JPH06177612A - 高周波用配線・接続部品 - Google Patents

高周波用配線・接続部品

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JPH06177612A
JPH06177612A JP5152070A JP15207093A JPH06177612A JP H06177612 A JPH06177612 A JP H06177612A JP 5152070 A JP5152070 A JP 5152070A JP 15207093 A JP15207093 A JP 15207093A JP H06177612 A JPH06177612 A JP H06177612A
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JP
Japan
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printed wiring
wiring board
substrate
frequency
ringing
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Application number
JP5152070A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ito
健一 伊藤
Takehiro Takahashi
丈博 高橋
Noboru Shibuya
昇 渋谷
Shigenobu Irokawa
重信 色川
Tsutomu Igarashi
力 五十嵐
Jiro Ouchi
二郎 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のように回路に部品を付加したり、また
はシールドを施すことなく、不要輻射ノイズの発生を抑
制し、しかも安価で、かつ小型化が可能な高周波用配線
・接続部品を提供する。 【構成】 基材が、パルス波形のリンギングを最も抑制
する材料からなり、そして、その基材は、tanδと誘電
率εの値がパルス波形のリンギングを最も抑制する組合
せとなっている。これにより、図2(b)のようにリンギ
ングのない波形が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子回路に用いられる
プリント配線基板やコネクタ等の高周波用配線・接続部
品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ワークステーションやパソコン、
その他OA機器では、数多くの、マイコンなどによる電
子回路が使われている。そして、その電子回路の配線に
は、多層基板を含むプリント配線基板が多数使用されて
いるのは周知のことである。
【0003】これらの電子機器は、より高速化、小型化
が追及され、このため、その中で使用される回路のクロ
ック周波数も年々高周波化され、30〜50MHzも珍しく
なくなってきている。この高周波化の傾向は、更に進
み、100MHzは時間の問題と言われており、更に数100
MHz迄も検討の対象となっている。
【0004】このように、電子回路の高周波化が進む中
で、大きな問題となっているのは、この電子回路から発
生する不要輻射などのノイズである。これは、高周波化
が進むほど、配線導体のわずかな長さが無視できない程
のインダクタンス値となり、その結果、信号波形が図2
(a)に示したようなリンギングを含んだ波形となって不
要輻射発生の要因となるからである。
【0005】高周波化に伴い発生する前記のようなノイ
ズに対する対策としては、従来、回路的には、図1(a)
に示すようなCRフィルタ1、図1(b)に示すような簡
易3端子ノイズフィルタ2、あるいは図1(c)に示すよ
うなフェライトビーズ3などのノイズ対策部品を挿入す
ることが一般に行われている。このように構成すること
により、図2(a)のようにリンギングの多い信号波形
を、図2(b)に示したようになまらせることができ、そ
の結果、100〜300MHz帯の不要輻射を減衰させること
ができる。
【0006】また、回路によらない別のノイズ対策とし
ては、製品本体にシールドを施し、あるいは電子回路が
実装される基板そのものに、導電性のコーティングを施
すことなどが採られていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の対策のうち回路にノイズ対策部品を付加する方式
は、信号ラインが少ない場合はさして問題とはならない
が、バスラインなどのように多数の信号ラインがある場
合は、それらの信号ライン全てに対策を施すと、部品の
数が極端に増え、コストがかさむばかりでなく、実装ス
ペースも増加する結果となり、小型化を阻害するという
問題があった。また、このような方式は、多層基板の場
合、基板内部に部品を埋め込むことができないので、適
用できなかった。
