JPH06182631A - 研摩製品およびその製造方法 - Google Patents

研摩製品およびその製造方法

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JPH06182631A JP5194938A JP19493893A JPH06182631A JP H06182631 A JPH06182631 A JP H06182631A JP 5194938 A JP5194938 A JP 5194938A JP 19493893 A JP19493893 A JP 19493893A JP H06182631 A JPH06182631 A JP H06182631A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被加工物、特に木製品を機械加工するための
研摩製品およびその製造方法を提供する 【構成】 研摩製品の製造方法は、ダイヤモンド粒およ
び別個の炭化物粒の混合物を準備し、このダイヤモンド
粒は炭化物粒より小さく且つ混合物中に５０体積％の量
で存在されており、また、この混合物をコバルト、ニッ
ケルまたは鉄のような結合材金属の存在する中でダイヤ
モンド合成条件を加える諸段階を含む。このようにして
製造された研摩製品はかなりの量の直接的なダイヤモン
ド−ダイヤモンド結合を有し、ダイヤモンド成形体の多
くの特徴を有するが、炭化物粒の存在によって耐衝撃性
が完全される。この研摩製品は天然木、チップボード、
ファイバーボードおよびハードボードのような木製品の
機械加工に特に応用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は研摩製品に関する。
【０００２】
【従来の技術】ダイヤモンド成形体すなわちＰＣＤとし
ても知られてる成形体は、硬い集塊（ｃｏｎｇｌｏｍｅ
ｒａｔｅ）となるように結合されたダイヤモンド粒で構
成された研摩体である。このような成形体のダイヤモン
ド含有量は多く、通常は少なくとも７０体積％で、一般
に８０〜９０体積％とされる。ダイヤモンド成形体はダ
イヤモンド粒の多結晶体であり、結合はダイヤモンドが
結晶学的に安定した高温且つ高圧の条件のもとで行われ
る。
【０００３】ダイヤモンド成形体は第２相すなわち結合
マトリックスを有して、あるいは有さないで製造され
る。形成される場合には第２相はコバルトのようなダイ
ヤモンド触媒／溶剤とされるか、あるいはけい素のよう
な炭化物形成元素とされ得る。
【０００４】ダイヤモンド成形体は高い耐摩耗性を有す
るが、脆い。ダイヤモンド成形体のこの脆性は使用中に
加工表面または縁の削れを生じる。多くの応用例でこれ
は問題となっていないが、細密仕上げが要求される木加
工のような或る種の応用例では問題を生じることになり
かねない。木加工に最も広く使用されている材料の１つ
は焼結炭化物合金であり、これは良好な耐衝撃性を有し
ているが、ダイヤモンド成形体の耐摩耗性には遠く及ば
ない。
【０００５】ヨーロッパ特許公報第０ ２５６ ８２９
号は立方晶系窒化硼素を２０体積％まで含有する範囲で
改善された焼結炭化物合金を記載している。この焼結炭
化物合金は立方晶系窒化硼素の損害が最少限となるよう
に立方晶系窒化硼素の合成条件のもとで製造されるのが
好ましい。
【０００６】米国特許第４，５２５，１７８号は別個の
ダイヤモンド結晶および予め焼結された炭化物片の混合
物を含む複合材料を記載している。混合物は、複合多結
晶ダイヤモンド体を作り出すためにダイヤモンドの安定
領域内での高温且つ高圧条件を付与される。混合物は予
め焼結された炭化物片を使用するが別個の炭化物粒は使
用しない。
【０００７】米国特許第５，０４５，０９２号はダイヤ
モンド粒を埋め込んだ焼結タングステン炭化物物品を形
成する方法を記載している。この方法では埋め込まれた
ダイヤモンド粒は本来の箇所に製造される。この製品は
焼結タングステン炭化物が優位を占めるものの１つであ
る。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、研摩
製品およびその製造方法を提供することである。
【０００９】
【課題を達成する手段】本発明によれば、研摩製品を製
造する方法は、ダイヤモンド粒および別個の炭化物粒の
混合物を準備し、ダイヤモンド粒は炭化物粒より小さく
且つ混合物中に５０体積％の量で存在しており、この混
合物を硬い集塊にすることのできる結合材金属の存在す
る中でダイヤモンドが結晶学的に安定される高温且つ高
圧条件下に置く諸段階を含む。
【００１０】本発明の方法により製造される研摩製品は
一般に少なくとも１つの加工表面または縁を与える。従
ってこの研摩製品は各種材料を機械加工する工具要素と
