JPH0617681A - 内燃機関の燃料噴射量制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射量制御装置

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JPH0617681A
JPH0617681A JP4200331A JP20033192A JPH0617681A JP H0617681 A JPH0617681 A JP H0617681A JP 4200331 A JP4200331 A JP 4200331A JP 20033192 A JP20033192 A JP 20033192A JP H0617681 A JPH0617681 A JP H0617681A
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intake
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秀隆 牧
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祐介 長谷川
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修介 赤崎
Isao Komoriya
勲 小森谷
Toshiaki Hirota
俊明 廣田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 壁面付着プラントの伝達特性の逆伝達特性を
持つ補償器をプラントに直列に接続して1つの仮想プラ
ントとする。補償器のパラメータはマップで補正すると
共に、仮想プラントの伝達特性が1及びその付近から逸
脱するとき、その逆伝達特性を持つ様に適応制御器を動
作させる。 【効果】 吸気圧力などの速い変化にも即応して、かつ
経時変化などにも適応し、筒内実吸入燃料量を常に目標
値に一定させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の燃料噴射量
制御装置に関し、より具体的には噴射した燃料が吸気管
などに付着することで生ずる燃料の輸送遅れを適応的に
補正して筒内実吸入燃料量を目標値に常に一致させる様
にした内燃機関の燃料噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機関の過渡運転時には実際の筒内実吸入
燃料量が目標値に一致せず、リーンスパイクやリッチス
パイクが生じることがある。その原因の一つに、燃料が
吸気管の壁面などに付着することによって起こる燃料の
輸送遅れを挙げることができる。この燃料の輸送遅れ
は、機関の運転状態や、初期バラツキや、更には吸気管
へのデポジット付着などによる経時変化によってその挙
動が変化する。そこで、特開平2−173334号公報
などに記載の様に、適応制御を導入して付着パラメータ
を直接算出または推定し、内燃機関の燃料噴射量制御を
行う技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで燃料の輸送遅
れをもたらす運転状態には、水温、吸気温などの比較的
変化の遅いもののみならず、吸気圧力などの様に時間的
な変化が速いものも含まれる。例えば低回転時にアクセ
ルペダルを急激に踏み込んだ様なとき吸気圧力は速やか
に立ち上がり、それに応じて燃料の付着状態も速やかに
変化するが、前記した従来技術の場合には付着プラント
の入出力の応答のみを見ているため、この様な速い変化
に十分追従することができなかった。即ち、実際の燃料
の挙動は付着プラントの出力変化になって表れてくる前
に変化しているが、前記した従来技術においてはプラン
ト出力が変化して始めて付着パラメータを算出(推定)
するため、追従性に欠ける不都合があった。
【0004】従って、この発明の目的は上記した欠点を
解消し、燃料の挙動をリアルタイムに把握し、燃料の輸
送遅れの変化に迅速に対応して筒内実吸入燃料量を目標
値に一致させる様にした内燃機関の燃料噴射量制御装置
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに本発明に係る内燃機関の燃料噴射量制御装置は、内
燃機関の吸気管に付着する燃料量を状態変数として燃料
の挙動をモデル化し、筒内実吸入燃料量が目標筒内吸入
燃料量に常に一致する様に、該プラントの伝達関数のパ
ラメータを同定・調整する適応制御器を備えてなる内燃
機関の燃料噴射量制御装置において、後に図2に示す様
に、前記プラントの伝達特性の逆伝達特性を持つ補償器
を前記プラントに直列に接続し、該補償器の伝達特性の
パラメータを前記内燃機関の運転状態に応じて予め設定
した特性に従って補正すると共に、該補償器を含んで1
つのプラントと仮想し、その仮想プラントの伝達特性が
1及びその付近から逸脱したとき、前記仮想プラント及
び適応制御器の伝達特性が全体として1及びその付近に
入る様に前記適応制御器を動作させる、如く構成した。
【0006】
【作用】上記の如く、付着プラントの伝達特性の逆伝達
特性を持つ補償器を付着プラントに直列に接続し、その
補償器の伝達特性のパラメータ自体は運転状態に応じて
予め設定する特性に従って補正することから、例えば吸