【0008】従って、電磁妨害(EMI)対策を製品の開
発スケジュールに併せて進めるためには、設計段階より
EMIへ対応していこうという考え方が広まってきてい
る。それは、設計段階でEMI対応が十分施されていな
い製品へ、たとえ性能の優れたノイズ対策部品を使用し
ても、なかなか効果が出にくいとの認識が一般的になっ
てきたからである。やはり、設計の段階で十分のノイズ
対策を施して、そこそこにノイズレベルを抑え込んでお
くことが、ノイズ対策部品の効果を十分発揮できると言
える。
【0009】ここで述べる設計とは、プリント配線基板
のアートワーク設計、使用部品の選定とその使い方及び
プリント配線基板及びハーネスの配置に関する実装設計
を指している。
【0010】シールドを施す方式は、コストが非常に高
くなるばかりでなく、特に導電性のコーティングを施す
ものは、絶縁性の問題があり、高電圧印加の回路では信
頼性が低下し、また、部品との間の分布容量が増えて回
路特性に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0011】本発明は、上記従来の問題点を解決しよう
とするもので、回路にノイズ対策部品を付加したり、あ
るいはシールドを施すといった方式とは全く異なる新規
な方式により、不要輻射ノイズの発生を抑制するように
した高周波用配線・接続部品を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、高周波用のプリント配線基板やコネクタ
等の配線・接続部品であって、その基材が、パルス波形
のリンギングを最も抑制する材料からなることを特徴と
するものである。
【0013】そして、その基材は、tanδと誘電率εの
値がパルス波形のリンギングを最も抑制する組合せとな
っているものからなる。
【0014】さらに、プリント配線基板の場合、その配
線パターンがパルス波形のリンギングを最も抑制するも
のからなる。
【0015】
【作用】以下、本発明の作用をプリント配線基板につい
て説明する。従来の高周波用プリント配線基板は、通
常、高周波特性の優れた、即ち、tanδや誘電率εがで
きるだけ小さい値で、ストレイキャパシティが小さく、
高周波成分の漏洩が少ない、Q値の高い高級な基板、例
えば、テフロン、ガラスエポキシ樹脂基板等が使用され
ている。しかしQの高い基板は、それだけリンギングが
発生し易く、従って、不要輻射が発生し易いものであ
る。
【0016】本発明は、むしろ高周波帯においてQの低
い基材をもってプリント配線基板を構成したもので、こ
の上に信号線を形成したとき、その分布定数的な作用に
よりリンギングの発生が抑制されて、図2(b)のような
波形となる。この場合、図1の従来例で、RとCの各値
を最適に設定したように、プリント配線基板の材質、ta
nδとεの値、配線パターンのモデルを適宜組み合わせ
て、最適なものを選択すればよい。好ましくは、プリン
ト配線基板の材質の定数がtanδ=0.01〜0.4、ε=4〜
10で、その積ε×tanδが0.05以上、配線パターンがマ
イクロストリップ構成のものである。又、プリント配線
基板の板厚も、0.1mm〜1.6mmの範囲で最適値を設定する
とノイズの低減効果がある。好ましくは、0.6mm〜0.8mm
である。そして、本発明による方式は、他の電子部品を
必要とせず、安価でしかも小型の基板を実現することが
できる。
【0017】多層基板の場合、多層のうちの少なくとも
1層に、上記のような tanδや誘電率εの大きい基材を
挾み込むことにより、従来の方式では適用できなかった
回路部分にも対策が施され、不要輻射を抑制することが
可能となる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して実施例を詳細に説明す
る。 (A) 放射の低減効果 高損失基板による放射低減効果を確認するために、比誘
電率εr、誘電損失tanδの違う6種類の材質(A〜F)を
用いて比較を行った。用いた材料の定数を表1に示す。
また、3種類の配線パターンのモデル基板を用意し、放
射を計測した。モデルを図3に示す。モデル1は信号及
びグランドが同じサイズのパターンで作成されており、
モデル2はいわゆる共平面線路でグランドを十分大きく
取っている。モデル3はマイクロストリップ線路で裏面
がグランドとなっている。各配線にはTTLにより6.9
MHzの矩形波を入力し、また終端は開放とした。測定
は電波暗室で3m法により、テーブル及びアンテナをス
キャンし、マックスホールドにて行った。
【0019】
【表1】
【0020】モデル3について、材料定数の小さいガラ
スフッ素樹脂(C)と大きい紙フェノール(E)の基板につ
いての放射測定結果を図4に示す。図から材料定数が大
きい基板Eの方が基板Cに対し、150Mz〜300Mzで3d
B〜10dB程度の放射低減効果があることが分かる。他
の材質と比較しても最も損失の大きい基板(E)で高周波
成分が落ちることが分かる。また、他のデータより、モ
