JPH06180960A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャッターの付勢手段が簡単な構造であるた
め組立が容易なディスクカートリッジを提供する。 【構成】 盤面にウィンドが開設されたケースと、盤面
上を摺動自在に形成されたシャッターと、シャッターを
付勢する付勢手段とが備えられ、前記付勢手段は、ケー
ス内において、シャッターの開く方向で且つウィンドに
近接する縁部側に位置する角部に当該角部を横切る状態
で設けられた壁面と、一端がシャッター側に係止されて
シャッターの開く方向に伸長され、他端が前記壁面に当
接するトーションバーとから構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディスクカートリッジ
に関するもので、詳しくは、シャッターの付勢手段が簡
単な構造であるため組立が容易なディスクカートリッジ
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ディスクカートリッジは、略方形平板状
に形成されたケースにディスクを封入し、情報を磁気的
または光学的に記録保持する情報記録媒体である。周知
の通り、ディスクカートリッジには、ケースの盤面にデ
ィスクを露出させるウィンドが開設されており、ケース
の前記ウィンドに近接する縁部に係合し盤面上を摺動自
在に形成されてウィンドを開閉するシャッターと、この
シャッターをウィンドに対して閉じる方向に付勢する付
勢手段とが備えられている。

【０００３】従来、上記のような付勢手段には各種の形
態の弾性部材が使用されているが、例えば、ケース内部
に捩じりバネまたはコイルバネを配設し、一端をシャッ
ター側に、他端をケース側に各々係止してシャッターを
付勢する技術が開示されている（特公昭６３ー３０７０
９公報、実開昭５９ー１３８０６９号公報、実開昭５８
ー４９３７１号公報）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のディ
スクカートリッジでは、捩じりバネ、コイルバネ等にて
付勢手段が構成されており、これらのバネは、シャッタ
ー側とケース側との双方に係止されているため、付勢手
段の構造および組立が複雑となる。すなわち、本発明
は、シャッターの付勢手段が簡単な構造であるため組立
が容易なディスクカートリッジの提供を目的としてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、略方形平板状に形成されてディスク
が封入されると共に盤面に前記ディスクを露出させるウ
ィンドが開設されたケースと、このケースの前記ウィン
ドに近接する縁部に係合し前記盤面上を摺動自在に形成
されて前記ウィンドを開閉するシャッターと、このシャ
ッターを前記ウィンドに対して閉じる方向に付勢する付
勢手段とが備えられたディスクカートリッジにおいて、
前記付勢手段は、前記ケース内で設けられたトーション
バーと、前記ケース内に形成された壁面とから構成さ
れ、前記壁面は、前記シャッターの開く方向で且つ前記
縁部側に位置する角部に当該角部を横切る状態で設けら
れ、前記トーションバーは、一方の端部が前記縁部の近
傍の前記シャッター側に係止されて前記シャッターの開
く方向に伸長され、他方の端部が前記シャッターの閉じ
た状態において前記壁面に当接していることを特徴とし
ている。

【０００６】

【作用】本発明のディスクカートリッジでは、シャッタ
ーを開く方向に移動した場合、シャッター側に設けられ
たトーションバーは、その他方の端部が上記の角部に当
該角部を横切る状態で設けられた壁面に当接しているた
め、シャッターの移動に伴い漸次、前記壁面に沿って弾
性変形し、シャッターが閉じる方向に付勢される。

【０００７】

【実施例】本発明に係るディスクカートリッジの一実施
例を図１及び図２に基づいて説明する。図１は本発明に
係るディスクカートリッジの一実施例の付勢手段を示す
要部平面図、図２は本発明に係るディスクカートリッジ
の一実施例を示す全体平面図である。本発明のディスク
カートリッジは、図２に示されるように、略方形平板状
に形成されたケース（１）にディスク（２）が封入され
て構成される。ケース（１）は、ＡＢＳ等の熱可塑性樹
脂から射出成形により製作された一対のケース部材を接
合して形成され、また、ディスク（２）は、従来から公
知の各種の材料により形成される。

