JP3993742B2 - 生体電気測定用電極 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
生体電気測定用電極に関し、特に、繊維製の被服を着用した場合に適する生体電気測定用電極に関するものである
【０００２】
【従来の技術】
生体電気インピーダンスを測定し、体内脂肪量を推定する体内脂肪量計付き体重計が提案されている。
【０００３】
この体内脂肪重量計付き体重計は、被測定者が体重計に載ったとき、体重計の測定台表面の、両足の裏が接触する位置に生体電気インピーダンスを測定するための電極を設け、装置の指定された位置に素足で載ることにより、体内脂肪量を推定する為の因子の内、測定毎に変化のある生体末端間インピーダンスと体重とを同時に測定し、計算式に取り込むことが出来るものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
脂肪計付き体重計は、素足で測定器に載ることを想定して設計されており、システムの構成上、靴下を着用したままで使用したときは、電極と生体（例えば足の裏）との間の接触インピーダンスが大きく、この接触インピーダンスによる電圧降下が大きくなり、生体に所定の測定電流を流入させることが出来なくなり、正確な測定値を得ることが出来ない。
【０００５】
本発明の目的は、生体と、生体電気測定用電極との接触インピーダンスに大きな影響を与え、測定を不安定にする原因となる靴下を着用した状態でも、正確な生体電気を測定することが出来る生体電気測定用の電極を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明による生体電気測定用電極は、材質が弾力性のある導電性の樹脂であり、表面形状が前記樹脂を繊維状にして林立させた形状であることを特徴とする。
【００１０】
本発明の実施の形態によれば、前記導電性の樹脂が導電性ゴムである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して発明の実施の形態を参考例とともに説明する。
【００１２】
図１に本発明の第一参考例の外形図を示す。第一参考例による電極は、材質が金属で、その表面には、底面の各辺が５ミリメートルで傾斜角度がそれぞれ４５度のピラミッド型四角錐の突起が林立している。
【００１３】
この突起の形状は一例であり、前記形状に限定されるものではない。
【００１４】
この電極の突起に必要な条件は、電極に圧力が加えられたとき、繊維の編み目を通して皮膚に直接接触し、かつ皮膚及び繊維にダメージを与えないことである。 使用の状態により電極に加わる圧力は異なるので、使用状態に応じて、形状の細部は変えらるべきものである。
【００１５】
すなわち、靴下を着用した直立姿勢の足の裏には、大きな圧力が加わり、その調節が困難である。他方、下着を着用した腕部や胸部に接触させる場合は、大きな圧力は加え難いが、加える圧力を容易に調整することが出来る。
【００１６】
従って、電極の形状は、意図する測定条件に適した形状にする必要があり、このことは、その頂点の間隔は２〜６ミリメートル、頂点の角度は６０〜１２０度、高さは１〜３ミリメートルの内から適切な数値の組み合わせを選択することにより、最適の作用をする電極形状を得ることができるものである。
【００１７】
また、前記参考例は４角錐（ピラミッド型）で出来ているが、３角錐又は６角錐や円錐においても所望の効果を得ることができる。
【００１８】
図２に本発明の実施例の外形図を示す。使用部材は、弾力性のある導電性の樹脂で、その表面は、先端が細くなった円柱状の繊維が人工芝状に林立している形状をしている。
【００１９】
この繊維は弾力性に富んだ導電性の樹脂であり、繊維の編み目を通して被測定者の皮膚に到達するが、皮膚に食い込むことはなく、被服の繊維を切断することもないものである。
【００２０】
電極を構成する導電性の樹脂が、繊維の編み目を通して被測定者の皮膚に到達するので、素足と同様な良好な接触インピーダンスが得られる。
【００２１】
図３に更に別の参考例の外形図を示す。柔軟性に富んだ導電性のゴム状の薄板樹脂で構成し、圧力が加えられたとき、力が外側に逃げてしまわないよう、生体との接触面以外の輪郭部を高硬度の部材で覆ったものとなっている。
【００２２】
何れの実施例または参考例においても、被服の繊維と被測定者の皮膚にダメージを与えることなく、皮膚に直接接触し、測定用交流微電流を供給するに充分に小さい接触インピーダンスを保つことができる。
【００２３】
図４と図５にそれぞれ第一参考例の電極を使用した体脂肪計付き体重計の外観図と構成のブロック図を示す。
【００２４】
