JPH0617496Y2 - 液中動作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、玩具としての液中動作装置の改良に関するも
のである。

［考案の概要］ 本考案は、液体を入れた容器内に可動体を支持し、容器
の外に設けた駆動源によって前記可動体を運動させる液
中動作装置玩具において、液体を入れた容器を完全密封
となし、磁石の磁力作用によって前記可動体を運動させ
るようにしたものである。

［従来の技術］ 従来、この種の液中動作装置玩具として、第５図及び第
６図に示すものが知られている。

すなわち、１は筒形の支持基台、２は水等の液体を入れ
るガラスまたはプラスチック製の透明な球形容器、３は
容器の底を形成しているゴム製の封止用底蓋、４はその
中央に設けた皿形の受座、５はそこを貫通する回転軸、
６は回転プレート、７はその上に据付けた人形等の可動
体、８は回転軸をシールする環状のゴム製軸受、９は軸
受を回転軸に圧接させるスプリング、１０はオルゴー
ル、１１はその取付板であり、前記回転軸５はオルゴー
ルのゼンマイ動力で回転駆動され、それに連結している
回転プレート６が人形７を載せた状態で回転するように
なっている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記液中動作装置の構成にあっては、オルゴール等の駆
動側の回転軸が液体を入れてある容器を貫通しているた
め、軸のシール手段として、前記ゴム製軸受８及びグリ
ス塗布等の手段が必要となり、コスト高となるばかりで
なく、組立性も悪く、軸シールの信頼性も極めて低い。
また、前記ゴム製軸受８を使用するものは、回転伝達の
トルク損失が大きい。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、液体が封入されている容器と、上記容器を支
持する支持基台と、該支持基台内に設けられ、上記容器
内に一部が突出していて、上記容器の底部開口と水密状
に結合している保持枠と、上記保持枠の上面板を介し
て、容器内に設けられた第１の回転板及び保持枠内に設
けられた第２の回転板と、を有し、第１の回転板は容器
内の可動体を支持すると共に保持枠の上面板に対し回転
可能に枢支され、第２の回転板は回転軸を介して支持基
台に設けられた駆動源に結合され、第１及び第２の回転
板上に夫々設けられた磁石又は磁性体間の磁気結合によ
り、非接触で容器内の可動体を動かすように構成するこ
とによって、上述した問題点の解決を図ったものであ
る。

［作用］ 上記構成の液中動作装置においては、液体を入れた容器
内の人形等の可動体は、磁石の磁力作用によって、容器
の外側から間接的に動かされるので、回転軸のシール手
段は不要となる。

［実施例］ 第１図は、本考案の一実施例を示すもので、第５図と同
一又は類似する部材には同じ符号を付してある。

すなわち、１は筒形の支持基台であり、その内部の底に
設けた取付板１１には、オルゴール１０と、透明な球形
容器２のなかに突出する帽形の保持枠１２とがネジ等に
よって固定されている。

前記筒形の支持基台１と帽形の保持枠１２とのあいだに
は、ゴム製シール部材１３を嵌着させた容器の底部開口
縁が位置づけられ、接着剤１４の流し込み充填により、
水密状に固定されている。

前記オルゴール１０には、補助持受板１５が設けられ、
これにオルゴールドラムに歯車の噛み合い結合等により
従動回転させた回転軸１６が支持され、回転軸１６の先
端に回転板１７が固定され、そのうえに２個の磁石１８
が接着されている。

前記帽形の保持枠１２には、その上面板１２ａのうえに
回転板１９が、前記回転板１７と同心位置に支持され、
この回転板１９に設けた２つの凹部に２個の磁石２０が
接着されている。１９ａは回転板１９の回転支持部を覆
うキャップであり、内部に水が充填され、回転板１９に
人形等の可動体７を接着固定する接着剤が入らないよう
にしてある。回動体７は回転板１９の上面に接着固定し
てある。

前記回転板１７，１９の磁石１８，２０は保持枠１２の
上面板１２ａをなかにして、磁石作用が働くように近接
され、かつ磁石１８，２０は異極で対向されている。な
お、保持枠１２や回転板１７，１９はプラスチックの如
き非磁性材で形成してある。

上記構成の液中動作装置においては、オルゴール１０の
駆動で回転板１７が回転すると、上面板１２ａをなかに
して対向している回転板１９は両回転板の磁石１８，２
０が対向した状態でその吸引作用によって従動回転し、
そのうえに固定されている人形等の可動体７も共に回転
する。

上記実施例では、回転板１７，１９のそれぞれに磁石１
８，２０を設けてあるが、片方を磁性体にしてもよい。

また、磁石の吸引又は反発作用によって、可動体を運動
させる手段として、例えば、第２図に示すように、支点
に揺動自在に支持したレバー２１に磁石２０を磁石１８
と同極が対向するように組付けてシーソー運動をさせる
もの、あるいは第３図に示すように、支柱２２に紐２３
で吊持させた動板２４に磁石２０を磁石１８と異極が対
向するように取付けてブランコ運動させるもの、また第
４図に示すように、回転軸１６の軸端に、円周方向に着
磁した磁石１８を設け、上面板１２ａの反対側に支持さ
せた複数の軸２５に前記と同様に着磁した磁石２０を取
付け、その磁石２０を前記磁石１８の円周面と対向させ
て複数の軸を同時に回転させるもの等の手段もある。

［考案の効果］ 以上に述べたように、本考案によれば、液体を入れた透
明な容器内に可動体を支持し、容器の外に設けた駆動源
によって前記可動体を運動させる液中動作装置玩具にお
いて、液体を入れた容器を完全密封とし、駆動源に結合
した回転軸が容器内まで貫通することがないようにして
磁石の磁力作用によって外部から非接触で間接的に前記
可動体を運動させる構造としているので、回転軸の直結
駆動のように高価なシール部材を用いる必要がなく、軸
シールの信頼性を高め、組立容易な液中動作装置を得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す液中動作装置の縦断面
図、第２図、第３図及び第４図はそれぞれ他の実施例に
よる運動伝達手段の構成図、第５図は従来の液中動作装
置の縦断面図、第６図はゴム製軸受の一部切断側面図で
ある。 １……筒形の支持基台、 ２……透明容器、 ７……可動体、 １０……オルゴール、 １１……取付板、 １２……保持枠、 １２ａ……上面板、 １３……シール部材、 １４……接着剤、 １５……補助持受板、 １６……回転軸、 １７，１９……回転板、 １８，２０……磁石、 ２１……レバー、 ２２……支柱、 ２３……紐、 ２４……動板、 ２５……軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液体が封入されている容器と、 上記容器を支持する支持基台と、 該支持基台内に設けられ、上記容器内に一部が突出して
   いて、上記容器の底部開口と水密状に結合している保持
   枠と、 上記保持枠の上面板を介して、容器内に設けられた第１
   の回転板及び保持枠内に設けられた第２の回転板と、を
   有し、 第１の回転板は容器内の可動体を支持すると共に保持枠
   の上面板に対し回転可能に枢支され、第２の回転板は回
   転軸を介して支持基台に設けられた駆動源に結合され、
   第１及び第２の回転板上に夫々設けられた磁石又は磁性
   体間の磁気結合により、非接触で容器内の可動体を動か
   すように構成したことを特徴とする液中動作装置。