JP3005377B2 - 排気ガス処理装置 - Google Patents

排気ガス処理装置

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JP3005377B2
JP3005377B2 JP4349948A JP34994892A JP3005377B2 JP 3005377 B2 JP3005377 B2 JP 3005377B2 JP 4349948 A JP4349948 A JP 4349948A JP 34994892 A JP34994892 A JP 34994892A JP 3005377 B2 JP3005377 B2 JP 3005377B2
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英男 河村
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株式会社いすゞセラミックス研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エンジン、燃焼炉、
焼却炉等から排出される排気ガスを浄化処理するため、
排気系に組み込まれるケース内に配置されたフィルタを
有する排気ガス処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンの燃焼は、高温、高
圧空気中に燃料を噴射する、所謂、ヘトロジニアス混合
によるものである。ヘトロジニアス混合はホモジニアス
混合気と異なって空気と燃料が均一に混合していないの
で、燃料中の炭素成分は、燃焼による高温熱によって
煤、HC等に変化し、それらが凝集してパテキュレート
となり、空中に放出される。そして、スモークは微粒化
された炭素とその外周に炭化水素が付着してパティキュ
レートになって大気中に浮遊するので、都市環境の汚染
が進み、空気の透明度が極端に悪化する。
【0003】従来、エンジンの排気ガスを処理する排気
ガス処理装置として、例えば、コーディエライト(2M
gO・2Al2 3 ・5SiO2 )により作製された気
孔性のハニカム構造のフィルタを排気通路に並列に2組
配置したディーゼルエンジンの排気微粒子浄化装置が開
示されている。該ディーゼルエンジンの排気微粒子浄化
装置は、排気ガスを一方のハニカム構造のフィルタに通
し、該フィルタで排気ガス中のカーボンを濾過し、その
フィルタにカーボンが堆積して目詰まりした場合に、そ
のフィルタに排気ガスを流すのを遮断し、別のフィルタ
に排気ガスを流すように切り換え、目詰まりしたフィル
タの下流側から空気を送り込み、そのフィルタを加熱し
て目詰まりしているカーボンを焼却するものである。こ
のようなディーゼルエンジンの排気微粒子浄化装置とし
て、例えば、実開平1−144427号公報に開示され
たものがある。
【0004】また、実開平1−111123号公報に
は、ディーゼル排気浄化用フィルタの再生装置が開示さ
れている。該ディーゼル排気浄化用フィルタの再生装置
は、排気ガス中のパティキュレートを捕集するハニカム
形フィルタ、該フィルタの上流側に配置されたヒータ、
及び該ヒータに近接して設けたフィルタの内外を連通さ
せるテーパ状貫通孔を形成した栓から成るものである。
同様な装置として、実開昭63−22315号公報に開
示されたものがある。
【0005】また、実開平3−116722号公報に
は、ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置が開示されて
いる。該ディーゼルエンジンの排ガス浄化装置は、長手
方向に伸びる多数のセルが形成された柱状のセラミック
フィルタと、前記フィルタの外周に設けられた電熱部材
とを有し、前記セルのうち複数のものには、熱伝導性の
良い粉末が充填されているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディーゼル
エンジンから排気される排気ガスには、高負荷時に発生
するカーボンを主成分とする煤と、部分負荷時にフィル
タ壁面にHC等が付着したパティキュレート成分が存在
