JPH0617740A - 圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置 - Google Patents

圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置

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JPH0617740A
JPH0617740A JP17835492A JP17835492A JPH0617740A JP H0617740 A JPH0617740 A JP H0617740A JP 17835492 A JP17835492 A JP 17835492A JP 17835492 A JP17835492 A JP 17835492A JP H0617740 A JPH0617740 A JP H0617740A
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JP
Japan
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glow plug
pressure wave
wave supercharger
engine
main flap
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Application number
JP17835492A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Fujino
宏明 藤野
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Abstract

(57)【要約】 【目的】 確実にジーゼルエンジンの失火を抑止するこ
とができるようにする。 【構成】 圧力波過給機4と、この圧力波過給機4をバ
イパスするバイパス吸気通路2cと、上記圧力波過給機
側の吸気通路2を開通する状態とバイパス吸気通路2c
を開通する状態とに切り換えるスターティングバルブ5
を備える圧力波過給機付ディーゼルエンジン1におい
て、上記ディーゼルエンジン1の燃焼室にグロープラグ
8が設けられ、エンジンの運転状態を検出する運転状態
検出手段と、圧力波過給機4から加圧吸気がエンジンへ
供給される過給状態を検出する過給検出手段とが設けら
れるとともに、これらの検出手段からの信号を受けて特
定のアフターグロー用運転領域内において非過給状態の
ときにグロープラグに通電し、過給状態のときにグロー
プラグへの通電を停止する制御手段9が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、失火状態を抑止するた
めに用いられる圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグ
ロープラグ通電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは、エンジンの燃焼
室に供給された空気がピストンによって圧縮され、圧縮
熱が発生したところに燃料が噴射供給されるように構成
されている。すなわち圧縮状態で発熱した空気に燃料が
供給されるから、燃料は爆発的に燃焼し、そのエネルギ
ーがピストンの機械的な往復運動として外部に取り出さ
れるようになっている。
【0003】ところで、ディーゼルエンジンの燃焼効率
を上昇させるためには、なるだけ多くの空気を燃焼室内
に詰め込む必要があるため、加圧された空気が供給され
るように構成された、いわゆる過給機が採用されている
ものも多い。
【0004】ディーゼルエンジンに適用される過給機と
して圧力波過給機が知られている。本発明に係るグロー
プラグ通電装置はこのような圧力波過給機が装着されて
いるディーゼルエンジンを対象としたものである。
【0005】この圧力波過給機は、多数の気体通路を有
してケース内に回転可能に支承されたロータを備えると
ともに、ロータの一側端のケースに排気の導入口および
吐出口を有し、ロータの他側端のケースに吸気の導入口
および吐出口を有している。そして、ロータの回転に伴
い、上記気体通路に対する排気導入と、その排気の圧力
波により加圧された吸気の吐出と、排気の吐出と、吸気
の導入とが順次行われ、排気の圧力波エネルギーを利用
した吸気過給が行われるようになっている。
【0006】このように、ディーゼルエンジンに加圧波
過給機が採用された場合には、それとセットで上記スタ
ーティングバルブを併用することによってエンジンの駆
動効率を上昇させることができるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の加圧波過給機が
採用されたディーゼルエンジンにおいては、上記スター
ティングバルブは、その上流側の圧力に応じて作動し、
その開閉の切り換わり点は上流側の圧力状態、およびメ
インフラップのセット力によって決まるが、後者のセッ
ト力は機械式制御のためバラツキがあり、また前者の圧
力はエンジンの運転状態によっても変化し、これらの要
因でメインフラップ開閉ポイントにバラツキがある。
【0008】ところで、失火対策としてグロープラグを