気圧力の様に時間的変化の速いものに起因して燃料の付
着状態が変化したときも、その変化に良く追従して制御
値を変化させることができる。また、その補償器を含ん
で1つの仮想的なプラントとみなし、その仮想プラント
の持つ伝達特性、即ち、付着プラントと補償器のそれぞ
れの伝達関数の積が1及びその付近から逸脱したとき、
前記仮想プラント及び適応制御器の伝達特性が全体とし
てその範囲に入る様に適応制御器を動作させる様にした
ことから、予め設定する特性が経年変化などで実際の特
性とずれることがあっても、そのずれを良く補償するこ
とができ、変化に良く追従し筒内実吸入燃料量を目標値
に一致させることができる。
【0007】
【発明の構成】図1はこの発明に係る制御装置を全体的
に示すブロック図であり、同図を参照して説明すると、
この制御装置は、機関回転数Ne、吸気圧力Pbなどか
ら予め設定され、マップ化された特性を検索して目標筒
内吸入燃料量(Ti)を決定するMAPブロック、スロ
ットル開度θTH、吸気圧力Pb 、大気圧Pa などから実
吸入空気量(Gair)の動的な挙動を推定するGai
rモデルブロック、排気系集合部の空燃比より各気筒の
空燃比を推定するA/Fオブザーバブロック、及び燃料
噴射量(Tout)を決定する燃料噴射制御ブロックか
ら構成される。この構成において、推定された筒内実吸
入空気量Gairと各気筒の空燃比A/Fとから、各時
刻(燃焼サイクル)における気筒吸入燃料量Gfuel
が推定され、それが目標燃料量Tiに一致する様に、前
記燃料噴射ブロックのパラメータが調整され、噴射燃料
量Toutが決定される。
【0008】以下、それぞれについて詳細に説明する。
【0009】先ず燃料噴射制御について説明する
【0010】燃料噴射制御について図1を書き直すと図
2の様になる。ここで入力パラメータは、次の通りとす
る。 (1)目標筒内吸入燃料量Ti.....各種センサか
らの入力を用いて算出または推定した筒内実吸入空気量
を目標空燃比で割った値。尚、筒内実吸入空気量の算出
については後で詳述する。 (2)筒内実吸入燃料量Gfuel...同様に上記の
筒内実吸入空気量を広域空燃比センサ測定値から求めた
気筒ごとの実空燃比で割った値。気筒ごとの実空燃比の
算出についても後述する。 (3)その他.............壁面付着補正
補償器に必要な各種測定値または推定値(例えば水温T
w、吸気圧力Pb 、機関回転数Neなど)。
【0011】即ち、上に述べた如く、ある時刻(k−
n)の燃焼サイクルの筒内実吸入空気量Gair(k−
n)を求めて目標空燃比A/F(k−n)で除算して目
標筒内吸入燃料量Ti(k−n)が決定される。また同
時刻の燃焼サイクルの筒内実吸入空気量Gair(k−
n)を当該気筒の測定空燃比A/F(k−n)で除算
し、筒内実吸入燃料量Gfuel(k−n)が決定され
る。そして適応制御器において、目標筒内吸入燃料量T
i(k−n)に筒内実吸入燃料量Gfuel(k−n)
が常に一致する様に補償器の調整がなされ、制御値(噴
射燃料量)Toutが決定される。ここで、前記した付
着パラメータの変化に即応するために、壁面付着プラン
トの前に、それと逆の伝達関数を持つ壁面付着補正補償
器を直列に挿入する。この壁面付着補正補償器の付着パ
ラメータは、予め機関運転状態との対応関係に基づいて
決定したマップにより検索する。もし壁面付着補正補償
器の持つ付着パラメータと実機の持つ真の付着パラメー
タとが等しければ、両者は外から見ると伝達関数が1と
なり、即ちプラントと補償器の伝達関数の積が1とな
り、目標筒内吸入燃料量=筒内実吸入燃料量となるの
で、完全な補正が行われるはずである。ところが、付着
パラメータは一般に機関運転状態によって複雑に変化す
るため、完全に一致させることは難しい。また実機には
初期バラツキがあり、更にはデポジットの付着などによ
って経時変化も生じる。それらの理由から、両者の付着
パラメータが異なった場合、伝達関数は1(またはその
付近)以外の値となり、時間応答を生じるので、目標筒
内吸入燃料量と筒内実吸入燃料量とは等しくならない。
そこで、この付着補正補償器を含んで1つの仮想プラン
トとみなし、その仮想プラントの伝達特性が1(または
その付近の値)以外になったとき、仮想プラント及び適
応制御器の伝達特性が全体として1(またはその付近の
値)になる様に、より具体的には、仮想プラントの逆伝
達特性を持つ様に適応制御器を動作させる様にした。適
応制御器には、目標値として目標筒内吸入燃料量が入力
され、仮想プラントの出力である筒内実吸入燃料量が目
標値と一致する様に変化する適応パラメータが用いられ
る。適応制御器のパラメータは、適応パラメータ調整
(同定)器によって計算される。適応パラメータ調整
(同定)器には、仮想プラントへの過去の値を含む入出
力値が用いられる。尚、上記において適応制御器は、筒
内吸入空気量の持つ誤差を吸収する働きも行う。即ち、
筒内吸入空気量の推定に誤差があっても、結果的に筒内
吸入空気量を測定空燃比と目標空燃比でそれぞれ除算し
て得られる筒内実吸入燃料量と目標筒内吸入燃料量とが
常に一致する様に適応パラメータが調整されるので、空
気量推定誤差は吸収されることになる。
【0012】以下、詳述する。
【0013】壁面付着プラントとしては数1に示す様な