している。排気ガスに含まれているカーボン、煤、HC
等のパティキュレート或いはスモークは、直径が200
Å程度と言われているが、それらは次第に凝集して10
μm〜20μmの直径を持つパティキュレートに成長す
る。これらのパティキュレートは、通常、600℃〜7
00℃の温度で酸素が存在すれば燃焼する。
【0007】しかしながら、上記のようなカーボン、
煤、HC等のパティキュレート或いはスモークを除去す
る装置は、従来から多く開発されているが、いずれも欠
点が存在し、実用に供し得ないのが現状である。ディー
ゼルエンジン(D)から排気される排気ガスに含まれる
カーボン、煤、HC等のパティキュレート(P)をフィ
ルタ(F)で捕集して焼却するDPF即ち排気ガス処理
装置では、パティキュレートをフィルタで捕集し、パテ
ィキュレートがフィルタに堆積した時、着火用グロープ
ラグ又はヒータによって加熱し、パティキュレートを焼
却させている。
【0008】ところが、このようなパティキュレートの
焼却方法では、パティキュレート、特に煤の燃焼によっ
て温度が上昇し過ぎて、例えば、コージィエライト等の
セラミックフィルタが割れ、クラック、焼損等が発生し
てフィルタが破損してしまう問題があり、実用上好まし
くないものである。特に、フィルタを耐熱性セラミック
スで作製しても、フィルタに堆積した煤の不均一な燃焼
では局部的に高温部分が多く存在し、セラミックスに亀
裂等が発生する例が多いものである。
【0009】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、エンジン、燃焼炉、焼却炉等から
排出される排気ガスを浄化処理するため排気系に組み込
まれるケース内に配置されたフィルタを有し、特に、デ
ィーゼルエンジンから排出される排気ガス中のカーボ
ン、煤、HC等のパティキュレートを焼却処理する排気
ガス処理装置に係わり、導電性金属パイプの内側に繊維
状セラミックスの内側フィルタを配置し、金属パイプの
外側に多孔質セラミックスの外側フィルタを配置し、金
属パイプに常時通電して内側フィルタと外側フィルタを
常時加熱し、カーボン等の煤、HC等のパティキュレー
トを焼却して排気ガスを浄化し、しかも金属パイプに通
電する電力をエンジンの排気ガスエネルギーで回収した
電力を使用する排気ガス処理装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、排気通路に組み込むケース内に排気ガスの
流れ方向に長手方向に互いに非接触状態に多数配置され
且つ多数のガス通孔を形成した導電性で耐熱性の金属パ
イプ、該金属パイプの内側に配置され且つ耐熱性の繊維
状セラミックスから作製した下流側端部を閉鎖したパイ
プ状内側フィルタ、該金属パイプの外側に配置され且つ
耐熱性の多孔質セラミックスから作製したパイプ状外側
フィルタ、前記金属パイプの端部を電気的にそれぞれ対
にして結線し且つ前記各金属パイプを直列に接続する導
電性接続部材、及び前記内側フィルタから前記外側フィ
ルタへ排気ガスを流して前記内側フィルタと前記外側フ
ィルタで捕集されるパティキュレートを燃焼させるため
前記金属パイプに通電する電力を供給する電力供給源、
を有することを特徴とする排気ガス処理装置に関する。
【0011】また、この排気ガス処理装置において、前
記電力供給源はエンジンの排気ガスエネルギーで駆動さ
れるターボチャージャの作動によって発電する発電機で
構成したものである。
【0012】また、この排気ガス処理装置において、前
記外側フィルタを構成する多孔質セラミックスはAl2
3 ,Al2 TiO5 ,Si3 4 ,SiCから選ばれ
るセラミックスである。
【0013】また、この排気ガス処理装置において、前
記内側フィルタを構成する繊維状セラミックスはSi3
4 又はSiCである。
【0014】また、この排気ガス処理装置において、前
記金属パイプはNi,Cr系の耐熱金属で作製されてい
るものである。
【0015】また、この排気ガス処理装置は、エンジン
に設けたターボチャージャの後流の排気通路に連通する
排気管に組み込まれるケース内に排気ガスの流れ方向に
