JPH06173648A - ディーゼルパティキュレートフィルタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】ディーゼルパティキュレートフィルタの堆積状
態をその電気抵抗値により判断し、堆積の場合は通電し
て加熱し、焼却処理する。 【構成】導電性の多孔質セラミックスのパイプ２１を丸
く束ね、その下流方向を封止材２２により閉じて排気ガ
ス中の粒子状物質の捕集させるとともに、所定数のパイ
プ２１を接続材２６にて直列接続しその末端を加熱端子
２７に結線する。一方、ブリッジ回路１は抵抗Ｒ１，Ｒ
２，Ｒ３と加熱端子２７に接続された合成抵抗値ＲＰと
により構成されており、捕集された堆積物中のカーボン
による合成抵抗値ＲＰの低下を比較器１１が検出すると
切換スイッチ１２がａ側に投入されて電源装置３１から
の電力がパイプ２１に通電され、堆積物は加熱され焼却
処理となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンの排
ガス中のパティキュレートを捕集し焼却するディーゼル
パティキュレートフィルタに関する。

【０００２】

【従来の技術】ディーゼルエンジンは空気過剰率の大き
な領域で燃焼が行われるため、一酸化炭素や炭化水素の
排出量が少ない反面、窒素酸化物やパティキュレートの
排出が多く、これら有害物質の低減がディーゼルエンジ
ンの課題となっている。

【０００３】そして、パティキュレートを捕集して処理
するために、排気系に装着するパティキュレートフィル
ターが使用されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のようなパティキ
ュレートフィルタは、排ガス中の粒子状物質を捕集する
が、時間の経過とともにカーボン成分が堆積して、フィ
ルタの目詰りが生じ、これを処理しないと排圧が上昇し
て燃費の悪化やエンジン停止を招くことになる。

【０００５】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであり、その目的はフィルタに堆積するカーボン成
分をその電気抵抗により検知し、フィルタに通電して焼
却処理しようとするディーゼルパティキュレートフィル
タを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明によれば、ディーゼルンジンの排気流路に接
続され排気ガス中の粒子状物質を捕集し焼却するディー
ゼルパティキュレートフィルタにおいて、導電性の多孔
質セラミックスからなるフィルタと、粒子状物質を捕集
しその堆積によるフィルタの電気抵抗変化を検出する電
気回路と、該電気回路からの信号に応じてエンジンの空
吹かし処理とフィルタに通電して堆積物を焼却せしめる
処理手段を備えたディーゼルパティキュレートフィルタ
が提供される。

【０００７】

【作用】フィルタ素子に捕集されて堆積した粒子状物質
中のカーボンにより抵抗値の低下したフィルタの電気抵
抗を検出し、堆積状態を判断してフィルタに通電し焼却
処理を行うため、フィルタの機能が復活する。

【０００８】

【実施例】つぎに本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。

【０００９】図１は本発明のディーゼルパティキュレー
トフィルタと電源などとの関連の一実施例を示す構成ブ
ロック図である。同図における２はパティキュレートフ
ィルタ（フィルタ）で、フィルタ素子となるパイプ２１
は導電性を有する多孔質セラミックスにより構成され、
多数のパイプ２１が所定の間隔をあけて丸く束ねられて
いる。そして、それぞれのパイプ２１の下流方向は封止
材２２により流路が閉鎖され、上流方向のパイプ２１の
外壁部は隣接するパイプとの間や、ハウジング２３の内
壁の遮熱材２４との間は充填材２５が用いられて、互い
の間隙が塞がれている。また、導電性のパイプ２１のそ
れぞれに通電して加熱するため、所定本数のパイプ２１
が接続材２６により直列接続されており、その末端部は
加熱端子２７に連結されている。したがって、ハウジン
グ２３の上流方向より流入される排ガスはその粒子状物
質がパイプ２１の多孔質の素材により捕集され、加熱端
子２７への通電による加熱によって堆積した粒子状物質
は焼却されるものである。

【００１０】１はブリッジ回路であり、所定の抵抗値を
それぞれ有する３個の抵抗Ｒ１，Ｒ３，Ｒ４と、加熱端
子２７に連結された複数のパイプ２１の合成抵抗ＲＰと
の４種の抵抗値をホイートストンブリッジとして接続し
たものである。そして、切換えスイッチ１２をｂ側に投
入した状態にて端子Ａ，Ｂ間の電圧に対し、Ｒ１とＲＰ
の回路と、Ｒ３とＲ４の回路との平衡がとられているた
め、フィルタ素子のパイプ２１の内壁に粒子状物質が堆
積すると、そのカーボンによりＲＰの抵抗値が低下して
比較器１１が検知信号を後述するコントローラ３に送出
するように構成されている。

