JPH06178317A - クロストーク抑圧装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 記録された信号列が平行して存在し前記信号
列を読み取る際に信号列間干渉、いわゆるクロストーク
が存在する円盤状記録再生媒体などの再生時のクロスト
ーク除去に関するものである。 【構成】 ディスク１０に記録された情報信号をピック
アップ１で読み出し、ＦＭ復調器２でベースバンドカラ
ー映像信号に復調される。復調されたカラー映像信号は
バーストゲート回路４でバースト信号のみ抽出され、さ
らにエンベロープ検波され、クロストーク量に応じてラ
ンダムに変動する信号となる。この変動幅を最小にする
ため、エンベロープ検波回路６で検波された信号の変動
幅を最小にするように、最小点サーチ回路７によってチ
ルトモーター９を駆動してピックアップ１のチルト角を
変えることにより精度の高いクロストーク抑圧をするこ
とが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は記録された信号列が平行
して存在し前記信号列を読み取る際に信号列間干渉、い
わゆるクロストークが存在するような円盤状記録再生媒
体などの再生時のクロストーク除去に使用して有効なク
ロストーク抑圧装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、光ディスクはその高密度、大記録
容量、速いアクセス時間、非接触動作等の特質のため種
々の分野で使用されており、また年々使用量が増大して
いる。

【０００３】以下に従来のクロストーク抑圧装置につい
て説明する。図５は従来のクロストーク抑圧装置のブロ
ックを示すものである。図５において、２１は円盤状記
録媒体であるディスク、２２は情報読み取り手段である
ピックアップで、ディスク２１からの情報を読み取り、
チルト角を検出する。２３はチルト角検出用発光部、２
４は２分割光検出受光部である。２５は誤差アンプで、
２６はピックアップ２２のチルト角駆動用モーターであ
る。又、２７は光検出器で、２８は映像或は音声信号処
理部である。

【０００４】以上のように構成されたクロストーク抑圧
装置について、以下その動作について説明する。クロス
トーク量はディスク２１に対し、情報信号光検出器２７
が垂直方向である場合に無くなるかまたは最小になる。
発光部２３からの照射光はディスク２１で反射して受光
部２４上に像を結ぶ。その詳細図が図４である。図４は
チルト角検出器の一例で、１８は発光部のＬＥＤで、１
９は２分割光受光素子でディスク２１からの反射光はレ
ンズ１６を通り１９の２分割光受光素子上に１７のごと
く実像を結ぶ。２分割光受光素子１９のどこに像を結ぶ
かはディスク２１との傾きに因るので、２分割光受光素
子１９の２つの出力が等しい場合はディスク２１に対し
て法線方向を検出していることになる。従って、この２
つの出力信号を誤差アンプ２５に入力し、その差分をチ
ルト方向駆動用モーター２６に加えピックアップ２２の
チルト角を前記差分が小さくなる方向に駆動することに
より、ピックアップ２２が常に法線方向を向くようにフ
ィードバックループを構成している。これにより、情報
信号光検出器２７が常にディスクに対して光学的に垂直
を向いて検出を行うことによりクロストークが最小の情
報読み取りを行うものである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、チルト検出のための照射光のディスク面
上のスポット径は数百トラックから数千トラックに及ぶ
こと、チルト検出のための照射光の照射位置と情報信号
検出用レーザービームの焦点位置との間には位置ずれが
有ること、記録再生円盤の再生面に対する鉛直方向の検
出精度が不十分であること、または回転角度に応じて変
化するような局所的な再生平面の歪には応答が困難であ
る事等の理由により光ピックアップの再生位置、或は記
録再生円盤の歪の状態によってはクロストーク抑圧の効
果が減じられ再生されたカラー映像画面に不規則な干渉
パターンを生ずるという問題点を有していた。

【０００６】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、光ピックアップの再生位置、或は記録再生円盤の歪
の状態によらずクロストーク除去の効果を得ることが出
来るクロストーク抑圧装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のクロストーク抑圧装置は、円盤状記録媒体か
ら光学的に読み取られたカラー映像信号情報の内カラー
バースト信号のエンベロープの変動成分に応じて情報読
み取り手段のチルト角を動かして前記エンベロープの変
動成分を最小にするようにした構成を有している。

【０００８】

【作用】この構成によって、情報信号自身からクロスト
ーク量を検出し補正することができる。即ち、読み取る
べき情報信号列に対し隣接するトラックの信号列よりの
クロストークが存在する場合に読み取った情報信号の中
にクロストーク成分が混在し復調信号に歪を生ずる。こ
の歪は光学的に読み取られたカラー映像信号情報の内カ
ラーバースト信号に対しても同様に歪を発生するが、ク
ロストーク成分は位相、振幅が一定ではなく時間的に変
動している為、本来変動の無いカラーバースト信号に位
相或は振幅の時間軸上の変動を来し、その変動量はクロ
ストーク量に比例することが知られている。また、カラ
ーバースト信号以外の信号、例えば映像信号に対しても
カラーバースト信号のクロストークによる歪み量に比例
した歪を生じさせる。従って、カラーバースト信号のク
ロストークによる変動量を最小にすればカラーバースト
信号以外の信号、例えば映像信号に対するクロストーク
歪みも最小にすることが出来る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。

