JPH06181745A - 化学的及び微生物学的試験用用具 - Google Patents

化学的及び微生物学的試験用用具

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JPH06181745A
JPH06181745A JP20494193A JP20494193A JPH06181745A JP H06181745 A JPH06181745 A JP H06181745A JP 20494193 A JP20494193 A JP 20494193A JP 20494193 A JP20494193 A JP 20494193A JP H06181745 A JPH06181745 A JP H06181745A
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JP20494193A
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Yuichi Kinoshita
雄一 木下
Fumio Tanaka
文夫 田中
Chie Shibuya
千恵 渋谷
Chizuko Oshina
千鶴子 大科
Kiyoshi Oguchi
清 小口
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Showa Yakuhin Kako Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多数の反応、培養等を必要とする化学的実
験、微生物学的試験に使用することができる新規な構成
の試験用具を提供する。 【構成】 基体上に1個以上の独立した試料保持部分を
有する化学的試験または微生物学的試験に使用するため
の用具。 【効果】 本発明の試験用具は、従来プラスチック製の
マイクロプレートを用いて行われていた各種の化学的試
験、微生物学的試験に使用することができ、その構成上
きわめて安価に製造することができる。また必要な試薬
を予め含有する用具とすることができ、試験の実施を極
めて容易なものとすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、化学的試験または微生物学的
試験、特に微量液体希釈法による抗菌薬感受性測定法に
好適に使用し得る試験用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学的試料を何等かの試薬と反応させる
工程を含む化学的試験、あるいは試料中で微生物を培養
する工程を含む微生物学的試験で、特に多数の試料の処
理、多数の試薬との反応あるいは多数の系における培養
等を必要とする試験においては、反応あるいは培養容器
として複数のウェルを設けたプラスチック製マイクロプ
レートが通常使用されている。
【0003】例えば、ELISA等の免疫学的試験にお
いては多数の小ウェルを設けたプラスチックプレートを
使用するのが一般的である。また、微量液体希釈法によ
る抗菌薬感受性の測定、即ち抗菌薬の最小発育阻止濃度
(MIC)の測定についても、以前より広く用いられて
きた寒天平板希釈法、寒天拡散法による一濃度ディスク
法をさらに省力化、自動化したものとして1989年に
日本化学療法学会によって設定された微量液体希釈法に
よるMIC測定の標準法は、免疫学的試験において使用
されるものと同様のU字型ウェルを有するマイクロプレ
ートの使用を指定している。
【0004】このようなマイクロプレートを使用する試
験においては、プレート状の各ウェルのそれぞれにおい
て個別の反応、微生物の培養等を行うものである。例え
ばマイクロプレートを使用する微量液体希釈法によるM
IC測定においては複数のウェルに種々の濃度の抗菌薬
を入れ、それぞれのウェルでの対象菌の生育を観察し最
小発育阻止濃度を判定する。このような試験に使用する
ものとして、予め所定量の抗菌薬をマイクロプレートの
各ウェルに分注し、乾燥したもの及びそのまま凍結保存
したものが商品化されているが、マイクロプレート自体
のコストが高いため安価な商品を供給できず、ユーザー
において低価格化の強い要望がある。
【0005】
【発明の解決すべき課題】従って本発明の目的は、上記
のような比較的少量の試料を用い、特に多数の反応、培
養等を必要とする化学的試験または微生物学的試験に使
用することができる安価な用具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記マイ
クロプレートのような既存の試験用具の概念にとらわれ
ることなく、かかる試験用具の機能は多数の独立した反
応系、培養系等を効率よく保持することにあり、そのよ
うな機能さえ充足されればよいことに着目し鋭意検討し
た結果、基体上に反応系、培養系等を保持し得る小部分
を配置固定した用具によりその目的が達成されることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】従って本発明は、基体上に1個以上の独立
した試料保持部分を有する化学的試験または微生物学的
試験に使用するための用具である。即ち本発明の用具
は、上記マイクロプレートのようにウェルで反応系、培
