JPH06182161A - 中空糸型カートリッジフィルター - Google Patents
中空糸型カートリッジフィルターInfo
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- JPH06182161A JPH06182161A JP35706392A JP35706392A JPH06182161A JP H06182161 A JPH06182161 A JP H06182161A JP 35706392 A JP35706392 A JP 35706392A JP 35706392 A JP35706392 A JP 35706392A JP H06182161 A JPH06182161 A JP H06182161A
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- Japan
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- hollow fiber
- cartridge filter
- inner diameter
- equation
- hollow
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、細菌、微粒子などを除去するため
に使用する液体ろ過用の中空糸型カートリッジフィルタ
ーに関するものである。 【構成】 最大引っ張り応力が45Kg/cm2以上、最大伸
びが30%以上、内径に対する外径の比が1.4〜1.
8、内径が、 PP =PB −〔q・l/KP +(2A/KF )・ cosh
(K・L)〕 で与えられる値の−20〜+30%以内で、かつ水透過
係数が1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上の中空糸をルー
プ状に折り返し、折り返し部の他端を開口するようにし
てその収納ケースとともに10〜20mmの長さで集束固
定した。
に使用する液体ろ過用の中空糸型カートリッジフィルタ
ーに関するものである。 【構成】 最大引っ張り応力が45Kg/cm2以上、最大伸
びが30%以上、内径に対する外径の比が1.4〜1.
8、内径が、 PP =PB −〔q・l/KP +(2A/KF )・ cosh
(K・L)〕 で与えられる値の−20〜+30%以内で、かつ水透過
係数が1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上の中空糸をルー
プ状に折り返し、折り返し部の他端を開口するようにし
てその収納ケースとともに10〜20mmの長さで集束固
定した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細菌、微粒子などを除
去するために使用する液体ろ過用の中空糸型カートリッ
ジフィルターに関するものである。
去するために使用する液体ろ過用の中空糸型カートリッ
ジフィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】流体のろ過用カートリッジフィルターと
して多数の折りひだをつけたフィルム状膜を有孔二重円
筒の間の空間に充填したいわゆるプリーツ型カートリッ
ジフィルターが主として用いられてきたが、近年、ろ過
速度を更に大きくしたり、逆洗ができるようにするため
にプリーツ膜に替えて中空糸膜を用いたものが開発され
るようになってきた。
して多数の折りひだをつけたフィルム状膜を有孔二重円
筒の間の空間に充填したいわゆるプリーツ型カートリッ
ジフィルターが主として用いられてきたが、近年、ろ過
速度を更に大きくしたり、逆洗ができるようにするため
にプリーツ膜に替えて中空糸膜を用いたものが開発され
るようになってきた。
【0003】プリーツ型カートリッジフィルターは、各
社の製品が交換できるようにデザインが統一されている
ので、中空糸膜を用いた場合でもこれらと同じように互
換できることが望ましく、従来から種々の工夫がされて
きた。
社の製品が交換できるようにデザインが統一されている
ので、中空糸膜を用いた場合でもこれらと同じように互
換できることが望ましく、従来から種々の工夫がされて
きた。
【0004】例えば、特開昭62−74408号公報に
は、プリーツ型カートリッジフィルターの有孔内筒の代
わりに無孔内筒を使用し、有孔外筒との間の空間に中空
糸を充填し、その上下両端を中空糸が開口するようにそ
れぞれポッティング材で集束固定したのち外部との液体
通路を有するキャップをその上下両端に接続してプリー
ツ型カートリッジフィルターと互換できるカートリッジ
フィルターが記載されている。
は、プリーツ型カートリッジフィルターの有孔内筒の代
わりに無孔内筒を使用し、有孔外筒との間の空間に中空
糸を充填し、その上下両端を中空糸が開口するようにそ
れぞれポッティング材で集束固定したのち外部との液体
通路を有するキャップをその上下両端に接続してプリー
ツ型カートリッジフィルターと互換できるカートリッジ
フィルターが記載されている。
【0005】また、特開昭64−30605号公報に
は、プリーツ型カートリッジフィルターの有孔外筒のみ
を利用し、この中に中空糸を充填して一端をポッティン
グ材で密封し、他端を中空糸が開口するようにして外筒
とともに集束固定したのち外部との液体通路を有するキ
ャップを接続してプリーツ型カートリッジフィルターと
互換できるようにしたものが記載されている。
は、プリーツ型カートリッジフィルターの有孔外筒のみ
を利用し、この中に中空糸を充填して一端をポッティン
グ材で密封し、他端を中空糸が開口するようにして外筒
とともに集束固定したのち外部との液体通路を有するキ
ャップを接続してプリーツ型カートリッジフィルターと
互換できるようにしたものが記載されている。
【0006】しかし、これらの中空糸型カートリッジフ