設け、始動後も失火し易い領域でグロープラグに通電す
るいわゆるアフターグロー制御は従来から知られてい
る。
【0009】例えば、実開昭60−149881号公報
によって開示されているものは、無負荷かつ低温である
か、あるいは無負荷かつ始動から所定時間内はグロープ
ラグに通電が行われる。しかし、このように時間または
領域を一律に設定するだけでは、特に前述のようにスタ
ーティングバルブ開閉作動にバラツキがあると、非過給
状態で圧縮温度が上昇しない状況においてアフターグロ
ーが行われない場合があったり、過給され圧縮温度が上
昇する状態でアフターグローが行われたりする。
【0010】前者の場合は、失火を有効に防止すること
ができず、また後者の場合はグロープラグの劣化を早め
るという欠点を有している。
【0011】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、確実に失火を抑止するとと
もに、グロープラグの耐久性を高めることができる圧力
波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電
装置は、圧力波過給機と、この圧力波過給機をバイパス
するバイパス吸気通路と、上記圧力波過給機側の吸気通
路を開通する状態とバイパス吸気通路を開通する状態と
に切り換えるスターティングバルブを備える圧力波過給
機付ディーゼルエンジンにおいて、上記ディーゼルエン
ジンの燃焼室にグロープラグが設けられ、エンジンの運
転状態を検出する運転状態検出手段と、圧力波過給機か
ら加圧吸気がエンジンへ供給される過給状態を検出する
過給検出手段とが設けられるとともに、これらの検出手
段からの信号を受けて特定のアフターグロー用運転領域
内において非過給状態のときにグロープラグに通電し、
過給状態のときにグロープラグへの通電を停止する制御
手段が設けられていることを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項2記載の圧力波過給機付デ
ィーゼルエンジンのグロープラグ通電装置は、請求項1
記載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラ
グ通電装置において、スターティングバルブが吸気通路
の過給機側通路を開閉するメインフラップと、バイパス
吸気通路を開閉するバイパスバルブとを備え、過給検出
手段が上記メインフラップの開度によって過給状態を検
出するように構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】本発明の請求項3記載の圧力波過給機付デ
ィーゼルエンジンのグロープラグ通電装置は、請求項2
記載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラ
グ通電装置において、アフターグロー用運転領域の限界
がメインフラップの開閉動作のバラツキの範囲の上限値
に対応するように設定されていることを特徴とするもの
である。
【0015】本発明の請求項4記載の圧力波過給機付デ
ィーゼルエンジンのグロープラグ通電装置は、請求項2
または3記載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグ
ロープラグ通電装置において、上記メインフラップの開
度はメインフラップの位置を検出する位置検出センサに
よって検知されるように構成されていることを特徴とす
るものである。
【0016】
【作用】上記請求項1記載の圧力波過給機付ディーゼル
エンジンのグロープラグ通電装置によれば、エンジンの
運転状態を検出する運転状態検出手段と、圧力波過給機
から加圧吸気がエンジンへ供給される過給状態を検出す
る過給検出手段とが設けられるとともに、これらの検出
手段からの信号を受けて特定のアフターグロー用運転領
域内において非過給状態のときにグロープラグに通電
し、過給状態のときにグロープラグへの通電を停止する
制御手段が設けられているため、上記運転状態検出手段
によってアフターグロー用運転領域内にあることが検出
され、かつ過給検出手段によって非過給状態であること
が検出された場合には、上記制御装置によってグロープ
ラグは通電されるように制御され、燃焼室内はグロープ
ラグによって加熱され、その結果エンジンの失火は有効
に抑止される。
【0017】また、上記過給検出手段によって過給状態
であることが検出された場合には、上記制御装置によっ
てグロープラグへの通電は遮断されるように制御され、
グロープラグの無駄な発熱は行われず、結果としてグロ
ープラグの耐久性を向上させることができる。
【0018】上記請求項2記載の圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンのグロープラグ通電装置によれば、スター
ティングバルブが吸気通路の過給機側通路を開閉するメ
インフラップと、バイパス吸気通路を開閉するバイパス
バルブとを備え、過給検出手段が上記メインフラップの
開度によって過給状態を検出するように構成されている
ため、メインフラップとバイパスバルブとを連動させる
ことにより一元的に過給状態と非過給状態とが切り換え
可能であり、従って、メインフラップのみの開度の検出