して使用し得る。加工表面または縁は研かれ、すなわち
鋭くされる。研摩製品はこの材料が伝統的に優位を占め
る機械加工状況において焼結炭化物合金と置換されるよ
うに使用され得る。例えば、研摩製品はローラーコーン
ビットの焼結炭化物合金スタッドの交換物品として使用
され、あるいはこのようなスタッドの被覆層として使用
され得る。
【００１１】研摩製品は木複合材、チップボード、ファ
イバーボードおよび天然木のような木製品の機械加工に
特に有効であることが見いだされた。本発明は他の見地
によれば、上述した方法で製造した研摩製品を使用して
木製品を機械加工する方法を提供する。
【００１２】
【実施例】初期混合物中の炭化物粒はダイヤモンド粒よ
り大きく、典型的に５０ミクロンまでの寸法を有する。
炭化物粒の寸法は２５ミクロンを超えないことが好まし
い。ダイヤモンド粒は典型的に微細であり、すなわち１
０ミクロン未満の寸法を有し、５ミクロン未満の寸法で
あるのが好ましい。
【００１３】ダイヤモンド／炭化物の混合物中でダイヤ
モンド粒が優位を占め、混合物の５０体積％を超える量
が存在する。このような混合物によれば、かなりの量の
直接的なダイヤモンド−ダイヤモンド結合が研摩製品の
製造時に行われる。この結合は外面および縁に良好な耐
摩耗性を有する研摩製品を形成する。研摩製品はダイヤ
モンド成形体の特徴の多くを有するが、製品中に分散さ
れた炭化物粒の存在によって耐衝撃性が改善される。
【００１４】ダイヤモンド／炭化物の混合物中の別個の
炭化物粒は、タングステン炭化物、タンタル炭化物、モ
リブデン炭化物、チタン炭化物およびそれらの混合物の
ようなこの技術分野で周知の何れとすることもできる。
【００１５】結合材金属は典型的にはコバルト、鉄、ニ
ッケルまたはそれらの合金のような遷移金属とされる。
結合材金属はダイヤモンド粒および炭化物粒と混合さ
れ、この混合物が高温且つ高圧条件を加えられる。これ
に代えて、結合材金属はダイヤモンド／炭化物の混合物
と接触して置かれる層として備えられ、混合物中に浸潤
できるようにされる。結合材金属は典型的に混合物の３
〜１７重量％の範囲の量を備えられる。
【００１６】混合物に加えられる高温且つ高圧条件はダ
イヤモンド合成条件である。このような典型的な条件は
１４００〜１６００℃の温度範囲であり、４〜７×１０
6 ｋＰａ（４０〜７０キロバール）の圧力範囲である。
これらの条件は一般に例えば１０分未満のような比較的
短時間にわたって保持される。
【００１７】ダイヤモンド／炭化物の混合物は反応容器
の中に置かれ、この反応容器が次に高温／高圧装置の反
応領域内に置かれる。反応容器の内容物は次に上述した
高温且つ高圧条件を加えられる。研摩製品は周知の回収
方法を用いて反応容器から回収される。研摩製品は一般
に円板または円筒の形状で回収される。円筒または円板
の表面または縁は機械加工表面または縁を形成するよう
に清浄化され研がれる。この代わりに、円板または円筒
は何れかの所望される形状を有する小さな製品に切断さ
れ得る。このような小さな製品もまた機械加工表面また
は縁を含み、工具要素として使用されることができる。
【００１８】本発明の方法で製造された研摩製品はこの
ように使用され、焼結炭化物基体に結合され得る。研摩
製品が焼結炭化物基体に結合されるとき、この結合が研
摩製品の形成時に行われるのが好ましい。これは、未結
合集合体を作るようにダイヤモンド／炭化物粒混合物を
焼結炭化物基体の表面上に置き、次にこの未結合集合体
に高温且つ高圧条件を加えることで、達成できる。この
焼結炭化物基体は焼結タングステン炭化物、焼結チタン
炭化物、焼結タンタル炭化物、焼結モリブデン炭化物お
よびそれらの混合物のようなこの技術分野で周知の何れ
かとすることができる。
【００１９】上述したように本発明の研摩製品は、木製
品を機械加工するのに特に応用される。このような製品
は軟木材や硬木材の何れの天然木材も含む。更に、この
ような製品の例は、一般に有機結合材とされる結合材に
より結合されたチップやファイバーを含んで構成される
積層したまたは積層していないチップボードおよびファ
イバーボードである。更にこのような製品の例は、ファ
イバーや大鋸屑を圧縮したハードボードおよび合板であ
る。これらの木製品はプラスチックその他の被覆材料を
付与されて有することができ、これらは機械加工工具に
付加的な摩耗を引き起こす。
【００２０】このような木製品の機械加工は鋸引き、フ
ライス加工および倣い切断のような各種形態の何れか１
つを採り得る。使用される工具は丸鋸、倣いカッター、
底フライスおよびフライスカッターのようなマルチチッ
プの回転工具とされる。これらの工具の全ては回転本体
を含み、この上すなわち一般にその周面に複数の間隔を
隔てた本発明の研摩製品が取付けられるのであり、各個