【０００８】ケース（１）の盤面（Ｓ）には、情報の読
み書きを行う場合にディスク（２）の表面を露出させる
ウィンド（３）が開設されている。このウィンド（３）
は、ディスク（２）の両面にて情報の読み書きを行うた
め、通常、双方の盤面（Ｓ）に設けられている。なお、
図２に示されるディスクカートリッジでは、ディスク
（２）の中央に配置された駆動用のハブ（２ｃ）を露出
するためのハブ操作孔がウィンド（３）と一体的に形成
されているが、別個に設けられていてもよい。

【０００９】また、ケース（１）には、ウィンド（３）
からの塵埃の進入を防止するため、ウィンド（３）に近
接するケース（１）の縁部（１ｅ）に係合し、盤面
（Ｓ）上を摺動自在に形成されてウィンド（３）を開閉
するシャッター（４）が付設されている。このシャッタ
ー（４）は、摺動方向に垂直な断面が略偏平なコ字状に
形成されており、ケース（１）を双方の盤面（Ｓ）から
挟む状態で、図１に示されるスライダー（６）を介して
縁部（１ｅ）に取り付けられている。

【００１０】すなわち、図１に示されるように、スライ
ダー（６）には、ケース（１）の双方の内面に対向する
各側面に溝（６ｆ）が設けられており、他方、ケース
（１）の内面には、縁部（１ｅ）に沿って案内レール
（１ｆ）が形成されている。そして、スライダー（６）
は、溝（６ｆ）が案内レール（１ｆ）に嵌合させられて
摺動自在に形成されている。また、図２に示されるよう
に、双方の盤面（Ｓ）上に位置するシャッター（４）の
開放端は、外面側から更に取り付けられた押さえ板
（５）により振れ止めが施されている。

【００１１】本実施例のディスクカートリッジには、装
置から取り出した場合に常時、ウィンド（３）が閉状態
となるように、シャッター（４）をウィンド（３）に対
して閉じる方向に付勢する付勢手段が備えられる。そし
て、上記の付勢手段は、図１に示されるように、ケース
（１）内で設けられたトーションバー（７）と、ケース
（１）内に形成された壁面（９）とから構成される。

【００１２】上記の壁面（９）は、ケース（１）を射出
成形する際に同時に形成され、本実施例では、双方のケ
ース部材の内面に設けられてケース（１）内に所要の間
隙を保持するリブの一部として形成されている。斯かる
壁面（９）は、各種の曲面または平面に形成されるが、
通常、凹面に形成される。そして、壁面（９）は、ケー
ス（１）内においてシャッター（４）の開く方向で且つ
上記の縁部（１ｅ）側に、当該角部を横切る状態で設け
られる。

【００１３】一方、上記のトーションバー（７）は、ば
ね鋼、りん青銅等の細線から製作された直線状の弾性部
材であり、上記のスライダー（６）の摺動距離よりも幾
分長く形成されている。更に、トーションバー（７）
は、その一方の端部に螺子部が設けられており、また、
他方の先端部が球面状に成形されている。ところで、上
記のスライダー（６）の閉方向（図１の左方）の端部近
傍には、ディスク（２）側へ向けてブロック（６ｃ）が
突設されている。そして、斯かるブロック（６ｃ）に対
し、トーションバー（７）は、その一方の端部に設けら
れた上記の螺子部にて取り付けられ、ケース（１）の縁
部（１ｅ）と平行に配置されている。

【００１４】すなわち、トーションバー（７）は、ケー
ス内（１）において、一方の端部が上記の縁部（１ｅ）
の近傍のシャッター（４）側に係止されてシャッター
（４）の開く方向に伸長されており、そして、他方の端
部がシャッター（４）の閉じた状態、即ち、図１の実線
にて示されているスライダー（６）の状態において上記
の壁面（９）に当接している。

【００１５】本実施例のディスクカートリッジでは、情
報処理装置等に挿入されて上記のシャッター（４）が閉
じた状態から開いた状態に移動する場合、ケース（１）
の縁部（１ｅ）に係合するスライダー（６）が案内レー
ル（１ｆ）に沿って摺動し、図１の右方に仮想線にて示
される位置まで移動する。

