JPH0617477B2 - 枝分かれ構造を有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

枝分かれ構造を有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造方法

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JPH0617477B2
JPH0617477B2 JP9040187A JP9040187A JPH0617477B2 JP H0617477 B2 JPH0617477 B2 JP H0617477B2 JP 9040187 A JP9040187 A JP 9040187A JP 9040187 A JP9040187 A JP 9040187A JP H0617477 B2 JPH0617477 B2 JP H0617477B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、枝分かれ構造を有する、クシ型ポリマーで
あるオルガノポリシロキサンの新規な製造方法に関す
る。さらに詳しく言うと、この発明は、低温特性に優れ
た、あるいは硬化速度の速いクシ型ポリマーであるオル
ガノポリシロキサンを安定に製造することができる方法
に関するものである。
[発明の背景] オルガノポリシロキサンは、シリコーンオイル、シリコ
ーンゲル、液状ゴム、コーティング材、ポッティング材
およびミラブルタイプシリコーンゴムなどの原料として
広く使用されている。
こうしたオルガノポリシロキサンは、基本的に、ケイ素
原子と酸素原子とからなるオルガノポリシロキサン骨格
を有する化合物であり、従来は、直鎖状の構造を有する
ものが主に使用されていた。
一般に、直鎖状のオルガノポリシロキサンには、−60℃
付近に凝固点が、−95゜付近に結晶化点が、そして、−1
23℃付近にガラス転移点が存在する。したがって、直鎖
状のオルガノポリシロキサンの使用温度は、凝固点以上
の温度、すなわち通常は、−60℃以上である。
しかしながら、近年のオルガノポリシロキサンの使用の
多様化に伴なって、高速で硬化させることでき、さらに
低温で使用することができるオルガノポリシロキサンの
開発が切望されている。
[従来技術およびその問題点] 従来、有機ポリマーの技術分野では、枝別れを有するポ
リマーは、スターポリマー等の例に見られる通り多くの
研究がなされ、直鎖状ポリマーに比較して、同一重合度
においては、粘度が低い、低温特性が良好であるなどの
利点が明らかにされている。
一方、オルガノポリシロキサンの技術分野においては、
枝別れ構造を有するオルガノポリシロキサンに関する研
究が少なく、直鎖状ポリマーに対して、枝別れ構造のオ
ルガノポリシロキサンはどのような性質を有するのか、
あるいは具体的にどのようにして合成するのか不明の場
合が多い。
そのような状況下にあって、分岐鎖を有する具体的なク
シ型オルガノポリシロキサンの例として、特公昭61-162
95号の公報に記載されている組成物中で用いられるポリ
オルガノシロキサン(オルガノポリシロキサン)があ
る。
前記公報では、T単位(RSiO3/2)がポリマー中の
全シロキサン単位の2〜10モル%を占めるときに、オル
ガノポリシロキサンの低温特性が改善され、T単位が3
〜6モル%を占めるときに良好な結果が得られるとして
いることから、T単位が2モル%よりも少ないオルガノ
ポリシロキサンは低温特性が充分に改善されてはいない
と考えられる。さらに、前記公報中のオルガノポリシロ
キサンは、硬化速度が遅いという問題点がある。
前記公報には、これに記載のオルガノポリシロキサンは
SiO1/2、RSiO2/2、RSiO3/2の加水分
解物を用いるとの開示があるのみで具体的な製造方法の
開示がない。
この発明者が検討したところでは、RSiO3/2源と
してシリコーンレジンなどの加水分解物を用いた場合に
は、製造条件の僅かな変化によって、得られるオルガノ
ポリシロキサンの重合度、構造あるいは粘度などの特性
が異常に変動することが判明した。すなわち、加水分解
物は、多種類の化合物の混合物であるので、得られるオ
ルガノポリシロキサン化合物の特性を制御することが非
常に難しく、したがって、この方法では、所望の特性の
分岐鎖を有するオルガノポリシロキサンを製造すること
が困難であった。
[発明の目的] この発明は、前記事情に基づいてなされたものである。
すなわち、この発明は、製造条件が変動したとしても、
得られるオルガノポリシロキサンの特性の変動が少な
い、枝分かれ構造を有する、クシ型オルガノポリシロキ
サンの製造方法を提供することを目的とする。
この発明は、得られるオルガノポリシロキサンの特性の
制御が容易な、枝分かれ構造を有する、クシ型オルガノ