【００１１】なお、切換スイッチ１２はａ側に投入する
と電源装置３１からの電力がパイプ２１に通じて加熱
し、またｂ側に投入すると前述のブリッジ回路を構成さ
せるものであり、スイッチ１３は端子Ａ，Ｂに電圧を印
加してブリッジを作動させるもので、これら両スイッチ
１２，１３はコントローラ３からの指令により作動す
る。

【００１２】コントローラ３は電子装置により構成され
て電源装置３１を電源として作動し、前述の比較器１１
からの信号を調べフィルタ素子の粒子状物質の堆積が所
定量以上と判断すると、アクセル機構４に指令してエン
ジンの空吹かしをさせるとともにバイパス流路に大部分
の排気ガスを逃がし、切換スイッチ１２をａ側に閉じて
加熱端子２７に電力を通ずるように構成されている。な
お、３２はフラッシングランプで、加熱端子２７が通電
されて堆積物を焼却中は点灯されるものである。

【００１３】つぎにこのように構成された本実施例の作
動を説明する。エンジンの排気ガスがフィルタ２に送ら
れて排気ガス中の粒子状物質がパイプ２１に捕集され内
壁に堆積してくると、そのカーボンによってパイプ２１
の合成抵抗ＲＰが低下する。

【００１４】このため、ブリッジ回路１のＲＰの辺の抵
抗値が低下し、スイッチ１３、切換スイッチ１２のｂ側
への投入にてブリッジ回路１は不平衡となり、比較器１
１が検出信号をコントローラ３に送出することになる。

【００１５】コントローラ３は比較器１１からの信号を
チェックし、堆積量が多いと判断の場合にはアクセル機
構４に空吹かしを指令するとともに、切換スイッチ１２
をａ側に切換えて加熱端子２７に通電し、フラッシュラ
ンプ３２を点灯する。

【００１６】そして、パイプ２１への通電が行われ、加
熱により堆積したカーボンなどが焼却されると、合成抵
抗値は上昇してパイプ２１自体の固有抵抗に近づくこと
になり、この場合の比較器１１からの信号に応じて切換
スイッチ１２を切換え、加熱端子２７への通電を止める
とともに、フラッシュランプ３２の点灯を停止し、続い
て比較器１１からの信号によりブリッジ回路１の不平衡
を監視することになる。

【００１７】以上、本発明を上述の実施例により説明し
たがフィルタ素子となる導電性セラミックスに温度抵抗
系数の大なる素材を混ずることにより、フィルタ素子の
オーバーヒートが防止できるものである。

【００１８】

【発明の効果】上述の実施例のように本発明によれば、
導電性の多孔質セラミックのフィルタ素子に捕集された
粒子状物質はその堆積によりフィルタの電気抵抗値を低
下させるので、これを組入れたブリッジ回路は容易に堆
積状態が検知でき、この検知信号により堆積を判断して
導電性のフィルタ素子に通電するとともにエンジンの空
吹かしを行うため堆積物の焼却処理が実施でき、フィル
タの機能の回復が行える効果が得られる。

【００１９】また本発明では堆積物の焼却処理後はフィ
ルタ自体の抵抗値に戻るため、電流が減ずるとともに通
電の断によりオーバーヒートが防止できる利点も生ず
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。

【符号の説明】

１…ブリッジ回路 ２…パィテキュレートフィルタ ３…コントローラ ４…アクセル機構 １１…比較器 ２１…パイプ ２７…加熱端子 ３１…電源

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディーゼルンジンの排気流路に接続され排
   気ガス中の粒子状物質を捕集し焼却するディーゼルパテ
   ィキュレートフィルタにおいて、導電性の多孔質セラミ
   ックスからなるフィルタと、粒子状物質を捕集しその堆
   積によるフィルタの電気抵抗変化を検出する電気回路
   と、該電気回路からの信号に応じてエンジンの空吹かし
   処理とフィルタに通電して堆積物を焼却せしめる処理手
   段とを備えたことを特徴とするディーゼルパティキュレ
   ートフィルタ。
2. 【請求項２】前記のフィルタは前記の素材をパイプ状と
   して丸く束ね、パイプの下流方向を閉塞してパイプ壁に
   より粒子状物質を捕集することを特徴とする請求項１記
   載のディーゼルパティキュレートフィルタ。
3. 【請求項３】前記の電気回路はホイートストンブリッジ
   回路であることを特徴とする請求項１記載のディーゼル
   パティキュレートフィルタ。