ィルターはかならずしも中空糸の長所とプリーツ型カー
トリッジフィルターとの互換性を充分に満足したものと
は言えない。
ィルターはかならずしも中空糸の長所とプリーツ型カー
トリッジフィルターとの互換性を充分に満足したものと
は言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】先ず、カートリッジフ
ィルターのデザインに関する問題点を指適すると、前記
のいずれの場合においても中空糸の両端がポッティング
材で集束固定されている。更に、特開昭62−7440
8号公報ではプリーツ型カートリッジフィルターのデザ
インに似せるあまり、中空糸の充填容積が犠牲にされて
いるのでろ過速度が大きくならないものになっており、
特開昭64−30605公報では中空糸の充填量を増す
ために内筒を除去したので内筒の中にカートリッジフィ
ルター固定用のボルトを通すハウジングには適用できな
いものになっている。また、いずれの場合についても共
通に指適できるが、カートリッジフィルター用として適
切な設計がなされた中空糸が使用されているとは言えな
い。
ィルターのデザインに関する問題点を指適すると、前記
のいずれの場合においても中空糸の両端がポッティング
材で集束固定されている。更に、特開昭62−7440
8号公報ではプリーツ型カートリッジフィルターのデザ
インに似せるあまり、中空糸の充填容積が犠牲にされて
いるのでろ過速度が大きくならないものになっており、
特開昭64−30605公報では中空糸の充填量を増す
ために内筒を除去したので内筒の中にカートリッジフィ
ルター固定用のボルトを通すハウジングには適用できな
いものになっている。また、いずれの場合についても共
通に指適できるが、カートリッジフィルター用として適
切な設計がなされた中空糸が使用されているとは言えな
い。
【0008】本発明の目的は、これらの欠点を解消して
カートリッジフィルター用として適切に設計された中空
糸を用いた、すべてのプリーツ型カートリッジフィルタ
ーと互換できる中空糸型カートリッジフィルターを提供
することにある。
カートリッジフィルター用として適切に設計された中空
糸を用いた、すべてのプリーツ型カートリッジフィルタ
ーと互換できる中空糸型カートリッジフィルターを提供
することにある。
【0009】ところで、中空糸の外側から液体をろ過す
るときには中空糸の内側を流れるろ過液の圧力損失が大
きな問題になる。一方、この圧力損失を少なくするため
に中空糸を太くするとフィルターケースの中に充填でき
る中空糸の有効面積が小さくなる。したがって、圧力損
失と有効面積は相反する性質を持つことになり、最適な
太さが存在することが予想される。本発明者は、適当な
モデル液のろ過現象についてその物質収支式から解析的
に解が得られ、この解からろ過速度を最大にする中空糸
の太さを決定できることを見出した。しかしながら、従
来の中空糸を用いたカートリッジフィルターには人工
肺、血漿分離器など医療器用に開発された中空糸、ある
いは限外ろ過膜として開発された中空糸がそのまま利用
されており、最適なものではない。
るときには中空糸の内側を流れるろ過液の圧力損失が大
きな問題になる。一方、この圧力損失を少なくするため
に中空糸を太くするとフィルターケースの中に充填でき
る中空糸の有効面積が小さくなる。したがって、圧力損
失と有効面積は相反する性質を持つことになり、最適な
太さが存在することが予想される。本発明者は、適当な
モデル液のろ過現象についてその物質収支式から解析的
に解が得られ、この解からろ過速度を最大にする中空糸
の太さを決定できることを見出した。しかしながら、従
来の中空糸を用いたカートリッジフィルターには人工
肺、血漿分離器など医療器用に開発された中空糸、ある
いは限外ろ過膜として開発された中空糸がそのまま利用
されており、最適なものではない。
【0010】また、医療目的の使用条件や限外ろ過にお
ける使用条件に比べてカートリッジフィルターは一般工
業用として過酷な条件のもとで使用れる。したがって、
中空糸にはろ過圧力だけでなく大量に液体をろ過する際
に生じる中空糸への振動及び引っ張り荷重にも耐える強
度と柔軟性が要求される。
ける使用条件に比べてカートリッジフィルターは一般工
業用として過酷な条件のもとで使用れる。したがって、
中空糸にはろ過圧力だけでなく大量に液体をろ過する際
に生じる中空糸への振動及び引っ張り荷重にも耐える強
度と柔軟性が要求される。
【0011】また、中空糸の有効長を可能なかぎり大き
くするためにはポッティング材による容積損失をできる
だけ少なくする必要があるが、前記のように従来の中空
糸型カートリッジフィルターでは中空糸の両端がポッテ
ィング材で集束固定されている。
くするためにはポッティング材による容積損失をできる
だけ少なくする必要があるが、前記のように従来の中空
糸型カートリッジフィルターでは中空糸の両端がポッテ
ィング材で集束固定されている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
要求を実現するための手段を鋭意研究した結果本発明に
至った。すなわち、本発明は、最大引っ張り応力が45
Kg/cm2以上、最大伸びが30%以上、内径に対する外径
の比が1.4〜1.8、内径が後述の数8の最大として
与えられる値の−20〜+30%以内で、かつ水透過係
数が1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上の中空糸をループ
状に折り返し、折り返し部の他端を開口するようにして
その収納ケースとともに10〜20mmの長さで集束固定
したことを特徴とする中空糸型カートリッジフィルター
である。
要求を実現するための手段を鋭意研究した結果本発明に
至った。すなわち、本発明は、最大引っ張り応力が45
Kg/cm2以上、最大伸びが30%以上、内径に対する外径