ポリシロキサンの製造方法を提供することをも目的とす
る。
この発明の他の目的は、硬化速度の速い、枝分かれ構造
を有する、クシ型オルガノポリシロキサンの製造方法を
提供することである。
[前記目的を達成するための手段] 前記目的を達成するためのこの発明の構成は、平衡触媒
の存在下に、次式(I)で表わされる化合物と、次式
(II)で表わされる化合物および/または次式(III)
で表わされる化合物とを重合させて枝分かれ構造を有す
るクシ型オルガノポリシロキサンを製造することを特徴
とするオルガノポリシロキサンの製造方法である。
1 2SiO2/2……(I) ただし、上記式(I)において、Rは、それぞれ、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基お
よびアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン
原子で置換されたアルキル基よりなる群から選ばれる一
価の基である。
ただし、上記式(II)において、R〜Rは、それぞ
れ、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニ
ル基およびアルキル基の水素原子の一部または全部がハ
ロゲン原子で置換されたアルキル基よりなる群から選ば
れる一価の基であり、かつnは、0から3の範囲内にあ
る。
ただし、上記式(III)において、R〜R13は、それ
ぞれ、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
ニル基およびアルキル基の水素原子の一部または全部が
ハロゲン原子で置換されたアルキル基よりなる群から選
ばれる一価の基である。mは2または3である。
本発明者は、枝分かれ構造を有するクシ型ポリマーであ
るクシ型オルガノポリシロキサンを製造する際に、前記
式(II)および/または(III)で表わされる化合物を
用いることにより、この化合物が、上述のRSiO
1/2およびRSiO3/2として作用し、所望の特性を有
するクシ型オルガノポリシロキサンを容易に製造するこ
とができることを見出した。
すなわち、この発明の製造方法においては、式(II)お
よび式(III)で表わされる化合物のうちの、少なくと
もいずれか一方を用いる。
まず、式(II)で表わされる化合物について説明する。
ただし、上記式(II)において、R〜Rは、それぞ
れ、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニ
ル基およびアルキル基の水素原子の一部または全部がハ
ロゲン原子で置換されたアルキル基よりなる群から選ば
れる一価の基であり、かつnは、0から3の範囲内にあ
る。
ここで、アルキル基としては、多くの場合、炭素数が1
〜6の範囲内にある直鎖状もしくは分岐状のアルキル基
が挙げられる。この発明において、低温特性発現を目的
とする場合、アルキル基は、メチル基であることが好ま
しい。
前記アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシ
リル基、クミル基、ビフェニル基、ナフチル基、アンス
リル基などが挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、α
−メチルベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニ
ルメチル基などが挙げられる。
前記アルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、
アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル
基、スチリル基、シンナミル基、シクロヘキセニル基な
どが挙げられる。これらの中でも、ビニル基が好まし
い。
ハロゲン原子が置換したアルキル基としては、通常は、
フッ素原子、塩素原子などが置換したアルキル基(通
常、炭素数が1〜6の範囲内にあるもの)である。フッ
素原子が置換したアルキル基を有する化合物を用いる
と、得られるクシ型オルガノポリシロキサンの化学的特
性(たとえば、耐酸性、耐溶剤性など)が向上する。
この発明において、R〜Rが総じてメチル基であ
り、Rがメチル基もしくはビニル基であることが好ま
しい。
式(II)中のnは、0〜3の範囲内で任意の値を採り得
るのであるが、好ましいnは0および1である。
したがって、この発明において、式(II)で表わされる
化合物を用いる場合に、好適なものとしては、下式(II
−1)および(II−2)で示される化合物を挙げること
ができる。
上述の式(II)で表わされる化合物は、たとえばモノオ
ルガノトリクロロシラン(RSiCl3)とヘキサオルガノシク
ロトリシロキサンとを、ヘキサメチルホスホンアミド、