養系等を保持するのではなく、基体上に設けられた小部
分の吸水性、親水性、保水性等により水性または親水性
の反応系、培養系等を保持するものであり、基体上に複
数の試料保持部分をそれぞれ独立させて設けることによ
り、複数のウェルを有するマイクロプレートと同様の機
能を果たすことができる。実際の試験においては、上記
試料保持部分に所望の反応系、培養系等を加えて保持さ
せ、反応の進行、菌の生育等を従来より使用される方法
を用いて検出することにより所望の試験結果を得ること
ができる。
【0008】本発明の試験用具においては、反応系、培
養系等は主として試料保持部分内部に吸収されて保持さ
れるようにすることもでき、また試料保持部分上に液滴
の状態で保持されるようにすることもできる。尚、本発
明にいう「試料保持部分」は、単に被検試料のみを保持
するための部分というような限定された意味で使用され
るものではなく、所望の化学的試験あるいは微生物学的
試験において使用される任意の反応系、培養系等を保持
するための部分を示すものである。
【0009】上記複数の試料保持部分は互いに接触して
いるとそれぞれに保持される反応系、培養系等の成分が
混ざり合うことになるので、各試料保持部分は独立して
隣接する試料保持部分から隔離して設けられる。そして
試料保持部分が保持する反応系、培養系等が所望の試験
中実質的に当該部分に保持され外部に逃散しないように
基体及び試料保持部分の材料を選択する。
【0010】上記のように試料保持部分に保持された水
性の反応系、培養系等が試験中に基体を介して試料保持
部分から外部に逃散しないようにするためには、一般に
基体は比較的疎水性の強い材料からなる必要があるが、
試料保持部分の材料をより親水性、保水性の高い材料か
ら選択すれば、より疎水性の弱い材料を基体に選択して
も上記機能は確保され得るので、基体と試料保持部分の
材料の選択はその意味で相対的なものである。
【0011】また、試料保持部分と基体の材料の選択に
より上記のような機能は充分に確保し得るので各試料保
持部分は隔壁等で隔てられている必要はなく、より簡易
な試験用具を提供するという観点からは本発明の用具は
試料保持部分と基体のみからなることが好ましいが、各
試料保持部分の隔離性をより確かなものとするため、あ
るいは基体上に試料保持部分を形成する工程の便宜等の
理由により各試料保持部分の間に基体とは別の隔壁を設
けてもよい。このような隔壁は基体形成時に基体の材料
で基体と一体に形成することもできるが、基体とは別に
後述するように印刷技術等により設けることができる。
【0012】試料保持部分を形成する材料としては、例
えば、フィルターペーパー、パルプディスクのような吸
水性及び保水性を有する繊維物、各種重合体等からなる
スポンジ状の多孔体、澱粉、寒天、プルラン等の多糖
類、カゼイン、ゼラチン等のタンパク質、結晶セルロー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン
等の各種ポリマー、これ等に必要に応じて他のモノマー
を共重合させたコポリマー、ポリエチレングリコール及
びポリプロピレングリコールから主としてなる第一工業
製薬株式会社からパオゲンの商品名で販売されている製
品、あるいはこれ等を部分架橋したもの、アラビアゴム
等の天然糊料等並びにこれらの混合物を使用することが
できる。上記材料中、ポリビニルピロリドン、ヒドロキ
シエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、
ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、パオ
ゲン等は、試料液体を吸収させたときに試料を増粘させ
る効果が高く、その結果使用時に試料保持部分に保持さ
れた試料が増粘され、より強固に試料が保持され、取扱
時に離脱しにくくなるので好ましい。また、上記のよう
に試料をより強固に保持するという目的のためには、試
料保持部分の材料として吸水性ゲルを使用することがさ
らに好ましい。好ましく使用できる吸水性ゲルとして
は、ポリビニルアルコール/ポリアクリレート系ゲル、
架橋ポリアクリレート系ゲル、架橋ポリビニルアルコー
ル系ゲル、架橋ポリエチレンオキサイド系ゲル、架橋ポ
リジエチルアクリルアミドゲル及び架橋ポリイソプロピ
ルアクリルアミドゲル等の架橋ポリアクリルアミド系ゲ
ル、架橋ポリビニルピロリドン系ゲル、架橋パオゲンゲ
ル等がある。これらの吸水性ゲルは単独で、または混合
して使用することができる。
【0013】このような吸水性ゲルを試料保持部分を形
成する材料として使用する場合は、通常適当なバインダ
ーと混合して使用される。適当なバインダーとして使用
できる材料としては、例えばダイヤナールBR−レジン
の商標で三菱レイヨン株式会社から販売されているアク
リル系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系
樹脂、スチレン−ブタジエンラテックス樹脂等の疎水性
樹脂(水に不溶)、及びポリビニルピロリドン、ヒドロ
キシプロピルセルロース等の水溶性であると同時に有機
溶媒に可溶(両溶性)の樹脂等が挙げられる。これらの
バインダーも単独で、または混合して使用することがで