の比が1.4〜1.8、内径が後述の数8の最大として
与えられる値の−20〜+30%以内で、かつ水透過係
数が1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上の中空糸をループ
状に折り返し、折り返し部の他端を開口するようにして
その収納ケースとともに10〜20mmの長さで集束固定
したことを特徴とする中空糸型カートリッジフィルター
である。
【0013】
【作用】本発明の中空糸型カートリッジフィルターは、
過酷な使用条件にも耐え、最大のろ過速度が得られるよ
うに設計された中空糸が効率的に充填されており、従来
のプリーツ型カートリッジフィルターと同様に使用でき
るだけでなく、プリーツ型カートリッジフィルターだけ
でなく従来の中空糸型カートリッジフィルターに比べて
もろ過速度が大きく、逆洗もできるのである。
過酷な使用条件にも耐え、最大のろ過速度が得られるよ
うに設計された中空糸が効率的に充填されており、従来
のプリーツ型カートリッジフィルターと同様に使用でき
るだけでなく、プリーツ型カートリッジフィルターだけ
でなく従来の中空糸型カートリッジフィルターに比べて
もろ過速度が大きく、逆洗もできるのである。
【0014】
【実施例】次に添付図面に示した実施例に基づき更に本
発明の詳細を説明する。図1(a)は、カートリッジフ
ィルター用に使用する中空糸を最適設計するためのモデ
ル図である。一端がループ状(又はU字状)に折り返さ
れた中空糸5(多数の中空糸の内の2本を代表的に例示
している)は、他端で端部が開口するようにしてケース
2にポッティング材6で集束固定されている。水は入り
口13からケース2の中に入り、中空糸5の外側から内
側に向かってろ過され、中空糸の中を通って端部から出
る。図1(b)はこのろ過現象の物質収支式をえるため
の中空糸5の部分拡大図である。中空糸の外側では水の
圧力が同じであるとみなすことができるので物質収支式
は簡単になり、解析的に次の数8で示す解が得られる。
発明の詳細を説明する。図1(a)は、カートリッジフ
ィルター用に使用する中空糸を最適設計するためのモデ
ル図である。一端がループ状(又はU字状)に折り返さ
れた中空糸5(多数の中空糸の内の2本を代表的に例示
している)は、他端で端部が開口するようにしてケース
2にポッティング材6で集束固定されている。水は入り
口13からケース2の中に入り、中空糸5の外側から内
側に向かってろ過され、中空糸の中を通って端部から出
る。図1(b)はこのろ過現象の物質収支式をえるため
の中空糸5の部分拡大図である。中空糸の外側では水の
圧力が同じであるとみなすことができるので物質収支式
は簡単になり、解析的に次の数8で示す解が得られる。
【0015】
【数8】PP =PB −〔q・l/KP +(2A/KF )
・ cosh (K・L)〕 ただし、記号はそれぞれ以下の意味である。 PP :中空糸の内側の水のポッティング材との界面位置
における圧力、 PB :中空糸の外側の水の圧力(位置によらず一定)、 q:中空糸1/2本当たりのろ過流量で、総ろ過流量
(カートリッジフィルターのろ過速度)Q及び中空糸本
数Nと次式の関係にある。
・ cosh (K・L)〕 ただし、記号はそれぞれ以下の意味である。 PP :中空糸の内側の水のポッティング材との界面位置
における圧力、 PB :中空糸の外側の水の圧力(位置によらず一定)、 q:中空糸1/2本当たりのろ過流量で、総ろ過流量
(カートリッジフィルターのろ過速度)Q及び中空糸本
数Nと次式の関係にある。
【数9】q=Q/2N
【数10】2N=εD2 /do 2 D:ケースの内径、 ε:中空糸充填率、 do :中空糸の外径、 l:ポッティング部分の長さ、 Kp :次式で表される変数である。
【数11】Kp =πdi 4 /128μ di :中空糸の内径、 μ:水の粘度、 A:次式で表される変数である。
【数12】A=K・q/2sinh(K・L) K:次式で表される。
【数13】K2 =KF /KP
【数14】KF =πdO ・KM L:中空糸の有効長さ KM :外径基準の中空糸の水透過係数。
【0016】他に制限がなければ数8で表される物質収
支式の第2項を最小にすることによって中空糸の内径を
決定することができる。しかしながら、前述のように中
空糸は、ろ過圧力、ろ過時あるいはろ過の瞬間停止、始
動時に発生する振動及び引っ張り荷重に耐える強度を持
たなければならない。
支式の第2項を最小にすることによって中空糸の内径を
決定することができる。しかしながら、前述のように中
空糸は、ろ過圧力、ろ過時あるいはろ過の瞬間停止、始
動時に発生する振動及び引っ張り荷重に耐える強度を持
たなければならない。
【0017】中空糸が外圧を受けたときに潰れをおこさ
ない範囲は、圧縮応力が同じであるならば中空糸の内径
に対する外径の比によって定められる (例えば、小栗富
士雄、小栗達男共著、標準機械設計図表便覧、共立出版
(株) 参照)。一方、カートリッジフィルターが一般工
業用として使用できるためには3〜6Kg/cm2のろ過圧力
に耐えなければならない。本発明に使用しうる透水速度
を持つ中空糸では、内径に対する外径の比はおよそ1.
4〜1.8必要である。また、前記の振動あるいは引っ
張り荷重に対しては、上記の内径に対する外径の比の範
囲では、中空糸の内径がおよそ300μm以上で、引っ
張り応力はおよそ45Kg/cm2以上必要であることを見い
だした。
ない範囲は、圧縮応力が同じであるならば中空糸の内径
に対する外径の比によって定められる (例えば、小栗富
士雄、小栗達男共著、標準機械設計図表便覧、共立出版
(株) 参照)。一方、カートリッジフィルターが一般工
業用として使用できるためには3〜6Kg/cm2のろ過圧力
に耐えなければならない。本発明に使用しうる透水速度
を持つ中空糸では、内径に対する外径の比はおよそ1.