によって過給状態であるか否かの検出を行うことができ
る。
【0019】上記請求項3記載の圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンのグロープラグ通電装置によれば、アフタ
ーグロー用運転領域の限界がメインフラップの開閉動作
のバラツキの範囲の上限値に対応するように設定されて
いるため、メインフラップの開度が変動しても、アフタ
ーグロー用運転領域は失火領域をカバーしており、確実
にエンジン失火を抑止することができる。
【0020】上記請求項4記載の圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンのグロープラグ通電装置によれば、メイン
フラップの開度はメインフラップの位置を検出する位置
検出センサによって検知されるように構成されているた
め、比較的簡単な機構で適正にメインフラップの開度を
検出することができる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明に係る圧力波過給機付ディー
ゼルエンジンのグロープラグ通電装置の一例を示す説明
図である。この図に示すように、ディーゼルエンジンは
エンジン本体1と、このエンジン本体1に吸入空気(以
下吸気という)を送り込む吸気通路2と、エンジン本体
1からの燃焼排ガス(以下排気という)を送り出す排気
通路3と、吸気通路2および排気通路3の接点に設けら
れた吸気を加圧するための圧力波過給機4と、この圧力
波過給機4をバイパスするバイパス吸気通路2cと、ス
ターティングバルブ5とから基本構成されている。
【0022】このようなエンジン本体1の各シリンダの
燃焼室にはグロープラグ8が設けられており、エンジン
の駆動状態が所定の領域内に入る低回転低負荷運転のと
きには、制御装置9からの指示信号に基づいてこのグロ
ープラグ8に通電され、その結果グロープラグ8は発熱
して燃料は予熱されるようになっている。
【0023】上記吸気通路2は、圧力波過給機4に非加
圧吸気を導入するエアクリーナ6の設けられた前吸気通
路2aと圧力波過給機4からの加圧吸気を導出する後吸
気通路2bとに分割されており、エアクリーナ6の下流
側の前吸気通路2aと後吸気通路2bとは上記バイパス
吸気通路2cによって接続されている。また、後吸気通
路2bのバイパス吸気通路2cよりも下流側には吸気を
冷却するクーラ21が設けられている。このクーラ21
の下流側の後吸気通路2bは、複数のエンジンシリンダ
に供給される吸気の分配部である吸気マニホールド22
に続き、そこから各シリンダに吸気が供給される。
【0024】一方、排気通路3は排気マニホールド32
に続いた圧力波過給機4の上流側の前排気通路3aと圧
力波過給機4の下流側の後排気通路3bに分割されてお
り、それらの間にはバイパス管31が設けられている。
そしてこのバイパス管31は普段はダンパー31aで閉
止されている。
【0025】上記圧力波過給機4は、円筒状のケーシン
グ41と、このケーシング41内に内装され図外の回転
軸周りに回転する円柱状のセルホイル42とから構成さ
れている。このセルホイル42には回転軸周りに多数の
スリット空間43が回転軸に平行にセルホイル42を連
通するように設けられている。
【0026】このようなようなセルホイル42はケーシ
ング41内でエンジンの回転と同期して回転軸周りに回
転するように構成されている。そして、セルホイル42
の一側端面には前吸気通路2aおよび後吸気通路2bの
それぞれの開口が対向し、またセルホイル42の他側端
面には前排気通路3aおよび後排気通路3bのそれぞれ
の開口が対向し、セルホイル42のスリット空間43を
介して後吸気通路2bと前排気通路3aとは互いに連通
し、かつ、前吸気通路2aと後排気通路3bとも互いに
連通するようになっている。
【0027】従って、この圧力波過給機4においては、
前排気通路3aを介してセルホイル42に供給された排
気は、回転軸周りに多数形成されたスリット空間43の
いずれかに導入され、スリット空間43の他端部に前吸
気通路2aを介して導入されている吸気に圧力波の作用
で加圧し、加圧された吸気は後吸気通路2に導出される
とともに、排気自身はセルホイル42の回転でスリット
空間43が後排気通路3bの開口に対面したとき、前吸
気通路2aからスリット空間43内に導入された吸気に
衝突して跳ね返され、そこから後排気通路3bを介して
系外に導出される。
【0028】つぎに、圧力波過給機4の吸気通路2側に
はスターティングバルブ5が設けられている。このスタ
ーティングバルブ5は、後吸気通路2b内に設けられた
圧力波過給機4からの加圧吸気の供給および遮断を司る
メインフラップ51とバイパス吸気通路2cに設けられ
たバイパスバルブ52とから構成されている。
【0029】図2はスターティングバルブ5の断面視の
説明図であり、メインフラップ51が閉止している状態
を示しており、また、図3はメインフラップが開通して
いる状態を示している。まず図2に示すように、メイン
フラップ51は付勢手段7により開弁方向に付勢されて
おり、圧力波過給機4からの吸気の吐出を受けた場合は
その吐出量に応じて閉弁するように構成されている。
【0030】また、バイパスバルブ52は、バネ力の小