きる。
【0014】試料保持部分の大きさ、形状、基体上での
配置等は特に制限されるものではなく、所望の試験に必
要な反応系、培養系等を所望量保持し得るものとして、
選択された試料保持部分の材料、本発明の用具の製造方
法等に応じて任意に選択することができる。フィルター
ペーパーのような繊維物、スポンジ状の多孔体等を使用
すれば比較的多量の試料を保持できる試料保持部分とす
ることができる。この場合試料保持部分は直径3〜20mm
程度の円形あるいは一辺が3〜20mm程度の矩形で、厚さ
が0.5〜3mm程度のものとするのが一般的である。この
場合、1個の試料保持部分に含有させる試料の量は一般
的には 0.005〜0.1 ml程度である。
【0015】ポリマー、吸水性ゲル等の材料を使用すれ
ば印刷技術等により試料保持部分を容易に効率よく形成
でき、また微小な試料保持部分を形成することも容易で
ある。例えば面積が5mm2 程度、隣接する試料保持部分
の間隔が 0.5mm程度まで微細な試料保持部分を形成でき
る。また乾燥膜厚で0.01〜 500μm 程度の試料保持部分
を一回の印刷で形成することができる。このような試料
保持部分に含有させる試料の量は一般的には5〜 100μ
g 程度である。
【0016】基体を形成する材料は、上記のように試料
保持部分から反応系等を逃散させないように比較的疎水
性の材料から選択することが好ましく、例えばポリエチ
レンポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、
ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ト
リアセチルセルロース等のポリマー、アルミニウム、ス
テンレス等の金属のシート、フィルム、前記ポリマーを
表面にラミネートした紙等の材料から選択することがで
きる。
【0017】基体の大きさ、厚さ、形状は特に限定され
るものではなく、設けられる試料保持部分の大きさ、
数、形状等、使用される試験の手順に応じて、また選択
した材料について適当な取り扱い性が得られるように選
択することができる。通常は矩形平板状の基体とするこ
とが好ましく、例えば一辺が 0.5〜2cmの矩形、長さが
8〜15cmで幅が試料保持部分と同じものとした短冊形等
で、厚さが 0.1〜2mm程度のものが一般的であり、試験
における取扱いに応じて柔軟性を有するものあるいは有
しないものとすることができる。
【0018】また、試料保持部分及び基体の材料は、細
菌の増殖、発色反応の進行等の試験結果を表示する変化
を好適に検出することができるように適当に色、透明度
等を選択することができ、例えば、透明、黒色等の基体
を使用できる。本発明の試験用具は最も簡易には、適当
な材料からなり、適当な大きさ及び形状の基体上に、同
じく適当な材料からなり、適当な大きさ及び形状を有す
る試料保持部分の適当数を適当な配置で接着固定するこ
とにより製造できる(実施例1、図1)。
【0019】また、試料保持部分の材料として上記に挙
げたようなポリマー、吸水性ゲルを使用する場合は、該
ポリマー、吸水性ゲル、及び必要により適当なバインダ
ーを適当な溶媒中に溶解または分散して基体上に所望の
形状で塗布したり、ディスペンサーで滴下して、乾燥さ
せることにより本発明の用具を製造することもできる。
さらに好ましくは、本発明の試験用具は上記に挙げたよ
うな試料保持部分用の材料の適当な溶媒中の溶液等をイ
ンクとして使用し、試料保持部分をスクリーン印刷、グ
ラビア印刷等の印刷技術により基体上に設け、乾燥する
ことによって製造することができる(実施例2〜6、図
2〜7)。本発明の試験用具の製造に使用する印刷技術
は、通常の印刷物の印刷に使用される技術を使用でき、
特にスクリーン印刷及びグラビア印刷法が好ましい。
【0020】上述の通り印刷技術による試料保持部分の
形成は大量生産による用具自体の低廉化に好ましい他、
微細な試料保持部分の形成、試験における使用時に正確
に所望の量の試薬を含有する試料保持部分の形成等に適
しており、特に試験の自動化に合わせた多量の試料保持
部分を有する用具の製造に適している。印刷により試料
保持部分を形成する場合、試料保持部分の配置、形状、
厚さ等は印刷版の形状により調整でき、一回の印刷によ
り厚さの異なる試料保持部分を形成することもできる。
また一回の印刷により所望の厚さの試料保持部分を形成
できない場合は複数回同一箇所に印刷を行うことにより
試料保持部分の厚さを増加させることもできる。
【0021】また、印刷技術を用いた本発明用具の別の
製造方法として、各試料保持部分の間の隔壁となる部分
を予め基体上に印刷により設けておき、その隔壁によっ
て規定される基体上の部分に試料保持部分を形成する材
料を充填し、本発明の試験用具を製造することもでき
る。例えば、適当な材料からなる基体上に、後に試料保
持部分を形成するための独立した部分を規定する、例え
ば格子パターン等を上記のような印刷技術により形成
し、該パターンにより形成された独立した各部分に、試
料保持部分を形成する材料、例えば上記のようなポリマ
ー材料の適当な溶媒中の溶液を注入し、乾燥することに
より本発明の試験用具を製造できる。
【0022】さらに本発明の試験用具においては、当該