4〜1.8必要である。また、前記の振動あるいは引っ
張り荷重に対しては、上記の内径に対する外径の比の範
囲では、中空糸の内径がおよそ300μm以上で、引っ
張り応力はおよそ45Kg/cm2以上必要であることを見い
だした。
【0018】したがって、これらの寸法範囲内で数8の
第2項が最小になるようにすればろ過速度が最大になる
中空糸を設計することができる。
第2項が最小になるようにすればろ過速度が最大になる
中空糸を設計することができる。
【0019】また、ろ過時あるいはろ過の瞬間停止、始
動時には中空糸のポッティング材で固定された部分と固
定されていない部分との界面に集中的に振動荷重が発生
する。中空糸が柔軟でなければこの部分で中空糸に亀裂
や切断が生じる。したがって、中空糸は引っ張り強度だ
けでなくこの荷重に耐える伸びも必要である。中空糸の
引っ張り強度が前記のように45Kg/cm2以上であれば伸
びは30%以上必要である。
動時には中空糸のポッティング材で固定された部分と固
定されていない部分との界面に集中的に振動荷重が発生
する。中空糸が柔軟でなければこの部分で中空糸に亀裂
や切断が生じる。したがって、中空糸は引っ張り強度だ
けでなくこの荷重に耐える伸びも必要である。中空糸の
引っ張り強度が前記のように45Kg/cm2以上であれば伸
びは30%以上必要である。
【0020】中空糸の外径基準の水透過係数が1000
l/m2 ・hr・Kg/cm2未満の場合には、中空糸の内側を流
れるろ過水の圧力損失は小さく、中空糸を細くして膜面
積を大きくする方がカートリッジフィルターとして大き
なろ過速度がえられる。すなわち、このような中空糸に
は現実的な最適設計値がなく、また水透過係数が小さい
のでカートリッジフィルターには不向きである。したが
って、本発明に使用する中空糸の水透過係数は、100
0 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上、更に好ましく3000 l/m
2 ・hr・Kg/cm2以上である。
l/m2 ・hr・Kg/cm2未満の場合には、中空糸の内側を流
れるろ過水の圧力損失は小さく、中空糸を細くして膜面
積を大きくする方がカートリッジフィルターとして大き
なろ過速度がえられる。すなわち、このような中空糸に
は現実的な最適設計値がなく、また水透過係数が小さい
のでカートリッジフィルターには不向きである。したが
って、本発明に使用する中空糸の水透過係数は、100
0 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上、更に好ましく3000 l/m
2 ・hr・Kg/cm2以上である。
【0021】ここで、数8の括弧内第1項はポッティン
グ材の長さlに比例している。したがって、この長さは
短い方がよいが、強度上10〜20mmは必要である。
グ材の長さlに比例している。したがって、この長さは
短い方がよいが、強度上10〜20mmは必要である。
【0022】前記の公知のカートリッジフィルターのよ
うに外筒(ケース2)だけを利用し、図1のようにその
中に一端をループ状に折り返した中空糸を充填してもよ
いが、プリーツ型カートリッジフィルターとの互換性及
びスケールアップの容易さから内筒を有する方が更に好
ましい。プリーツ型カートリッジフィルターは、各社の
製品が互換できるようにデザインがほぼ標準化されてお
り、外寸法は直径がおよそ70mmで長さはおよそ25cm
である。大量にろ過する場合にはこのカートリッジを直
列及び並列に多数接続して用いる。前記の内筒は、カー
トリッジを直列に接続するときに固定用ボルトを通すた
めにも利用される。この内筒は、プリーツ状に折り畳ん
だ膜の収納面積を最大にするために外筒の内径の1/2
の外径になっている。しかしながら、ろ過液の圧力損失
及び固定用ボルトの直径から見るとこの径はあまりにも
大きい。したがって、中空糸膜を使う場合には、この内
筒外径が外筒の内径の1/5〜1/3になるようにすべ
きである。
うに外筒(ケース2)だけを利用し、図1のようにその
中に一端をループ状に折り返した中空糸を充填してもよ
いが、プリーツ型カートリッジフィルターとの互換性及
びスケールアップの容易さから内筒を有する方が更に好
ましい。プリーツ型カートリッジフィルターは、各社の
製品が互換できるようにデザインがほぼ標準化されてお
り、外寸法は直径がおよそ70mmで長さはおよそ25cm
である。大量にろ過する場合にはこのカートリッジを直
列及び並列に多数接続して用いる。前記の内筒は、カー
トリッジを直列に接続するときに固定用ボルトを通すた
めにも利用される。この内筒は、プリーツ状に折り畳ん
だ膜の収納面積を最大にするために外筒の内径の1/2
の外径になっている。しかしながら、ろ過液の圧力損失
及び固定用ボルトの直径から見るとこの径はあまりにも
大きい。したがって、中空糸膜を使う場合には、この内
筒外径が外筒の内径の1/5〜1/3になるようにすべ
きである。
【0023】図2は、本発明の好適な実施態様を示すカ
ートリッジフィルターの略図である。その概略構造は、
無孔内筒1をほぼ同芯状に有孔外筒2(前述のケース2
に対応する構成)内に配設するとともに、該内筒1の一
端を外筒2の底3に固着し、外筒2の開放端にはキャッ
プ4を密封状態で接続し、また内筒1と外筒2の間には
ループ状(又はU字状)に中央部を折り返した複数の透
水性中空糸5,…を配設し、かつその両端を一側にまと
めて前記内筒1の開放端と共に外筒2の開放端側にポッ
ティング材6で集束固定したものである。
ートリッジフィルターの略図である。その概略構造は、
無孔内筒1をほぼ同芯状に有孔外筒2(前述のケース2
に対応する構成)内に配設するとともに、該内筒1の一
端を外筒2の底3に固着し、外筒2の開放端にはキャッ
プ4を密封状態で接続し、また内筒1と外筒2の間には
ループ状(又はU字状)に中央部を折り返した複数の透
水性中空糸5,…を配設し、かつその両端を一側にまと
めて前記内筒1の開放端と共に外筒2の開放端側にポッ
ティング材6で集束固定したものである。
【0024】更に詳しくは、図2及び図3に示すよう
に、複数の透水性中空糸5は、無孔内筒1と、外周面に
孔7を持つ外筒2の間の空間に収納されている。無孔内
筒1と有孔外筒2はほぼ同芯状に配置され、該外筒2に
は内筒1と連通する内筒部分8を除いて無孔の底3を有
する。中空糸5は底3の近傍でループ状に折り返され、
他端は内筒1とともに端部が開口するように外筒2とポ
ッティング材6で集束固定されている。これらの開口部
分と外部との流体通路9を有するキャップ4は外筒2と
接続されている。即ち、前記内筒1の内部と内筒部分8
及び流体通路9とは直線状に貫通し、後述のボルトにて
ハウジングに取付けられるようにしている。
