JPH06182928A - 虹彩粉 - Google Patents

虹彩粉

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JPH06182928A
JPH06182928A JP3691A JP3691A JPH06182928A JP H06182928 A JPH06182928 A JP H06182928A JP 3691 A JP3691 A JP 3691A JP 3691 A JP3691 A JP 3691A JP H06182928 A JPH06182928 A JP H06182928A
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Kojiro Nakayama
中山幸次郎
Taichiro Nakayama
中山太一郎
Takayuki Nakayama
中山敞之
Kentaro Horie
堀江健太郎
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NAKAYAMA KOGYO KK
NIKKA TECHNO KK
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NIKKA TECHNO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な金属又は金属化合物の蒸着薄膜の組合わ
せからなる蒸着薄膜構造体を有し、優美、美麗、鮮明で
高光輝性を有する虹彩が透視される虹彩粉を提供するに
ある。 【構成】第1の透明乃至半透明の保護層又は着色層の上
に透明乃至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透明の
第2の保護層又は着色層をこの順序にて有すると共に、
この第2の保護層又は着色層の上に反射率15〜35%
の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率0.5
〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率75
〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜から
なる第1の蒸着薄膜構造体を有し、その上に第3の保護
層又は着色層を有する積層体からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高光輝性を有する虹彩
粉及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属粉や金属蒸着粉は、仏壇、仏
具、漆器、扇子、額縁、襖、種々のマーキング材料、書
籍類の表紙の背文字や表装等の高級装飾用材料として、
或いは化粧品、医薬品、石鹸、トイレタリー製品、食品
等の包装材料の装飾用材料として広く用いられている。
しかしながら、従来の金属粉や金属蒸着粉は、金色、銀
色や、或いはそれらを着色した所謂メタリツク・カラー
を呈するのみで、その色調が単純であり、しかも、深み
がない。
【0003】そこで、このような金属粉や金属蒸着粉に
虹彩粉といわれる粉体を混合して、虹彩をもたせること
も試みられている。しかし、従来、知られている虹彩粉
は、合成樹脂の溶液を適宜の基材上にロールコーターに
て塗布し、乾燥して、光干渉の起こるような薄膜に積層
した後、基材を剥離し、得られた積層体を粉砕してなる
ものであるので、このような虹彩粉によれば、耐溶剤
性、耐薬品性、耐光性、耐候性、耐摩耗性、耐擦傷性等
の堅牢度に乏しく、短期間に虹彩効果が低減する等の欠
点がある。
【0004】他方、合成樹脂に代えて、硫化亜鉛、酸化
アンチモン、ビスマス、硫化カドミウム等を用いる虹彩
粉も知られているが、これらは虹彩効果に乏しく、ま
た、耐候性等の堅牢度にも乏しいうえに、材料が毒性を
有するので、実用には難点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の虹彩
粉における上記したような問題を解決するためになされ
たものであつて、新規な金属又は金属化合物の蒸着薄膜
の組合わせからなる蒸着薄膜構造体を有することによつ
て、優美、美麗、鮮明で高光輝性を有する虹彩が透視さ
れるのみならず、耐摩耗性、耐擦傷性、耐薬品性、耐溶
剤性、耐候性等の堅牢度にすぐれる虹彩粉を提供するこ
とを目的とする。
【0006】本発明においては、虹彩粉は、鱗片状物を
も含むものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による虹彩粉は、
透明乃至半透明の保護層又は着色層の間に、反射率15
〜35%の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈
折率0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反
射率75〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着
薄膜からなる蒸着薄膜構造体を有することを特徴とす
る。
【0008】本発明の好ましい一態様による虹彩粉は、
第1の透明乃至半透明の保護層又は着色層の上に透明乃
至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透明の第2の保
護層又は着色層をこの順序にて有すると共に、この第2
の保護層又は着色層の上に反射率15〜35%の低反射
性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率0.5〜2.5の
低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率75〜98%
の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる第1
の蒸着薄膜構造体を有し、その上に第3の保護層又は着
色層を有する積層体からなる。
【0009】本発明の好ましい別の態様による虹彩粉
は、第1の透明乃至半透明の保護層又は着色層の上に透
明乃至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透明の第2
の保護層又は着色層をこの順序にて有すると共に、この
第2の保護層又は着色層の上に反射率15〜35%の低
反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率0.5〜2.