本発明の試験用具が使用される化学的試験あるいは微生
物学的試験に使用される試薬を予め試料保持部分に含有
させておいてもよい。例えば、前記のような微量液体希
釈法による抗菌薬感受性の測定に使用する用具である場
合は、試料保持部分に対象となる所定量の抗菌薬を含有
させておくことにより、試験時にその試料保持部分に適
当な培地中に規定量の細菌を懸濁させた菌液を加えるだ
けで抗菌薬感受性の測定を行うことができる。また一つ
の検査用具において、同一量の培地を含有でき、抗菌薬
の含有量が段階的に変化する試料保持部分を複数個設け
ておけば、培地中に懸濁した同一の菌試料を当該用具の
それぞれの試料保持部分に等量加え、生育状態を観察す
ることによって容易に抗菌薬感受性の測定を行うことが
できる。抗菌薬の含有量は、例えば各試料保持部分毎に
2倍ずつ変化するようにしておけば上記試験の目的に好
適である。このような試験に使用される試薬を予め試料
保持部分に含有させるためには、試料保持部分にフィル
ターペーパーのような繊維物、スポンジ状の多孔体等を
使用した場合は試薬の溶液を試料保持部分に含浸させて
乾燥させることにより、またポリマー等を使用した場合
には基体に塗布するポリマー等の溶液または分散液に試
薬を加えておくことにより、容易に試料保持部分に試薬
を含有させることができる。後者の場合、例えば、上記
したポリマー、吸水性ゲル等を溶解、分散した溶媒中に
試薬を混合し、得られた混合液をインクとし、各種の印
刷法によりこれを基体上に塗布、乾燥することにより多
数の試料保持部分を容易に効率よく形成することができ
る。印刷により試料保持部分を形成する場合、それぞれ
異なった試薬と試料保持部分材料を含むインクを使用し
て、複数回の印刷を行うことにより複数種の試薬を含む
多層の試料保持部分を形成することができる。試薬と試
料保持部分材料を含む同一のインクを使用して複数回の
印刷を行い、それぞれの試料保持部分を形成するための
印刷回数を変化させる(即ち、同一個所に行う印刷回数
を変化させる)ことにより試薬の含有量の異なる試料保
持部分を形成することもできる。また、本発明の試験用
用具の試料保持部分を、試料を吸収するための部分と、
上記のような試薬を予め含有しておくための部分(試薬
を含有する部分)からなるものとし、使用時にこれらの
2つの部分に試料を加えるとそれらが1つの試料保持部
分として機能するようにしてもよい。この場合、例え
ば、吸水性ゲルとバインダーと溶媒または分散媒とを含
むインクを使用して印刷により基体上に試料を吸収する
ための部分を形成し、試薬とバインダーと溶媒または分
散媒とを含むインクを使用して、先に設けられた試料を
吸収するための部分の上にほぼ同様な形状で試薬を含有
する部分を印刷により形成し2つの部分を積層して試料
保持部分とすることができる。これらの試料を吸収する
ための部分と試薬を含有する部分は基体上に逆の順で積
層してもよい。あるいは本発明の試験用具の試料保持部
分は、例えば、図7及び図8にその断面図と平面図を示
したように、基体上にそれぞれ独立した部分として形成
される、試薬を含有する部分と、それを包囲するように
形成された試料を吸収するための部分からなるものとす
ることができる。このような形態とする場合は、試料を
添加したときに試料を吸収するための部分が膨潤して試
薬を含有する部分を覆い、2つの部分が一体化し、試薬
が全体にいきわたるようにすることができるように、試
料を吸収する部分の材料は水分を吸収して充分に膨張す
る材料から選択される必要がある。このような材料の好
ましい例としては、上述の各種の吸水性ゲルが挙げられ
る。吸水性ゲルを使用して図7のような形態の試料保持
部分を形成した場合、これに試料を加えると図9に示し
たように試料を吸収するための部分の吸水性ゲルが膨張
して1個の試料保持部分として機能する。上記のような
形態に試料保持部分を形成する場合は、試料を加えたと
きに試料を吸収するための部分と試薬を含有する部分が
一体となればよく、当初は2つの部分が接触していても
よいし、ある程度離隔していてもよい。さらに、図7に
示したような形態に試料保持部分を形成する場合は、試
薬の脱落を防止するために、図10に示すように試薬を含
有する部分の上に上記に挙げたようなポリマー等からな
る保護層を設けてもよい。上記のようにして試料を吸収
するための部分と試薬を含有する部分とを別々に形成す
る場合において、試料を吸収するための部分を一定量の
吸水性ゲルとバインダーから形成し、試薬を含有する部
分を試薬とバインダーを含むインクを使用して印刷によ
り形成することとし、例えばグラビア印刷の場合では版
の版深と線数を変えて転移量を変化させること等により
前記の試薬を含有するインクの量を変化させるかまたは
その試薬の濃度を変化させて印刷を行えば、例えば前記
した抗菌薬感受性試験用用具に必要とされるような、異
なる量の試薬を含有し、しかも保持する試料の量が一定
である試料保持部分を容易に形成できる。
【0023】上記の本発明の試験用具を使用する場合、
用具の試料保持部分に所望の反応溶液、培養液等を加え
て反応、培養等を行い、さらに必要に応じて反応、培養
等の後に必要な試薬を加え、試験の原理に応じて発色、