第一参考例による電極を使用した体脂肪計付き体重計は、被測定者の性別・身長・年齢等の身体的データを入力する入力装置８と、被測定者の体重を測定する重量測定装置９と、該重量測定装置の測定台１に被測定者が載ったとき、被測定者の両足の裏に接触する二対の足用電極２、３、４および５で身体の末端間の生体電気インピーダンスを測定するインピーダンス測定部１０と、入力された身体的データと測定された体重値及び両足間のインピーダンス値を演算処理して体内脂肪量を算出する演算装置１１と、入力された身体的特徴、測定された体重及び生体電気インピーダンス，および演算された体内脂肪量等を表示する表示装置６とを備える。インピーダンス測定用電極は、第一参考例のものであり、５ミリメートル間隔の格子の交点に、頂角が１２０度で、高さがほぼ１.４ミリメートルのピラミット状の突起がある金属板で構成されている。
【００２５】
次にこの体脂肪計付き体重計の使用方法及び動作を説明する。性別、年齢、身長を入力して、少し足を開き、左足の爪先部に電極２、踵に電極４、右足の爪先部に電極３、踵に電極４が接触する直立姿勢で測定台１に載り静止する。
【００２６】
測定者が静止すると、先ずＡＤ変換器は重量測定装置に接続され、測定者の体重に比例したデジタル値として記憶装置に記憶する。次にＡＤ変換器は電位差検出装置の出力部に接続され、生体電気インピーダンス測定用電極４と５の電圧差を差動増幅器でＮ倍に増幅し、半端整流器、ローパスフィルタで直流に変換された生体電気インピーダンスに比例したデジタル値に変換し、記憶装置に記憶する。
【００２７】
先に入力した個人の身体的特徴と、測定した体重と生体電気インピーダンスとを演算式に入力し、測定者の体脂肪率を算出し、体内脂肪量を推定しそれぞれの値を表示器に出力する。
【００２８】
第一参考例で示したインピーダンス測定用電極を適用した時は、被測定者が靴下を着用している場合でも、電極表面が小さい凹凸で覆われているために接触点が分散され、頂点部には大きな圧力が加えられ、電極表面の先端部が直接、足の裏の皮膚に接触し、靴下着用の被測定者の足の裏と電極の接触インピーダンスは、ほぼ素足に近い値となる。
【００２９】
従って、この体脂肪計付き体重計では、靴下を着用した時も、所定の測定用電流である正弦波電流を供給することができ、電極２から流入した電流は、他に流出することなく生体を通って電極３に達し、電極４と５の間の電位差は、正確な５００μＡの正弦波電流に依るものであり、正確な生体電気インピーダンスの測定値を得ることができるものである。
【００３０】
また、この体脂肪計付き体重計では装置に装着した電極を第一参考例のものとしたが、装置の電極は、公知のものを使い、表面が繊維を通して皮膚に接触できる形状・材質の導電性のシート状の部材を、装置に装着された電極の上に置き、その裏面が電極に接触する構成とすることにより所望の効果を得ることも可能である。
【００３１】
以上、第一参考例の電極を使用して生体電気インピーダンスを測定する装置の一つとして、４電極方式の体脂肪計付き体重計を説明したが、本発明の電極を２電極、８電極方式ばかりでなく、体水分量あるいは脈拍等を測定するための生体電気インピーダンスを測定する機器および生体電気を測定する心電計等の機器全てに適用することが可能である。
【００３２】
【発明の効果】
生体電気を測定する装置に本発明による電極を用いれば、被服の繊維の編み目に導電性の物体が入り込むので、素肌で使用したときに近い接触インピーダンスとなり、正確な生体電気を測定できる。
【００３３】
特に女性の集団検診等、脱ぐことが面倒なストッキングを着用している被測定者が多い場合、全員が特別な処置を取らなくてもスムーズに、正確な測定ができ、時間の節約にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明電極の第一参考例の外形図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）はＡ−Ａ断面図である。
【図２】 本発明の実施例の外形図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）はＢ−Ｂ断面図である。
【図３】 本発明の他の参考例の外形図であり、（ａ）は平面図、（ｂ）はＣ−Ｃ断面図である。
【図４】 本発明の第一参考例の電極を使用した実施例の外観図である。
【図５】 本発明の第一参考例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
１ 測定台
２ 電流供給電極Ａ１
３ 電流供給電極Ａ２
４ 電圧検出電極Ｂ１
５ 電圧検出電極Ｂ２
６ 表示装置
７ スタートスイッチ
８ 入力装置
９ 重量測定装置
１０ インピーダンス測定部
１１ 演算装置

Claims (2)

1. 材質が弾力性のある導電性の樹脂であり、表面形状が前記樹脂を繊維状にして林立させた形状であることを特徴とする生体電気測定用電極。
2. 前記導電性の樹脂が導電性ゴムであることを特徴とする請求項１に記載の生体電気測定用電極。

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