5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率75〜9
8%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる
第1の蒸着薄膜構造体と屈折率0.5〜2.5の低屈折率の
金属酸化物蒸着薄膜及び反射率15〜35%の低反射性
の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる第2の蒸着薄膜
構造体を有し、更に、その上に第3の保護層又は着色層
を有する。
【0010】また、かかる虹彩粉は、本発明に従つて、
基材上に離型剤層を有し、その上の透明乃至半透明の保
護層又は着色層の間に、反射率15〜35%の低反射性
の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率0.5〜2.5の低
屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率75〜98%の
高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる蒸着薄
膜構造体を有する積層体を製造し、この積層体から前記
基材を剥離した後、残存する積層体を破砕することによ
つて得ることができる。
【0011】以下に図面に基づいて、本発明による虹彩
粉を説明する。先ず、本発明による虹彩粉の製造方法に
ついて説明する。図1は、本発明による好ましい一態様
としての虹彩粉を製造するための積層体を示す拡大断面
図である。この積層体1においては、基材2の上に離型
剤層3が形成されている。この離型剤層3の上に透明乃
至半透明の樹脂からなる第1の保護層又は着色層4、透
明乃至半透明の機能性樹脂層5及び透明乃至半透明の樹
脂からなる第2の保護層又は着色層6がこの順序にて積
層されている。更に、この第2の保護層6の上に金属又
は金属化合物の金属蒸着薄膜の組合わせからなる蒸着薄
膜構造体7が形成されている。
【0012】本発明によれば、この蒸着薄膜構造体7
は、低反射性蒸着薄膜8、低屈折性蒸着薄膜9及び高反
射性蒸着薄膜10がこの順序にて上記第2の保護層又は
着色層6の上に積層されてなる。更に、この蒸着薄膜構
造体7の高反射性蒸着薄膜10の上に第3の保護層又は
着色層11が形成されている。上記基材は、通常、合成
樹脂からなる透明又は半透明のフイルムであつて、かか
る合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリエステル、ポリイミド、ポリフエニレンサル
フアイド、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リカーボネート、ポリプロピレン、ポリシクロヘキサン
テレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニリデン等が用いられる。また、
セロハンも用いられる。これらは単独にて、又は複数が
積層されて用いられる。
【0013】このような基材上には、離型剤層が形成さ
れている。離型剤層は、特に限定されるものではなく、
例えば、シリコーン樹脂やフツ素樹脂等の樹脂類、ポリ
エチレンワツクス、カルナバワツクス、パラフインワツ
クス、蜜ロウ等のワツクス類のほか、脂肪酸エステル類
や種々の界面活性剤からなる。これらは、単独で、又は
複合して併用される。
【0014】離型剤層は、通常、上記したような樹脂、
ワツクス等を適宜の有機溶剤に溶解して溶液とし、これ
を上記基材上に適宜の塗工手段にて塗布し、乾燥して、
限定されるものではないが、通常、膜厚が0.1〜1μm
となるように形成される。上記塗工手段としては、例え
ば、グラビアコーター、リバースロールコーター、オフ
セツトグラビアコーター、ナイフドクターコーター、パ
イプドクターリバースコーター、スリツトリバースロー
ルコーター等を挙げることができる。しかし、これらに
限定されるものではない。
【0015】この離型剤層は、本発明による虹彩粉を製
造する工程において、後述するように、上記基材から剥
離される。離型剤層は、この基材の積層体からの剥離を
容易ならしめるものである。更に、離型材層は、本発明
による虹彩粉を例えばインキ組成物中に分散させるとき
に、ヒヒクル中でのその分散性を高める効果をも有す
る。
【0016】上述したように、離型剤層の上には、第1
の保護層又は着色層が設けられている。ここに、保護層
とは無色で透明又は半透明な樹脂層をいい、着色層とは
着色された透明又は半透明の樹脂層をいう。膜厚は、特
に限定されるものではないが、通常、0.1〜1μmの範
囲が適当である。このような第1の保護層又は着色層
は、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂からなるものであつ
てよい。このような熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂とし
て、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、メラミン−エポ
キシ共重合体樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、メラミ
ン−アクリル共縮合樹脂等のアミノ樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂等からなる。これらの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂
の溶液を常法にて前記離型剤層上に塗布し、乾燥するこ
とによつて、第1の保護層又は着色層を離型剤層上に形
成することができる。
【0017】本発明においては、上記第1の保護層又は