【００１０】図１において、１は情報信号を読み取るピ
ックアップ、２はＦＭ復調器、３は映像処理回路、４は
バーストゲート回路、５は同期分離回路、６はエンベロ
ープ検波回路、７は最小点サーチ回路、９はチルトモー
ターでピックアップ１をチルト方向に駆動する。１０は
円盤状記録媒体であるディスクである。

【００１１】以上のように構成されたクロストーク抑圧
装置について、その動作を説明する。

【００１２】まず、ディスク１０に記録された情報信号
をピックアップ１で読み出しＦＭ復調器２でベースバン
ドカラー映像信号に復調される。復調されたカラー映像
信号はバーストゲート回路４でバースト信号のみ抽出さ
れ、さらにエンベロープ検波回路６でエンベロープ検波
され直流信号となる。この検波された直流信号は通常は
一定値であるが、クロストークの存在する場合はランダ
ムに変動する信号となる。変動する信号はバースト信号
に対してクロストークとして混入する信号成分の振幅と
位相によって決定される。しかしながら、前記変動する
信号の変動幅はクロストーク量に比例するため、この変
動幅を最小にすれば即ちクロストーク量を最小にするこ
とが出来る。よって、エンベロープ検波回路６で検波さ
れた信号の変動幅を最小にするように、最小点サーチ回
路７によってチルトモーター９を駆動してピックアップ
１のチルト角を変えるとクロストークを最小に出来る。

【００１３】この場合の、最小点のサーチ方法の詳細の
一例を図を用いて説明する。図２において、縦軸はエン
ベロープ変動量を表し、横軸はチルト角を表す。３１は
バーストエンベロープの変動量カーブの一例でありチル
ト角に対するものであり、３２は本実施例によるエンベ
ロープ変動量最小点にするチルト角への接近の模様をプ
ロットしたものであり、いわゆる山越しサーチとなって
いる。この場合のチルト方向や変動量の比較判定にはマ
イクロプロセッサーを用いることが出来得る。

【００１４】以上のように本実施例によれば、カラー映
像信号情報を記録した円盤状記録媒体からカラー映像信
号を所定の復調処理を行いテレビ受像機に供給する機器
であって、所定の復調処理を行う際に円盤状記録媒体か
ら光学的に読み取られたカラー映像信号情報の内カラー
バースト信号のエンベロープの変動量に応じて情報読み
取り器のチルト角を動かしてエンベロープの変動量を最
小点サーチ回路によって最小にすることにより、クロス
トーク量を最小にすることができる。

【００１５】なお、第１の実施例において２はＦＭ復調
器としたが、デジタル信号復調器としてもよいことは言
うまでもない。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明は、円盤状記録媒体
から光学的に読み取られたカラー映像信号情報の内カラ
ーバースト信号のエンベロープの変動量に応じて情報読
み取り器のチルト角を動かし、エンベロープの変動量を
最小にする最小点サーチ回路を設けることにより、ピッ
クアップ上のチルト角検出器を不要にし、現に再生して
いるカラー映像信号自身のクロストークをリアルタイム
に検出し、従ってチルト検出信号との位置ずれもなく常
に最適のチルト角の設定が出来る優れたクロストーク抑
圧装置を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例におけるクロストーク抑圧装
置のブロック図

【図２】本発明の一実施例における最小点サーチの動作
説明のためのエンベロープ変動量とチルト角との関係お
よび最小点への接近の様子を表すチルト角の特性図

【図３】ディスクとピックアップのチルト角との関係を
示す模式図

【図４】従来のチルト角検出器の動作説明図

【図５】従来のクロストーク抑圧装置のブロック図

【符号の説明】

１ ピックアップ ４ バーストゲート回路 ６ エンベロープ検波回路 ７ 最小点サーチ回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラー映像信号情報を記録した円盤状記
   録再生媒体からカラー映像信号を所定の復調処理を行い
   テレビ受像機に供給する機器で、前記所定の復調処理を
   行う際に前記円盤状記録媒体から光学的に読み取られた
   カラー映像信号情報の内カラーバースト信号のエンベロ
   ープの変動量に応じて情報読み取り器のチルト角を動か
   して前記エンベロープの変動量を最小にすることを特徴
   とするクロストーク抑圧装置。
2. 【請求項２】 カラーバースト信号のエンベロープの変
   動量を検出する手段として前記カラーバースト信号をＡ
   Ｍ検波しそのピーク値を少なくとも次のバースト信号の
   ＡＭ検波が終了するまでの間保持し現ピーク値と次のピ
   ーク値との差分を変動量分とし、情報読み取り器のチル
   ト角を動かして前記エンベロープの変動成分を最小にす
   ることを特徴とする請求項１記載のクロストーク抑圧装
   置。
3. 【請求項３】 情報読み取り器のチルト角を任意の方向
   に所定の手段により動かして前記エンベロープの変動増
   減方向を検出する事により前記エンベロープの最小点を
   検出することを特徴とする請求項１記載のクロストーク
   抑圧装置。