ホスホニトリルクロライド(PNCl2)あるいはH2SO4
どの触媒の存在下に反応させて、RSiCl2(OSiR2)3Clもし
くはRSiCl[(OSiR2)3Cl]2を得、次いで、これを水もしく
はNaHCO3の存在下に、加水分解し、得られた加水分解物
とトリオルガノモノクロロシラン(R3SiCl)もしくはトリ
オルガノジメチルアミノシラン(R3SiN(CH3)2)などとを
反応させることにより製造することができる。
次に式(III)で示される化合物について説明する。
上記式(III)において、R〜R13は、それぞれ、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基お
よびハロゲン原子が置換したアルキル基よりなる群から
選ばれる一価の基である。mは2または3である。
ここで、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基およびハロゲン原子が置換したアルキル基は、
前述の式(II)で表わされる化合物の場合におけるのと
同様の意味である。
この発明で用いる好適な式(III)で表わされる化合物
としては、下式(III−1)で示される化合物を挙げる
ことができる。
上述の式(III)で表わされる化合物は、たとえば、ハ
イドロジエンジシロキサン(R3Si-O-SiR2-H)とビニルジ
クロルシラン(CH2=CH-SiRCl2)とを、付加反応触媒(た
とえば、Pt化合物、Rh化合物、Pd化合物)の存在下に反
応させ、 R3Si-O-SiR2-CH2-CH2-SiRCl2 を得、次いで、得られた化合物とヘキサオルガノシクロ
トリシロキサンとを、ヘキサメチルホスホンアミド、ホ
スホニトリルクロライド(PNCl2)あるいはH2SO4など
の触媒の存在下に反応させ、さらに加水分解することに
より製造することができる。
この発明の製造方法においては、前記式(II)および
(III)で表わされる化合物をそれぞれ単独で使用して
もよく、また、式(II)および(III)で表わされる化
合物の中から二種以上の化合物を選択してこれらを組み
合わせて使用してもよい。
なお、上記式(II)および(III)で表わされる化合
物、さらに後述の式(I)および式(IV)で表わされる
化合物のうちの少なくとも一方の化合物が、たとえばビ
ニル基のような反応性二重結合を含む場合には、得られ
たオルガノポリシロキサンは反応硬化性を有するように
なる。
特に上記式(II)で表わされる化合物が反応性二重結合
を含む場合にはRで示される基が反応性二重結合を含
むことが好ましく、式(III)で示される化合物が反応
性二重結合を含む場合には、R13で示される基が反応性
二重結合を有する基を含むことが好ましい。
このように式(II)および(III)で表わされる化合物
に反応性二重結合を有する基を導入することにより、得
られるクシ型オルガノポリシロキサンの反応性が非常に
向上する。したがって、ライン化された製造工程におけ
る反応硬化性シリコーン化合物のように、短時間で硬化
することが必要な用途においては、この発明の方法で製
造したクシ型オルガノポリシロキサンの有用性が非常に
高い。
この発明の製造方法において、上述の式(II)および/
または(III)と反応する化合物は、下式(I)で表わ
される化合物である。
1 2SiO2/2……(I) ただし、上記式(I)において、Rは、それぞれ、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基お
よびアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン
原子で置換されたアルキル基よりなる群から選ばれる一
価の基である。
ここで、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基およびアルキル基の水素原子の一部または全部
がハロゲン原子で置換されたアルキル基は、前記式(I
I)で表わされる化合物の場合と同様である。
式(I)で表わされる化合物の具体的な例としては、ヘ
キサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロ
テトラシロキサン、1,3,5-(3,3,3-トリフルオロプロピ
ル)-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンおよび1,
3,5-トリメチルシクロトリシロキサンなどの環状シロキ
サン; などの鎖状シロキサンを挙げることができる。
特にこの発明の製造方法においては、環状シロキサンを
使用することが好ましく、その中でもオクタメチルシク
ロテトラシロキサンが好適である。
この発明の方法では、前記(I)で表わされる化合物と