着色層は、特に活性エネルギー線硬化型樹脂の薄膜から
なるのが好ましい。第1の保護層又は着色層は、本発明
による虹彩粉の表面を構成するので、活性エネルギー線
硬化型樹脂からなる薄膜を上記第1の保護層又は着色層
とすることによつて、耐摩耗性及び耐擦傷性のみなら
ず、耐候性や耐薬品性にもすぐれる虹彩粉を得ることが
できる。
【0018】上記活性エネルギー線硬化型樹脂として
は、既に種々のものが知られており、本発明において
は、それらのいずれをも用いることができるが、好まし
くは、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂が用いら
れる。紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線活性
基としてアクリロイル基又はメタアクリロイル基を有す
る化合物又は重合体が好適に用いられる。このような化
合物又は重合体として、例えば、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ポリエステルアクリレート、エ
ポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリ
オールアクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリ
ゴアクリレート、アルキドアクリレート等を挙げること
ができる。これら紫外線硬化型樹脂は、通常、オリゴマ
ーとしてのポリアクリレートとその希釈剤としての単量
体が併用される。更に、必要に応じて、増感剤、重合開
始剤、安定剤、充填剤等が併用される。
【0019】他方、電子線硬化型樹脂としては、例え
ば、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、
エポキシアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポ
リエーテルアクリレート、メラミンアクリレート、ポリ
オールアクリレート等のポリアクリレート類、ポリエス
テルメタクリレート、エポキシメタクリレート、ポリウ
レタンメタクリレート、ポリエーテルメタクリレート、
メラミンメタクリレート、ポリオールメタクリレート等
のポリメタクリレート類、スチレンやα−メチルスチレ
ン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル
酸メトキシエチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル等のメタクリル酸エステル類等を
挙げることができる。これらは単独で、又は混合物とし
て用いられる。
【0020】この第1の保護層又は着色層は、虹彩粉の
表面保護の機能に加えて、特に着色層であるときは、本
発明による虹彩粉に透視される虹彩がこの着色層の色調
と混じりあつて、複雑微妙な色調を与えると共に、立体
的な深みをもたせるための背景として機能する。上記第
1の保護層又は着色層の上には、透明乃至半透明の機能
性樹脂層が形成されている。前記第1の保護層又は着色
層は、その上にこの機能性樹脂層を安定に形成するため
のアンカー層の機能をも有している。
【0021】この機能性樹脂層は、例えば、蛍光性や示
温性等の機能性を有し、通常、蛍光染料や、蛍光顔料、
蓄光性顔料や、示温性インキを含む合成樹脂印刷インキ
にて、上記第1の保護層又は着色層の上に印刷を施すこ
とによつて形成される。その膜厚は、限定されるもので
はないが、通常、0.1〜5μmの範囲であり、1〜3μ
mの範囲が好適である。
【0022】機能性樹脂層は、更に必要に応じて、通常
の染料や顔料、体質顔料、パール顔料、金属粉顔料等を
含んでいてもよい。また、機能性樹脂層を形成するため
の樹脂は、通常の焼付け硬化型のものであつてもよく、
或いは前述したような活性エネルギー線硬化型のもので
あつてもよい。この機能性樹脂層の上には、透明乃至半
透明の樹脂層からなる第2の保護層又は着色層が形成さ
れており、更に、この第2の保護層又は着色層の上に3
層からなる金属又は金属酸化物の蒸着薄膜構造体が形成
されている。
【0023】第2の保護層は、このような蒸着薄膜を形
成する際に、真空下に前記機能性樹脂層を印刷形成する
際に、樹脂層から放出される残留溶剤ガスや可塑剤ガス
等によつて、蒸着薄膜にブラツシング現象が生じるのを
防止すると共に、蒸着薄膜の密着性を高めるものであ
る。この第2の保護層又は着色層としては、前述した第
1の保護層又は着色層と同様の樹脂が用いられる。その
膜厚も、第1の保護層と同様、通常、0.1〜1μmの範
囲が適当である。
【0024】本発明による虹彩粉においては、この第2
の保護層の上に蒸着薄膜構造体が形成されている。この
蒸着薄膜構造体は、第2の保護層又は着色層の上に反射
率15〜35%の低反射性の金属又は金属酸化物蒸着薄
膜、屈折率0.5〜2.5の低屈折性の金属酸化物蒸着薄膜
及び反射率75〜98%の高反射性の金属蒸着薄膜がこ
の順序にて蒸着積層されて構成されている。
【0025】先ず、反射率15〜35%の低反射性の金
属又は金属酸化物蒸着薄膜は、例えば、クロム、チタ
ン、銅、酸化第二銅、酸化クロム、酸化亜鉛等からな
る。例えば、クロム蒸着薄膜は、膜厚が30〜80オン
グストロームの範囲にあることが好ましく、また、銅蒸
着薄膜は、その膜厚が50〜100オングストロームの
範囲にあることが好ましい。
【0026】屈折率0.5〜2.5の低屈折性の金属酸化物
蒸着薄膜は、例えば、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸
化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化チタン、フツ
化マグネシウム、フツ化カルシウム等からなる。これら