1次系のモデルを用いる。ここではパラメータは2個と
する。
【0014】
【数1】
【0015】それを離散形の伝達関数で示すと、数2の
様になる。またブロック線図で示すと、図3の様にな
る。
【0016】
【数2】
【0017】また数3に壁面付着補正補償器の伝達関数
を示す。前記の如く、壁面付着プラントのそれの逆伝達
関数をとる。
【0018】
【数3】
【0019】先に述べた如く、壁面付着補正補償器の直
接率Aハットと持ち去り率Bハットは、機関運転状態、
例えば水温Tw、吸気圧力Pb 、機関回転数Neなどの
関数とし、予め特性をマップに設定しておき、それから
検索する。尚、この明細書で「ハット」は、推定値を意
味する。
【0020】次いで、適応制御器について説明する。壁
面付着補正に求められる条件としては、常に輸送遅れを
小さくする方向で働くこと、A,B項の変化に追従でき
ること、が挙げられるが、その様に時変(時間的に変
化)であるプラントに追従して適応制御する手法として
は、MRACS(モデル規範形適応制御)が良く知られ
ている。そこで壁面付着補正にMRACSを適用する
と、図4に示す様になる。このとき規範モデルは時変プ
ラントの中央値付近に取っても良いし、壁面付着補正補
償器が制御し易い様に取っても良い。尚、MRACSは
無駄時間を持つプラントにのみ有効なため、付着プラン
トへの入力を1サイクル遅らせることによって見掛け上
無駄時間を挿入し、仮想プラントとしている(挿入ブロ
ックに「仮想」なる語を付す)。
【0021】ここで気付くことは、仮想付着補正補償器
と仮想規範モデルが直列に並んでいることである。これ
らは互いに逆伝達関数の関係にあるので、キャンセルす
ることができる。その結果、仮想規範モデルの直後のz
d =z(d=1)のブロックと、D(z-1)が残るが、
zは未来値を出力する伝達関数であり、そのままでは存
在できない。よってD(z-1)をD(z-1)=z-1とお
くことにより、この両者もキャンセルする。通常、D
(z-1)は、D(z-1)=1+d1 -1+・・・+dn
-n、の様におかれるが、D(z-1)=z-1とおいても
安定性には問題がない。よって、図4を整理すると、図
5の様になる(これによって適応制御器はレギュレータ
問題を扱うこととなってSTR(セルフチューニングレ
ギュレータ)に変形する)。ここで適応制御器はパラメ
ータ同定機構によって同定された係数ベクトルを受け取
ってフィードバック補償器を形成する。但し、この動作
自体は公知なものであって、例えば「コンピュートロー
ル」No.27、『ディジタル適応制御』、28頁から
41頁に詳述されているので、説明は省略する。
【0022】図示した構成についてのシミュレーション
による応答結果を図6に示す。この図より、MRACS
のパラメータ同定機構は、前述の構成において正常に動
作していることが分かる。しかし空燃比の挙動には暴れ
が残ってしまっている。これを微視的にみるために、図
7の(a)の様な目標吸入燃料量を入力してみると、プ
ラント出力と空燃比は同図(b)(c)の様になる。こ
れから、プラント出力が1サイクル遅れているのが分か
る。仮想プラントとしてプラントに無駄時間が挿入され
ているため、この遅れが原因で、過渡運転時に目標燃料
量とプラントの時間差が1サイクル分生じるため、空燃
比にスパイクが生じることが分かる。
【0023】ここで、仮想プラントを外から見た場合、
無駄時間z-1をプラントの前に挿入しても後に挿入して
も等価なので、先ずこれをプラントの後に付けることに
する。そして、プラントの出力y′(k)はプラントの
直後から取り出し、その後に挿入した無駄時間z-1の後
からパラメータ同定機構が必要とする仮想プラント出力
y(k)を取り出すことにする。こうすれば入力r
(k)からプラント出力y′(k)の経路に無駄時間が
存在せず、かつパラメータ同定機構は無駄時間の入った
仮想プラント出力y(k)を用いることができる。その
構成を図8に示す。また図9に図8の構成のシミュレー
ション結果を示す。収束後は図9(c)の様に、実吸入
燃料量はほぼ目標燃料量となり、そのときの空燃比も1
4.7付近でフラットに推移している。また先と同じく
同定終了後の微視的応答を同じスケールでみると、図1
0の様になる(破線は比較のための無駄時間対策前の応
答)。これをみても、無駄時間対策後の応答は、同定が
終了すれば非常にフラットな空燃比になっているのが分
かる。
【0024】尚、ここで無駄時間の挿入は上に述べたも
のに限られるものではなく、図8に想像線で示す様に、
プラントの出力の次数に対応して入力及び/又は出力に
適宜挿入することとする。
【0025】ここで、パラメータ同定則について述べる
と、図4などに示したパラメータ同定機構においてラン
ダウなどの手法を用いるとき、ゲイン行列は数4の様に
表される。
【0026】
【数4】
【0027】このλ1(k), λ2(k)の選び方により、具体
的なパラメータ同定則が決定する。MRACSの代表的
な同定則は、固定ゲイン法、漸減ゲイン法(最小二乗法
を含む)、可変ゲイン法(重みつき最小二乗法を含
む)、固定トレース法の4種に大別される。それらにつ
いて図4に示した構成に基づき以下の条件でシミュレー
ションを行った。即ち、実機への適用においては時変プ
ラントが対象となる可能性が高いため、時変プラントを
