JPH06173864A - スクロ−ル形圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】旋回スクロ−ルのスラスト荷重が過大になるこ
とを有効に防止し、より信頼性の高い運転を行えるスク
ロ−ル形圧縮機を提供することを目的とする。 【構成】 密閉ケ−ス１内に回転不能かつ軸方向に移動
可能に設けられた非旋回スクロ−ル１３と、この非旋回
スクロ−ル１３に圧縮空間１０を介して組み合わされた
旋回スクロ−ル７とを具備し、上記非旋回スクロ−ル１
３に背圧を作用させる高圧吐出室２７および中間圧室２
８に充満された圧縮流体の圧力が異常昇圧状態になった
ときに、この非旋回スクロ−ル１３の上記旋回スクロ−
ル７側への移動量が所定量以上にならないように規制す
るフレ−ム２と、上記旋回スクロ−ル７を軸方向に弾性
的にかつ旋回可能に保持し、上記圧縮空間１０内の圧力
が異常昇圧状態になったときに上記旋回スクロ−ル７の
軸方向への移動を許容するスラスト荷重受体９およびば
ね３０を具備するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、渦巻状に加工された
２つの翼を持つ旋回体を組み合わせ、これらの相対旋回
運動により気体（流体）の圧縮を行うスクロ−ル形圧縮
機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】スクロ−ル形圧縮機は、渦巻状に加工さ
れた２つの翼すなわち、非旋回スクロ−ル翼と旋回スク
ロ−ル翼とを組み合わせ、これらの相対運動により気体
の圧縮を行うものである。

【０００３】すなわち、スクロ−ル圧縮機は、上記旋回
スクロ−ル翼を具備する旋回スクロ−ルを非旋回スクロ
−ル翼を具備する非旋回スクロ−ルに対して旋回駆動す
ることで、上記非旋回スクロ−ル翼と旋回スクロ−ル翼
とによって区画された圧縮空間を旋回させながら上記非
旋回スクロ−ルの径方向外側から中央部に移動させ気体
を圧縮する。圧縮された気体は、上記非旋回スクロ−ル
の中心部に穿設された吐出口から外部に吐出されるよう
になっている。

【０００４】ところで、上記非旋回スクロ−ル翼と旋回
スクロ−ル翼とで区画される圧縮空間の気密状態を保つ
ために、いわゆるコンプライアンス機構を具備するスク
ロ−ル形圧縮機がある。

【０００５】このコンプライアンス機構は、上記非旋回
スクロ−ルを軸方向に若干量移動可能に保持すると共
に、この非旋回スクロ−ルの背面側に上記吐出口から吐
出される圧縮気体を一旦充満させる充満空間を設ける。
そして、この充満空間に充満される圧縮気体の圧力によ
って非旋回スクロ−ルを旋回スクロ−ルに押し付けて上
記圧縮空間の気密を保持するようになっている。

【０００６】また、このコンプライアンス機構によれ
ば、いわゆる液バック運転等により圧縮空間の圧力が異
常に上昇し上記吐出圧力以上になった場合には、圧縮空
間内の圧力により上記非旋回スクロ−ルが上記充満空間
内の圧力に抗して上昇駆動される。このことによって上
記非旋回スクロ−ル翼と旋回スクロ−ル翼との間隔が拡
大するから、上記圧縮空間内の気体が逃げ、上記非旋回
スクロ−ル翼およひ旋回スクロ−ル翼にかかるストレス
を解消し破損を未然に防止することができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記圧縮空
間内が異常昇圧状態になった場合には、上記両スクロ−
ル翼にかかるストレスが増大するだけでなく、上記旋回
スクロ−ルのスラスト荷重も増す。

【０００８】上述したコンプライアンス機構によれば、
上記非旋回スクロ−ルを所定量上昇させることで、上記
スクロ−ル翼にかかるストレスを解消することができ
る。しかし、このことによって上記圧縮空間の異常昇圧
状態を十分に解消できない場合には、上記スラスト荷重
の増加は継続し、これを防止できないということがあ
る。

【０００９】一般に、上記旋回スクロ−ルは、スラスト
荷重受けによって摺動自在に保持されているが、スラス
ト荷重が上昇した状態で運転が行われる場合には、この
摺動部の温度が過大に上昇し、焼き付きが生じる恐れが
ある。