前記(II)で表わされる化合物および/または前記(II
I)で表わされる化合物とを、平衡触媒の存在下に、重
合させる。
重合反応の結果として、枝分かれ構造を有する枝分かれ
をしたクシ型構造を有することにより低温特性の改善さ
れたオルガノポリシロキサンが得られる。
本発明者は、この重合反応につき、以下のように考察し
ている。すなわち、前記(II)で表わされる化合物およ
び前記(III)であらわされる化合物は、重合反応にお
いて、開環し、開環後のフラグメントがオルガノポリシ
ロキサンの主鎖中や末端中に結合する。前記(II)で表
わされる化合物中には、本質的にT単位が含まれている
し、前記(III)であらわされる化合物には、シルエチ
レン基 が含まれているので、オルガノポリシロキサンの主鎖中
や末端中に結合している前記フラグメント中のT単位や
シルエチレン基中のケイ素原子が分岐点となって、ポリ
マーに枝別れが発生するのであろう。したがって、ポリ
マー中に導入される枝分れ点は、反応させる前記(II)
または(III)で表わされる化合物の反応量により自由
に制御することができる。そして、前記(II)または
(III)で表わされる化合物を反応させたときには、驚
くべきことに、ポリマー中に導入される枝分れ点が少な
くても、生成するクシ型オルガノポリシロキサンの低温
特性が非常に改善されていることである。この理由は未
だ明確ではないが、前記(II)または(III)で表わさ
れる化合物の独特の構造に由来するものと考えられる。
このように、この発明の方法によると、前記(II)また
は(III)で表わされる化合物との反応により、枝分か
れ構造を有するクシ型オルガノポリシロキサンの低温特
性が改善されるのであるが、ポリマー中の枝分れ点とな
るケイ素原子をポリマー中の全ケイ素原子に対して1モ
ル%程度導入するだけで、得られるクシ型オルガノポリ
シロキサンの低温特性が改善され、ポリマー中の枝分れ
点となるケイ素原子をポリマー中の全ケイ素原子に対し
て3モル%程度導入すると、得られるクシ型オルガノポ
リシロキサンは、示差走査熱量計分析ではガラス転移点
以外のピークを全く示さず、−123℃まで冷却しても結
晶化,固化することがない。通常の場合、ポリマー中の
枝分れ点となるケイ素原子を、ポリマー中の全ケイ素原
子に対して0.01〜10モル%、好ましくは1.5〜10モル%
程度導入することにより、実用上、低温特性が充分に改
善されたクシ型オルガノポリシロキサンを得ることがで
きる。
したがって、重合反応に際し、前記(I)で示される化
合物に対する前記(II)で表わされる化合物および/ま
たは前記(III)であらわされる化合物の配合量は、ポ
リマー中の枝分れ点となるケイ素原子がポリマー中の全
ケイ素原子に対して0.01〜10モル%、好ましくは1.5〜1
0モル%程度導入されるように適宜に決定すれば良い。
さらに、この発明の製造方法においては、次式(IV)で
表わされる化合物を配合して、これを重合させることが
好ましい。
14 3SiO1/2……(IV) ただし、上記式(IV)において、R14は、それぞれ、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基お
よびハロゲン原子が置換したアルキル基よりなる群から
選ばれる一価の基である。
ここで、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
ケニル基およびアルキル基の水素原子の一部または全部
がハロゲン原子で置換されたアルキル基は、前述の式
(II)で表わされる化合物の場合におけるのと同様であ
る。
式(IV)で表わされる化合物の配合量を調整することに
より、得られるクシ型オルガノポリシロキサンの粘度特
性を調節することができる。
このような作用を有する式(IV)で表わされる化合物の
具体的な例としては、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,
3,3-テトラメチル−1,3-ジビニルジシロキサン、1,1,3,
3-テトラメチル−1,3-ジフェニルジシロキサンおよびヘ
キサビニルジシロキサンなどを挙げることができる。
特にこの発明においては、1,1,3,3-テトラメチル−1,3-
ジビニルジシロキサンを使用することが好ましい。
上記の式(I)で表わされる化合物、式(II)および/
または(III)で表わされる化合物、さらに所望により
用いられる式(IV)で表わされる化合物を、平衡触媒の
存在下に、重合させる。
この重合反応自体は、既に公知であり、この発明の製造
方法においても、公知の方法を利用することができる。
すなわち、平衡触媒としては、一般に、塩基性物質もし
くは酸性物質が使用されており、この発明においてもこ
れら公知の物質を使用することができる。塩基性物質の