のなかでは、特に一酸化ケイ素や二酸化ケイ素のような
ケイ素酸化物からなる蒸着薄膜が一層鮮明な虹彩色を与
えることができるので好ましい。
【0027】反射率75〜98%の高反射性の金属蒸着
薄膜は、例えば、アルミニウム、スズ、ニツケル、金、
銀等又はそれらの合金からなる。このような蒸着薄膜
は、例えば、常法に従つて、高周波誘導加熱法、電気抵
抗加熱法、スパツターリング法、イオンプレーテイング
法、電子線加熱蒸着法等によつて形成することができ
る。
【0028】この蒸着薄膜構造体の上に第3の保護層又
は着色層が前述した第1又は第2の保護層又は着色層と
同様にして形成されている。この第3の保護層又は着色
層は、本発明による虹彩粉の裏面をなす前記高反射性の
金属蒸着薄膜を保護すると共に、着色層であるときは、
この第3の着色層を透過し、高反射性の金属蒸着薄膜で
反射される光に彩色を与える。
【0029】上述のようにして得られた積層体から前記
基材を剥離し、この残存する積層体を機械的に又は手揉
みにて粉末又は鱗片状物に粉砕することによつて、図3
に示すような本発明による好ましい一態様としての虹彩
粉を得ることができる。機械的に粉砕するには、例え
ば、アトライター、ハンマーミル、ボールミル、ニーダ
ー、ローラーミル等を用いることができる。
【0030】これらのなかでは、特に、ローラーミルを
用いる破砕が有利である。例えば、ローラーミルに前記
した基材を剥離した後の積層体を充填し、粉塵爆発の防
止のために好ましくは窒素ガス雰囲気下にローラーミル
を作動させることによつて、効率的に虹彩粉を得ること
ができる。更に、ローラーミルを用いる破砕に際して
は、発熱や爆発防止のために、適量の界面活性剤を併用
するのが望ましく、また、界面活性剤を併用することに
よつて、一層効率的に破砕粉又は鱗片状粉を得ることが
できる。
【0031】得られる破砕粉又は鱗片状粉の粒径は、ロ
ーラーミルの破砕回転時間によつて調整することができ
る。本発明によれば、粒径は、用途にもよるが、通常、
1〜1000μmの範囲が適当である。また、厚みは、
通常、0.5〜10μmの範囲である。また、この粒径及
び厚みは、用途に応じて適宜に定められる。例えば、引
箔用仕上基材、布帛用バインダー基材、金糸銀糸用基
材、水引用塗料基材、仏壇、仏具、襖、屏風等の伝統産
業用資材や、また、漆器、扇子、額縁、陶器、工芸品の
装飾用材料、マーキング材料、ガラス製品等の伝統工芸
品、陶芸品用途には、粒径1〜500μm、厚み0.5〜
5μmであるものが好適に用いられる。メタリツク顔料
箔基材、虹彩ブロツキング箔用基材、壁紙用箔基材、転
写用箔基材等の産業資材用途には、粒径1〜10μm、
厚み0.5〜5μmであるものが好適に用いられる。
【0032】シユリンクフイルム加工用印刷インキ組成
物、シールラベル用印刷インキ組成物、貼着用シールワ
ツペン用印刷インキ組成物、書籍類の表紙の背文字や表
装等の高級装飾用印刷インキ組成物、化粧品、医薬品、
石鹸、トイレタリー製品、食品等の包装装飾用印刷イン
キ組成物、プラスチツク銘板用インキ組成物等の分野に
も、粒径1〜10μm、厚み0.5〜5μmであるものが
好適に用いられる。更に、食品、医薬品、化粧品等の局
面容器、プラスチツク製ビデオカセツト用ケースほか、
種々のプラスチツク成形品への練り込み基材の用途に
は、粒径1〜200μm、厚み0.5〜10μmであるも
のが好適に用いられる。しかし、本発明による虹彩粉の
粒径、厚み及び用途は、これら例示に何ら限定されるも
のではない。
【0033】図2は、本発明による第2の好ましい一態
様としての虹彩粉を製造するための積層体1を示す拡大
断面図である。この積層体においては、前述した積層体
において、前記蒸着薄膜構造体7を第1の蒸着薄膜構造
体とし、その高反射性蒸着薄膜10の上に、第2の蒸着
薄膜構造体12として、屈折率0.5〜2.5の低屈折性の
金属酸化物蒸着薄膜13及び反射率15〜35%の低反
射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜14がこの順序にて
蒸着積層され、その上に透明乃至半透明の第3の保護層
又は着色層15が形成されている。これら低屈折性の蒸
着薄膜と低反射性の蒸着薄膜は、前述したと同様にして
形成される。
【0034】このように得られた積層体から前記基材を
剥離し、残存する積層体を機械的に又は手揉みにて粉末
又は鱗片状物に粉砕することによつて、図4に示すよう
な本発明による別の好ましい態様としての虹彩粉を得る
ことができる。
【0035】
【発明の効果】本発明による虹彩粉の作用効果を図3に
基づいて説明する。この虹彩粉によれば、一般的には、
低反射性蒸着薄膜の膜厚及びそれを構成する金属又は金
属酸化物種と低屈折性蒸着薄膜の膜厚及びそれを構成す
る金属又は金属酸化物種との組合わせによつて、低反射
性蒸着薄膜によつて反射(これを初期反射という。)さ
れる光の色が決まり、その補色が低屈折性蒸着薄膜を透
過して、高反射性蒸着薄膜にて反射(最終反射とい
う。)され、かくして、虹彩粉の表面においては、初期
反射光と最終反射光によつて二彩色の虹彩が透視され
る。この虹彩は、前記着色層4及び機能性樹脂層5と共
に透視される。
【0036】また、虹彩粉の裏面においては、第3の保
護層又は着色層11を介して、前記高反射性蒸着薄膜1
0の反射光が透視される。表1に低反射性蒸着薄膜、低
屈折性蒸着薄膜及び高反射性蒸着薄膜を構成するそれぞ
れの金属又は金属化合物種及びその膜厚と虹彩の色調と
の関係を示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1において、低反射性蒸着薄膜と高反射
性蒸着薄膜の○印は、低屈折率蒸着薄膜と共に蒸着薄膜
構造体を構成する金属又は金属化合物種を示す。尚、低
反射性蒸着薄膜の膜厚は、クロムが30〜80オングス