さなスプリング53開弁方向に付勢されており、メイン
フラップ51が閉弁しているときは開かれ、メインフラ
ップ51が開弁しているときはこのメインフラップ51
に連動して閉じられるようになっている。従って、メイ
ンフラップ51が全開になった状態においては、バイパ
スバルブ52は前閉になっている。
【0031】上記付勢手段7は、ロッド71およびリン
ク等を介してメインフラップ51に連結されてケース7
2内に位置する可動板73と、この可動板73をメイン
フラップ51の開弁方向に押圧するスプリング74と、
ケース72の左側端に位置して可動板73を吸着する磁
石75とを備えている。
【0032】この付勢手段7により、圧力波過給機4か
らの吸気の吐出圧が低いときにはメインフラップ51が
ほぼ閉じられ、上記吐出圧が所定値を超えるてある程度
押し開かれると、その後は急激に全開状態になり、また
このメインフラップ51の開作動によってバイパスバル
ブ52が閉止される。
【0033】スターティングバルブ5の以上のような構
成により、エンジンの回転数が高くかつ高負荷のいわゆ
る高回転高負荷領域のエンジンの駆動状況においては、
後吸気通路2bへ吐出される加圧吸気の量は多く、その
ため強い力で押圧するのでメインフラップ51は開通さ
れ、それに押されてバイパスバルブ52は閉止され、エ
ンジン本体1には加圧吸気が供給される過給状態にな
る。
【0034】逆に、回転数があまり高くない低回転低負
荷領域のエンジンの駆動状況では、圧力波過給機4から
の加圧吸気の後吸気通路2bへの吐出量は少なく、従っ
てメインフラップ51はほぼ閉じられた状況となり、そ
の結果バイパスバルブ52は開通してエンジン本体1に
はバイパス吸気通路2cを介した非加圧吸気が供給され
非過給状態になる。このような状況においてはエンジン
は失火することが多い。
【0035】本発明は、エンジン負荷が低く、かつ、エ
ンジン回転数が所定の値以下の状態のいわゆる低負荷低
回転領域で駆動しているエンジンの失火を抑止するもの
であり、失火がどういう状況において発生するかを厳密
に検討した結果達成することができたものである。以下
失火のメカニズムについて、図4を基に説明する。
【0036】図4は、横軸をエンジンの回転数とし、縦
軸をシャフトの回転トルク、燃焼室温度または吸気圧力
としたグラフである。まず同図のグラフ1は、横軸をエ
ンジン回転数、縦軸をトルクとして運転領域を示すもの
であり、傾斜実線(メインフラップ開閉境界線)を境に
してその左側はメインフラップ51が閉止している領
域、同右側はメインフラップ51が開通している領域で
あるが、このグラフ1に示すように、トルクが小さく、
所定の回転数以下であり、かつ、メインフラップ51が
閉止しているハッチングで表示された領域において、エ
ンジンの失火が起こる頻度が極めて高いのである。な
お、上記トルクはエンジン負荷を表す指標である。
【0037】同図のグラフ2においては、回転数と燃焼
室温度との関係を示しているが、このグラフで判る通
り、メインフラップ51の開閉状態は重要な意味を有し
ている。すなわち、メインフラップ51が閉止されてい
る状況では、燃焼室の温度は常に低温で横這い状態であ
り、結局エンジンはあまり温まった状態にはなっていな
いため、失火は起こりやすいのである。これに対し、回
転数が上昇しメインフラップ51が開通すると、圧力波
過給機4からの加圧吸気がエンジン本体1に送りこまれ
るようになるため、それ以後燃焼室の温度も急激に上昇
して失火は起こらない状態になっている。
【0038】同図のグラフ3は、エンジン回転数と後吸
気通路2b内の吸気圧力との関係を示しているが、この
グラフ3から判る通り、メインフラップ51が閉止され
ているときは非加圧吸気がバイパスバルブ52を介して
後吸気通路2bに導入され、その圧力は大気圧より低い
状態になっている。これに対し、回転数が上がってメイ
ンフラップ51が開通すると、圧力波過給機4から加圧
吸気が後吸気通路2bに導入されるため、急激に吸気圧
力も上昇している。
【0039】これらのグラフで判るとおり、エンジンが
失火するか否かはメインフラップ51が閉止しているか
開通しているかが大きな要因であり、以上述べたとお
り、閉止している状態で失火が起こり易い。
【0040】ところで、メインフラップ51の開閉ポイ
ントは、圧力波過給機4から後吸気通路2b内に吐出さ
れる必ずしも圧変動が安定的ではない加圧吸気量と、付
勢手段7のスプリング74および磁石75の力との力学
的なバランスにより決まるため、あまり安定したもので
はなく、相当のバラツキを有している。このバラツキの
範囲をグラフの点直線で示しており、従って、失火が起
こる領域についてもグラフ1の点描範囲で変動すること
になる。
【0041】本発明は、以上のようなメインフラップ5
1の開閉状態は極めて変動しやすいという状況を踏ま
え、グラフ1の点描範囲をも含めてアフターグロー運転
領域とした上で、さらに過給状態を検出し、それに基づ
いてアフターグロー制御を行うことにより、上記変動に
充分対応することができるように構成されたものであ
る。
【0042】すなわち、スターティングバルブ5にはメ
インフラップ51の閉状態検出器としてのリミットスイ