に、複数の透水性中空糸5は、無孔内筒1と、外周面に
孔7を持つ外筒2の間の空間に収納されている。無孔内
筒1と有孔外筒2はほぼ同芯状に配置され、該外筒2に
は内筒1と連通する内筒部分8を除いて無孔の底3を有
する。中空糸5は底3の近傍でループ状に折り返され、
他端は内筒1とともに端部が開口するように外筒2とポ
ッティング材6で集束固定されている。これらの開口部
分と外部との流体通路9を有するキャップ4は外筒2と
接続されている。即ち、前記内筒1の内部と内筒部分8
及び流体通路9とは直線状に貫通し、後述のボルトにて
ハウジングに取付けられるようにしている。
【0025】内筒1、外筒2及び底3には通常、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂などのプラスチック材料を用いる
が、一体成形品であってもよく、それぞれを超音波溶着
などで接着してもよい。
化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂などのプラスチック材料を用いる
が、一体成形品であってもよく、それぞれを超音波溶着
などで接着してもよい。
【0026】多数の中空糸5は内筒1と外筒2の間の空
間の円筒軸に垂直な断面積に対して中空糸の外径断面積
の合計が40〜60%になるように充填される。中空糸
は公知の遠心注型法によってエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、シリコン樹脂などのポッティング材6で中空糸と内
筒の端部が開口するようにして内筒及び外筒とともに集
束固定される。
間の円筒軸に垂直な断面積に対して中空糸の外径断面積
の合計が40〜60%になるように充填される。中空糸
は公知の遠心注型法によってエポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、シリコン樹脂などのポッティング材6で中空糸と内
筒の端部が開口するようにして内筒及び外筒とともに集
束固定される。
【0027】内筒1は、図4で示すように、このカート
リッジを複数直列に接続するときに使用する固定用ボル
トの通し穴であり、かつ下段のフィルターのろ過液の通
路にもなっている。図示したものは、本発明の中空糸型
カートリッジフィルター10をハウジング11内にガス
ケット12を介して直列に3本並べたものを示し、ハウ
ジング11には入口13と出口14を有し、内筒1を通
るボルト15で固定される。処理液は、入り口13から
ハウジング11内に送られ、中空糸型カートリッジフィ
ルター10の外筒2の孔7を通って中空糸5の外側から
内側へとろ過される。ろ過液は中空糸5の内側を通って
キャップ4とポッティング材6とで形成された集合室1
6に集められ、上段のカートリッジフィルターには流体
通路9及び内筒1を通って送られる。最上部のカートリ
ッジフィルターのろ過液通路9はハウジング11のろ過
液出口14に接続している。
リッジを複数直列に接続するときに使用する固定用ボル
トの通し穴であり、かつ下段のフィルターのろ過液の通
路にもなっている。図示したものは、本発明の中空糸型
カートリッジフィルター10をハウジング11内にガス
ケット12を介して直列に3本並べたものを示し、ハウ
ジング11には入口13と出口14を有し、内筒1を通
るボルト15で固定される。処理液は、入り口13から
ハウジング11内に送られ、中空糸型カートリッジフィ
ルター10の外筒2の孔7を通って中空糸5の外側から
内側へとろ過される。ろ過液は中空糸5の内側を通って
キャップ4とポッティング材6とで形成された集合室1
6に集められ、上段のカートリッジフィルターには流体
通路9及び内筒1を通って送られる。最上部のカートリ
ッジフィルターのろ過液通路9はハウジング11のろ過
液出口14に接続している。
【0028】外筒だけを利用した図1の構造の中空糸型
カートリッジフィルターに対する図2の構造のものの利
点は以下の説明によって明らかである。数8で決定され
るろ過速度が最大になる最適中空糸の内径は中空糸が長
くなると太くなるので、例えば上記の標準サイズの2倍
あるいは3倍にしたときにはそれぞれの長さで最大のろ
過速度がえられるように変えなければならない。しか
し、太くすることによって中空糸の収納膜面積は小さく
なるので結局標準サイズのものを2あるいは3段接続し
たときに比べてろ過速度は小さくなる。したがって、経
済的にも性能的にも図2の構造の方が優れている。
カートリッジフィルターに対する図2の構造のものの利
点は以下の説明によって明らかである。数8で決定され
るろ過速度が最大になる最適中空糸の内径は中空糸が長
くなると太くなるので、例えば上記の標準サイズの2倍
あるいは3倍にしたときにはそれぞれの長さで最大のろ
過速度がえられるように変えなければならない。しか
し、太くすることによって中空糸の収納膜面積は小さく
なるので結局標準サイズのものを2あるいは3段接続し
たときに比べてろ過速度は小さくなる。したがって、経
済的にも性能的にも図2の構造の方が優れている。
【0029】中空糸にはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、セルロースアセテート、再生セルロース、ポリスル
ホンなど種々の材質からなるものを使用することができ
る。これらのうちポリスルホンは他の素材に比べてろ過
速度が大きいだけでなく、強度及び耐熱性も高いので特
に好ましい。
ン、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン、セルロースアセテート、再生セルロース、ポリスル
ホンなど種々の材質からなるものを使用することができ
る。これらのうちポリスルホンは他の素材に比べてろ過
速度が大きいだけでなく、強度及び耐熱性も高いので特
に好ましい。
【0030】以下、具体例によって更に本発明を詳細に
説明する。
説明する。
【0031】中空糸の水透過係数は、折り返した長さが
約10cmの中空糸2〜3本を、内径6mm、外径8mm、長
さ15cmのガラス管の中に入れ、中空糸の端部が開口す
るようにウレタン樹脂で集束固定して作成したミニフィ
ルターを用いてろ過圧力を変えながら水のろ過速度を測
定し、各圧力での測定値をl/m2・hr・Kg/cm2の単位で表
し、ろ過圧力0に外挿したときの値で表した。ろ過には
分画分子量がおよそ6万の限外ろ過膜でろ過した23〜
27℃の水道水を使用し、測定温度の水の粘度を乗じて
ろ過速度を20℃に補正した。
約10cmの中空糸2〜3本を、内径6mm、外径8mm、長
さ15cmのガラス管の中に入れ、中空糸の端部が開口す
るようにウレタン樹脂で集束固定して作成したミニフィ
ルターを用いてろ過圧力を変えながら水のろ過速度を測