トローム、チタンが50〜70オングストローム、銅が
50〜100オングストローム及び亜鉛が30〜80オ
ングストロームであり、高反射性蒸着薄膜の膜厚は、ア
ルミニウムが400〜500オングストローム、ニツケ
ルが350〜450オングストローム及びスズが350
〜400オングストロームである。
【0039】例えば、低反射性蒸着薄膜が膜厚30〜8
0オングストロームのクロム蒸着薄膜であり、低屈折性
蒸着薄膜が膜厚800〜1100オングストロームの二
酸化ケイ素蒸着薄膜であるとき、入射光のうち、緑色成
分が初期反射され、その補色である桃色成分は低屈折性
蒸着薄膜を透過し、高反射性蒸着薄膜で最終反射される
ので、緑色と桃色の二彩色の虹彩を得ることができる。
低反射性蒸着薄膜が膜厚30〜80オングストロームの
クロム蒸着薄膜であり、低屈折性蒸着薄膜が膜厚600
〜700オングストロームの一酸化ケイ素蒸着薄膜であ
るとき、入射光のうち、青色成分が初期反射され、その
補色である黄色(金色)成分は低屈折性蒸着薄膜を透過
して、高反射性蒸着薄膜で最終反射されるので、青色と
黄色(金色)の二彩色の虹彩を得ることができる。
【0040】低反射性蒸着薄膜が膜厚50〜100オン
グストロームの銅蒸着薄膜であり、低屈折性蒸着薄膜が
膜厚700〜800オングストロームの二酸化ケイ素蒸
着薄膜であるとき、入射光のうち、黄色(金色)成分が
初期反射され、その補色である緑色成分が低屈折性蒸着
薄膜を透過して、高反射性蒸着薄膜で最終反射されるの
で、黄色(金色)と緑色の二彩性の虹彩を得ることがで
きる。
【0041】しかし、低反射性蒸着薄膜が膜厚50〜1
00オングストロームの銅蒸着薄膜であつても、低屈折
性蒸着薄膜を膜厚500〜600オングストロームの一
酸化ケイ素蒸着薄膜とすれば、入射光のうち、濃紺色成
分が初期反射され、その補色である紫色成分が低屈折性
蒸着薄膜を透過して、高反射性蒸着薄膜で最終反射され
るので、濃紺色と紫色の二彩性の虹彩を得ることができ
る。
【0042】更に、別の例として、低反射性蒸着薄膜が
膜厚50〜70オングストロームのチタン蒸着薄膜であ
り、低屈折性蒸着薄膜が膜厚1100〜1300オング
ストロームの一酸化ケイ素蒸着薄膜であるとき、入射光
のうち、橙色成分が初期反射され、その補色である赤色
成分が低屈折性蒸着薄膜を透過して、高反射性蒸着薄膜
で最終反射されるので、橙色と赤色の二彩色の虹彩を得
ることができる。
【0043】以上のように、クロム又は銅からなる低反
射性蒸着薄膜の膜厚を一定とし、ケイ素酸化物蒸着薄膜
の膜厚を、それぞれの色調を発生する一定の膜厚範囲に
保持することによつて、それぞれの色調を有する二彩色
の虹彩を得ることができる。しかしながら、本発明によ
れば、積層体の製造において、基材の幅方向又は長手方
向、その他任意の方向にケイ素酸化物蒸着薄膜の膜厚を
不均一とするとき、虹彩粉は極めて優美で美麗で且つ立
体感に溢れる多彩色性又は玉虫色の高光輝性の虹彩を生
じる。
【0044】次に、図4に示す虹彩粉においては、低反
射性の蒸着薄膜、低屈折性の蒸着薄膜及び高反射性の蒸
着薄膜からなる第1の蒸着薄膜構造体7の上に、更に、
同様の低屈折性の蒸着薄膜13と低反射性の蒸着薄膜1
4からなる第2の蒸着薄膜構造体12が積層されてお
り、その上に第3の保護層又は着色層15が積層されて
いる。従つて、かかる虹彩粉によれば、第1の蒸着薄膜
の有する高反射性の蒸着薄膜10を共有する結果とし
て、虹彩粉の裏面においても、表面と同様の虹彩が第3
の保護層又は着色層15を介して透視されるので、表裏
二面性の虹彩粉を得ることができる。
【0045】特に、この表裏二面性の虹彩粉によれば、
第1と第2の蒸着薄膜を高反射性の蒸着薄膜を中心とし
て対称に形成すれば、表裏面に同一の二彩色性の虹彩が
透視され、他方、非対称とすれば、表裏面に異なる二彩
色性の虹彩が透視され、更に、表裏面のいずれか、又は
両方の蒸着薄膜の膜厚を前述したように不均一とすれ
ば、多彩性の虹彩が透視される。
【0046】かかる本発明による虹彩粉は、前述したよ
うに、例えば、化粧品箱の表面文字絵柄模様、書籍等の
表紙や背文字、プラスチツクパネル、カード、玩具の表
面文字絵柄模様、繊維製品や布帛用バインダー転写箔基
材、西陣織の帯地の横糸用として不可欠の引箔用転写材
等として好適に用いられる。
【0047】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、部は重量部を示す。 実施例1 シリコーン樹脂1部、ロジン変性マレイン酸樹脂5部、
セルロースアセテートプロピオネート10部及びカルナ
バワツクス25部をキシレン30部、メチルエチルケト
ン14部、アセトン10部及びメチルグリコール5部か
らなる混合溶剤に加え、十分に混和した。これを透明な
ポリエチレンテレフタレートフイルムの片面上にグラビ
アコーターにて塗布し、130℃で乾燥して、厚さ0.5
μmの離型剤層を形成した。
【0048】次に、ポリエステルメタクリレート20
部、ポリエステルアクリレート15部及びメタクリル酸
メチル15部をベンゾフエノン系増感剤1部と共に、酢
酸エチル9部、メチルエチルケトン30部及びメチルイ
ソブチルケトン10部からなる混合溶剤に加え、十分に
混和して、紫外線硬化型樹脂溶液を調製した。これを前
記離型剤層の上にグラビアコーターにて塗布し、150
℃で乾燥させた後、高圧水銀ランプ(出力30KW、波
長250〜420nm)を用いて30m/分の速度で硬
化させ、膜厚0.5μmの第1の保護層を形成した。
【0049】次いで、染料「ザポンフアーストイエロー
R」(BASF社製)1部、「ザポンフアーストイエロ
ーGR」(BASF社製)1部、蛍光染料「フルオレツ
センス・イエロー083」(BASF社製)8部、ポリ
ウレタン樹脂15部、メラミン樹脂15部及び硬化剤p