長手方向に互いに非接触状態に隔置された多数のパイプ
状内側と外側とのフィルタ、前記各フィルタで捕集され
るパティキュレートを焼却するため前記各フィルタを加
熱する金属パイプに電力を供給する電力供給源、前記排
気通路から分岐した前記各フィルタをバイパスするバイ
パス通路、前記排気管に設置した排気管バルブアクチュ
エータで開閉作動する排気管制御バルブ、前記バイパス
通路に設置したバイパスバルブアクチュエータで開閉作
動するバイパス制御バルブ、エンジン回転数を検出する
回転センサー、及び該回転センサーの検出信号に応答し
て前記排気管バルブアクチュエータと前記バイパスバル
ブアクチュエータを作動して前記排気管制御バルブと前
記バイパス制御バルブの開閉作動を制御するコントロー
ラを有するものである。
【0016】
【作用】この発明による排気ガス処理装置は、上記のよ
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
排気ガス処理装置は、多数のガス通孔を形成した導電性
金属パイプを排気通路内に互いに非接触状態に配置し、
前記金属パイプの端部を導電性の接続部材で電気的にそ
れぞれ対にして結線し、耐熱性の多孔質セラミックスの
外側フィルタを前記金属パイプの外側に配置し、耐熱性
の繊維状セラミックスの内側フィルタを前記金属パイプ
の内側に配置し、電力供給源からの電力で前記金属パイ
プを通電したので、多数の前記金属パイプは直列に接続
した連続したヒータを構成でき、前記フィルタは常時加
熱される。そこで、排気ガスを前記内側フィルタから送
り込むことによって、排気ガスに含まれる煤は加熱され
た高温の繊維状セラミックス即ち網状体に衝突して焼却
され、粒径の小さくなったカーボンを外側の外側フィル
タによって捕集することができる。外側フィルタに捕集
されたカーボンは高温に加熱された外側フィルタで焼却
され、外側フィルタを通過して炭酸ガスになって外部へ
放出される。
【0017】また、電力供給源として、エンジンの排気
ガスエネルギーで駆動されるターボチャージャの作動に
よって発電する発電機を利用したので、前記金属パイプ
に通電するため多量の電力が必要であるが、前記金属パ
イプに供給される電力はターボチャージャに設けた発電
機を使用し、排気ガスエネルギーで発電される電力であ
り、電力が不足して浄化機能を低下させることがない。
従って、前記金属パイプには常時電力を供給でき、前記
フィルタを常時加熱しておくことができ、前記内側と外
側フィルタで捕集されたカーボン等の煤、HC等のパテ
ィキュレートは、通過する排気ガス流量を絞って場合に
直ちに燃焼し、前記内側と外側フィルタ内にカーボンが
過剰に堆積して目詰まりすることがなく、局部的な高温
部分が発生せず、焼損することがない。
【0018】或いは、この排気ガス処理装置は、ターボ
チャージャの後流の排気通路から分岐する内側と外側の
フィルタをバイパスするバイパス通路を設け、該バイパ
ス通路にバイパスバルブアクチュエータで開閉作動する
バイパス制御バルブを設置し、コントローラの指令で、
エンジン始動時には、排気ガスの流れを排気ガス処理装
置のフィルタに流して排気ガスに含まれるカーボン、
煤、HC等のパティキュレートをフィルタで捕集するよ
うに制御し、エンジン回転が高速時には、排気ガスの流
れを前記フィルタをバイパスするように制御し、前記フ
ィルタに捕集されたパティキュレートを前記フィルタか
ら常に有効に除去しておく制御を行うことができる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による排気
ガス処理装置の実施例を説明する。図1はこの発明によ
る排気ガス処理装置を組み込んだディーゼルエンジンの
排気ガス処理のシステムの一実施例を示す概略説明図、
図2はこの排気ガス処理装置の一実施例を示す断面図、
図3は図2の排気ガス処理装置の要部の一実施例を示す
断面図、及び図4は図2の排気ガス処理装置の端部の一
部を示す断面図である。
【0020】図1に示すように、この発明による排気ガ
ス処理装置は、符号1で全体的に示されており、ディー