定し、各圧力での測定値をl/m2・hr・Kg/cm2の単位で表
し、ろ過圧力0に外挿したときの値で表した。ろ過には
分画分子量がおよそ6万の限外ろ過膜でろ過した23〜
27℃の水道水を使用し、測定温度の水の粘度を乗じて
ろ過速度を20℃に補正した。
【0032】(実施例1)図5は、図1の内径が61mm
(D)の有孔外筒2の中に、内径に対する外径の比が
1.6で一端をループ状に折り返した平均有効長(ポッ
ティング材にふれていない中空糸の長さ)19cm(L)
の中空糸5を外筒の内径断面積に対する中空糸の外径断
面積の合計の比率(充填率)が55%(ε)になるよう
に充填し、中空糸の他端をポッティング材6で15mm
(l)集束固定したのちキャップ4を接続したカートリ
ッジフィルターを用いて粘度0.01ポイズ(μ)の2
0℃の水をろ過するときろ過圧力が最小になる(換言す
れば同じ圧力でろ過速度が最大になる)中空糸の内径、
すなわち最適内径(di )を、水透過係数(KM )を1
000〜10000 l/m2 ・hr・Kg/cm2の範囲で変えて
数8によって計算した結果を示している。
(D)の有孔外筒2の中に、内径に対する外径の比が
1.6で一端をループ状に折り返した平均有効長(ポッ
ティング材にふれていない中空糸の長さ)19cm(L)
の中空糸5を外筒の内径断面積に対する中空糸の外径断
面積の合計の比率(充填率)が55%(ε)になるよう
に充填し、中空糸の他端をポッティング材6で15mm
(l)集束固定したのちキャップ4を接続したカートリ
ッジフィルターを用いて粘度0.01ポイズ(μ)の2
0℃の水をろ過するときろ過圧力が最小になる(換言す
れば同じ圧力でろ過速度が最大になる)中空糸の内径、
すなわち最適内径(di )を、水透過係数(KM )を1
000〜10000 l/m2 ・hr・Kg/cm2の範囲で変えて
数8によって計算した結果を示している。
【0033】図5の曲線aは水透過係数に対応した最適
内径を、曲線bは最適内径の中空糸を用いたカートリッ
ジフィルターで20℃の水をろ過圧力0.1Kg/cm2でろ
過したときのろ過速度、すなわち最大ろ過速度を示す。
中空糸の内径が最適値の−20〜+30%以内であれば
最大ろ過速度に対する減少量はおよそ5%以内である。
内径を、曲線bは最適内径の中空糸を用いたカートリッ
ジフィルターで20℃の水をろ過圧力0.1Kg/cm2でろ
過したときのろ過速度、すなわち最大ろ過速度を示す。
中空糸の内径が最適値の−20〜+30%以内であれば
最大ろ過速度に対する減少量はおよそ5%以内である。
【0034】最適内径は、水透過係数が3000 l/m2
・hr・Kg/cm2以下になると急に細くなり、1000l/m2
・hr・Kg/cm2未満になると更に急速に細くなり0に近づ
く。あまりにも細い中空糸は生産性の点から現実的では
ない。したがって、本発明に使用しうる中空糸の水透過
係数は1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上、更に望ましく
は3000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上である。
・hr・Kg/cm2以下になると急に細くなり、1000l/m2
・hr・Kg/cm2未満になると更に急速に細くなり0に近づ
く。あまりにも細い中空糸は生産性の点から現実的では
ない。したがって、本発明に使用しうる中空糸の水透過
係数は1000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上、更に望ましく
は3000 l/m2 ・hr・Kg/cm2以上である。
【0035】図6は最適内径を有する中空糸を使用した
カートリッジフィルターのろ過速度がろ過圧力に比例す
ることを示している。すなわち、これらの中空糸は広い
ろ過圧力の範囲で最適であることを示している。
カートリッジフィルターのろ過速度がろ過圧力に比例す
ることを示している。すなわち、これらの中空糸は広い
ろ過圧力の範囲で最適であることを示している。
【0036】(実施例2)図2のように外径20mmの無
孔内筒1と内径61mmの有孔外筒2の間の空間に中空糸
5を55%充填した以外実施例1と同様にして中空糸の
内径とカートリッジフィルターのろ過速度との関係を前
述の数8から求めた。中空糸の最適内径は実施例1と同
一で、ろ過速度は図5の曲線cのように実施例1の曲線
bに比べて中空糸の収納膜面積に比例した。
孔内筒1と内径61mmの有孔外筒2の間の空間に中空糸
5を55%充填した以外実施例1と同様にして中空糸の
内径とカートリッジフィルターのろ過速度との関係を前
述の数8から求めた。中空糸の最適内径は実施例1と同
一で、ろ過速度は図5の曲線cのように実施例1の曲線
bに比べて中空糸の収納膜面積に比例した。
【0037】(実施例3)最大引っ張り応力48Kg/c
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び800μm
(内径に対する外径の比が1.6)、水透過係数790
0 l/m2 ・hr・Kg/cm2のポリスルホン製中空糸1600
本を用いて(充填率55%)実施例1と同じ構造のカー
トリッジフィルターを作成した。このフィルターの水の
ろ過速度は、14 l/0.1Kg/cm2・分で数8から求められ
る最大ろ過速度とほぼ一致した。このフィルターを中空
糸の外側から窒素ガスで加圧したところ3.5Kg/cm2以
下の圧力では中空糸に変形は生じなかったが、4.5Kg
/cm2以上では中空糸が部分的に偏平に変形した。
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び800μm
(内径に対する外径の比が1.6)、水透過係数790
0 l/m2 ・hr・Kg/cm2のポリスルホン製中空糸1600
本を用いて(充填率55%)実施例1と同じ構造のカー
トリッジフィルターを作成した。このフィルターの水の
ろ過速度は、14 l/0.1Kg/cm2・分で数8から求められ
る最大ろ過速度とほぼ一致した。このフィルターを中空
糸の外側から窒素ガスで加圧したところ3.5Kg/cm2以
下の圧力では中空糸に変形は生じなかったが、4.5Kg
/cm2以上では中空糸が部分的に偏平に変形した。
【0038】(実施例4)最大引っ張り応力60Kg/c
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び800μ
m、水透過係数が6600 l/m2 ・hr・Kg/cm2のポリス
ルホン中空糸を用いた以外実施例3と同様にしてカート
リッジフィルターを作成した。このフィルターの水のろ
過速度は12 l/0.1Kg/cm2・分で、数8から求められる