使用した。図11〜図14にそのシミュレーション結果
を示す。シミュレーション結果から分かる様に、プラン
トが時変の場合に、固定ゲイン法(図11)ではプラン
ト出力値が目標値を中心に激しくハンチングを起こして
いる。これは、目標値が変化しているとき(過渡運転
時)に特に顕著である。過渡運転時には規範モデル出力
と、その目標値であるプラント出力値との差が大きくな
るので、MRACSのパラメータ同定機構は一度に大幅
にパラメータを変えようとする。このため、プラントの
変化が速すぎるときなどの場合にはオーバシュートを起
こし、ハンチングしてしまう。それに対し、漸減ゲイン
法(図12)と可変ゲイン法(図13)と固定トレース
法(図14)とでは、目標値である規範モデルに対して
プラント出力はきちんと追従している。部分的に振動が
見られるが、目標値に収束していることが分かる。この
程度の振動は、収束のためのパラメータを調整すれば、
例えばゲイン行列の数値やD(z-1)を変えることによ
り、収束スピードを犠牲にすることなく、抑え込むこと
が可能である。よって、この3つの同定則は収束スピー
ドが固定ゲイン法に比べて速く、プラントが時変であっ
ても追従可能であることを示している。
【0028】続いて、筒内実吸入空気量Gairの推定
について説明する。
【0029】先に述べた様に、筒内実吸入燃料量Gfu
elを正確に求めるためには、吸入空気量を精度良く求
める必要がある。従来より、吸入空気量を直接的に計測
するマスフロー方式、吸気チャンバ内圧力によって間接
的に推定するスピードデンシティ方式などが提案されて
いるが、これらの従来手法は基本的には気筒吸入空気量
と相関の高いパラメータを用いてマッピング(マップ
化)しておき、それを検索して求めるものであるため、
マッピング時に考慮されていなかったパラメータの変化
に対しては全く無力であり、劣化、バラツキ、経年変化
などに対してタフネスがなかった。またマッピングは基
本的には定常状態でしか行うことができず、過渡運転状
態を表現していないため、過渡時の気筒吸入空気量はセ
ッティングに頼る他はなかった。従って、この発明にお
いては、吸気系に各種条件下において吸入空気量の変化
を反映することができる流体力学モデルを適用し、計測
自体は従来通り間接的であるにしても、マッピング、セ
ッティングを廃して精度良く求める様にした。即ち、ス
ロットルをオリフィスとみなし、スロットルまわりの流
体力学モデルを構築してスロットル通過空気量を推定
し、チャンバ充填遅れを考慮して動的に実吸入空気量を
推定する様にした。以下、説明する。
【0030】先ず、図15の吸気系モデルに示す様に、
スロットルをオリフィスとみなすと、数5に示すベルヌ
ーイの式、数6に示す連続の式、数7に示す断熱変化の
関係式より、数8に示す絞り式流量計などで使用される
圧縮性流体についての流量の計算式を導出でき、単位時
間当たりのスロットル通過空気量Gthを求めることが
できる。
【0031】
【数5】
【0032】
【数6】
【0033】
【数7】
【0034】
【数8】
【0035】次いで、気体の状態式に基づく数9に示す
式からチャンバ内空気量Gbを求める。尚、ここで「チ
ャンバ」はいわゆるサージタンク相当部位のみならず、
スロットル弁下流から吸気ポートに至る間の全ての部位
を意味する。
【0036】
【数9】
【0037】従って、今回充填された空気量の変化分Δ
Gbは、圧力変化分より数10の式から求めることがで
きる。
【0038】
【数10】
【0039】即ち、定常運転状態であればGth=Ga
irとなる。他方、過渡状態で例えばスロットル弁が急
に開かれたとき吸入圧力が高くなるのは、空気がチャン
バを充填しているからである。逆に言えば、チャンバ内
を充填した空気量とスロットル弁を通過した空気量とが
分かれば気筒内に流入した空気量も分かることになる。
即ち、チャンバに充填された空気量分は当然ながら気筒
へ吸入されないものとすれば、単位時間ΔT当たりの筒
内実吸入空気量Gairは数11で表すことができ、こ
れによって実吸入空気量の動的な挙動が推定可能とな
る。図16にこの算出手法によるシミュレーション結果
を示す。
【0040】
【数11】
【0041】上記について実験結果を示す。図17にテ
スト装置の概略を示す。
【0042】実験においては、スロットル開度一定と
し、空気量を変化させ、そのときのスロットル上、下流
の圧力を測定し、また同時に空気流量も測定した。テス
トはスロットル上流側に関して10種のスロットル開度
について行った。そのうちスロットル開度31.6度に
ついての結果を図18に示す。図示したものも含めた実
験結果から以下が判明した。 (1)スロットル下流の圧力は、スロットルから1D〜
2D(D:スロットル弁の径)で一度落ち込み、3D〜
4Dで回復し、再び下流へ向かうほど緩やかに圧力が下
がっていく(下流の落ち込みは、スロットル弁により流
れの縮流、渦流、剥離が発生するため)。 (2)落ち込んだ圧力を測定すると、スロットルの前後
差圧が実際よりも大きくなってしまうので、回復した圧
力値を用いてスロットル通過空気量を算出する必要があ
る。
【0043】またスロットル上流については、スロット
ル手前で圧力が低下することが判明した。
【0044】以上から、スロットル下流の圧力Pthdown