発光、蛍光の発生、濁度の変化等により試験結果を検出
する。
【0024】例えば抗菌薬の最小発育阻止濃度の測定の
場合、培地中の細菌の増殖を目視により検出する方法、
培地の濁度を 640〜660 nmの吸光度により検出する方
法、培地中に蛍光基質を入れておき、細菌の増殖に伴い
培地中に蓄積する細菌酵素により蛍光物質を発生させて
蛍光強度の測定によりその量を測定して細菌の増殖と相
関させる方法等がある。
【0025】反応液、培養液等の試料保持部分への添加
は、反応液等をマイクロピペット等により計量し添加す
るのが一般的であるが、試料保持部分をそれに含有させ
るべき試料と接触させたときにほぼ一定の量の試料のみ
を吸収し得るものとすれば、本発明の用具全体または試
料保持部分を含有させるべき試料中に浸漬して引上げ、
余分な試料を除去することにより上記添加を行うことが
できる。
【0026】試験結果は、最も簡易には肉眼により検出
するが、より正確な結果を必要とする場合、あるいは特
に試料保持部分を微細なものとしたような場合で肉眼で
は結果を検出できないような場合には、上記のような濁
度、発色、発光、蛍光の発生等を従来より使用されてい
る検出装置により検出して所望の試験結果を得ることが
できる。上記抗菌薬の最小発育阻止濃度の測定における
吸光度、蛍光強度等の測定も市販の吸光度計、蛍光光度
計等により行うことができる。本発明の試験用具は、自
動化されたこれらの公知の計測機器に適合するように製
造することができる。
【0027】
【本発明の効果】本発明の試験用具は、従来プラスチッ
ク製のマイクロプレートを用いて行われていた、例えば
抗原、抗体、酵素等の生物学的物質、例えば呈色化合物
等の非生物学的物質を試料または試薬として使用する各
種の化学的試験、微生物の培養を含む微生物学的試験に
使用することができ、その構成上極めて安価に製造する
ことができる。また必要な試薬を予め含有した用具とす
ることができ、試験の実施を極めて簡易なものとするこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1:試料保持部分の材料としてパルプディスクを
使用した例 縦17cm、横1cm、厚さ 0.5mmのアクリル平板短冊上に、
ストレプトマイシンを含有する直径8mmのパルプディス
ク11枚と対照用のストレプトマイシン非含有の同じパル
プディスク2枚を両面テープで5mmの間隔をおいて接着
した。ディスク中のストレプトマイシン含有量はそれぞ
れ1280, 640, 320, 160, 80, 40, 20, 10, 5, 2.5 及び
1.25ngとなるようにした。この試験用具の部分的な概略
斜視図を図1に示す。
【0029】被検菌としてStaphylococcus aureus ATCC
25923 を使用し、寒天培地上で一夜培養した被検菌苔
を滅菌生理食塩水で約108CFU/ml に懸濁し、これをミュ
ーラ・ヒントンブロス(組成:肉抽出液 300g 、カザミ
ノ酸17.5g 、デンプン1.5g、精製水1000ml)を用いて10
00倍に希釈し(約105CFU/ml)、得られた被検菌苔接種済
みブロスをマイクロピぺットを用いて20μl ずつアクリ
ル板上に固定した乾燥ディスクに添加した。対照として
薬剤非含有のディスクに被検菌苔接種済みブロス(対照
1)と菌苔無添加ブロス(対照2)とをそれぞれ同量添
加した。
【0030】上記の試料を添加したディスクを有するア
クリル平板短冊を、水蒸気を飽和させた小箱に入れ35±
1℃で19時間培養した。培養後、それぞれのパルプディ
スクに予め調製した0.0275重量%のレサズリン水溶液を
20μl ずつ滴下し、30分間放置後対照と比較して同様の
青色を示したディスク中の最小薬剤濃度をもってMIC
値とした。本実験例ではMIC値は4μg/mlと判定され
た。
【0031】実施例2:試料保持部分の材料として結晶
セルロースとアラビアゴムの混合物を使用した例 縦14cm、横14cm、厚さ 0.5mmの透明ポリ塩化ビニル平板
上に、水 100ml中、結晶セルロース30g 、アラビアゴム
20g 及びテトラサイクリンを含む混合物を用い、スクリ
ーン印刷法によりテトラサイクリンを含有する結晶セル
ロースとアラビアゴムの混合物の幅5mmの帯を5mmの間
隔で11本平行に描き乾燥させた。盛り上がり印刷として
乾燥後の帯の厚さが約0.5mm となるようにした。また混
合物中のテトラサイクリン量は、描いた帯中のテトラサ
イクリン含有量は1本毎に5mm当たり640, 320, 160, 8
0, 40, 20, 10, 5, 2.5, 1.25 及び0.625ng となるよう
に変化させた。別に対照用としてテトラサイクリンを含
有しない混合物の帯を2本同様に描いた。
【0032】乾燥後、帯と直角にポリ塩化ビニル平板を
幅5mmに裁断し、5mmの間隔で5mm四方の厚さ約0.5 mm
の上記テトラサイクリン含有量の試料保持部分11個と対
照用の試料保持部分2個が配置された幅5mmのポリ塩化
ビニル平板短冊からなる本発明の試験用具を得た。この
試験用具の部分的な概略斜視図を図2に示す。被検菌と
してEscherichia coli ATCC 25922 を使用し、寒天培地
上で一夜培養した被検菌苔を滅菌生理食塩水で約108CFU