最大ろ過速度にほぼ一致した。実施例3と同様にして耐
圧を調べたところ少なくとも5.7Kg/cm2以下の圧力で
は中空糸の変形は生じなかった。
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び800μ
m、水透過係数が6600 l/m2 ・hr・Kg/cm2のポリス
ルホン中空糸を用いた以外実施例3と同様にしてカート
リッジフィルターを作成した。このフィルターの水のろ
過速度は12 l/0.1Kg/cm2・分で、数8から求められる
最大ろ過速度にほぼ一致した。実施例3と同様にして耐
圧を調べたところ少なくとも5.7Kg/cm2以下の圧力で
は中空糸の変形は生じなかった。
【0039】(実施例5)最大引っ張り応力60Kg/c
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び700μm
(中空糸の内径に対する外径の比が1.4)、水透過係
数が6700 l/m2・hr・Kg/cm2の中空糸の耐圧を実施
例3と同様にして測定した。3.5Kg/cm2以下の圧力で
は中空糸の変形は生じなかったが、4.5Kg/cm2以上で
は偏平に変形した中空糸も観察された。
m2、内径及び外径がそれぞれ500μm及び700μm
(中空糸の内径に対する外径の比が1.4)、水透過係
数が6700 l/m2・hr・Kg/cm2の中空糸の耐圧を実施
例3と同様にして測定した。3.5Kg/cm2以下の圧力で
は中空糸の変形は生じなかったが、4.5Kg/cm2以上で
は偏平に変形した中空糸も観察された。
【0040】(実施例6)最大引っ張り応力71Kg/c
m2、内径及び外径がそれぞれ470μm及び750μm
(中空糸の内径に対する外径の比が1.6)、水透過係
数が3300 l/m2・hr・Kg/cm2のポリスルホン中空糸
1800本(充填率55%)を用いて実施例1と同じ構
造のカートリッジフィルターを作成した。このフィルタ
ーの水のろ過水速度は8 l/0.1Kg/cm2・分で、数8から
求められる最大ろ過速度にほぼ一致した。また、実施例
3と同様にして耐圧を測定したところ、少なくとも7.
1Kg/cm2以下の圧力では中空糸の変形は生じなかった。
m2、内径及び外径がそれぞれ470μm及び750μm
(中空糸の内径に対する外径の比が1.6)、水透過係
数が3300 l/m2・hr・Kg/cm2のポリスルホン中空糸
1800本(充填率55%)を用いて実施例1と同じ構
造のカートリッジフィルターを作成した。このフィルタ
ーの水のろ過水速度は8 l/0.1Kg/cm2・分で、数8から
求められる最大ろ過速度にほぼ一致した。また、実施例
3と同様にして耐圧を測定したところ、少なくとも7.
1Kg/cm2以下の圧力では中空糸の変形は生じなかった。
【0041】(比較例1)内径及び外径がそれぞれ31
0μm及び460μm、水透過係数が8000 l/m2 ・
hr・Kg/cm2の中空糸4800本(充填率55%)を用い
て実施例1と同じデザインのカートリッジフィルターを
作成した。このフィルターの水のろ過速度は12 l/0.1
Kg/cm2・分で、最適中空糸(内径500μm、外径80
0μm)を用いた場合に比べて、収納膜面積が1.7倍
であるにもかかわらずろ過速度は85%であった。
0μm及び460μm、水透過係数が8000 l/m2 ・
hr・Kg/cm2の中空糸4800本(充填率55%)を用い
て実施例1と同じデザインのカートリッジフィルターを
作成した。このフィルターの水のろ過速度は12 l/0.1
Kg/cm2・分で、最適中空糸(内径500μm、外径80
0μm)を用いた場合に比べて、収納膜面積が1.7倍
であるにもかかわらずろ過速度は85%であった。
【0042】(実施例7)実施例4で使用した中空糸1
400本(充填率55%)を用いて実施例2の構造のカ
ートリッジフィルターを作成した。このフィルターの水
のろ過速度は11l/0.1Kg/cm2・分で、数8から求めら
れる最大ろ過速度にほぼ一致した。
400本(充填率55%)を用いて実施例2の構造のカ
ートリッジフィルターを作成した。このフィルターの水
のろ過速度は11l/0.1Kg/cm2・分で、数8から求めら
れる最大ろ過速度にほぼ一致した。
【0043】(実施例8)実施例7で作成したカートリ
ッジフィルターを図4のようにして2本直列に接続した
とき水のろ過速度は21 l/0.1Kg/cm2・分であった。
ッジフィルターを図4のようにして2本直列に接続した
とき水のろ過速度は21 l/0.1Kg/cm2・分であった。
【0044】(実施例9)外筒を長くして平均有効長が
44cmの実施例4の中空糸を用いた以外実施例1と同様
にしてカートリッジフィルターを作成した。このフィル
ターの水のろ過速度は19 l/0.1Kg/cm2・分であった。
44cmの実施例4の中空糸を用いた以外実施例1と同様
にしてカートリッジフィルターを作成した。このフィル
ターの水のろ過速度は19 l/0.1Kg/cm2・分であった。
【0045】実施例8と比べると実施例9のフィルター
は、収納膜面積が1.26倍にもかかわらずろ過速度は
90%であり、スケールアップしたときには無孔内筒を
有する構造の方が優れていることが判る。
は、収納膜面積が1.26倍にもかかわらずろ過速度は
90%であり、スケールアップしたときには無孔内筒を
有する構造の方が優れていることが判る。
【0046】
【発明の効果】本発明の中空糸型カートリッジフィルタ
ーは従来のプリーツ型カートリッジフィルターと互換で
きるだけでなく、適切な強度を維持しながらろ過速度が
最大になるように中空糸が最適設計されているので経済
的効果は大である。
ーは従来のプリーツ型カートリッジフィルターと互換で
きるだけでなく、適切な強度を維持しながらろ過速度が
最大になるように中空糸が最適設計されているので経済
的効果は大である。
【図1】本発明の中空糸型カートリッジフィルターの一
実施例とろ過現象を解析するためのモデルを示し、
(a)は簡略断面図、(b)は変数の設定を示してい
る。
実施例とろ過現象を解析するためのモデルを示し、
(a)は簡略断面図、(b)は変数の設定を示してい
る。
【図2】本発明の他の実施例を示す簡略断面図である。
【図3】同じく要部の一部省略拡大断面図である。
【図4】従来のプリーツ型カートリッジフィルター用の
ハウジングに本発明のカートリッジフィルターを3本直
列に接続して使用する場合を示す簡略断面図である。
ハウジングに本発明のカートリッジフィルターを3本直
列に接続して使用する場合を示す簡略断面図である。
【図5】数8によって得られた水透過係数と中空糸の最
適内径との関係を示すグラフである。
適内径との関係を示すグラフである。