(数5等の式においてP2 )は圧力の回復した位置、即
ち、スロットル弁から約3D(理想的には3D〜4D)
離れた位置で、スロットル上流の圧力Pthup(数5等の
式においてP1 )はスロットル弁の影響が及ばない位置
で、かつスロットル弁にできるだけ近い位置、即ち、ス
ロットル弁から約1D(ないしはそれ以上)離れた位置
で測定するのが望ましいことが分かった。尚、スロット
ル下流の圧力はその意味でチャンバ(サージタンク)内
の圧力と等価とみなすことができる。よって、後で述べ
る様にサージタンク内に圧力センサを設け、その検出値
であるサージタンク内の圧力をスロットル下流圧Pthdo
wnとしても良い。
【0045】数8に示した式において、流量係数αのみ
を未知数とし、前記したテストによって流量係数を同定
した。尚、ここで同定は、測定したスロットル前後の圧
力を用い、数8の式からスロットル通過空気量Gthを
算出し(初期値は適宜設定)、続いて算出値と実測値と
を比較し、両者が一致する様に流量係数の値を変化さ
せ、以上を繰り返して行って誤差が最小になる値を流量
係数とする、手法を採った。図19にその手法によって
同定したスロットル開度に対する流量係数の値を示す。
また図20に同定した流量係数を用いて推定した値と実
測値とを比較して示す(スロットル開度31.6度につ
いてのみ示す)。
【0046】図21に、以上の手法で求めた流量係数を
使用し、またスロットル弁から下流に4D、上流に1D
離れた位置で測定した値を用いてシミュレーションで算
出した値と、実際に測定した値とを対比して示す。尚、
同図に示すのは、スロットル開度を7〜20度に変化さ
せたときのデータである。またPb は吸気圧センサ実測
値を、Gthはエアフロメータによる実測値を示す。同
図から、この算出手法が実効的であることが見てとれよ
う。
【0047】尚、数8において測定値はPthup
(P1 ), Pthdown(P2 ), θTHであるので、それら
をマップ化(マッピング)しておいて特に平方根の演算
時間を短縮することとする。それを数12に示す。尚、
同式でMはマップデータを示す。
【0048】
【数12】
【0049】次いで、センサの分解能との関係を述べ
る。図22は縦軸に一定の計測誤差に対する制御誤差
を、横軸にスロットル開度をとった測定データである。
同図から、一定の計測誤差に対しては、低開度となるほ
ど、制御誤差が大きくなることが分かる。従って、セン
サは低開度側ほど計測誤差を少なくするもの、別言すれ
ば低開度側ほど高分解能を有するものであることが望ま
しい。また図23は縦軸に同様に制御誤差をとると共
に、横軸にスロットル弁前後の圧力比をとった測定デー
タである。これから同様に、吸気圧力センサについても
高負荷側(大気圧側、図に1で示す)に高分解能を備え
るものを使用することが望ましいことが分かる。従っ
て、実機での応用に際してはスロットル開度センサと吸
気圧力センサとは共に、あるいは少なくとも一方は、こ
の様な分解能を備えたものを用いることが望ましい。
【0050】尚、前記した空気量の測定について幾つか
付言すると、スロットル前後の圧力比が所定値以下の場
合には、流速が音速となっていることから、所定値(例
えば0.528)に固定する。また、吸気温センサは算
出精度を向上させる意味で、スロットル弁の上流の近傍
に設ける様にする。また湿度センサを備えて数8の式の
空気の比重量を補正するのが望ましい。
【0051】次いで、気筒別の空燃比の検出について説
明する。多気筒内燃機関においてはコストまたは耐久性
上の問題から、一般的には排気系の集合部に1個の空燃
比センサのみを配置している。従って、集合部の空燃比
から各気筒の空燃比を特定する必要がある。そこで、集
合部の空燃比の挙動をモデル化することにより、逆に集
合部の空燃比から数値演算によって各気筒の空燃比を推
定する様にした。
【0052】先ず、広域空燃比センサの応答遅れを1次
遅れと擬似的にモデル化し、その状態方程式を求め、周
期ΔTで離散化すると、数13の様になる。ここで、L
AF:広域空燃比センサ出力、A/F:入力空燃比であ
る。
【0053】
【数13】
【0054】数13をZ変換を用いて伝達関数で示せば
数14の様になる。即ち、図24に示す如く、数14の
逆伝達関数を今回(時刻k)のセンサ出力LAFに乗じ
ることによって前回(時刻k−1)の空燃比を求めるこ
とができる。
【0055】
【数14】
【0056】次いで、上記の如く遅れ補正して求めた空
燃比から各気筒の空燃比を分離抽出する手法について説
明すると、先ず図25に示す様に内燃機関の排気系をモ
デル化する(これを図1において「EXMN PLAN
T」と示した)。尚、このモデル(プラント)ではF
(燃料量)を制御量とするため、燃空比F/Aを用いて
いる。
【0057】ここで、集合部の空燃比は発明者達の知見
によれば各気筒の空燃比の時間的な寄与度を考慮した加
重平均として表すことができ、式で示すと、数15の様
になる。
【0058】
【数15】
【0059】また各気筒の空燃比を漸化式の形式で表す
と、数16の様になる。
【0060】
【数16】
【0061】入力U(k)は未知なので、4気筒として
4TDCごとに空燃比が再現するものとして漸化式を構
成すると、数17の様になり、よって数18の如き通常