の研摩製品が切断縁を与える。使用において、この本体
は回転され、研摩製品の切断縁が被加工物と接触して機
械加工するように運ばれ、被加工材は回転切断縁に対し
て移動される。
【００２１】本発明の研摩製品を使用する丸鋸の例が添
付図面に図解して示されている。この図面を参照すれ
ば、丸鋸はスピンドル１２上に回転するように取付けら
れたブランク１０を含む。ブランク１０の周辺領域１４
は複数の等しい間隔に隔てられた切断縁１６が備えられ
ている。各切断縁１６はその前端縁２０に取付けられた
研摩製品１８を有する。研摩製品１８は歯１６に対して
鑞付けされるか、機械的に固定され得る。各研摩製品１
８は切断縁２２を形成している。
【００２２】使用では、被加工物２４は支持テーブル２
６上に置かれる。丸鋸は矢印２８の方向に回転され、被
加工物は矢印３０の方向へ送られる。このようにして鋸
が被加工物を切断する。
【００２３】本発明による研摩製品の製造が以下の実施
例を参照して説明される。
【００２４】
【例１】別個のタングステン炭化物粒（１３ミクロン）
およびダイヤモンド粒（２ミクロン）で構成された混合
物が作られた。この混合物は７６重量％のタングステン
炭化物および２４重量％のダイヤモンド粒を含有してい
た。体積比では、ダイヤモンドは混合物の６０％を、ま
たタングステン炭化物粒は４０％を占めていた。この混
合物に対して、９重量％のコバルト粉末が加えられた。
コバルトはダイヤモンド／タングステン炭化物の混合物
と完全に混合された。
【００２５】この混合物は次に通常の高温／高圧装置の
反応カプセル中に置かれた。この充填カプセルは装置の
反応領域に置かれ、カプセルの内容物が１４００℃およ
び５×１０6 ｋＰａ（５０キロバール）の圧力を加えら
れ、このような条件は８分間にわたり保持された。カプ
セルから円板形の研摩製品が取出され、この製品はコヒ
ーレントで硬かった。この研摩製品は特にその外面でか
なりの度合いのダイヤモンド焼結すなわちダイヤモンド
−ダイヤモンド結合を含んでいた。タングステン炭化物
粒は製品を通じて等しく分散され、ある程度の良好な焼
結を示した。
【００２６】
【例２】研摩粒／炭化物の混合物が反応カプセル内で焼
結されたタングステン炭化物基体上に置かれた以外は例
１に記載した手順が繰り返された。回収された製品は焼
結炭化物基体に直接に結合した焼結ダイヤモンド／タン
グステン炭化物研摩層であった。ダイヤモンド／炭化物
研摩層の縁は清浄化されて研がれ、製造のための機械加
工縁または切断縁を形成するようにされた。
【００２７】
【例３】例２に記載した手順が繰り返され、ダイヤモン
ド／タングステン炭化物の混合物は以下の表の構成とさ
れた。
【表１】 成分 重量％ 体積％ ダイヤモンド（２ミクロン） ３０ ６５ タングステン炭化物（１３ミクロン） ７０ ３５ １０重量％の粉末コバルトがこの混合物に加えられ、完
全に混合された。
【００２８】反応カプセルから回収された製品は焼結炭
化物基体に直接に結合した結合ダイヤモンド／タングス
テン炭化物の層で構成されていた。
【００２９】これらの複数の研摩製品は結合ダイヤモン
ド／タングステン炭化物層に切断縁を形成するように形
成された。この形成製品は添付図面に示した形式の丸鋸
の歯の前端縁に鑞付けされた。この鋸は周速度が４４．
２ｍ／秒、送り速度が１．５ｍ／秒でチップボードを切
断するのに使用された。切断深さは２ｍｍであった。４
１００メートルの切断後、歯すなわち結合ダイヤモンド
／焼結炭化物の切断縁の３分の２が漸進的な納得のいく
均一な丸みを示しており、欠け損傷は少しも認められな
かった。比較として、市販されて入手できるＰＣＤを使
用した同様の丸鋸はたった６００メートルの切断後にそ
の歯の９０％が欠けを示していた。市販されて入手でき
るＰＣＤは耐摩耗性が優れていることから長寿命を有し
ているが、この欠け損傷が微細仕上げに関して厳しい問
題を与えた。更に、本発明の研摩製品は鋸引き試験にお
いて従来の焼結炭化物の歯を使用した鋸の寿命よりも格
段に優れた、すなわち３６倍の寿命を示した。
【００３０】積層チップボードをフライス加工する試験
では、この例の研摩製品はまた優れた耐欠け性も示し
た。
【図面の簡単な説明】
【図１】木基調の被加工物を鋸引きする丸鋸ブレードの
部分的な側面図を図解的に示す図。
【符号の説明】
１０ ブランク １２ スピンドル １４ 周辺領域 １６ 歯 １８ 研摩製品 ２０ 前端縁 ２２ 切断縁 ２４ 被加工物 ２６ 支持テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ２４Ｄ 3/06 Ａ 7908−3Ｃ Ｂ２７Ｂ 33/00 7347−3Ｃ Ｃ２２Ｃ 1/05 Ｐ (72)発明者 レイモンド アルバート チャップマン 南アフリカ国トランスバール，ヨハネスブ ルグ，モンデオー，コロンビン アベニュ ー 183 (72)発明者 アラン リチャード ジャービス 南アフリカ国トランスバール，ヨハネスブ ルグ，ベレビュー，イシピンゴ ストリー ト ２，サンクレスト 320