ッチ10が設けられている。このリミットスイッチ10
が本実施例における過給検出手段である。このリミット
スイッチ10は、付勢手段7のロッド71の先端部が当
接すればスイッチONされ、その結果メインフラップ閉
止信号94が制御装置9に発信されるように構成されて
いる。すなわち、このリミットスイッチ10はメインフ
ラップ51がどの位置にあるかを検出する一種の位置検
出センサとしての機能を果たすものであるが、本発明に
おいてはメインフラップ51の開閉状態の検知は上記リ
ミットスイッチ10に限定されるものではなく、その他
の位置検出手段が採用されてもよい。
【0043】その他、制御装置9には、エンジンの回転
数91、アクセル開度92および冷却水水温93も信号
として入力されるようになっている。上記アクセル開度
92はエンジン負荷を表示するための指標として採用さ
れ、運転状態検出手段としての図外の所定のセンサーに
よって検出されるようになっている。
【0044】そして、制御装置9内には予めグロープラ
グ8に通電するためのアクセル開度の設定値が入力され
ており、エンジンが回転しており、アクセル開度92が
上記設定値以下であり、かつ、リミットスイッチ10か
らメインフラップ閉止信号94が入力された場合には、
制御装置9からの指令信号の基にグロープラグ8には通
電されるようになっている。
【0045】以下本発明の作用について、図5に例示し
たフローチャートおよび図1を基に説明する。まず、イ
グニッションキーが入れられ自動車の電気系統に通電さ
れると、制御装置9はスタートアップし、ステップS1
において制御装置9にエンジン回転数信号91、アクセ
ル開度信号92、冷却水水温93およびメインフラップ
開閉信号94が入力される。
【0046】そして、ステップS2において冷却水の水
温が予め設定された温度よりも低いか否かが判別され、
ステップS3で運転領域がアフターグロー用運転領域に
入っているか否かが、ステップS4でメインフラップ5
1が閉止しているか否かが判別される。上記ステップS
2〜ステップS4の条件をすべて満足している場合、す
なわち冷却水の水温は設定温度以下の低温であり、運転
領域がアフターグロー用運転領域に入っており、メイン
フラップ51は閉止されて圧力波過給機4からの加圧吸
気がエンジン本体1に供給されていないエンジン低回転
低負荷領域の場合には、ステップS5が実行されてグロ
ープラグ8に通電されるため、燃料は予熱されエンジン
の失火は有効に抑止される。
【0047】また、上記ステップS3〜ステップS4の
条件のいずれかが満足されなかった場合、すなわち冷却
水の水温が高い場合、アフターグロー用運転領域外であ
る場合、アフターグロー用運転領域内であってもメイン
フラップ51が開通して圧力波過給機4からの加圧吸気
がエンジン本体1に供給される過給状態にある場合に
は、ステップS6が実行されてグロープラグ8への通電
は遮断される。
【0048】つまり、これらの場合は、アフターグロー
によらなくても、圧縮温度が充分に上昇して正常に着火
が行われ、またこのような状況下での通電によるグロー
プラグ8の過熱が防止される。
【0049】以上のように、本発明のグロープラグ通電
装置は、エンジン失火に対する最も敏感な制御要素であ
るメインフラップ51の閉止状態を検出し、それを基に
グロープラグ8への通電および通電遮断を行うものであ
るため、常に適切にグロープラグ8への通電が行われ、
エンジン失火を適切に回避することができるとともに、
過給状態で通電した場合に起こるグロープラグ8の過熱
を防止することができ、グロープラグ8の寿命を延長さ
せることができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧力波過給
機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置は、エ
ンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、圧力
波過給機から加圧吸気がエンジンへ供給される過給状態
を検出する過給検出手段とが設けられ、これらの検出手
段からの信号を受けて特定のアフターグロー用運転領域
内において非過給状態のときにグロープラグに通電し、
過給状態のときにグロープラグへの通電を停止する制御
手段が設けられているため、上記運転状態検出手段によ
ってアフターグロー用運転領域内にあることが検出さ
れ、かつ過給検出手段によって非過給状態であることが
検出された場合には、上記制御装置からの指令によって
グロープラグは通電され、その結果燃焼室内はグロープ
ラグの発熱によって加熱され、エンジンの失火は有効に
抑止される。
【0051】また、上記過給検出手段によって過給状態
であることが検出された場合には、上記制御装置によっ
てグロープラグへの通電は遮断されるため、グロープラ
グの過熱は防止され、結果としてグロープラグの耐久性
を向上させることができる。
【0052】また、上記スターティングバルブは吸気通
路の過給側通路を開閉するメインフラップと、バイパス
吸気通路を開閉するバイパスバルブとによって構成し、
上記メインフラップの開度によって過給状態を検出する
ようにすれば、メインフラップとバイパスバルブとを連
動させることにより一元的に過給状態と非過給状態とが