−トルエンスルホン酸4部をメチルエチルケトン31
部、キシレン10部、トルエン10部及びイソプロピル
アルコール5部からなる混合溶剤に加え、十分に混練混
和して、印刷インキを調製した。この印刷インキを用い
て上記保護層の上に絵柄模様をグラビア印刷し、150
〜170℃で焼付け硬化させ、厚さ1.5μmの絵柄模
様印刷層を形成した。
【0050】メラミン−尿素共縮合樹脂(50%溶液)
30部、メラミン−アクリル共重合体樹脂(50%溶
液)10部、メラミン樹脂(50%溶液)4部及び硬化
剤p−トルエンスルホン酸6部をメチルエチルケトン3
0部、メチルイソブチルケトン10部及びイソプロピル
アルコール10部からなる混合溶剤に加え、十分に混練
混和した。これを上記絵柄模様印刷層の上にグラビアコ
ーターにて塗布し、150〜170℃で焼付け硬化させ
て、膜厚0.5μmの第2の保護層を形成した。この第2
の保護層の上に次のようにして、蒸着薄膜構造体を形成
した。先ず、真空度2.5×10のマイナス4乗トール
の真空下に電子線加熱蒸着法にて膜厚50〜70オング
ストロームのチタン金属蒸着薄膜からなる低反射性蒸着
薄膜を200m/分の速度で形成した。次いで、真空度
2.0×10のマイナス4乗トールの真空下に電子線加
熱蒸着法にて膜厚1100〜1300オングストローム
の一酸化ケイ素蒸着薄膜からなる低屈折性蒸着薄膜を1
00m/分の速度で上記低反射性蒸着薄膜の上に昇華蒸
着した。最後に、真空度2.0×10のマイナス4乗ト
ールの真空下に高周波誘導加熱蒸着法にて膜厚400オ
ングストロームのアルミニウム蒸着薄膜からなる高反射
性蒸着薄膜を400m/分の速度で上記低屈折性蒸着薄
膜の上に形成した。
【0051】更に、上記の蒸着薄膜構造体の上に第2の
蒸着薄膜構造体を積層形成した。即ち、先ず、上記と同
様にして、上記高反射性蒸着薄膜の上に電子線加熱蒸着
法にて膜厚600〜700オングストロームの二酸化ケ
イ素蒸着薄膜からなる低屈折性蒸着薄膜を130m/分
の速度で形成した。次いで、この低屈折性蒸着薄膜の上
に、真空度2.5×10のマイナス4乗トールの真空下
に電子線加熱蒸着法にて膜厚50〜100オングストロ
ームの銅金属蒸着薄膜からなる低反射性蒸着薄膜を15
0m/分の速度で形成した。
【0052】このようにして、第1及び第2の蒸着薄膜
構造体を積層形成した後、第2の蒸着薄膜構造体の低反
射性蒸着薄膜の上に透明な第3の保護層を積層した。即
ち、ポリエステルメタクリレート20部、ポリエステル
アクリレート15部及びメタクリル酸メチル15部をベ
ンゾフエノン系増感剤1部と共に、酢酸エチル9部、メ
チルエチルケトン30部及びメチルイソブチルケトン1
0部からなる混合溶剤に加え、十分に混和して、紫外線
硬化型樹脂溶液を調製した。これを上記第2の蒸着薄膜
構造体の低反射性蒸着薄膜の上にグラビアコーターにて
塗布し、150℃で乾燥させた後、高圧水銀ランプ(出
力30KW、波長250〜420nm)を用いて30m
/分の速度で硬化させ、膜厚0.5μmの第3の保護層を
形成した。
【0053】このようにして得られた積層体から基材を
機械剥離した後、ローラーミルにて破砕して、虹彩粉を
得た。この虹彩粉をシルクスクリーンの絵柄印刷用イン
キ組成物に配合し、印刷に供したところ、印刷面には、
虹彩粉の表面の虹彩に基づく橙色と赤色の二彩色の虹彩
を背景として、蛍光染料に輝く絵柄模様が立体感をもつ
て透視することができると共に、虹彩粉の裏面の青色と
金色(黄色がアルミニウムの反射効果によつて金色に見
える。)の虹彩が混じりあい、しかも、この虹彩粉の表
裏面における二面性の虹彩は、透視角度を変えることに
よつて、微妙に変化し、かくして、極めて優美で美麗で
あり、意匠効果の高い印刷面を得ることができた。
【0054】また、虹彩粉の表面の摩擦堅牢度を調べる
ために、破砕する前の積層体について、その染色物摩擦
堅牢度試験機にて調べた結果、布帛付き500g、20
0回の摩擦に耐え、かくして、耐摩耗性や耐擦傷性にも
すぐれることが示された。 実施例2 ポリエチレンワツクス10部、モンタンワツクス5部、
アクリル樹脂20部及びフツ素樹脂5部をトルエン30
部、アセトン10部、メチルエチルケトン10部、メチ
ルイソブチルケトン5部及びエチルグリコール5部から
なる混合溶剤に加え、十分に混和した。これを透明なポ
リプロピレンフイルムの片面上にグラビアコーターにて
塗布し、160℃で乾燥して、厚さ0.5μmの離型剤層
を形成した。
【0055】次に、メラミン−尿素共縮合樹脂30部、
メラミン樹脂15部、硬化剤p−トルエンスルホン酸1
部、染料「オラゾールイエロー」(チバ・ガイギー社
製)4部及び「オラゾールオレンジ」(チバ・ガイギー
社製)2部をメチルエチルケトン20部、ジアセトンア
ルコール10部、メタノール10部及びイソプロピルア
ルコール8部からなる混合溶剤に加え、十分に混和し
て、熱硬化性樹脂塗料を調製した。これを前記離型剤層
の上にグラビアコーターにて塗布し、150〜160℃
で乾燥させて、膜厚1μmの第1の着色層を形成した。
【0056】次いで、染料「ザポンフアーストピンク
B」(BASF社製)5部と蓄光性顔料「ルミラツクス
グリーンCD101b」(ヘキスト社製)20部、紫外
線硬化型樹脂としてポリエステルアクリレート10部、
ポリウレタンアクリレート30部、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート10部及びベンゾイン系増感剤
5部をメチルエチルケトン10部及び酢酸エチル10部
からなる混合溶剤に加え、十分に混練混和して、紫外線
硬化型印刷インキを調製した。この印刷インキを用いて
上記着色層の上に絵柄模様をグラビア印刷し、150〜
170℃で乾燥させ、次いで、高圧水銀ランプ(出力3
0KW)にて紫外線を照射して、厚さ2.0μmの絵柄
模様印刷層を形成した。
