JPH0617816U - 多面削り用横フライス盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 方形状ワークの四面の面加工及び上下、左右
の各角部の面取り加工の工程を短縮化するとともにワー
ク設定時の段取りを省力化、安全化できる多面削り用横
フライス盤を提供する。 【構成】 フライスユニットはフェイスミルカッター５
を軸支するミーリングユニット３と、面取りカッターを
昇降自在に軸支する面取りユニット４とから成るととも
に両ユニットを各個にサドル２上に前後進自在に案内す
る。ベッド１に対向してワーク１３を適宜の手段で位置
決め固定するテーブル８を配置する。面取りユニット４
は、単に面取りカッターを昇降自在に軸支するものか
ら、下部に下面取りカッター６を軸支し、上部に上面取
りカッター７を所要ストローク昇降自在に軸支して成る
ものをも含む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

金属板材の側面四面の加工に加えて上下、左右の角部の面取り加工のできる多 面削り用横フライスに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から金属板材などの加工物（以下、ワークという。）の側面や角部をフラ イス盤で加工する場合は、フェイスミルカッターを横フライス盤に取り付け、側 面四面を加工し、フェイスミルカッターに代えて面取りカッターを取着し、角部 の面取り加工を施していたものであり、段取りに手間取ることとなり、ワークが 大きく重くなればなるほど該段取りが煩雑かつ危険なものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記に鑑み、大型のワークでも側面の加工と角部の面取り加工が簡便 にできる多面削り用横フライス盤を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の多面削り用横フライス盤は、フライスユニットを係載したサドルをベ ッド上に往復動自在に案内して成るフライス盤において、フライスユニットがフ ェイスミルカッターを軸支するミーリングユニットと面取りカッターを軸支する 面取りユニットとから成るとともに両ユニットを各個に前記サドル上に前後進自 在に案内し、前記ベッドに対向してワークを位置決め固定するテーブルを配置し て成るものである。ここに、面取りユニットとは、単に面取りカッターを昇降自 在に軸支するものから、下部に下面取りカッターを軸支し、上部に上面取りカッ ターを所要ストローク昇降自在に軸支して成るものをも含む。また、テーブルと は、機械的な位置決め固定手段を有するものから、該テーブルの上面に電磁チャ ックの吸磁面と空気の吐出口を配設して成るものである。

【０００５】

【作用】

フェイスミルカッターは側面加工に対応し、昇降する面取りカッターはワーク の高さに応じて上下角部の面取りをするとともに左右の角部の面取り加工に対応 し、面取りユニットの前後進は面取り幅に対応し、テーブルをベッドに対向配設 することにより、大型ワークの係着を容易にし、また、テーブル上面の吸磁面は ワークを磁力で該テーブル上面に強固に固定するとともに脱磁時には、ワークの 載置面としてワークの自重を負担し、空気の吐出口はワークの下面に圧力空気を 吐出し、ワークを浮上させてワークの移動、回転、段取り変えを容易にする。さ らに、面取りカッターを上下二段に配設し、下面取りカッターを定位置に軸支し 、上面取りカッターを所要ストローク昇降自在に軸支した場合には、所要高さの ワークの上下角部の面取り加工を一度ですることができる。

【０００６】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図１に示すようにベッド１上の左右方向、 すなわちＸ軸方向に往復動自在に案内されるサドル２にはミーリングユニット３ と面取りユニット４がそれぞれ各個に前後方向、すなわちＹ軸方向に前後進自在 に案内され、ミーリングユニット３にはフェイスミルカッター５が回動自在に軸 支され、面取りユニット４には下面取りカッター６が所要の下部位置（後述する テーブル８のワーク係載面との関係で決定される。）に回動自在に軸支され、上 部には上面取りカッター７が上下方向、すなわちＺ軸方向に昇降自在にかつ回動 自在に軸支される。ベッド１に所要の間隔を配して対向配置するテーブル８の上 面には電磁チャック９の吸磁面を配列するとともに、空気の吐出口１０を所要数 開口配設し、長手方向（Ｘ軸方向）の一端部にはサイドガイドストッパー１１を 係着し、ベッド側側方には図２に示すように矢印方向に揺動する位置決めストッ パー１２を揺動自在に係着して成る。

【０００７】 このようにして成る多面削り用横フライス盤ａは、ワーク１３をテーブル８上 に載置し、圧力空気（５kg／cm² 以下）を吐出口１０より噴出させ、加工面がテ ーブル８の側端よりはみ出し状にサイドガイドストッパー１１と位置決めストッ パー１２に位置決めされる位置まで移動し、該位置決め位置で圧力空気の噴出を 停止し、電磁チャック９に通電し、ワーク１３を磁力でテーブル８に固着するも のである。 ワーク固定後、各面の加工運転に入るものであるが、ワークの長さ、ワークの 厚み、上面取り量、下面取り量、縦面取り量、表面仕上げ量等をパラメータとし てＸ軸、Ｙ軸、Ｚ軸の各軸をプログラムによりＮＣ制御し、自動加工運転するも のである。すなわち、加工開始と同時に位置決めストッパー１２は、各カッター と干渉しない位置に揺動退避し、ワーク１３の各側面はミーリングユニット３の フェイスミルカッター５で加工され、上下角部の面取りは所要の切込み位置で上 面取りカッター７と下面取りカッター６のＹ軸を固定し、各カッター６、７を回 転させ、Ｘ軸を移動させることにより、１工程で処理でき、左右両側角の縦面取 りはそれぞれの側角加工位置でＸ軸を固定し、上面取りカッター７をＺ軸方向に 上下させることにより加工することができる。一面の加工が完了したら電磁チャ ック９を脱磁し、吐出口１０より圧力空気を噴出させ、ワーク１３を簡単に回転 移動させ、他面を加工位置にセットし、圧力空気の噴出を停止して電磁チャック ９でワーク１３をテーブル８に固定し、他面の各加工を行うものである。以下、 順次に同様の加工要領で各面が加工され、図３に示すようにワーク１３は仕上げ られるものである。

【０００８】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、ワークの側面の表面加工と上下、左右の各角部 の面取り加工における工程が短縮される上、ワーク設定時の段取りの省力化と安 全性の向上に寄与する効果は多大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる多面削り用横フライス盤の要部
を示す概略斜視図である。

【図２】位置決めストッパーの取付け状態を示す説明図
である。

【図３】ワークの仕上げ加工状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ サドル ３ ミーリングユニット ４ 面取りユニット ５ フェイスミルカッター ６ 下面取りカッター ７ 上面取りカッター ８ テーブル ９ 電磁チャック １０ 吐出口 １１ サイドガイドストッパー １２ 位置決めストッパー １３ ワーク ａ 多面削り用横フライス盤

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フライスユニットを係載したサドルをベ
   ッド上に往復動自在に案内して成るフライス盤におい
   て、フライスユニットがフェイスミルカッターを軸支す
   るミーリングユニットと面取りカッターを昇降自在に軸
   支する面取りユニットとから成るとともに両ユニットを
   各個に前記サドル上に前後進自在に案内し、前記ベッド
   に対向してワークを位置決め固定するテーブルを配置し
   て成る多面削り用横フライス盤。
2. 【請求項２】 面取りユニットが下部に下面取りカッタ
   ーを軸支し、上部に上面取りカッターを所要ストローク
   昇降自在に軸支して成る請求項１記載の多面削り用横フ
   ライス盤。
3. 【請求項３】 テーブルが該テーブルの上面に電磁チャ
   ックの吸磁面と空気の吐出口を配設して成る請求項１ま
   たは請求項２記載の多面削り用横フライス盤。