ゼルエンジン3の排気通路2に組み込まれたDPF(デ
ィーゼル・パティキュレート・フィルタ)であり、特
に、ディーゼルエンジン3から放出される排気ガスを排
気通路2内に配置した内側フィルタ4Fと外側フィルタ
4Pで濾過して排気ガスに含まれるカーボン等の煤、H
C等の付着で発生するパティキュレートを捕集し、捕集
された煤、パティキュレートを赤熱した内側フィルタ4
Fと外側フィルタ4P内で焼却してガスにして放出する
排気ガスを浄化するものである。
【0021】ディーゼルエンジン3には、ターボチャー
ジャ5が排気マニホルド23に接続されている。ターボ
チャージャ5は、排気ガスエネルギーで駆動されるター
ビン7、該タービン7にシャフト11によって連結した
コンプレッサ8、及びシャフト11上に配置され且つタ
ービン7の駆動によって発電される発電機6(通常、発
電・電動機)を有している。発電機6は、シャフト11
に固定された永久磁石9及び電磁コイルから構成されて
いる。ターボチャージャ5から排出される排気ガスは、
排気通路2を通じて外部に排気されている。この排気通
路2には、エンジン3から放出される排気ガスを濾過す
る排気ガス処理装置1が組み込まれている。
【0022】この排気ガス処理装置1は、特に、導電性
の耐熱金属から成る金属パイプ22の内外に配置した排
気ガスを濾過することができる多孔質セラミックスから
作製した多数のパイプ状外側フィルタ4Pと繊維状セラ
ミックスから作製した多数のパイプ状内側フィルタ4F
から構成されている。各外側フィルタ4Pと内側フィル
タ4Fの下流側の端部は、閉鎖状態に一体構造に形成す
るか、或いは閉鎖栓16で密封する。
【0023】金属パイプ22は、排気ガスを通過させる
ことができる多数のガス通孔24を有しており、排気通
路2の一部を構成する排気ガス処理装置1のハウジング
20内に排気ガスの流れ方向に長手方向に互いに隔置し
て配置されている。即ち、金属パイプ22は、ハウジン
グ20内に排気ガスの流れ方向に長手方向に互いに隔置
して非接触状態で電気的に短絡しないように配置されて
いる。金属パイプ22は、好ましくは、両端部に設けた
非導電性の蓋即ち隔置板26で位置決めすることができ
る。
【0024】更に、各金属パイプ22の端部は、隣接す
る端部同志が導電性の接続部材15によって電気的に結
線され、従って、各金属パイプ22は連続して電気的に
直列に接続されている。即ち、一対の金属パイプ22
は、一端部では接続部材15によって互いに電気的に結
線され、他端部では別の接続部材15によってそれぞれ
別の金属パイプ22に互いに電気的に結線されており、
あたかも各金属パイプ22は接続部材15によって両端
部で千鳥掛けに結線されている状態である。
【0025】この排気ガス処理装置1は、ハウジング2
0の内壁面がアルミナファイバー等の遮熱材19で遮熱
されており、その内部に金属パイプ22が長手方向に多
数隔置して配置されている。従って、内側フィルタ4
F、外側フィルタ4P及び金属パイプ22は共に外部に
対して遮熱された構造である。また、ハウジング20内
の内側フィルタ4F又は外側フィルタ4Pの温度を検出
するため、温度センサー13が設けられている。金属パ
イプ22には、発電機6からの電力を供給するため、ス
イッチを設置した導線14が結線されている。
【0026】この排気ガス処理装置は、特に、外側フィ
ルタ4Pを多孔質セラミックスでパイプ状に構成したこ
とであり、多孔質セラミックスは、酸化アルミニウムA
23 、チタン酸アルミニウムAl2 TiO5 、窒化
ケイ素Si3 4 、炭化ケイ素SiCから選ばれるセラ
ミックスであり、気孔率が実質的に40%〜50%以上
であり、通孔径が20μm程度であることを特徴とする
気孔質焼結材を適用したものである。また、内側フィル
タ4Fは、耐熱強度を有する窒化ケイ素Si34 又は
炭化ケイ素SiCによって繊維状セラミックスに作製さ
れている。更に、金属パイプ22は、インコロイ等のN
i,Cr系の耐熱金属で作製されている。
【0027】この排気ガス処理装置1において、内側フ
ィルタ4F又は外側フィルタ4Pのフィルタに過剰にカ