例としては、NaOH、KOH、CsOH、R4NOH(Rは、通常は、炭
素数1〜5のアルキル基である)、R4POH(Rは、上記
と同義である)、カリウムシラノラートおよびナトリウ
ムシラノラートなどを挙げることができ、酸性物質の例
としては、H2SO4、CF3SO3H、活性白土およびPNCl2を挙げ
ることができる。
平衡触媒として塩基性物質を用いた場合の重合反応条件
は、通常は、50〜200℃の範囲内(好ましくは80〜170℃
の範囲内)に設定される。
また、酸性物質を用いた場合の重合条件は、通常は、−
20〜60℃の範囲内(好ましくは−10〜50℃の範囲内)に
設定される。なお、通常、重合反応は、窒素気流中など
の不活性雰囲気下で行なわれる。
重合反応終了後、用いた塩基性物質あるいは酸性物質を
中和して、未反応物などを留去してクシ型オルガノポリ
シロキサンを得る。たとえば塩基性物質を中和するため
には、エチレンクロルヒドリンなどを用いるとよい。
こうして得られたクシ型オルガノポリシロキサンは、こ
のクシ型オルガノポリシロキサンを構成するケイ素原子
の内の90〜99.99モル%(好適には、90〜98.5モル%)
の範囲内のケイ素原子が直鎖状に結合している。そし
て、このクシ型オルガノポリシロキサンは、0.01〜10モ
ル%(好適には、1.5〜10モル%)の範囲内のケイ素原
子が分岐点を形成し、この分岐点から分岐鎖を分岐した
クシ型ポリマーである。
分岐鎖を形成するケイ素原子が上記範囲より少ないと低
温特性の向上が不充分になることがあり、また、10モル
%を越えると重合反応中に反応生成物がゲル状になるこ
とがある。この発明においては、特に分岐鎖を生成する
ケイ素原子を0.01〜10モル%の範囲内とすることによっ
て、ガラス転移点付近までクシ型オルガノポリシロキサ
ンを非晶相のままにして、これを有効に使用することが
できるなど、特に低温特性の優れたクシ型オルガノポリ
シロキサンとすることができる。
こうして得られたクシ型オルガノポリシロキサンは、通
常、粘度が、10〜10,000,000センチポイズの範囲内にあ
る。
この発明の製造方法において、重合度、粘度および分岐
鎖の生成比率などは、式(I)、(II)、(III)で表
わされる化合物、さらに所望により配合される式(IV)
で表わされる化合物の配合比率を変えることにより容易
に制御することができる。特に式(II)および(III)
で表わされる化合物は、シリコーンレジンの加水分解物
とは異なり、構造、分子量および反応性などの特性が明
確であるので、この物質の添加によるクシ型オルガノポ
リシロキサンの特性の変動は予測することができる。し
たがって、式(II)および(III)で表わされる化合物
の量および種類などを選択することにより所望のクシ型
オルガノポリシロキサンを製造することができる。
こうして得られたクシ型オルガノポリシロキサンは、通
常のものと同様に使用することができる。
たとえば、反応硬化性を有するクシ型オルガノポリシロ
キサンは、SiH含有ポリオルガノンポリシロキサンお
よび白金触媒と混合して、反応硬化性組成物とすること
ができる。なお、この際、反応硬化性を有していないシ
リコーンオイル、充填材などを配合することもできる。
[発明の効果] この発明の製造方法に従うことによって、製造条件の変
動によっても、クシ型オルガノポリシロキサンの特性の
変動が少ないオルガノポリシロキサンを容易に製造する
ことができる。
さらに、この発明によれば、得られるクシ型オルガポリ
シロキサンの特性の制御を容易に行なうことができる。
また、この発明の製造方法により得られたクシ型オルガ
ノポリシロキサンは、良好な低温特性を示す。
そして、この発明の製造方法により得られたオルガノポ
リシロキサンが反応硬化性を有するものである場合に
は、反応硬化時間が短縮される。
[実施例] 次にこの発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1) 攪拌機および温度計を備えた3のセパラブルフラスコ
に、1,1,3,3-テトラメチル−1,3-ジビニルジシロキサン
3.7gと、オクタメチルシクロテトラシロキサン1729g
と、次式(II−1)で表わされる化合物266.4gとを投入
し、120℃にまで昇温し、窒素パージにより脱水を行な
ったのち、150℃に加熱した。
次いで、KOH0.1gを投入して、150℃で12時間反応させ
た。
反応終了後、エチレンクロルヒドリン1gを加えてKOH
を中和し、減圧下に加熱(200℃/5mmHg)して低沸点留分
を除去して、クシ型オルガノポリシロキサンを製造し
た。
得られたクシ型オルガノポリシロキサンの粘度は、1500
センチポイズであり、示差走査熱量計(メトラー社製、
DS30型)を用いて相変化を測定したところ、通常の直
