官能テスト
によるなめらかさの評価結果とを表2に示す。表中で、
なめらかさの官能値は、値が大きいほど、肌触りがなめ
らかであると感じられることを表す。表2より、本測定
によって得られる摩擦抵抗力の大きさが大きいほど、ス
トッキングの肌触りはなめらかであると感じられている
ことがわかる。したがって、従来、数量化が不可能であ
った衣服の肌触りの一要素であるなめらかさの官能値
と、本発明に係わる装置による測定値に、対応がとれる
ことが見い出せた。
によるなめらかさの評価結果とを表2に示す。表中で、
なめらかさの官能値は、値が大きいほど、肌触りがなめ
らかであると感じられることを表す。表2より、本測定
によって得られる摩擦抵抗力の大きさが大きいほど、ス
トッキングの肌触りはなめらかであると感じられている
ことがわかる。したがって、従来、数量化が不可能であ
った衣服の肌触りの一要素であるなめらかさの官能値
と、本発明に係わる装置による測定値に、対応がとれる
ことが見い出せた。
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】上記のとおり、第1発明は、ストッキン
グ、ソックス、ズボン、スラックス等、人体の足または
脚部を覆う筒状部を備えた衣服を、実物大の脚型に装着
し、その脚型表面上に設置した摩擦特性を測定する装置
の摩擦子を、衣服の裏面に接触させ、さらにその摩擦子
を脚型の上下方向に駆動させることによって、衣服の裏
面、すなわち肌に直接触れる面の摩擦特性を測定するも
のである。この測定によって得られる摩擦抵抗力の大き
さが大きいほど、この衣服の肌触りはなめらかであると
感じられることから、従来、数量化が不可能であった衣
服の肌触りの一要素であるなめらかさを、実際に衣服を
着用している状態に準じて直接測定することによって得
られる摩擦抵抗力という数値で、再現性よく客観的に表
すことができるとともに、官能値との対応が良好である
ため、従来、官能テストによる評価に頼っていた衣服の
肌触りを数量化するための一手段とすることができ、官
能テストによる評価の多大な手間を省くことができる。
また、衣服の素材、構成条件およびデザイン等の改良を
目的として新製品を開発する研究にも有効に利用するこ
とができる。
グ、ソックス、ズボン、スラックス等、人体の足または
脚部を覆う筒状部を備えた衣服を、実物大の脚型に装着
し、その脚型表面上に設置した摩擦特性を測定する装置
の摩擦子を、衣服の裏面に接触させ、さらにその摩擦子
を脚型の上下方向に駆動させることによって、衣服の裏
面、すなわち肌に直接触れる面の摩擦特性を測定するも
のである。この測定によって得られる摩擦抵抗力の大き
さが大きいほど、この衣服の肌触りはなめらかであると
感じられることから、従来、数量化が不可能であった衣
服の肌触りの一要素であるなめらかさを、実際に衣服を
着用している状態に準じて直接測定することによって得
られる摩擦抵抗力という数値で、再現性よく客観的に表
すことができるとともに、官能値との対応が良好である
ため、従来、官能テストによる評価に頼っていた衣服の
肌触りを数量化するための一手段とすることができ、官
能テストによる評価の多大な手間を省くことができる。
また、衣服の素材、構成条件およびデザイン等の改良を
目的として新製品を開発する研究にも有効に利用するこ
とができる。
【0021】また、第2発明は、水平な台板上に、内部
が空洞である実物大の脚型を倒立状に固定してなる装置
において、少なくともその脚型表面の一箇所に、脚型内
部と連通したスリット状の空洞部が、脚型の長手方向に
形成されており、その脚型空洞部に摩擦子を有する摩擦
特性を測定する装置が内蔵されており、上記摩擦子は前
記スリット部分より外側に向かって押し出すことがで
き、かつ前記摩擦子が脚型の上下方向に駆動自在である
機構を持つものである。この装置に衣服を装着させた場
合には、押し出された摩擦子が衣服に接触した状態で駆
動させられるために、衣服の裏面、すなわち肌に直接触
れる面の摩擦特性が、実際に衣服を着用している状態に
準じて直接測定され、この測定によって得られる摩擦抵
抗力が力計によって検出される。したがって、上記第1
発明の測定に使用し、肌触りとしてのなめらかさを容易
に、かつ実際に衣服を着用している状態に準じて直接
に、再現性よく測定することができる。
が空洞である実物大の脚型を倒立状に固定してなる装置
において、少なくともその脚型表面の一箇所に、脚型内
部と連通したスリット状の空洞部が、脚型の長手方向に
形成されており、その脚型空洞部に摩擦子を有する摩擦
特性を測定する装置が内蔵されており、上記摩擦子は前
記スリット部分より外側に向かって押し出すことがで
き、かつ前記摩擦子が脚型の上下方向に駆動自在である
機構を持つものである。この装置に衣服を装着させた場
合には、押し出された摩擦子が衣服に接触した状態で駆
動させられるために、衣服の裏面、すなわち肌に直接触
れる面の摩擦特性が、実際に衣服を着用している状態に
準じて直接測定され、この測定によって得られる摩擦抵
抗力が力計によって検出される。したがって、上記第1
発明の測定に使用し、肌触りとしてのなめらかさを容易
に、かつ実際に衣服を着用している状態に準じて直接
に、再現性よく測定することができる。
【図1】 本発明の実施例の縦断面図である。
【図2】 本発明の実施例の縦側面図である。
【図3】 本発明の実施例の摩擦特性測定装置の拡大縦
断面図である。
断面図である。
【図4】 本発明の実施例の摩擦特性測定装置の拡大縦