【００１０】また、上記圧縮空間ではなく、上記充満空
間内が異常昇圧状態になった場合を想定すると、この充
満空間内の圧力が上記非旋回スクロ−ルを上記旋回スク
ロ−ルに対して（下方向に）必要以上の力で押し付ける
ることとなる。

【００１１】この場合、上記コンプライアンス機構は非
旋回スクロ−ルを上昇させる構成であるために働かず、
上記スクロ−ル翼にかかるストレスを解消できないばか
りか上記スラスト荷重受けの焼き付きも防止できないと
いう事態が生じることとなる。

【００１２】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、旋回スクロ−ルにかかるスラスト荷重が過
大になることが有効に防止でき、より信頼性の高い運転
を行えるスクロ−ル形圧縮機を提供することを目的とす
るものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この発明の第１の手段
は、ケ−ス内に回転不能かつ軸方向に移動可能に設けら
れた非旋回スクロ−ルと、上記非旋回スクロ−ルに圧縮
空間を介して組み合わされ、この非旋回スクロ−ルに対
して旋回駆動されることで上記圧縮空間に吸い込んだ流
体を圧縮する旋回スクロ−ルと、上記非旋回スクロ−ル
の背面側に圧縮空間から吐出された圧縮流体を作用さ
せ、この圧縮流体の圧力によりこの非旋回スクロ−ルを
上記旋回スクロ−ルに対して付勢する背圧案内手段と、
上記圧縮流体の圧力が異常昇圧状態になったときに、こ
の非旋回スクロ−ルの上記旋回スクロ−ル側への軸方向
移動量が所定量以上にならないように規制する規制手段
と、上記旋回スクロ−ルの軸方向に弾性的にかつ旋回可
能に保持し、この弾性力によりこの旋回スクロ−ルを非
旋回スクロ−ルに対して付勢すると共に、上記圧縮空間
内の圧力が異常昇圧状態になったときに上記非旋回スク
ロ−ルに対して上記旋回スクロ−ルが軸方向に移動する
ことを許容するスラスト荷重受け手段とを具備すること
を特徴とするものである。

【００１４】また、第２の構成は、第１の手段におい
て、上記規制手段は、ケ−ス内に固定されたフレ−ムの
上端面を非旋回スクロ−ルの下面と当接させることで、
この非旋回スクロ−ルの旋回スクロ−ル側への軸方向移
動量を規制するものであることを特徴とする。

【００１５】

【作用】このような構成によれば、吐出された圧縮流体
の圧力が異常に上昇した場合には、上記非旋回スクロ−
ルの旋回スクロ−ル側への移動を許容し、かつ旋回スク
ロ−ルのスラスト荷重が過大にならないように上記非旋
回スクロ−ルの移動量を規制することができる。

【００１６】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１〜図４を参
照して説明する。図１は、この発明のスクロ−ル形圧縮
機を示すものである。

【００１７】図中１は、密閉ケ−ス（ケ−ス）である。
この密閉ケ−ス１内には、支持フレ−ム２が固定されて
いる。この支持フレ−ム２は、上端部３ａが偏心して形
成されたクランクシャフト３を回転自在に支持してい
る。

【００１８】このクランクシャフト３の下部は、上記フ
レ−ム２の下方（密閉ケ−ス１内）に設けられた図示し
ないモ−タに連結され、このモ−タによって回転駆動さ
れるようになっている。

【００１９】また、上記フレ−ム２の上部には、圧縮機
構部５が設けられている。この圧縮機構部５は、上記ク
ランクシャフト３の上端部３ａに遊嵌された旋回スクロ
−ル７と、上記フレ−ム２と旋回スクロ−ル７との隙間
に設けられこの旋回スクロ−ル７の自転を防止するオル
ダムリング８と、同じく上記フレ−ム２に設けられ上記
旋回スクロ−ル７のスラスト荷重を受けるスラスト荷重
受体９（スラスト荷重受け手段）と、上記旋回スクロ−
ル７と圧縮空間１０を介して組み合わされると共に、上
記フレ−ム２の上面の外縁部に支持ピン１１を介して回
転不能かつ上下移動可能に設けられた非旋回スクロ−ル
１３とから構成される。

【００２０】上記旋回スクロ−ル７と非旋回スクロ−ル
１３は、それぞれ鏡板７ａ、１３ａを具備し、この鏡板
７ａ、１３ａの対向面にそれぞれ立設された旋回スクロ
−ル翼７ｂ、非旋回スクロ−ル翼１３ｂを具備する。そ
して、それぞれのスクロ−ル翼７ｂ、１３ｂの突端面を
互いに相手の鏡板１３ａ、７ａに当接させることで複数
の圧縮空間１０を区画している。

