JPH06180Y2 - プレスのダイクッションピン自動交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はプレスのダイクッション装置に使用するダイ
クッションピンの自動交換装置に関する。

〔従来の技術〕

従来のプレスにはダイクッション装置が設けられてい
て、ボルスタ上に載置された金型を弾性的に支持できる
ようになっている。

また上記ダイクッション装置はボルスタ内に収容された
複数本のダイクッションピンと、これらダイクッション
ピンを介してボルスタ上の金型を弾性支持するダイクッ
ションパッドとより構成されていて、上記ダイクッショ
ンピンは金型の種類や大きさに応じてその都度配置換え
を行っている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

プレス本体に対して出入れ自在なムービングボルスタを
有するプレスでは、金型交換の際プレス本体外で上記ダ
イクッションピンの配置換え作業を行うが、これら作業
は作業員による手作業の上、多数のピンを差し換えなけ
ればならないため、差し換え作業に多くの時間と労力を
要して作業能率が非常に悪いなどの不具合があった。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

この考案は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で、 プレス本体に対して出入れ自在なムービングボルスタを
備えたプレスにおいて、上記プレス本体の近傍に設けら
れた金型交換位置に、テーブルリフタにより昇降自在な
リフトテーブルと、該リフトテーブル内に収容され、か
つ適宜リフト手段により選択的に上下動自在な複数本の
ダイクッションピンを設けると共に、上記ムービングボ
ルスタ側には、リフト手段により選択的に上昇されたダ
イクッションピンを収容するピン孔と、これを係止する
係止手段とを設けたことにより、金型交換時金型に応じ
て選択したダイクッションピンが自動的に交換できるよ
うにしたプレスのダイクッションピン自動交換装置を提
供しようとするものである。

〔実 施 例〕

この考案を図示の一実施例を参照して詳述すると、図に
おいて１はプレス本体、２は該プレス本体１に対して出
入れ自在なムービングボルスタで、キャリヤ２ａ下部に
設けられた車輪３によりプレス本体１内より第１図に示
す金型交換位置Ａまで走行できるようになっている。

４は上記金型交換位置Ａに設置されたこの装置の本体
で、床面ＦＬを掘り下げることにより形成されたピット
５内に複数本のテーブルリフタ６が設置されていて、こ
れらテーブルリフタ６によりリフトテーブル７が第２図
仮想線で示す位置より上面がダイクッションピン１３に
設けた小径部１３ａが後述するムービングボルスタ２の
下面に設けたピン係止板１６の係止孔１６ａと係合する
位置まで昇降できるようになっていると共に、リフトテ
ーブル７の下部には、リフトテーブル７を水平状態で昇
降動させるためのイコライザ機構８が設置されている。

上記イコライザ機構８はリフトテーブル７の下部に上端
部が固着された複数本のガイド杆8aと、このガイド杆８
ａの上下動を案内するガイド筒８ｂ内で上記ガイド杆８
ａに形成されたラック８ｃに噛合するピニオン８ｄとよ
りなり、各ガイド杆８ａに設けられたピニオン８ｄは連
動軸８ｅにより互に連動されていて、テーブルリフタ６
によりリフトテーブル７が昇降動される際、各ガイド杆
８ａを同量ずつ昇降動させることにより、リフトテーブ
ル７を水平状態に維持するようになっている。

また上記リフトテーブル７内にはムービングボルスタ２
に形成された多数のピン孔２ｂと同一配置でシリンダ７
ａが等間隔で多数凹設されており、これらシリンダ７ａ
内にピストン７ｂが上下動自在に収容されていると共
に、各シリンダ７ａの底部は管路１０により各シリンダ
7a毎に設けられた電磁弁よりなる制御弁１１及びチェッ
ク弁１２を介してエアまたは油圧などの圧力減Ｐに接続
されている。

そして上記各制御弁１１はマイクロコンピュータよりな
る制御装置（図示せず）に接続されていて予め入力され
たデータをもとにオンオフされ、使用するシリンダ７ａ
にのみチェック弁１２及び制御弁１１を介して圧力が供
給されるようになっている。

なお、制御装置の代りに各制御弁１１毎に押釦スイッチ
を設けて、この押釦スイッチにより使用するシリンダ７
ａへ圧力を供給するようにしてもよい。

一方上記リフトテーブル７に設けられたシリンダ７ａ内
には、中間部に小径部１３ａを有するダイクッションピ
ン１３の下端側が収容されていると共に、各シリンダ７
ａの開口部には、上昇したダイクッションピン１３のガ
イド及びピストン７ｂの飛び出しを防止するガイド部材
１４が固着されている。

またシリンダ７ａ内に収容された各ダイクッションピン
１３の上端部はリフトテーブル７上に設けられた支持部
材１５の上面板１５ａにより支持されている。

上記支持部材１５の上面板１５ａもシリンダ７ａと同一
配置で多数の透孔１５ｂが開口されていて、これら１５
ｂより各ダイクッションピン１３の上面が上面板１５ａ
の上面とほぼ同一平面となるよう上面板１５ａ上に露出
していると共に、ムービングボルスタ２の下面にはムー
ビングボルスタ２内に形成されたピン孔２ｂと同一配置
で係止孔１６ａが開口されたピン係止板１６が設けられ
ている。