側面図である。
側面図である。
【図5】 本発明の実施例装置による摩擦抵抗力の測定
チャート図である。
チャート図である。
10:内部が空洞である脚型、11:水平支持板、1
2:台板、13:モーター、14:モーター固定格納部
材、15:受け台、16:押圧荷重調整用ハンドル、1
7:ナット、18:ネジシャフト、19:逆L字体、2
0:摩擦体支持部材1、21:力計、22:摩擦体支持
部材2、23,23’:鋼板、24:力計、25:摩擦
棒、26:摩擦体、27:摩擦子、28,28’:ナッ
ト、29,29’:ボルト、30,30’:ベアリング
2:台板、13:モーター、14:モーター固定格納部
材、15:受け台、16:押圧荷重調整用ハンドル、1
7:ナット、18:ネジシャフト、19:逆L字体、2
0:摩擦体支持部材1、21:力計、22:摩擦体支持
部材2、23,23’:鋼板、24:力計、25:摩擦
棒、26:摩擦体、27:摩擦子、28,28’:ナッ
ト、29,29’:ボルト、30,30’:ベアリング
Claims (2)
- 【請求項1】 ストッキング等、人体の足または脚部を
覆う筒状部を備えた衣服を、実物大の脚型に装着し、そ
の脚型表面上に設置した摩擦特性を測定する装置の摩擦
子を、衣服の裏面に接触させ、さらにその摩擦子を脚型
の上下方向に駆動させることによって、衣服の裏面、す
なわち肌に直接触れる面の摩擦特性を測定し、この測定
によって得られる摩擦抵抗力の大きさを肌触りとしての
なめらかさの尺度に使用することを特徴とする衣服のな
めらかさを測定する方法。 - 【請求項2】 水平な台板上に、内部が空洞である実物
大の脚型を倒立状に固定してなる装置において、少なく
ともその脚型表面の一箇所に、脚型内部と連通したスリ
ット状の空洞部が、脚型の長手方向に形成されており、
その脚型空洞部に摩擦子を有する摩擦特性を測定する装
置が内蔵されており、上記摩擦子は前記スリット部分よ
り外側に向かって押し出すことができ、かつ前記摩擦子
が脚型の上下方向に駆動自在である機構を持つことを特
徴とする衣服のなめらかさの測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17833692A JPH0618404A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 衣服のなめらかさを測定する方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17833692A JPH0618404A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 衣服のなめらかさを測定する方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0618404A true JPH0618404A (ja) | 1994-01-25 |
Family
ID=16046712
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17833692A Pending JPH0618404A (ja) | 1992-07-06 | 1992-07-06 | 衣服のなめらかさを測定する方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0618404A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013387A1 (en) * | 2002-08-05 | 2004-02-12 | Invista Technologies S.À.R.L. | Sock testing method and apparatus for performing the same |
JP2014190770A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Uni Charm Corp | 着用物品の快適性評価方法 |
CN110146440A (zh) * | 2019-05-08 | 2019-08-20 | 上海工程技术大学 | 一种纺织材料与皮肤间摩擦性能的测试装置及方法 |
-
1992
- 1992-07-06 JP JP17833692A patent/JPH0618404A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004013387A1 (en) * | 2002-08-05 | 2004-02-12 | Invista Technologies S.À.R.L. | Sock testing method and apparatus for performing the same |
JP2014190770A (ja) * | 2013-03-26 | 2014-10-06 | Uni Charm Corp | 着用物品の快適性評価方法 |
CN110146440A (zh) * | 2019-05-08 | 2019-08-20 | 上海工程技术大学 | 一种纺织材料与皮肤间摩擦性能的测试装置及方法 |
CN110146440B (zh) * | 2019-05-08 | 2022-02-08 | 上海工程技术大学 | 一种纺织材料与皮肤间摩擦性能的测试装置及方法 |
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