/ml に懸濁し、これをミューラー・ヒントンブロスを用
いて1000倍に希釈し(約105CFU/ml)、得られた被検菌苔
接種済みブロスをマイクロピぺットを用いて10μl ずつ
ポリ塩化ビニル平板短冊上の試料保持部分に添加した。
対照として薬剤非含有の試料保持部分に被検菌苔接種済
みブロス(対照1)と菌苔無添加ブロス(対照2)とを
それぞれ同量添加した。
【0033】上記の試料を添加した試料保持部分を有す
るポリ塩化ビニル平板短冊を、水蒸気を飽和させた容器
に入れ35±1℃で20時間培養した。培養後、対照1の試
料保持部分上での菌の発育と対照2の試料保持部分上で
菌が発育していないことを確認した後、菌の成育が肉眼
で認められない試料保持部分中の最小薬剤濃度をもって
MIC値とした。本実験例ではMIC値は1μg/mlと判
定された。
【0034】実施例3:試料保持部分の材料としてポリ
アクリル酸を使用し、スクリーン印刷で設けられた格子
内に試料保持部分を設けた例 縦15cm、横15cm、厚さ200 μm のポリスチレンシート上
に、アクリル樹脂(ダイヤナールBRレジン、三菱レイ
ヨン(株)製)の50%メチルイソブチルケトン溶液を用い
て1cm×1cm(格子内面積1cm2 )の格子を12×12個形
成する幅5mmの格子パターンを乾燥後厚さ 100μm とな
るようにスクリーン印刷法により印刷し乾燥した。
【0035】次いでこの格子内にディスペンサーを用い
てテトラサイクリンを含有するポリアクリル酸(純正化
学(株)製)の50%溶液を10μl 注入し乾燥させて試料保
持部分を形成した。溶液のテトラサイクリン含有量は、
ポリアクリル酸の塗工量が同じでテトラサイクリンの含
有量が各格子内で640, 320, 160, 80, 40, 20, 10,5,
2.5, 1.25 及び0.625ng となるように変化させた。別に
対照用としてテトラサイクリンを含有しないポリアクリ
ル酸の溶液を注入した格子も作成した。この試験用具の
部分的な概略斜視図及び断面図を図3及び図4に示す。
【0036】被検菌としてEscherichia coli ATCC 2592
2 を使用し、寒天培地上で一夜培養した被検菌苔を滅菌
生理食塩水で約108CFU/ml に懸濁し、これをミューラー
・ントンブロスを用いて1000倍に希釈し(約105CFU/m
l)、得られた被検菌苔接種みブロスをマイクロピペット
を用いて10μl ずつ格子内の試料保持部分に添加した。
対照として薬剤非含有の試料保持部分に被検菌苔接種済
みブロス(対照1)と菌苔無添加ブロス(対照2)とを
それぞれ同量添加した。
【0037】上記の試料を添加した小試料保持部分を有
するポリスチレンシートを水蒸気を飽和させた容器に入
れ35±1℃で20時間培養した。培養後、対照1の試料保
持部分上での菌の発育と対照2の試料保持部分上で菌が
発育していないことを確認した後、菌の成育が肉眼で認
められない試料保持部分中の最小薬剤濃度をもってMI
C値とした。本実験例ではMIC値は1μg/mlと判定さ
れた。
【0038】実施例4:試料保持部分の材料としてゼラ
チンを使用し、試料保持部分をグラビア印刷法により設
けた例 テトラサイクリン0.04%を含有する5%ゼラチン溶液を
調製し、0.25cm2 の四角パターンを横方向に1cm間隔で
5個、横方向に2倍ずつ増加する塗工量で印刷でき、こ
の5個の四角パターンを繰り返しピッチ間隔が 1.5cmで
連続的に印刷できるようにセルが調製されたグラビアロ
ールを用いて、上記ゼラチン溶液を幅10cm、厚さ200 μ
m のトリアセチルセルロースフィルム上に連続コーティ
ングし、テトラサイクリンを5, 10, 20, 40 及び80ng含
む1列5個の0.25cm2 の四角形の小部分を連続的に基体
上に形成した。
【0039】次いで30%ゼラチン溶液を用いて上記小部
分上にゼラチンの塗布量が200 ng/cm2となるように1cm
2 のコーティングを上記と同様に設けた。このとき、対
照として同じ30%ゼラチン溶液を用いて上記5個のテト
ラサイクリンを含有する四角パターンの横に1個ずつ同
量、同形状のテトラサイクリンを含有しないコーティン
グを連続的に設けた。次いでこの1列計6個の四角パタ
ーンが連続的に設けられたフィルムを四角パターンの各
列の間隔の中央で幅方向に裁断し、縦 1.5cm、横10cmで
四角パターンを6個有する短冊状の本発明の試験用具を
得た。この試験用具の概略斜視図及び断面図を図5及び
図6に示す。
【0040】本実施例の試験用具においては、テトラサ
イクリン含有ゼラチンとテトラサイクリン非含有ゼラチ
ンとを合わせたものが試料保持部分となり、試料保持部
分に培養液を添加することによりテトラサイクリンが試
料保持部分全体に拡散し所定のテトラサイクリン含有量
が得られる。被検菌としてEscherichia coli ATCC 2592
2 を使用し、寒天培地上で一夜培養した被検菌苔を滅菌
食塩水で約108CFU/ml に懸濁し、これをミューラー・ヒ
ンンブロスを用いて1000倍に希釈し(約105CFU/ml)、こ
れに上記で作成したテトサイクリン含有及び非含有試料
保持部分を有するシートを数秒間浸漬し被検菌苔接種済
みブロスを吸収させた。