ーボンが堆積すると、それらが過熱するので、フィルタ
の温度を監視しながら、金属パイプ22へ電力供給量を
制御することができる。即ち、温度センサー13からの
検出信号はコントローラ10に入力され、コントローラ
10は温度検出信号に応答して金属パイプ22へ電力供
給量を制御すると共に、送風装置12の駆動を制御して
排気ガス処理装置1に送り込む空気量を制御することが
できる。例えば、エンジンの負荷の高い時は、排気ガス
中に含まれるカーボン等の煤の量も多く、排気ガスの温
度も高くなる。また、エンジンの高負荷の作動状態で
は、ターボチャージャ5の発電機6が発電する電力も大
きくなるので、その電力の一部を供給すれば、内側フィ
ルタ4Fに捕集されたカーボン等の煤、或いは外側フィ
ルタ4Pに捕集されたHC等が付着したパティキュレー
トは燃焼して炭酸ガスになり、外部へ排気される。
【0028】即ち、この排気ガス処理装置では、金属パ
イプ22を常時通電し、金属パイプ22によって内側フ
ィルタ4Fと外側フィルタ4Pを加熱して赤熱させてお
けば、内側フィルタ4Fと外側フィルタ4Pで捕集され
たカーボン、煤、HC等のパティキュレートは直ちに焼
却され、炭酸ガス、蒸気等の気体になって内側フィルタ
4Fと外側フィルタ4Pを通過して外部に放出され、内
側フィルタ4Fと外側フィルタ4P内へのパティキュレ
ートの堆積現象は発生しない。従って、内側フィルタ4
Fと外側フィルタ4P内でのパティキュレートの不均一
な堆積及び不均一な燃焼は発生しないので、内側フィル
タ4Fと外側フィルタ4Pを構成するセラミックスに亀
裂、クラック焼損等の破損の発生を防止できる。
【0029】また、金属パイプ22は内外からセラミッ
クスで覆われているので、加熱によって変形したとして
も、電気的に絶縁が良好に行なわれ、また、燃料、オイ
ルに含まれるCa,K等の灰分が存在しても、それらは
加熱によって更に微細化され、しかも金属パイプ22に
は多数のガス通孔24が形成されており、内側フィルタ
4F及び外側フィルタ4Pも十分なガス通孔を有してい
るので、これらのガス通孔を通じて外部に放出され、金
属パイプ22、内側フィルタ4F及び外側フィルタ4P
で詰まるようなことはない。
【0030】内側フィルタ4Fと外側フィルタ4Pに捕
集されたカーボン、煤、HC等のパティキュレートは、
金属パイプ22に電気を通すと、金属パイプ22自体は
加熱ヒータとなり、金属パイプ22の内外に配置された
内側フィルタ4Fと外側フィルタ4Pは加熱されて赤熱
するので、カーボン、煤、HC等のパティキュレートは
そこで燃焼して炭酸ガスとなり、該炭酸ガスは、同様
に、内側フィルタ4Fの壁面を通過し、金属パイプのガ
ス通孔24を通過し、更に外側フィルタ4Pの壁面を通
過して外側フィルタ4Pと外側フィルタ4Pとの間の通
路17を通って排気通路2の出口18から外部へ放出さ
れる。しかも、金属パイプ22は、コントローラ10の
指令でほとんど常時通電されているので、カーボン、
煤、HC等のパティキュレートは常に直ちに焼却され、
過剰なパティキュレートが内側フィルタ4Fと外側フィ
ルタ4Pの壁面に堆積されることがなく、フィルタ自体
が局部的に過熱されることはない。
【0031】また、内側フィルタ4Fと外側フィルタ4
Pで捕集される排気ガス中のカーボンを燃焼させるた
め、金属パイプ22に常時通電する電力を供給する電力
供給源を有している。この実施例では、電力供給源は、
ディーゼルエンジン3の排気ガスエネルギーで駆動され
るターボチャージャ5に設けている発電機6を利用して
いる。発電機6は、ターボチャージャ5のタービン7が
排気ガスエネルギーによって駆動されることによって発
電するものである。金属パイプ22に電力を送るために
は、多量の電力が必要であるが、ターボチャージャ5の
シャフト11上に永久磁石9から成る発電機6で発電す
れば、例えば、4〜8kwの電力が発生し、しかも、こ
の電力は排気ガスエネルギーから変換されたものである
ので、動力の損失はなく、効率良く金属パイプ22に利
用できる。
【0032】更に、ターボチャージャ5を備えたエンジ
ン3では、始動時を除いてスモークの発生レベルは低い