切り換え可能であり、その結果メインフラップのみの開
度の検出によって過給状態であるか否かの検出を行うこ
とができ好都合である。
【0053】さらに、アフターグロー用運転領域の限界
をメインフラップの開閉動作のバラツキの範囲の上限値
に対応するように設定すれば、メインフラップの開度が
変動しても、アフターグロー用運転領域は失火領域をカ
バーしており、充分上記バラツキに対応してエンジン失
火を抑止することができる。
【0054】加えて、メインフラップの開度をメインフ
ラップの位置を検出する位置検出センサによって検知す
るようにすれば、比較的簡単な機構で適正にメインフラ
ップの開度を検出することができ有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧力波過給機付ディーゼルエンジ
ンのグロープラグ通電装置の一例を示す説明図である。
【図2】スターティングバルブの断面視の説明図であ
り、メインフラップが閉止している状態を示している。
【図3】スターティングバルブの断面視の説明図であ
り、メインフラップが開通している状態を示している。
【図4】横軸にエンジンの回転数をとり、縦軸にトルク
をとった場合の運転領域を示すグラフ、および横軸にエ
ンジンの回転数をとり、縦軸に燃焼室温度および吸気圧
力をとった場合の両者の関係を示すグラフである。
【図5】グロープラグ通電装置の制御の流れを例示する
フローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気通路 3 排気通路 4 圧力波過給機 5 スターティングバルブ 51 メインフラップ 52 バイパスバルブ 7 付勢手段 8 グロープラグ 9 制御装置 10 リミットスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 23/00 C 7049−3G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧力波過給機と、この圧力波過給機をバ
    イパスするバイパス吸気通路と、上記圧力波過給機側の
    吸気通路を開通する状態とバイパス吸気通路を開通する
    状態とに切り換えるスターティングバルブを備える圧力
    波過給機付ディーゼルエンジンにおいて、上記ディーゼ
    ルエンジンの燃焼室にグロープラグが設けられ、エンジ
    ンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、圧力波過
    給機から加圧吸気がエンジンへ供給される過給状態を検
    出する過給検出手段とが設けられるとともに、これらの
    検出手段からの信号を受けて特定のアフターグロー用運
    転領域内において非過給状態のときにグロープラグに通
    電し、過給状態のときにグロープラグへの通電を停止す
    る制御手段が設けられていることを特徴とする圧力波過
    給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置。
  2. 【請求項2】 スターティングバルブが吸気通路の過給
    機側通路を開閉するメインフラップと、バイパス吸気通
    路を開閉するバイパスバルブとを備え、過給検出手段が
    上記メインフラップの開度によって過給状態を検出する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電
    装置。
  3. 【請求項3】 アフターグロー用運転領域の限界がメイ
    ンフラップの開閉動作のバラツキの範囲の上限値に対応
    するように設定されていることを特徴とする請求項2記
    載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ
    通電装置。
  4. 【請求項4】 上記メインフラップの開度はメインフラ
    ップの位置を検出する位置検出センサによって検知され
    るように構成されていることを特徴とする請求項2また
    は3記載の圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロー
    プラグ通電装置。
JP17835492A 1992-07-06 1992-07-06 圧力波過給機付ディーゼルエンジンのグロープラグ通電装置 Pending JPH0617740A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104169550A (zh) * 2012-03-14 2014-11-26 日产自动车株式会社 柴油发动机的控制装置及控制方法

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US10626810B2 (en) 2012-03-14 2020-04-21 Nissan Motor Co., Ltd. Control apparatus and control method for diesel engine

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