デル1,2はモデル3に比較して、低減効果が少ないこ
とが分かった。
【0021】(B) シミュレーションによる検討 B−1.材料定数による損失の効果 プリン配線基板の損失成分は比誘電率εrと誘電損失tan
δによって生じる。プリント配線基板上に形成された伝
送線路は一般にR,L,C,Gからなる等価回路で表さ
れる。ここで、コンダクタンスGが基板材料による損失
(誘電損失)を表す。誘電損失は比誘電率εrを εr =εr′+ jεr″ と表したときの虚数部分εr″が主な原因となる。εr″
は εr″=εr′tanδ という式から、tanδを使って表す場合が多い。
【0022】コンダクタンスGはεr′とεr″あるいは
tanδとから次のようになる。 G=2πfCtanδ=2πfCoεr′tanδ=2πfCoεr″ Co:真空中のキャパシタンス Gは周波数fに比例して大きくなり、またεr′,εr″
(tanδ)に比例する。
【0023】この関係式より、材料定数であるεr′,t
anδが大きくなることによって伝送線路の損失、即ち基
板の損失も大きくなることが分かる。このように表され
た損失Gにより、伝送線路上の信号の高周波成分が減衰
し、同時に放射成分も低減されると考えられる。損失G
はεr′× tanδに比例するので、各基板材料のεr′×
tanδを表1に併記する。測定で最も放射低減効果の大
きかった基板Eが最も大きい値を取り、基板Cはその逆
であることが分かる。
【0024】B−2.信号の伝送特性 伝送損失を大きくすることによって回路の動作等に影響
を与える危険性が考えられる。そこで、材料定数を大き
くした場合にどの程度の伝送損失が得られるか、また波
形に対してどの程度の影響を与えるかを検討した。
【0025】図3に示すモデルについて伝送特性シミュ
レーションを行った。信号インピーダンスは50Ω、終端
は開放、線路定数は、Rは銅の導電率から、C,Lは容
量計算プログラム CALCAP1により計算し、Gは前式に
従って与えた。伝送計算は回路計算プログラム SPICE
を用いた。
【0026】まず、波形の変化をシミュレーションによ
って確かめた。入力信号として図5に示す実験で使用し
た立上り10nsの矩形波を入力し、実験同様300mmの線路
の出力波形を計算した。基板及び誘電率と誘電損失を極
端に大きくした材料定数での伝送波形の歪をプロットし
たものを図6に示す。特に、高速な信号を使用しない限
り、通常使用されている程度の材料定数では波形歪にほ
とんど影響しないことが分かる。また、これらの基板で
放射ノイズが低減できれば効果的である。
【0027】次に、基板よる差を見るために、モデル3
で基板Cと基板Eとで周波数特性を比較した結果を図7
に示す。また、モデルの差を比較検討するために、基板
Eについて各モデルに対し出力の周波数特性を計算し
た。
【0028】この結果、基板の損失の違いでは、損失の
大きい方が高周波成分が減衰した。また、同じ材質の基
板でもモデル1よりモデル2、さらにモデル3の方が高
周波成分がよく落ちている。
【0029】(C) 検討 上記シミュレーションと実験により、モデル1,2より
モデル3の方が高周波成分がよく落ちた。これは次のよ
うに考えられる。モデル1,2の場合は、伝送線路の周
囲にグランドがあるものの、基板を通る電界成分は少な
く、伝送特性があまり落ちず、放射ノイズの低減効果が
少ない。一方、モデル3は基板の裏面にグランドがある
ため略全ての電界成分が基板の中を通り、基板の特性が
より強く反映され、放射ノイズが低減できるためと思わ
れる。このような結果より、マイクロストリップ形の線
路を使用した場合に、より効果的な低減効果が望める。
【0030】また、現在最も普及している安価な紙フェ
ノール基板は、それ程伝送特性の悪化を示さず、逆に放
射ノイズには有効であることが分かった。
【0031】以上は、プリント配線基板について説明し
たが、基板に限らず、電子回路の信号が通るコネクタ類
でも、同様の基材を使用することにより、基板と同様の
作用効果を得ることができる。
【0032】さらに、上記説明では、ロジック回路のデ
ィジタル波形について述べたが、スイッチング電源など
のノイズ源となる波形をもつ電子回路に本発明による基
板を採用して、前記と同様のノイズ抑制効果が得られる
ことは言うまでもない。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高周波用のプリント配線基板やコネクタ等の配線・接続
部品に、その基材として、高周波帯においてQの低い、
損失の大きい材料を用いることにより、パルス波形のリ
ンギングを抑制し、不要輻射を防止することができる。
しかも、従来の各種方式に比較して、安価であり、かつ
小型化を図ることができる。
【0034】また、プリント配線基板の場合、その配線
パターンを適切に選択することにより、パルス波形のリ
ンギングを抑制し、放射ノイズを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)は、従来の不要輻射抑制の各種方