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 ダイヤモンド粒および別個の炭化物粒の
    混合物を準備し、ダイヤモンド粒は炭化物粒より小さく
    且つ混合物中に５０体積％の量で存在しており、この混
    合物を硬い集塊にすることのできる結合材金属の存在す
    る中でダイヤモンドが結晶学的に安定される高温且つ高
    圧条件下に置く諸段階を含む研摩製品の製造方法。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の方法であって、炭化物
    粒が５０ミクロンまでの寸法を有している製造方法。
  3. 【請求項３】 請求項１または請求項２による方法であ
    って、炭化物粒の寸法が２５ミクロンを超えない製造方
    法。
  4. 【請求項４】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法で
    あって、ダイヤモンド粒が１０ミクロン未満の寸法を有
    する製造方法。
  5. 【請求項５】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法で
    あって、ダイヤモンド粒が５ミクロン未満の寸法を有す
    る製造方法。
  6. 【請求項６】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法で
    あって、結合材金属が遷移金属である製造方法。
  7. 【請求項７】 請求項６に記載の方法であって、遷移金
    属がコバルト、鉄、ニッケルおよびこれらの合金から選
    択される製造方法。
  8. 【請求項８】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法で
    あって、結合材金属がダイヤモンド／炭化物の混合物で
    ある製造方法。
  9. 【請求項９】 請求項１から請求項７までの何れか１項
    に記載の方法であって、結合材金属がダイヤモンド／炭
    化物の混合物と接触して置かれて混合物に浸潤できるよ
    うになされる製造方法。
  10. 【請求項１０】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法
    であって、結合材金属がダイヤモンド／炭化物の混合物
    の３〜１７重量％の量を与えられる製造方法。
  11. 【請求項１１】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法
    であって、高温且つ高圧条件が１４００℃〜１６００℃
    の温度範囲且つ４〜７×１０6 ｋＰａ（４０〜７０キロ
    バール）の圧力範囲である製造方法。
  12. 【請求項１２】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法
    であって、高温且つ高圧条件が１０分未満の時間にわた
    って維持される方法。
  13. 【請求項１３】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法
    であって、ダイヤモンド／炭化物の混合物が高温且つ高
    圧条件の付与されるより前に焼結炭化物基体上に置かれ
    る方法。
  14. 【請求項１４】 前掲請求項の何れか１項に記載の方法
    により製造され、切断縁を形成する研摩製品。
  15. 【請求項１５】 請求項１４に記載の複数の間隔を隔て
    た研摩製品を取付けられ、各研摩製品が切断縁を形成し
    ている回転本体を含む工具を準備し、該本体を回転し、
    研摩製品の切断縁を木製品と接触するように運び、木製
    品を回転される切断縁に対して移動させる諸段階を含む
    木製品の機械加工方法。
  16. 【請求項１６】 請求項１５に記載の方法であって、工
    具は丸鋸、倣いカッター、底フライスおよびフライスか
    ら選択される機械加工方法。
  17. 【請求項１７】 請求項１５または請求項１６に記載の
    方法であって、木製品が天然木、チップボード、ファイ
    バーボード、ハードボードおよび合板から選択される機
    械加工方法。
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