上記ピン係止板１６に開口された係止孔16ａは第５図に
示すようにダイクッションピン１３の大径部１３ｂより
やや大径な円孔と、大径部１３ｂより小径でかつ小径部
１３ａよりやや大径な円孔の中心を距離Ｓ離して連設し
た形状となっていると共に、ピン係止板１６の両端部
は、ムービングボルスタ２の底面に布設されたガイドレ
ール１７に第４図に示すように支承されていて、キャリ
ヤ２ａに設けられた作動シリンダ１８により上記ガイド
レール１７に沿って係止孔１６ａの長手方向に距離Ｓ′
ストロークできるようになっている。

次に上記構成された自動交換装置の作用を説明すると、
プレス稼動時リフトテーブル７は、第２図の仮想線で示
す下降位置にあり、このとき支持部材１５の上面板１５
ａは床面ＦＬとほぼ同一平面となるため、上面板１５ａ
上を歩行することができる。

次に金型交換の際ダイクッションピン１３を交換するに
当り、まずプレス本体１内よりムービングボルスタ２を
金型交換位置Ａまで引出し、金型の交換を行うと共に、
テーブルリフタ６によりリフトテーブル７を上昇させる
と共に、今迄使用していたダイクッションピン１３用の
シリンダ７ａを上昇させ作動シリンダ１８により係止板
１６を係止孔１６ａの大径な円孔側に移動させる。

リフトテーブル７内に残っているダイクッションピン１
３のうち交換する金型に使用するダイクッションピン１
３用のシリンダ７ａを上昇させる。その後交換した金型
に応じて予め入力されたデータにより使用するダイクッ
ションピン１３を選択し、使用しないダイクッションピ
ン１３を収容するシリンダ７ａと接続する制御弁１１に
信号を送って制御弁１１を励磁し、シリンダ７ａ内の圧
力を放出してシリンダ７ａ内のピストン７ｂがダイクッ
ションピン１３を高さｈ₁だけ引下げる。このときムー
ビングボルスタ２の底部に設けられたピン係止板１６の
係止孔１６ａは大径側がピン孔２ｂと一致する位置にあ
るため、ピストン７ｂにより押上げられたダイクッショ
ンピン１３の小径部１３ａが係止板１６の係止孔１６ａ
と合致する位置にある。キャリヤ2aに設けられた作動シ
リンダ１８によりピン係止板１６がガイドレール１７に
沿って距離Ｓ′ストロークされるため、ピン係止板１６
に開口された係止孔１６ａの小径側がダイクッションピ
ン１３の小径部１３ａに進入して、ピン孔２ｂ内のダイ
クッションピン１３を係止させ、残りのシリンダ７ａの
ピストン７ｂを下降させる。なお交換した金型に使用す
るダイクッションピン１３用のシリンダ７ａのピストン
７ｂを上端位置の状態に保持しておいてもよい。

その後テーブルリフタ６によりリフトテーブル７が元の
位置まで下降されるため、ムービングボルスタ２内には
選択されたダイクッションピン１３のみがピン係止板１
６により係止されて残留し、ダイクッションピン１３の
交換が完了するもので、金型及びダイクッションピン13
の交換が完了したムービングボルスタ２は、再びプレス
本体１内に搬入された後作動シリンダ１８によりピン係
止板１６を後退させてダイクッションピン１３の係止が
解除されプレス成形に供せられるようになる。

なお上記実施例では、テーブルリフタ６にリフトシリン
ダを使用したが、ラック及びピニオンよりなる昇降手段
を用いても勿論よい。

〔考案の効果〕

この考案は以上詳述したように、金型交換の際、金型に
応じて選択したダイクッションピンを自動的にムービン
グボルスタのピン孔内へ装着するようにしたことから、
従来人為的に行っていたダイクッションピンの差し換え
作業が不用となり、金型交換時間と労力の大幅な低減が
図れるようになる。

また使用しないダイクッションピンは本体内に格納され
ているため紛失するなどの虞れもなく、管理の容易化も
図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は全体的な概
略平面図、第２図はこの装置の断面図、第３図はムービ
ングボルスタの平面図、第４図はピン係止板ガイド部の
断面図、第５図はピン係止板に設けられた係止孔の平面
図である。 １はプレス本体、２はムービングボルスタ、２ａはピン
孔、６はテーブルリフタ、７はリフトテーブル、１３は
ダイクッションピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス本体１に対して出入れ自在なムービ
   ングボルスタ２を備えたプレスにおいて、上記プレス本
   体１の近傍に設けられた金型交換位置Ａに、テーブルリ
   フタ６により昇降自在なリフトテーブル７と、該リフト
   テーブル７内に収容され、かつ適宜リフト手段により選
   択的に上下動自在な複数本のダイクッションピン１３を
   設けると共に、上記ムービングボルスタ２側には、リフ
   ト手段により選択的に上昇されたダイクッションピン１
   ３を収容するピン孔２ｂと、これを係止する係止手段と
   を設けてなるプレスのダイクッションピン自動交換装
   置。