【0041】上記の試料を添加した試料保持部分を有す
る試験用具を、水蒸気を飽和させた容器に入れ35±1℃
で20時間培養した。培養後、対照の試料保持部分上での
菌の発育と別途同様に作成したシートを被検菌苔非含有
ブロスに浸漬して得た対照の試料保持部分上で菌が発育
していないことを確認した後、菌の成育が肉眼で認めら
れない試料保持部分中の最小薬剤濃度をもってMIC値
とした。本実験例ではMIC値は1μg/mlと判定され
た。
【0042】実施例5:試料保持部分を試料を保持する
ための部分と試薬を含有する部分からなるものとし、試
料を保持するための部分に吸水性ゲルを使用した例 縦20cm、横20cm、厚さ125 μm のポリエチレンテレフタ
レートシート上に、アクリル系樹脂(セリコールメジウ
ム、帝国インキ製造株式会社製)56 gをシクロヘキサノ
ン14 gに加えた溶液に、吸水性ゲル(スミカゲル、住友
化学株式会社製)30 gを分散させたインキを用いて、内
径7 mm、外径9mm、枠幅1 mmの環状パターンを8×8
個、乾燥後の膜厚が70μm となるように、スクリーン印
刷法により印刷し、乾燥した。次いで、この円形パター
ン内にディスペンサーを用いて、抗菌薬としてピペラシ
リンナトリウム(PIPC)、メチルフェニルイソキサ
ゾリルペニシリンナトリウム(MPIPC)、セファゾ
リンナトリウム(CEZ)、セフメタゾールナトリウム
(CMZ)、セフチゾキシムナトリウム(CZX)、塩
酸ミノサイクリン(MINO)、オフロキサシン(OF
LX)をそれぞれ含有するヒドロキシプロピルセルロー
ス(日本曹達株式会社製)の5%溶液を10μlずつ注入
した。溶液の抗菌薬含量は、ヒドロキシプロピルセルロ
ースの塗工量が同じで抗菌薬の含有量が各パターン内で
100 、50、25、12.5、6.25及び3.125 ngとなるように変
化させた。別に対照用として、抗菌薬を含有しないヒド
ロキシプロピルセルロース溶液を注入したパターンも作
製した。被検菌としてStaphylococcus aureus ATCC 259
23 を使用し、寒天培地上で一夜培養した被検菌苔を滅
菌生理食塩水で約108 CFU/mlに懸濁し、これをミューラ
ー・ヒントンブロスを用いて1000倍に希釈し(約105/m
l)、得られた被検菌苔接種済みブロスをマイクロピペ
ットを用いて1パターンあたり50μl ずつ滴下した。対
照として薬剤非含有のパターン内に、被検菌苔接種済み
ブロスと菌苔無添加ブロスとをそれぞれ同量滴下した。
上記試料を滴下した試料保持部分を有するシートを、水
蒸気を飽和させたプラスチック溶液に入れ、35℃で16〜
18時間培養した。培養後、菌の成育が肉眼で認められな
い試料保持部分中の最小薬剤濃度をもってMIC値とし
た。本実施例で得られたMIC値を下記表1に示す。上
記で作製した本発明の試験用具を使用して測定したMI
C値の他、通常の微量液体希釈法により測定したMIC
値を併せて示す。
【0043】
【表1】 表1 ──────────────────────────────── 抗菌薬 本発明試験用具 微量液体希釈法 (n=3) (n=5) ──────────────────────────────── PIPC 0.5 0.5 MPIPC 0.25 0.25 CEZ 0.5 0.5 CMZ 1.0 1.0 CZX 1.0 1.0 MINO 0.25 0.25 OFLX 0.5 0.5 ──────────────────────────────── nは測定回数を示し、数値はその平均値を表す。
【0044】実施例6:試料保持部分を試料を保持する
ための部分と試薬を含有する部分からなるものとし、試
料を保持するための部分に吸水性ゲルを使用した例 下記表2に示した抗菌薬PIPC、CEZ、エリスロマ
イシン(EM)、MINO、OFLXのそれぞれを0.08
%含有する5%ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹
達株式会社製)溶液を調製し、直径4mmの円形パターン
を横方向に1.9cm間隔で2倍ずつ増加する塗工量で8
個、繰り返しピッチ間隔が1.7 cmで連続的に印刷できる
ようにセルが調製されたグラビア版を用いて、上記ヒド
ロキシプロピルセルロース溶液を、縦20cm、横20cm、厚
さ125 μm のポリエチレンテレフタレートシート上に階
調塗布し、表2に示した抗菌薬を100 、50、25、12.5、
6.25及び3.125 ng含む1列8個の内径4mmの円形パター
ンの小部分を連続的に基体上に形成した。次いで、水溶
性樹脂のヒドロキシプロピルセルロース(HPC)また
はポリビニルピロリドン(PVP、純正化学株式会社
製)16.8 gをn-ブタノール6gに溶解したあとシクロヘ
キサノン20gを加えた溶液に吸水性ゲル(ダイヤウェッ
ト、三菱油化株式会社製)30gを分散させたインキを用
いて、上記小部分を囲む外枠となるように実施例5と同
様にして、内径7mm、外径9mm、枠幅1mmの環状パター
ンを8×8個、乾燥後の膜厚が50μm となるように、ス
クリーン印刷法により印刷し、乾燥した。被検菌として
Staphylococcus aureus ATCC 25923 、Staphylococcus