式を示す図である。
【図2】(a)は対策前の波形図、(b)は対策を施したとき
の波形図である。
【図3】プリント配線パターンのモデルを示す図であ
る。
【図4】基板CとEについての放射測定結果を示す図で
ある。
【図5】伝送実験で使用した入力波形図である。
【図6】各基板の材料定数と波形歪の関係を示す図であ
る。
【図7】基板CとEにおける周波数特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 … CRフィルタ、 2 … 3端子ノイズフィルタ、
3 … フェライトビーズ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 色川 重信 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1東北リコー株式会社内 (72)発明者 五十嵐 力 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1東北リコー株式会社内 (72)発明者 大内 二郎 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1東北リコー株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波用のプリント配線基板やコネクタ
    等の配線・接続部品であって、その基材が、パルス波形
    のリンギングを最も抑制する材料からなることを特徴と
    する高周波用配線・接続部品。
  2. 【請求項2】 基材の tanδと誘電率εの値がパルス波
    形のリンギングを最も抑制する組合せとなっていること
    を特徴とする請求項1記載の高周波用配線・接続部品。
  3. 【請求項3】 tanδ=0.01〜0.4、ε=4〜10の範囲の
    組合せからなることを特徴とする請求項2記載の高周波
    用配線・接続部品。
  4. 【請求項4】 多層基板において、請求項1,2又は3
    に記載の材料からなる基材を少なくとも1層含むことを
    特徴とする高周波用配線・接続部品。
  5. 【請求項5】 高周波用のプリント配線基板であって、
    その配線パターンが、パルス波形のリンギングを最も抑
    制するものからなることを特徴とする高周波用配線・接
    続部品。
JP5152070A 1992-10-09 1993-06-23 高周波用配線・接続部品 Pending JPH06177612A (ja)

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JP5152070A JPH06177612A (ja) 1992-10-09 1993-06-23 高周波用配線・接続部品

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JP4-271656 1992-10-09
JP27165692 1992-10-09
JP5152070A JPH06177612A (ja) 1992-10-09 1993-06-23 高周波用配線・接続部品

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JP5152070A Pending JPH06177612A (ja) 1992-10-09 1993-06-23 高周波用配線・接続部品

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11307894A (ja) * 1998-04-27 1999-11-05 Kenichi Ito プリント配線基板
US6320475B1 (en) 1998-08-13 2001-11-20 Nec Corporation Printed circuit board suppressing ringing in signal waveforms
JP2001337746A (ja) * 2000-03-29 2001-12-07 Hewlett Packard Co <Hp> コンピュータの高周波放射を減少させる方法
JP2002246889A (ja) * 2001-02-22 2002-08-30 Sunx Ltd 検出スイッチ
JP2007189042A (ja) * 2006-01-13 2007-07-26 Elpida Memory Inc 半導体装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02158157A (ja) * 1988-12-12 1990-06-18 Mitsubishi Electric Corp ダイオード用封止材料

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