【００２１】この圧縮空間１０は、上記モ−タ４が作動
し、上記旋回スクロ−ル７が回転駆動されることで、上
記非旋回スクロ−ル１３の外周部から中心へと旋回しな
がら移動すると共にその容積を縮小させ圧縮作用を行
う。このスクロ−ル圧縮機は、このような作用を利用す
ることで、気体の圧縮を連続的に行うもので、この圧縮
された気体は上記非旋回スクロ−ル１３の中心部に設け
られた吐出口１４からこの非旋回スクロ−ル１３の上方
へと吐出されるようになっている。

【００２２】また、この非旋回スクロ−ル１３の上方に
は、この非旋回スクロ−ル１３の上面と狭小隙間を介し
て設けられ、上記密閉ケ−ス１の上端部を仕切る背圧板
１５が設けられている。

【００２３】上記密閉ケ−ス１とこの背圧板１５の上面
とで区画された空間は吐出室１６となっていて、上記非
旋回スクロ−ル１３の吐出口１４から吐出された圧縮空
気はこの背圧板１５の中心部に設けられた逆止弁１７を
通過してこの吐出室１６へと導かれるようになってい
る。また、この吐出室１６には、圧縮空気を密閉ケ−ス
１外へ吐出する吐出管１８が設けられている。

【００２４】また、上記背圧板１５の下面には上記逆止
弁１７を中心として異なる半径の第１の環状突起２０お
よび環状段差２１が一体的に形成されている。一方、上
記非旋回スクロ−ル１３の上面には、それら第１の環状
突起２０および環状段差２１よりも若干小さな半径で、
２つの第３、第４の環状突起２２、２３が一体的に形成
されている。

【００２５】そして、互いに隣り合う第１の環状突起２
０、第３の環状突起２２および環状段差２１、第４の環
状突起２３の間には、それぞれ第１、第２のシ−ルリン
グ２５、２６が設けられている。

【００２６】このことにより、この背圧板１５と非旋回
スクロ−ル１３間の中心部には、上記第１の環状突起２
０および第３の環状突起２２により高圧吐出室２７（背
圧案内手段）が区画され、その外側には、環状段差２１
および第４の環状２３により中間圧室２８（背圧案内手
段）が区画される。なお、上記非旋回スクロ−ル１３に
は、この中間圧室２８と上記圧縮空間１１を連通させ、
この中間圧室２８に中間圧を持つ圧縮気体を充満させる
連通管２９が設けられている。

【００２７】一方、上記フレ−ム２に設けられたスラス
ト荷重受体９は、上面をこの旋回スクロ−ル７と摺動自
在に当接させたリング状をなす。このスラスト荷重受体
９の下面は、上記フレ−ム２の上面との間に弾性的に設
けられたばね３０により保持されている。このばね３０
の弾性力は、上記スラスト荷重受体９の負荷許容力より
も若干小さく設定され、このスラスト荷重受体９と共に
この発明のスラスト荷重受け手段を構成している。

【００２８】なお、上記フレ−ム２には、図に３１で示
すように、上記非旋回スクロ−ル１３のフランジ部１３
ｃを貫通して設けられ、上端部にこの非旋回スクロ−ル
１３の上昇を規制する鍔部３１ａを有するストッパが設
けられている。このストッパ３１の鍔部３１は、上記非
旋回スクロ−ル１３のフランジ部１３ｃの上面と所定の
隙間を介して設けられ、上記非旋回スクロ−ル１３が上
昇しすぎるのを防止する機能を有する。次に、このスク
ロ−ル圧縮機の動作について説明する。なお、圧縮動作
については、すでに述べたので省略する。

【００２９】図１に示すように、通常の圧縮運転時に
は、上記旋回スクロ−ル７と非旋回スクロ−ル１３は、
上記高圧吐出室２７および中間圧室２８によって上記非
旋回スクロ−ル１３に加わる背圧および上記ばね３０の
復元力によって上記旋回スクロ−ル７に加わる付勢力に
よって組み合わされている。このことにより、上記旋回
スクロ−ル翼７ｂおよび非旋回スクロ−ル翼１３ｂとに
よって区画される圧縮空間１０は必要な気密状態を保つ
ことができるようになっている。