【0057】ポリウレタン樹脂20部、アクリル樹脂1
5部、フエノール樹脂10部及び硬化剤イソシアネート
化合物5部を酢酸エチル5部、メチルエチルケトン30
部、メチルイソブチルケトン10部及びトルエン5部か
らなる混合溶剤に加え、十分に混練混和した。このよう
にして調製した樹脂組成物を上記絵柄模様印刷層の上に
グラビアコーターにて塗布し、140〜160℃で焼付
け硬化させて、膜厚1μmの第2の保護層を形成した。
【0058】この第2の保護層の上に次のようにして、
蒸着薄膜構造体を形成した。先ず、真空度2.5×10
のマイナス4乗トールの真空下に電子線加熱蒸着法にて
膜厚30〜80オングストロームのクロム金属蒸着薄膜
からなる低反射性蒸着薄膜を150m/分の速度で形成
した。次いで、真空度2.5×10のマイナス4乗トー
ルの真空下に電子線加熱蒸着法にてフツ化マグネシウム
蒸着薄膜からなる低屈折性蒸着薄膜を上記低反射性蒸着
薄膜の上に形成した。この低屈折性蒸着薄膜の調製に際
しては、蒸着速度を150〜200m/分の範囲内で絶
えず変動させると共に、基材の幅方向においても、膜厚
を500〜1100オングストロームの範囲内で変動さ
せて、不均一な膜厚をもたせた。
【0059】最後に、真空度2.0×10のマイナス4
乗トールの真空下に電子線加熱蒸着法にて膜厚400オ
ングストロームのニッケル蒸着薄膜からなる高反射性蒸
着薄膜を200m/分の速度で上記低屈折性蒸着薄膜の
上に形成した。このようにして、蒸着薄膜構造体を積層
形成した後、その上に第3の保護層を積層した。即ち、
尿素−メラミン共縮合樹脂30部、メラミン樹脂15
部、硬化剤p−トルエンスルホン酸3部をメチルエチル
ケトン22部、ジアセトンアルコール10部、メタノー
ル10部及びイソプロピルアルコール10部からなる混
合溶剤に加え、十分に混和し、これをグラビアコーター
にて塗布し、150〜160℃で焼付け硬化させて、膜
厚1μmの第3の保護層を積層形成した。
【0060】このようにして得られた積層体から前記基
材を機械的に連続剥離し、残存する積層体をローラーミ
ルで破砕して、平均粒子径2mmの鱗片状物とし、更
に、破砕して、平均粒子径200μmの鱗片状虹彩粉を
得た。この虹彩粉は、表面が高光輝性多彩色の虹彩を呈
し、裏面は銀色を呈する。より詳細には、低屈折性の蒸
着薄膜を膜厚の不均一な薄膜としたので、濃紺と紫色の
虹彩から橙と赤色の虹彩までの多彩の虹彩が透視され、
他方、裏面からは銀色が透視されるので、しかも、これ
に着色層の彩色が加わるので、全体として、極めて複雑
微妙な多彩の虹彩が透視される。
【0061】そこで、この虹彩粉をシルクスクリーン印
刷インキ組成物に配合し、合成樹脂からなる被転写材の
上に絵柄模様を印刷したところ、この絵柄模様は、多彩
色の虹彩を背景に立体的に透視された。また、絵柄模様
に紫外線を照射したところ、絵柄模様が前記機能性着色
層が励起発光し、一層立体感に富み、しかも、優美で鮮
やかな高光輝性多彩色虹彩が透視された。
【0062】更に、虹彩粉の耐溶剤性試験として、虹彩
粉をメチルエチルケトンやアセトンのようなケトン系溶
剤、トルエンやキシレンのような芳香族炭化水素溶剤、
メタノールやイソプロピルアルコールのようなアルコー
ル系溶剤にそれぞれ15分間浸漬したが、虹彩には何ら
の変化も認められなかつた。また、前述したと同様に、
破砕する前の積層体について、表面の摩擦堅牢度試験を
行なつた結果、布帛付き500g、150回の摩擦に耐
え、かくして、耐摩耗性や耐擦傷性にもすぐれることが
示された。 実施例3 カルナバワツクス10部、合成ワツクス5部、脂肪酸ア
ミド5部及びマレイン酸樹脂20部をキシレン30部、
トルエン15部、ジアセトンアルコール10部及びメチ
ルグリコール5部からなる混合溶剤に加え、十分に混和
した。これを透明なポリスチレンフイルムの片面上にグ
ラビアコーターにて塗布し、150〜160℃で乾燥し
て、厚さ0.5μmの離型剤層を形成した。
【0063】次に、ポリウレタンアクリレート30部、
エポキシアクリレート20部及びネオペンチルグリコー
ルジアクリレート20部をアセトフエノン系増感剤1部
と共に、アセトン19部及び酢酸エチル10部からなる
混合溶剤に加え、十分に混和して、紫外線硬化型樹脂溶
液を調製した。これを前記離型剤層の上にグラビアコー
ターにて塗布し、150〜170℃で乾燥させた後、高
圧水銀ランプ(出力30KW、波長250〜420n
m)を用いて硬化させ、膜厚1μmの第1の保護層を形
成した。
【0064】次いで、0〜35℃の温度領域にて温度に
対応して可逆的に変色する所謂示温インキ「メタモカラ
ー」(パイロツトインキ(株)製)5部、アクリル樹脂
20部、尿素−メラミン共縮合樹脂10部及びポリウレ
タンポリオール10部を硬化剤としてのイソシアネート
化合物5部と共に、メチルエチルケトン30部、エチル
セロソルブ5部及びキシレン15部からなる混合溶剤に
加え、十分に混練混和して、示温性印刷インキを調製し
た。この印刷インキを用いて上記保護層の上に機能性樹
脂層をグラビア印刷し、150〜170℃で焼付け硬化
させ、厚さ2μmの機能性着色層を形成した。
【0065】紫外線硬化型樹脂としてポリエチルアクリ
レート10部、ウレタンアクリレート30部及びメタク
リル酸メチル10部とアセトフエノン系増感剤1部をア
セトン10部、メチルエチルケトン25部及び酢酸エチ
ル14部からなる混合溶剤に加え、十分に混練混和し
た。この紫外線硬化型樹脂組成物を上記機能性樹脂層の
上にグラビアコーターにて塗布し、150〜170℃で
溶剤を乾燥させた後、高圧水銀ランプ(出力30KW、
波長250〜420nm)にて紫外線を照射して硬化さ
せ、膜厚1μmの第2の保護層を形成した。
【0066】この第2の保護層の上に次のようにして、
蒸着薄膜構造体を形成した。先ず、真空度3.0〜5.