【００１６】その際、斯かるスライダー（６）に取り付
けられたトーションバー（７）は、その他方の端部が角
部（Ｃ）に当該角部を横切る状態で設けられた壁面
（９）に当接しているため、スライダー（６）の移動に
伴い漸次、壁面（９）に沿って湾曲してゆく。即ち、ト
ーションバー（７）は、その他方の端部が常時、壁面
（９）に当接した状態で弾性変形するため、直線状態へ
の復元力によりスライダー（６）が図１の左方に実線に
て示される位置へ向けて付勢され、同時に、シャッター
（４）が閉じる方向に付勢される。従って、ディスクカ
ートリッジを情報処理装置等から取り出した場合、トー
ションバー（７）は直線状態まで復元し、シャッター
（４）が再び当初の位置まで移動させられてウィンド
（３）が閉じられる。

【００１７】このように、本実施例のディスクカートリ
ッジによれば、シャッター（４）の付勢手段は、トーシ
ョンバー（７）と壁面（９）とから構成されており、付
勢手段を極めて簡単と構造することが出来る。従って、
トーションバー（７）は 、予めスライダー（６）側に
取り付けて当該スライダーと共にケース（１）内に組み
込むことが出来、また、壁面（９）は、ケース（１）と
一体に形成することが出来る等、ディスクカートリッジ
の組立が容易となる。

【００１８】また、上述の実施例においては、トーショ
ンバー（７）の先端部が球面状とされているが、斯かる
球面に替えて、トーションバー（７）の先端部に回動自
在なコロ（図示せず）が付設されていてもよい。トーシ
ョンバー（７）にコロが付設されている場合には、該ト
ーションバーの先端部における壁面（９）との摺動摩擦
を低減することが出来、バーの復元力を一層有効に利用
することが出来る。

【００１９】更に、本実施例に示された付勢手段のトー
ションバー（７）は、例えば、Ｔｉ−Ｎｉ、或いは、Ｃ
ｕ−Ｚｎ−Ａｌ等を主成分とする所謂、形状記憶合金か
ら形成されていてもよい。その場合、概ね室温にて定常
状態とすべく、予め、相変化を起こす温度が室温以下と
なるように組成が設定され、室温よりも高温にて直線状
に形成される。このように、トーションバー（７）が形
状記憶合金にて形成されている場合、通常の金属バネに
比し、およそ１０倍程度の弾性率が得られるため、付勢
力を一層高めることが出来る。

【００２０】なお、上記の実施例において、壁面（９）
は、リブ状に限らず、例えば、角部（Ｃ）全体を内面側
に膨出させて段部に壁面（９）を形成してもよく、更
に、図１に示される凹面に代えて角部（Ｃ）を横切る状
態の平面や凸面、或いは、これらを組み合わせた各種の
面形状とすることも出来る。また、図２に示されている
ディスクカートリッジはＭＯ型の一例であるが、従来か
ら規格化されている各種のサイズのＷＯ、ＭＯ型のディ
スクカートリッジにおいても同様に実施可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明のディスクカートリッジによれ
ば、シャッターの付勢手段が簡単な構造であるためディ
スクカートリッジの組立が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るディスクカートリッジの一実施例
の付勢手段を示す要部平面図である。

【図２】本発明に係るディスクカートリッジの一実施例
を示す全体平面図である。

【符号の説明】

１ ケース １ｅ 縁部 ２ ディスク ３ ウィンド ４ シャッター ６ スライダー ７ トーッションバー ９ 壁面 Ｃ 角部 Ｓ 盤面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 略方形平板状に形成されてディスクが封
   入されると共に盤面に前記ディスクを露出させるウィン
   ドが開設されたケースと、このケースの前記ウィンドに
   近接する縁部に係合し前記盤面上を摺動自在に形成され
   て前記ウィンドを開閉するシャッターと、このシャッタ
   ーを前記ウィンドに対して閉じる方向に付勢する付勢手
   段とが備えられたディスクカートリッジにおいて、前記
   付勢手段は、前記ケース内で設けられたトーションバー
   と、前記ケース内に形成された壁面とから構成され、前
   記壁面は、前記シャッターの開く方向で且つ前記縁部側
   に位置する角部に当該角部を横切る状態で設けられ、前
   記トーションバーは、一方の端部が前記縁部の近傍の前
   記シャッター側に係止されて前記シャッターの開く方向
   に伸長され、他方の端部が前記シャッターの閉じた状態
   において前記壁面に当接していることを特徴とするディ
   スクカートリッジ。