鎖状のオルガノポリシロキサンに見られる−55℃の凝固
点および−95℃の結晶化点に起因する吸熱および発熱の
ピークは全く観察されず、−123℃にガラス転移点に起
因するピークが観察されただけであった。
なお、上記(II−1)で表わされる化合物は、次のよう
にして製造した。
メチルトリクロルシラン748gおよびヘキサメチルトリシ
ロキサン1110gを攪拌機および温度計を装備した5の
フラスコに仕込み、さらにヘキサメチルホスホントリア
ミド9gを添加し、室温下に2時間かけて攪拌した。こ
の間に温度が40℃にまで上昇した。別に準備した攪拌
機、温度計および滴下ロートを装備した15のフラスコ
内にトルエン9500g、炭酸水素ナトリウム1512gを仕込
み、攪拌しながら、滴下ロートより反応混合物を約4時
間かけて滴下した。このとき、フラスコ内部の温度を40
℃以下に制御した。その後、攪拌を2時間継続し、反応
溶液がPH試験紙で中性になったことを確認し、生じた
塩および未反応の炭酸水素ナトリウムを濾過により除去
し、トルエンを留去し、蒸留により、次式で表わされる
生成物を得た。
前記生成物の、メチルトリクロルシランに対する反応収
率は、58%であり、ガスクロマトグラフィーによると純
度が95%であり、沸点は63〜65℃/mmHgであった。
前記生成物298gおよびトリエチルアミン101gにトリメチ
ルクロルシラン108.5gを滴下ロートにより滴下した。生
成した塩を水洗浄で除去し、ボウ硝で脱水後、蒸留し
て、目的生成物を得た。
目的生成物の、収率は95%であり、ガスクロマトグラフ
ィーによると純度が99.9%であり、沸点は63〜65℃/mm
Hgであった。
(実施例2) 実施例1において、(II−1)で表わされる化合物266.
4gの代わりに、次式(III−1)で表わされる化合物32
8.3gを使用した以外は同様にしてクシ型オルガノポリシ
ロキサンを製造した。
得られたクシ型オルガノポリシロキサンの粘度を実施例
1と同様の方法により測定したところ、1,800センチポ
イズであった。また、実施例1と同様の方法により相変
化を測定したところ、凝固点および結晶化点は観察され
なかった。
なお、上記(III−1)の化合物は、次のようにして製
造した。
ビニルメチルジクロルシラン[CH2=CHSi(CH3)Cl2]141gに
塩化白金酸−アルミン錯体をPtとして50ppm添加し、さ
らに温度を80℃に保ちながら、ペンタメチルジシロキサ
ン[(CH3)2HSi-O-Si(CH3)3]133gを1時間かけて滴下し、
その後、後攪拌を2時間行った。得られた反応混合物
を、1,000mのトルエン中に炭酸水素ナトリウム250g
を分散した中に、攪拌下に滴下し、溶液が中性であるの
を確認してから、ボウ硝で脱水し、濾過,蒸留を行い、
目的物である上記(III−1)の化合物を得た。その収
率は68%であり、沸点は92℃/3mmHgであった。
(実施例3) 実施例1において、1,1,3,3-テトラメチル−1,3-ジビニ
ルジシロキサン3.7g、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン1729gおよび式(II−1)で表わされる化合物266.4
gの代わりに、1,1,3,3-テトラメチル−1,3-ジビニルジ
シロキサン1.49gと、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン829gと、次式(II−2)で表わされる化合物9.4gと
を使用し、さらに、KOHの使用量を0.03gとした以外は同
様にしてクシ型オルガノポリシロキサンを製造した。
得られたクシ型オルガノポリシロキサンの粘度を実施例
1と同様の方法により測定したところ、30000センチポ
イズであった。
得られたクシ型オルガノポリシロキサン100重量部に補
強用シリカフィラー50重量部、SiH基を含有するシリコ
ーンオイル2.5重量部および白金触媒(添加量:Ptとし
て3ppm)を加え、反応硬化性組成物を調製した。
得られた反応硬化性組成物の150℃における硬化時間
(ディスクレオメータを用いて測定)を第1表に記載す
る。
(比較例1) 実施例3において、式(II−2)で表わされる化合物の
代わりに、次式で示される繰り返し単位を有するシリコ
ーンオイルを使用した以外は同様にしてクシ型オルガノ
ポリシロキサンを製造した。なお、下式で示される繰り
返し単位を有するシリコーンオイルの配合量は、反応系
におけるビニル基の量が同一になる量とした。
得られたクシ型オルガノポリシロキサンの粘度を実施例
1と同様の方法により測定したところ、30000センチポ
イズであった。
得られたクシ型オルガノポリシロキサン用いて実施例3
と同様にして反応硬化性組成物を調製した。
得られた反応硬化性組成物の150℃における硬化時間