0×10のマイナス4乗トールの真空下に電子線加熱蒸
着法にて膜厚30〜80オングストロームの亜鉛金属蒸
着薄膜からなる低反射性蒸着薄膜を250m/分の速度
で形成した。次いで、真空度2.5×10のマイナス4
乗トールの真空下に電子線加熱蒸着法にて膜厚500〜
600オングストロームのフツ化カルシウム蒸着薄膜か
らなる低屈折性蒸着薄膜を130m/分の速度で上記低
反射性蒸着薄膜の上に蒸着積層した。
【0067】最後に、真空度2.0×10のマイナス4
乗トールの真空下に高周波誘導加熱蒸着法によるワン・
コイル(one coil)直方体るつぼ方式にて、膜厚350
オングストロームのスズ蒸着薄膜からなる高反射性蒸着
薄膜を250m/分の速度で上記低屈折性蒸着薄膜の上
に形成した。次いで、この蒸着薄膜構造体の上に第3の
保護層を次のようにして形成した。即ち、ポリエステル
アクリレート25部、ポリオールアクリレート23部及
びオリゴアクリレート20部とベンゾイン系増感剤1部
とを「オラゾールイエロー」(チバ・ガイギー社製)
1.5部及び「オラゾールオレンジ」(チバ・ガイギー
社製)0.5部と共にメチルエチルケトン19部及び酢酸
エチル10部からなる混合溶剤に加え、十分に混和し
て、紫外線硬化型樹脂組成物を調製した。この樹脂組成
物をグラビアコーターにて塗布し、150〜170℃で
乾燥した後、高圧水銀ランプ(出力30KW、波長25
0〜420nm)にて紫外線を照射して硬化させ、膜厚
1μmの透明な黄色の第2の着色層を形成した。
【0068】このようにして得られた積層体から前記基
材を機械的に連続剥離し、残存する積層体をローラーミ
ルで破砕して、平均粒子径2mmの鱗片状虹彩粉を得
た。更に、この虹彩粉を破砕して、平均粒子径100μ
mの鱗片状虹彩粉を得た。これらの虹彩粉は、表面が高
光輝性の二彩色性の虹彩を呈し、裏面は金色を呈する。
このようにして得られた虹彩粉をシルクスクリーン印刷
インキに配合し、バインダー処理した布帛製品、例え
ば、ポリエステルトリコツト、ニツト製品、織物、不織
布や、バインダー処理した皮革製品等の上に絵柄模様を
印刷したところ、この絵柄模様は、透過角度の変化に従
つて濃紺と紫色の二彩色性の虹彩と金色の混じりあつた
複雑微妙な色調を呈し、しかも、前記機能性樹脂層中の
示温インキが温度によつて鮮やかに変色する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい一態様としての虹彩粉を
製造するための積層体を示す拡大断面図である。
【図2】図1の積層体から得られる本発明による虹彩粉
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明による別の好ましい一態様としての虹彩
粉を製造するための積層体を示す拡大断面図である。
【図4】図3の積層体から得られる本発明による虹彩粉
を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…積層体 2…基材 3…離型剤層 4…第1の保護層又は着色層 5…機能性樹脂層 6…第2の保護層又は着色層 7…蒸着薄膜構造体 8…低反射性蒸着薄膜 9…低屈折性蒸着薄膜 10…高反射性蒸着薄膜 11…第3の保護層又は着色層 12…第2の蒸着薄膜構造体 13…第2の低屈折性蒸着薄膜 14…第2の低反射性蒸着薄膜 15…第3の保護層又は着色層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/00 PSW 7415−4J // B32B 33/00 7639−4F (72)発明者 堀江健太郎 京都府向日市寺戸町蔵ノ町22−67

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明乃至半透明の保護層又は着色層の間
    に、反射率15〜35%の低反射性の金属又は金属化合
    物蒸着薄膜、屈折率0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物
    蒸着薄膜及び反射率75〜98%の高反射性の金属又は
    金属化合物蒸着薄膜からなる蒸着薄膜構造体をこの順序
    にて有することを特徴とする虹彩粉。
  2. 【請求項2】保護層又は着色層が活性エネルギー線硬化
    型樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の虹彩
    粉。
  3. 【請求項3】第1の透明乃至半透明の保護層又は着色層
    の上に透明乃至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透
    明の第2の保護層又は着色層をこの順序にて有すると共
    に、この第2の保護層又は着色層の上に反射率15〜3
    5%の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率
    0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率
    75〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜
    からなる第1の蒸着薄膜構造体を有し、その上に第3の
    保護層又は着色層を有する積層体からなることを特徴と
    する虹彩粉。
  4. 【請求項4】第1、第2及び/又は第3の保護層又は着
    色層が活性エネルギー線硬化型樹脂からなる薄膜である
    ことを特徴とする請求項3記載の虹彩粉。
  5. 【請求項5】機能性樹脂層が蛍光染料又は顔料を含むこ
    とを特徴とする請求項第3項記載の虹彩粉。
  6. 【請求項6】機能性樹脂層が示温性インキを含むことを
    特徴とする請求項第3項記載の虹彩粉。
  7. 【請求項7】第1の透明乃至半透明の保護層又は着色層
    の上に透明乃至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透
    明の第2の保護層又は着色層をこの順序にて有すると共
    に、この第2の保護層又は着色層の上に反射率15〜3
    5%の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率
    0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率
    75〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜
    からなる第1の蒸着薄膜構造体と屈折率0.5〜2.5の低
    屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率15〜35%の
    低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる第2の
    蒸着薄膜構造体を有し、更に、その上に第3の保護層又
    は着色層を有することを特徴とする虹彩粉。
  8. 【請求項8】第1、第2及び/又は第3の保護層又は着
    色層が活性エネルギー線硬化型樹脂からなる薄膜である
    ことを特徴とする請求項7記載の虹彩粉。
  9. 【請求項9】機能性樹脂層が蛍光染料又は顔料を含むこ
    とを特徴とする請求項7記載の虹彩粉。
  10. 【請求項10】機能性樹脂層が示温性インキを含むこと
    を特徴とする請求項7記載の虹彩粉。
  11. 【請求項11】第1の透明乃至半透明の保護層又は着色
    層、透明乃至半透明の機能性樹脂層及び透明乃至半透明
    の第2の保護層又は着色層をこの順序にて有すると共
    に、この第2の保護層又は着色層の上に反射率15〜3
    5%の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率
    0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率
    75〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜
    からなる第1の蒸着薄膜構造体と屈折率0.5〜2.5の低
    屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率15〜35%の
    低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜からなる第2の
    蒸着薄膜構造体を有し、更に、その上に第3の保護層又
    は着色層をこの順序にて有することを特徴とする虹彩
    粉。
  12. 【請求項12】第1、第2及び/又は第3の保護層又は
    着色層が活性エネルギー線硬化型樹脂からなる薄膜であ
    ることを特徴とする請求項11記載の虹彩粉。
  13. 【請求項13】機能性樹脂層が蛍光染料又は顔料を含む
    ことを特徴とする請求項11記載の虹彩粉。
  14. 【請求項14】機能性樹脂層が示温性インキを含むこと
    を特徴とする請求項11項記載の虹彩粉。
  15. 【請求項15】基材上に離型剤層を有し、その上の透明
    乃至半透明の保護層又は着色層の間に、反射率15〜3
    5%の低反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜、屈折率
    0.5〜2.5の低屈折率の金属酸化物蒸着薄膜及び反射率
    75〜98%の高反射性の金属又は金属化合物蒸着薄膜
    からなる蒸着薄膜構造体を有する積層体を製造し、この
    積層体から前記基材を剥離した後、破砕することを特徴
    とする虹彩粉の製造方法。
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