【００３０】なお、このとき、上記非旋回スクロ−ル１
３は、上記ストッパ３１の鍔部３１ａの下面および上記
フレ−ム２の縁部の上面２ａ（非旋回スクロ−ル７の下
降量を規制する規制手段）とそれぞれ狭小の隙間を保
ち、上下方向どちらにも移動可能なように保持されてい
る。

【００３１】次に、液バック運転などにより上記圧縮空
間１０内の圧力が異常に上昇した場合の動作について説
明する。この場合には、上記高圧吐出室２７内の圧力
（図にＰ₁ で示す）よりも圧縮空間１０内の圧力（図に
Ｐ₂ で示す）の方が大きくなるので、この圧縮空間１０
内の圧力Ｐ₂ によって上記非旋回スクロ−ル１３は若干
量上昇駆動される（コンプライアンス機能）。このこと
で、上記非旋回スクロ−ル翼１３ｂと旋回スクロ−ル翼
７ｂの気密が失われ、圧縮された流体を逃がすことがで
きる。

【００３２】次に、上記高圧吐出室内２７の圧力Ｐ₁ 、
すなわち背圧が異常に上昇した場合の動作について説明
する。この場合には、上記非旋回スクロ−ル１３と旋回
スクロ−ル７とが必要以上の力で押し付けられ、上記旋
回スクロ−ル７のスラスト荷重が増加することになる。
このような場合、このスクロ−ル圧縮機はスラスト荷重
が所定値以上になるのを防止するために、図２（ａ）に
示すように、上記非旋回スクロ−ル１３の下降を許容す
ると共に上記ばね３０を縮小させ、このばね３０に旋回
スクロ−ル７のスラスト荷重の増加分を吸収する。

【００３３】また、上記非旋回スクロ−ル１３は、上記
フレ−ム２の上面２ａに当接することにより所定量以上
の下降が規制されるようになっていて、上記旋回スクロ
−ル７にかかるスラスト荷重が過大になることが防止さ
れる。

【００３４】また、この状態（図２（ａ）に示す状態）
で、上記圧縮空間１０内の圧力Ｐ₂ が異常に上昇した場
合には、上記旋回スクロ−ル７が上記ばね３０の復元力
に抗して下降し、図２（ｂ）に示すように、上記非旋回
スクロ−ル１３との隙間を拡大する。このことで、この
圧縮空間１０内の圧縮流体を逃がすことができるので、
旋回スクロ−ル翼７ｂおよび非旋回スクロ−ル翼１３ｂ
に異常なストレスがかかることが有効に防止される。

【００３５】以上のべたような構成によれば、第１に、
旋回スクロ−ル７のスラスト荷重を受けるスラスト荷重
受体９をばね３０により弾性的に保持してスラスト荷重
の増加を吸収すると共に、上記非旋回スクロ−ル１３の
下降を許容しかつその下降量を上記フレ−ム２の縁部の
上面２ａで規制するようにしたので、上記スラスト荷重
が過大に増加することが防止される。このことにより、
旋回スクロ−ル７が破損することが有効に防止される。

【００３６】また、第２に、従来例と異なり、圧縮空間
１０内の圧力の上昇だけでなく上記高圧吐出室２７内の
圧力が上昇した場合にもこの圧縮機を有効に保護するこ
とができるので、運転の信頼性がより向上する。

【００３７】第３に、上記旋回スクロ−ル７をばね３０
で上下移動かつ弾性的に保持するようにしたので、この
旋回スクロ−ル７と非旋回スクロ−ル１３のクリアラン
スおよび平行度の管理が不要になり、部品の加工および
組み立て上有利になる効果もある。

【００３８】第４に、フレ−ム２の上面２ａを用いて、
上記非旋回スクロ−ル１３の下降量を規制するようにし
たので、簡単な構成で上記旋回スクロ−ル７のスラスト
荷重の過大な増加を有効に防止できる効果がある。