の状態方程式の問題に帰着する。
【0062】
【数17】
【0063】
【数18】
【0064】従って、時間的な寄与度Cが分かれば、カ
ルマンフィルタを設計して図26に示す様なオブザーバ
を構成することにより、各時刻のX(k)をY(k)よ
り推定することが可能となる。即ち、上記の様な状態方
程式に対し、適当なゲイン行列をとって数19で示す様
な式のXハット(k)を考える。
【0065】
【数19】
【0066】ここで、(A−KC)が安定行列であれ
ば、Xハット(k)がX(k)となり、X(k)(各気
筒の空燃比)をY(k)(集合部の空燃比)から推定す
ることが可能となる。尚、その詳細は本出願人が先に提
案した技術(特願平3−359340号、平成3年12
月27日出願)に述べてあるので、これ以上の説明は省
略する。
【0067】以上について、実機に適用した場合につい
て実施例を説明する。
【0068】
【実施例】図27はそれを全体的に示す概略図である。
図において、符号10は4気筒の内燃機関を示してお
り、吸気路12の先端に配置されたエアクリーナ14か
ら導入された吸気は、スロットル弁16でその流量を調
節されつつサージタンク(チャンバ)18とインテーク
マニホルド20を経て第1〜第4気筒に流入される。各
気筒の吸気弁(図示せず)の付近にはインジェクタ22
が設けられて燃料を噴射する。噴射され吸気と一体とな
った混合気は各気筒内で図示しない点火プラグで点火さ
れて燃焼してピストン(図示せず)を駆動する。燃焼後
の排気ガスは排気弁(図示せず)を介してエキゾースト
マニホルド24に排出され、エキゾーストパイプ26を
経て三元触媒コンバータ28で浄化されて機関外に排出
される。
【0069】また内燃機関10のディストリビュータ
(図示せず)内にはピストン(図示せず)のクランク角
度位置を検出するクランク角センサ34が設けられると
共に、スロットル弁16の開度θTHを検出するスロット
ル開度センサ36、スロットル弁16下流の吸気圧力P
b を絶対圧力で検出する吸気圧センサ38も設けられ
る。またスロットル弁16の上流側には、大気圧Pa を
検出する大気圧センサ40、吸入空気の温度を検出する
吸気温センサ42、吸入空気の湿度を検出する湿度セン
サ44が設けられる。更に、排気系においてエキゾース
トマニホルド24の下流側で三元触媒コンバータ28の
上流側には酸素濃度検出素子からなる広域空燃比センサ
46が設けられ、排気ガスの空燃比を検出する。これら
センサ34などの出力は、制御ユニット50に送られ
る。尚、上記において、スロットル上流側の圧力を検出
する大気圧センサ40は、スロットル弁16の配置位置
から1D(D:吸気路12の径)以上離れた位置に配置
すると共に、スロットル下流側の圧力を検出する吸気圧
センサ38は、スロットル弁16の配置位置から3D以
上離れたサージタンク18内に配置する。また吸気温セ
ンサ42と湿度センサ44とはスロットル弁16に可能
な限り接近して配置する。尚、スロットル開度センサ3
6と吸気圧センサ38の分解能は、それぞれ0.01
度、0.1mmHg以上とする。
【0070】図28は制御ユニット50の詳細を示すブ
ロック図である。広域空燃比センサ46の出力は検出回
路52に入力され、そこで適宜な線型化処理が行われて
リーンからリッチにわたる広い範囲において排気ガス中
の酸素濃度に比例したリニアな特性からなる空燃比(A
/F)が検出される。尚、その詳細は先に本出願人が提
案した出願(特願平3−169456号、平成3年6月
14日出願)に述べてあるので、これ以上の説明は省略
する。検出回路52の出力はA/D変換回路54を介し
てCPU56,ROM58,RAM60からなるマイク
ロ・コンピュータ内に取り込まれ、RAM60に格納さ
れる。同様にスロットル開度センサ36などのアナログ
出力はレベル変換回路62、マルチプレクサ64及び第
2のA/D変換回路66を介して、またクランク角セン
サ34の出力は波形整形回路68で波形整形された後、
カウンタ70で出力値がカウントされ、カウント値はマ
イクロ・コンピュータ内に入力される。マイクロ・コン
ピュータにおいてCPU56はROM58に格納された
命令に従って前記の如く適応制御手法に基づいて制御値
を演算し、駆動回路72を介して各気筒のインジェクタ
22を駆動する。
【0071】続いて、図28の制御装置の動作を図29
フロー・チャートを参照して説明する。
【0072】先ずS10においてクランク角センサ34
が検出した機関回転数Neを読み込み、S12で大気圧
センサ40などが検出した大気圧Pa (前記したスロッ
トル上流圧Pthupに同じ)、吸気圧力Pb (前記したス
ロットル下流圧Pthdownに同じ)、スロットル開度θT
H、空燃比A/Fなどを読み込む。
【0073】次いでS14に進んでクランキングか否か
判断し、否定されるときはS16に進んでフュエルカッ
トか否か判断する。そこでも否定されたときはS18に
進み、機関回転数Neと吸気圧力Pb とからマップを検
索し(図1に示す)、目標筒内吸入燃料量Tiを算出
し、S20に進んで基本モードの式によって燃料噴射量
Toutを算出する。尚、ここで基本モードとは前記し
た適応制御によらない手法であって、従来の公知の手法
によるものを意味する。
【0074】次いでS22に進み、広域空燃比センサ4