【図6】数8によって得られたろ過速度とろ過圧力の関
係を水透過係数をパラメータとして示したグラフであ
る。
係を水透過係数をパラメータとして示したグラフであ
る。
1 内筒 2 ケース(外筒) 3 底 4 キャップ 5 中空糸 6 ポッティング材 7 孔 8 内筒部分 9 流体通路 10 中空糸型カートリッジフィルター 11 ハウジング 12 ガスケット 13 入口 14 出口 15 ボルト 16 集合室
Claims (6)
- 【請求項1】 最大引っ張り応力が45Kg/cm2以上、最
大伸びが30%以上、内径に対する外径の比が1.4〜
1.8、内径が次の数1の最大として与えられる値の−
20〜+30%以内で、かつ水透過係数が1000 l/m
2 ・hr・Kg/cm2以上の中空糸をループ状に折り返し、折
り返し部の他端を開口するようにしてその収納ケースと
ともに10〜20mmの長さで集束固定したことを特徴と
する中空糸型カートリッジフィルター。 【数1】PP =PB −〔q・l/KP +(2A/KF )
・ cosh (K・L)〕 ただし、記号はそれぞれ以下の意味である。 PP :中空糸の内側の水のポッティング材との界面位置
における圧力 PB :中空糸の外側の水の圧力(位置によらず一定) q:中空糸1/2本当たりのろ過流量で、総ろ過流量
(カートリッジフィルターのろ過速度)Q及び中空糸本
数Nと次式の関係にある。 【数2】q=Q/2N 【数3】2N=εD2 /do 2 D:ケースの内径 ε:中空糸充填率 do :中空糸の外径 l:ポッティング部分の長さ Kp :次式で表される変数である。 【数4】Kp =πdi 4 /128μ di :中空糸の内径 μ:水の粘度 A:次式で表される変数である。 【数5】A=K・q/2sinh(K・L) K:次式で表される。 【数6】K2 =KF /KP 【数7】KF =πdO ・KM L:中空糸の有効長さ KM :外径基準の中空糸の水透過係数。 - 【請求項2】 中空糸の収納ケースが、内筒部分を除い
て無孔の底を有するほぼ同芯状になるように配置された
有孔外筒と無孔内筒からなる請求項1記載の中空糸型カ
ートリッジフィルター。 - 【請求項3】 中空糸の水透過係数が3000 l/m2 ・
hr・Kg/cm2以上である請求項1記載の中空糸型カートリ
ッジフィルター。 - 【請求項4】 中空糸の内径が300〜700μmであ
る請求項1記載の中空糸型カートリッジフィルター。 - 【請求項5】 中空糸の有効長が15cm〜20cmである
請求項1記載の中空糸型カートリッジフィルター。 - 【請求項6】 中空糸がポリスルホンである請求項1記
載の中空糸型カートリッジフィルター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35706392A JPH06182161A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 中空糸型カートリッジフィルター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35706392A JPH06182161A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 中空糸型カートリッジフィルター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06182161A true JPH06182161A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18452199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35706392A Pending JPH06182161A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 中空糸型カートリッジフィルター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06182161A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0824957A1 (de) * | 1996-08-17 | 1998-02-25 | FILTERWERK MANN + HUMMEL GmbH | Flüssigkeitsfilterelement |
JPH10118464A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP2019528166A (ja) * | 2016-08-29 | 2019-10-10 | イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン | 圧縮されたプリーツ構成のフィルタ用の固定式の剛性壁装置 |
-
1992
- 1992-12-21 JP JP35706392A patent/JPH06182161A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0824957A1 (de) * | 1996-08-17 | 1998-02-25 | FILTERWERK MANN + HUMMEL GmbH | Flüssigkeitsfilterelement |
JPH10118464A (ja) * | 1996-10-18 | 1998-05-12 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 中空糸膜モジュール及びその製造方法 |
JP2019528166A (ja) * | 2016-08-29 | 2019-10-10 | イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン | 圧縮されたプリーツ構成のフィルタ用の固定式の剛性壁装置 |
JP2021073081A (ja) * | 2016-08-29 | 2021-05-13 | イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン | 圧縮されたプリーツ構成のフィルタ用の固定式の剛性壁装置 |
US11752470B2 (en) | 2016-08-29 | 2023-09-12 | Emd Millipore Corporation | Fixed rigid wall device for compressed pleat configuration filters |
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