【００３９】

【発明の効果】以上のべたように、この発明の第１の構
成は、ケ−ス内に回転不能かつ軸方向に移動可能に設け
られた非旋回スクロ−ルと、この非旋回スクロ−ルに圧
縮空間を介して組み合わされ、上記非旋回スクロ−ルに
対して旋回駆動されることで上記圧縮空間に吸い込んだ
流体を圧縮する旋回スクロ−ルと、上記非旋回スクロ−
ルの背面側に圧縮空間から吐出された圧縮流体を作用さ
せ、この圧縮流体の圧力によりこの非旋回スクロ−ルを
上記旋回スクロ−ルに対して付勢する背圧案内手段と、
上記圧縮流体の圧力が異常昇圧状態になったときに、こ
の非旋回スクロ−ルの上記旋回スクロ−ル側への軸方向
移動量が所定量以上にならないように規制する規制手段
と、上記旋回スクロ−ルの軸方向に弾性的にかつ旋回可
能に保持し、この弾性力によりこの旋回スクロ−ルを非
旋回スクロ−ルに対して付勢すると共に、上記圧縮空間
内の圧力が異常昇圧状態になったときに上記非旋回スク
ロ−ルに対して上記旋回スクロ−ルが軸方向に移動する
ことを許容するスラスト荷重受け手段とを具備するもの
である。

【００４０】また、第２の構成は、第１の構成におい
て、上記規制手段は、ケ−ス内に固定されたフレ−ムの
上端面を非旋回スクロ−ルの下面と当接させることで、
この非旋回スクロ−ルの旋回スクロ−ル側への軸方向移
動量を規制するようにしたものである。

【００４１】このような構成によれば、第１に、旋回ス
クロ−ルを弾性的に保持してスラスト荷重の増加を吸収
すると共に、上記非旋回スクロ−ルの下降を許容しかつ
その下降量を規制するようにしたので、上記スラスト荷
重が過大に増加することが防止される。このことによ
り、旋回スクロ−ルが破損することが有効に防止される
効果がある。

【００４２】また、第２に、従来例と異なり、圧縮空間
内の圧力の上昇だけでなく非旋回スクロ−ルの背面側に
作用させる圧縮流体の圧力が上昇した場合にもこの圧縮
機を有効に保護することができるので、運転の信頼性が
より向上する効果がある。第３に、第２の構成によれ
ば、フレ−ムの上端面を用いて非旋回スクロ−ルの下降
量を規制するようにしたので、簡単な構成で上記旋回ス
クロ−ルのスラスト荷重の過大な増加を有効に防止でき
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す縦断面図。

【図２】（ａ）は、同じく、動作を示す縦断面図、
（ｂ）は、同じく動作を示す縦断面図。

【符号の説明】

１…密閉ケ−ス（ケ−ス）、２…フレ−ム、２ａ…フレ
−ムの上面（規制手段）、７…旋回スクロ−ル、９…ス
ラスト荷重受体（スラスト荷重受け手段）、１０…圧縮
空間、１３…非旋回スクロ−ル、２７…高圧吐出室（背
圧案内手段）、２８…中間圧室（背圧案内手段）、３０
…ばね（スラスト荷重受け手段）。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケ−ス内に回転不能かつ軸方向に移動可
   能に設けられた非旋回スクロ−ルと、この非旋回スクロ
   −ルに圧縮空間を介して組み合わされ、上記非旋回スク
   ロ−ルに対して旋回駆動されることで上記圧縮空間に吸
   い込んだ流体を圧縮する旋回スクロ−ルと、上記非旋回
   スクロ−ルの背面側に圧縮空間から吐出された圧縮流体
   を作用させ、この圧縮流体の圧力によりこの非旋回スク
   ロ−ルを上記旋回スクロ−ルに対して付勢する背圧案内
   手段と、上記圧縮流体の圧力が異常昇圧状態になったと
   きに、この非旋回スクロ−ルの上記旋回スクロ−ル側へ
   の軸方向移動量が所定量以上にならないように規制する
   規制手段と、上記旋回スクロ−ルの軸方向に弾性的にか
   つ旋回可能に保持し、この弾性力によりこの旋回スクロ
   −ルを非旋回スクロ−ルに対して付勢すると共に、上記
   圧縮空間内の圧力が異常昇圧状態になったときに上記非
   旋回スクロ−ルに対して上記旋回スクロ−ルが軸方向に
   移動することを許容するスラスト荷重受け手段とを具備
   することを特徴とするスクロ−ル式圧縮機。
2. 【請求項２】 上記規制手段は、ケ−ス内に固定された
   フレ−ムの上端面を非旋回スクロ−ルの下面と当接させ
   ることで、この非旋回スクロ−ルの旋回スクロ−ル側へ
   の軸方向移動量を規制するものであることを特徴とする
   請求項１記載の空気調和機。