6の活性化が完了したか否か判断し、肯定されるときは
S24に進んで先に述べた手法で気筒別空燃比を推定
し、S26に進んで実吸入空気量Gairを推定し、S
28に進んでそれから筒内実吸入燃料量Gfuelを推
定し、S30に進んで適応制御によって最終Toutを
決定し、S32に進んで駆動回路72を介して当該気筒
のインジェクタ22に出力する。尚、S14でクランキ
ングと判断されたときはS34,S36に進んで始動モ
ードの制御値を算出すると共に、S16でフュエルカッ
トと判断されたときはS38に進んでToutを零とす
る。またS22でセンサが活性化していないと判断され
るときは直ちにS32にジャンプして基本モードによる
制御値でインジェクタを駆動する。
【0075】上記した構成においては気筒別に空燃比を
推定して筒内実吸入燃料量を精度良く求め、筒内実吸入
燃料量が目標値に一致する様に制御器のパラメータを適
応的に制御したので、精度の良い適応制御を実現するこ
とができる。
【0076】また、付着プラントの伝達関数の逆伝達関
数を持つ補償器を付着プラントに直列に接続し、その補
償器の伝達関数のパラメータ自体は運転状態に応じて予
め設定した特性に従って補正する様にしたことから、例
えば吸気圧力の様に時間的変化の速いものに起因して付
着状態が変化するときも、その変化に良く追従して目標
値に適応制御することができる。また、その補償器を含
んで1つの仮想プラントとみなし、その仮想プラントの
伝達関数が1(またはその付近の値)以外になったと
き、その逆伝達関数を持つ如く適応制御器を動作させる
様にしたので、予め設定する特性が経年変化などで実際
の特性と異なることがあっても良くその変化に追従して
目標値となる様に適応的に制御することができる。
【0077】尚、上記した構成においてこの発明を図1
に関して説明したが、それに限られるものではなく、こ
の発明は図30に示す様に、実吸入空気量の動的な挙動
を推定するGairモデルブロックを設けず、マップ値
に”14.7”を乗じて実吸入空気量Gairを推定す
る様にした構成にも妥当し、適応制御を行うことによっ
て吸気系の挙動も吸収する、即ち、前記した如く、実吸
入空気量の推定に誤差があっても、それを吸収すること
ができる。更に、この発明は図31に示す様に、目標値
Tiをマップ化せず、Gairモデルブロックが推定し
た実吸入空気量Gairに”1/14.7”を乗じて目
標値Tiを決定する様にした構成にも妥当する。
【0078】更に、上記した構成において、1個の空燃
比センサを用いて各気筒の空燃比を推定し、目標値に制
御する例を示したが、それに限られるものではなく、気
筒ごとに空燃比センサを設けて各気筒の空燃比を直接検
出しても良い。
【0079】更には、上記した制御を行うために、吸気
系のモデルを立てて実吸入空気量を算出したが、この手
法は開示した制御に限られるものではなく、一般的な燃
料噴射量制御や点火時期制御などにも利用することがで
きる。
【0080】
【発明の効果】請求項1項記載の内燃機関の燃料噴射量
制御装置は、付着プラントの伝達特性の逆伝達特性を持
つ補償器を前記プラントに直列に接続し、該補償器の伝
達特性のパラメータを前記内燃機関の運転状態に応じて
予め設定した特性に従って補正すると共に、該補償器を
含んで1つのプラントと仮想し、その仮想プラントの伝
達特性が1及びその付近から逸脱したとき、前記仮想プ
ラント及び適応制御器の伝達特性が全体として1及びそ
の付近に入る様に前記適応制御器を動作させる如く構成
したので、吸気圧力の様な時間的に速い変化に起因して
燃料の付着状態が変化するときも良くそれに追従するこ
とができると共に、経年変化などの他の原因に起因する
付着状態の変化に対しても良く適応して筒内実吸入燃料
量を目標値に一致させることができる。
【0081】請求項2項記載の装置は、前記仮想プラン
トの出力の次数に対応して入力及び/又は出力に無駄時
間を挿入する様に構成したので、空燃比の計測遅れや演
算遅れを考慮した対応づけを行った適応制御器を構成す
ることができて目標吸入燃料量とプラントの出力(実吸
入燃料量)との間に時間差が生じることがなく、よって
一層精度良く筒内実吸入燃料量を目標値に一致させるこ
とができる。
【0082】請求項3項記載の装置は、前記パラメータ
同定・調整機構で可変ゲイン法または固定トレース法を
用いる様に構成したので、機関の過渡運転時においても
目標値にプラント出力を良く追従させることができる。
【0083】請求項4項記載の装置は、前記内燃機関の
運転状態に応じて予め設定した特性が、少なくとも吸気
圧力または機関回転数についての特性を含む様に構成し
たので、吸気圧力の様に時間的に速く変化するものに起
因して燃料の付着状態が変化するときも、良くそれに適
応して筒内実吸入燃料量を目標値に追従制御させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る制御装置を全体的に示すブロッ
ク図である。
【図2】図1中の燃料噴射制御を動作的に示すブロック
図である。
【図3】図2中の壁面付着プラントのブロック線図であ
る。
【図4】図2の壁面付着補正にMRACS(モデル規範
形適応制御)を適用した状態を示すブロック図である。
【図5】図4に示すブロック図を整理した後の状態を示
すブロック図である。