(ディスクレオメータを用いて測定)を第1表に記載す
る。
第1表から、この発明の製造方法で得られたクシ型オル
ガノポリシロキサンを用いて調製した組成物は、短時間
で硬化することがわかる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平衡触媒の存在下に、次式(I)で表わさ
    れる化合物と、次式(II)で表わされる化合物および/
    または次式(III)で表わされる化合物とを、式(I)
    で表わされる化合物に対する式(II)で表わされる化合
    物および/または次式(III)で表わされる化合物の配
    合割合がポリマー中の枝分かれ点となるケイ素原子がポ
    リマー中の全ケイ素原子に対して0.01〜10モル%の割合
    となるように、重合させることを特徴とする枝分かれ構
    造を有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造方法; R1 2SiO2/2……(I) (ただし、上記式(I)において、Rは、それぞれ、
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基
    およびアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲ
    ン原子で置換されたアルキル基よりなる群から選ばれる
    一価の基である。)、 (ただし、上記式(II)において、R〜Rは、それ
    ぞれ、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケ
    ニル基およびハロゲン原子が置換したアルキル基よりな
    る群から選ばれる一価の基であり、かつnは、0から3
    の範囲内にある。)、 (ただし、上記式(III)において、R〜R13は、そ
    れぞれ、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アル
    ケニル基、ハロゲン原子、およびアルキル基の水素原子
    の一部または全部がハロゲン原子で置換されたアルキル
    基よりなる群から選ばれる一種の基である。mは2また
    は3である。)。
  2. 【請求項2】前記式(II)で表わされる化合物が次式
    (II−1)もしくは(II−2)表わされるものである特
    許請求の範囲第1項に記載の枝分かれ構造を有するクシ
    型オルガノポリシロキサンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記式(III)で表わされる化合物が次式
    (III−1)で表わされるものである特許請求の範囲第
    1項に記載の枝分かれ構造を有するクシ型オルガノポリ
    シロキサンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記式(I)で表わされる化合物と、式
    (II)で表わされる化合物および/または式(III)で
    表わされる化合物とを重合させる際に、さらに次式(I
    V)で表わされる化合物を重合させる特許請求の範囲第
    1項ないし第3項のいずれかの項に記載の枝分かれ構造
    を有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造方法。 R14 3SiO1/2……(IV) (ただし、上記式(IV)において、R14は、それぞれ、
    アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基
    およびアルキル基の水素原子の一部または全部が他の原
    子で置換されたアルキル基よりなる群から選ばれる一種
    の基である。)。
  5. 【請求項5】枝分かれ構造を有するクシ型オルガノポリ
    シロキサンが、該クシ型オルガノポリシロキサンを構成
    するケイ素原子の内の90〜99.99モル%の範囲内のケイ
    素原子が直鎖状に結合しており、かつ0.01〜10モル%の
    範囲内のケイ素原子が側鎖分岐点を形成している特許請
    求の範囲第1項もしくは第4項に記載の枝分かれ構造を
    有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造方法。
  6. 【請求項6】枝分かれ構造を有するクシ型オルガノポリ
    シロキサンが、触媒の存在下に反応硬化性を示すもので
    ある特許請求の範囲第1項もしくは第5項に記載の枝分
    かれ構造を有するクシ型オルガノポリシロキサンの製造
    方法。
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