epidermidis ATCC 12228 、Klebsiella pneumoniae ATC
C 10031 を使用し、寒天培地上で一夜培養した被検菌苔
を滅菌生理食塩水で約108 CFU/mlに懸濁し、これをミュ
ーラー・ヒントンブロスを用いて1000倍に希釈して約10
5/mlの菌液を調製し、得られた被検菌苔接種済みブロス
をマイクロピペットを用いて1パターンあたり50μl ず
つ滴下した。対照として薬剤非含有のパターン内に、被
検菌苔接種済みブロスと菌苔無添加ブロスとをそれぞれ
同量滴下した。上記試料を滴下した試料保持部分を有す
るシートを、水蒸気を飽和させたプラスチック溶液に入
れ、35℃で16〜18時間培養した。培養後、菌の成育が肉
眼で認められない試料保持部分中の最小薬剤濃度をもっ
てMIC値とした。本実施例で得られたMIC値を下記
表2に示す。上記で作製した本発明の試験用具を使用し
て測定したMIC値の他、通常の微量液体希釈法により
測定したMIC値を併せて示す。
【0045】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── 抗菌薬 被検菌 測定方法 PIPC CEZ EM MINO OFLX ───────────────────────────────────S. aureus 微量液体希釈法 O.5 0.5 0.25 0.25 0.5 ATCC 25923 本発明用具(HPC) O.5 0.5 0.25 0.125 0.5 本発明用具(PVP) O.5 0.5 0.25 0.125 0.5S. epidermidis 微量液体希釈法 >2.0 0.5 0.25 0.25 0.5 ATCC 12228 本発明用具(HPC) >2.0 0.5 0.25 0.25 0.5 本発明用具(PVP) >2.0 0.5 0.25 0.25 0.5K. pneumoniae 微量液体希釈法 >2.0 2.0 >2.0 0.25 0.06 ATCC 10031 本発明用具(HPC) >2.0 2.0 2.0 0.125 ≦0.06 本発明用具(PVP) >2.0 2.0 2.0 0.25 ≦0.06 ─────────────────────────────────── 測定回数は、微量液体希釈法が3回、本発明用具による
場合が2回であり、数値はその平均値を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1で製造した本発明の試験用
具の部分的な概略斜視図である。
【図2】 図2は、実施例2で製造した本発明の試験用
具の部分的な概略斜視図である。
【図3】 図3は、実施例3で製造した本発明の試験用
具の部分的な概略斜視図である。
【図4】 図4は、実施例3で製造した本発明の試験用
具の部分的な概略断面図である。
【図5】 図5は、実施例4で製造した本発明の試験用
具の概略斜視図である。
【図6】 図6は、実施例4で製造した本発明の試験用
具の概略断面図である。
【図7】 図7は、本発明の試験用具の試料保持部分を
試料を吸収するための部分と試薬を含有する部分からな
るものとした場合の試料保持部分の概略断面図である。
【図8】 図8は、図7に示した本発明の試験用具の試
料保持部分の概略平面図である。
【図9】 図9は、図7に示した形態の試料保持部分に
試料を加えたときのその形態を示す概略断面図である。
【図10】 図10は、図7に示した形態の試料保持部
分の一変形例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1...パルプディスクの試料保持部分 2...アクリル平板基体 3...結晶セルロースとアラビアゴムからなる試料保持部
分 4...ポリ塩化ビニル平板基体 5...ポリアクリル酸からなる試料保持部分 6...アクリル樹脂格子パターン 7...ポリスチレンシート基体 8...テトラサイクリン含有ゼラチン 9...1cm2 のゼラチンコーティング 10...トリアセチルセルロース基体 11...吸水性ゲルを含む、試料を吸収するための部分 12...試薬を含有する部分 13...基体 14...試料を吸収して膨潤した試料を吸収するための部
分 15...保護層
フロントページの続き (72)発明者 渋谷 千恵 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 大科 千鶴子 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 小口 清 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に1個以上の独立した試料保持部
    分を有する化学的試験または微生物学的試験に使用する
    ための用具。
  2. 【請求項2】 試料保持部分が吸水性ゲルを含む請求項
    1記載の用具。
  3. 【請求項3】 段階的に変化する量の抗菌薬を含む複数
    の試料保持部分を有する、微量液体希釈法による抗菌薬
    感受性測定試験用用具である請求項1または2記載の用
    具。
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