【図6】図5の構成のシミュレーション結果を示すデー
タ図である。
【図7】図6のデータを微視的に検証したシミュレーシ
ョン結果を示すデータ図である。
【図8】図5の構成に無駄時間対策を施した状態を示す
ブロック図である。
【図9】図8の構成のシミュレーション結果を示すデー
タ図である。
【図10】図9のデータを微視的に検証したシミュレー
ション結果を示すデータ図である。
【図11】図4の構成において固定ゲイン法について行
ったシミュレーションを示すデータ図である。
【図12】図4の構成において漸減ゲイン法について行
ったシミュレーションを示すデータ図である。
【図13】図4の構成において可変ゲイン法について行
ったシミュレーションを示すデータ図である。
【図14】図4の構成において固定トレース法について
行ったシミュレーションを示すデータ図である。
【図15】図1に示したGairモデルブロックの筒内
実吸入空気量の算出に用いる吸気系のモデルを示す説明
図である。
【図16】図15のモデルの筒内実吸気空気量算出のシ
ミュレーション結果を示すデータ図である。
【図17】図15のモデルの筒内実吸気空気量算出手法
のテスト装置を示す説明図である。
【図18】図17のテスト装置のテスト結果を示すデー
タ図である。
【図19】図17テスト装置を用いて行ったスロットル
開度に対するスロットルの流量係数の同定結果を示すデ
ータ図である。
【図20】図19の同定結果を用いて求めた推定値と実
測値とを対比的に示すデータ図である。
【図21】図15に示したモデルに基づいてシミュレー
ションで求めた値と実測値とを対比的に示すデータ図で
ある。
【図22】制御誤差とスロットル開度の関係を示すデー
タ図である。
【図23】制御誤差とスロットル弁前後の圧力比の関係
を示すデータ図である。
【図24】空燃比センサの検出遅れをモデル化し、真の
空燃比を推定する推定器のブロック線図である。
【図25】図1のEXMN PLANTを示すブロック
線図である。
【図26】図25の構成にオブザーバを組み込んだ構成
を示すブロック図である。
【図27】図1の構成を実機に適用した状態を示す、内
燃機関の燃料噴射量制御装置を全体的に示す概略図であ
る。
【図28】図27の制御ユニットの構成を示すブロック
図である。
【図29】図28の制御ユニットの動作を示すフロー・
チャートである。
【図30】この発明の別の構成例を示す図1と同様のブ
ロック図である。
【図31】この発明の更に別の構成例を示す図1と同様
のブロック図である。
【符号の説明】
10 内燃機関 12 吸気路 16 スロットル弁 18 サージタンク 20 インテークマニホルド 22 インジェクタ 24 エキゾーストマニホルド 26 エキゾーストパイプ 36 スロットル開度センサ 38 吸気圧センサ 40 大気圧センサ 42 吸気温センサ 44 湿度センサ 46 広域空燃比センサ 50 制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小森谷 勲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 廣田 俊明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気管に付着する燃料量を状
    態変数として燃料の挙動をモデル化し、筒内実吸入燃料
    量が目標筒内吸入燃料量に常に一致する様に、そのプラ
    ントの伝達関数のパラメータを同定・調整する適応制御
    器を備えてなる内燃機関の燃料噴射量制御装置におい
    て、前記プラントの伝達特性の逆伝達特性を持つ補償器
    を前記プラントに直列に接続し、該補償器の伝達特性の
    パラメータを前記内燃機関の運転状態に応じて予め設定
    した特性に従って補正すると共に、該補償器を含んで1
    つのプラントと仮想し、その仮想プラントの伝達特性が
    1及びその付近から逸脱したとき、前記仮想プラント及
    び適応制御器の伝達特性が1及びその付近に入る様に前
    記適応制御器を動作させる様に構成したことを特徴とす
    る内燃機関の燃料噴射量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記仮想プラントの出力の次数に対応し
    て入力及び/又は出力に無駄時間を挿入することを特徴
    とする請求項1項記載の内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記パラメータ同定・調整機構で可変ゲ
    イン法または固定トレース法を用いることを特徴とする
    請求項1項または2項記載の内燃機関の燃料噴射量制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関の運転状態に応じて予め設
    定した特性が、少なくとも吸気圧力または機関回転数に
    ついての特性を含むことを特徴とする請求項1項ないし
    3項のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射量制御装
    置。
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