ので、エンジン始動時には、排気ガスの流れを排気ガス
処理装置1のフィルタ4F,4Pに流すように制御し、
エンジン3の回転数が大きい時即ちエンジン回転が高速
時には、排気ガスの流れを排気ガス処理装置1のフィル
タ4F,4Pをバイパスするように制御することができ
る。このように、エンジン3の作動状態に応じて排気ガ
ス処理装置1のフィルタ4F,4Pへの排気ガスの流れ
を制御すれば、フィルタ4F,4Pに捕集されたカーボ
ン、煤、HC等のパティキュレートは、常に有効に除去
されることになる。場合によっては、エンジン回転数を
検出する代わりに、エンジン作動状態としてエンジン負
荷を検出して、低負荷時には排気ガスの流れを排気ガス
処理装置1のフィルタ4F,4Pをバイパスし、高負荷
時には排気ガスの流れを排気ガス処理装置1のフィルタ
4F,4Pを流れるように制御することができる。
【0033】上記のように、エンジン3の作動状態に応
じて排気ガスの流れを制御する場合には、図1に示すよ
うに、排気ガス処理装置1に組み込んだ排気系のシステ
ムを構成することができる。即ち、ターボチャージャ5
の後流の排気通路2は、排気ガス処理装置1のフィルタ
4F,4Pへ通じる排気管35と排気通路2から分岐す
るフィルタ4F,4Pをバイパスするバイパス通路34
とで構成する。排気管35にはその通路を開閉するた
め、排気管バルブアクチュエータ31で作動する排気管
制御バルブ33を設ける。また、バイパス通路34には
その通路を開閉するため、バイパスバルブアクチュエー
タ32で作動するバイパス制御バルブ30を設ける。更
に、エンジン3には、エンジン回転数を検出する回転セ
ンサー36を設ける。コントローラ10は、回転センサ
ー36の検出信号に応答して、排気管バルブアクチュエ
ータ31を作動して排気管制御バルブ33の開閉作動を
制御し、バイパスバルブアクチュエータ32を作動して
バイパス制御バルブ30の開閉作動を制御する。
【0034】この排気ガス処理装置のコントローラ10
の指令による作動処理の一実施例を説明すると、回転セ
ンサー36で検出した回転信号即ちエンジン回転数N
は、コントローラ10に入力される。そこで、コントロ
ーラ10は、回転センサー36からの検出信号即ちエン
ジン回転数Nと予め設定した回転数N0 を比較判断し、
エンジン回転数Nが設定回転数N0 より大きい時には、
スモーク等のパティキュレートの発生は低いので、エン
ジン3からの排気ガスを排気ガス処理装置1のフィルタ
4F,4Pを通してパティキュレートを捕集する必要が
ない。そこで、コントローラ10の指令で、バイパスバ
ルブアクチュエータ32を作動してバイパス制御バルブ
30を開放作動し、排気管バルブアクチュエータ31を
作動して排気管制御バルブ33を閉鎖する。そこで、排
気ガスはターボチャージャ5から放出された排気ガスは
バイパス通路34を流れ、排気ガス処理装置1のフィル
タ4F,4Pをバイパスする。そこで、所定時間だけ発
電機6からの電力を排気ガス処理装置1へ通電すれば、
今までにフィルタ4F,4Pで捕集されているカーボ
ン、煤、HC等のパティキュレートは迅速に焼却され、
有効に排気除去され、フィルタ4F,4Pは良好なパテ
ィキュレートを捕集できる状態に復原される。
【0035】コントローラ10の比較判断で、エンジン
回転数Nが設定回転数N0 より小さい時には、エンジン
始動時等であり、スモーク等のパティキュレートの発生
が多いので、エンジン3からの排気ガスを排気ガス処理
装置1のフィルタ4F,4Pを通してパティキュレート
を捕集する必要がある。そこで、排気管バルブアクチュ
エータ31を作動して排気管制御バルブ33を開放し、
バイパスバルブアクチュエータ32を作動してバイパス
制御バルブ30を閉鎖作動する。そこで、排気ガスはタ
ーボチャージャ5から放出された排気ガスは排気管35
を流れ、排気ガス処理装置1のフィルタ4F,4Pへ流
されてフィルタ4F,4Pでパティキュレートが捕集さ
れる。そこで、発電機6からの電力を排気ガス処理装置
1へ通電すると共に、フィルタ4F,4Pを赤熱してフ
ィルタ4F,4Pで捕集されているカーボン、煤、HC
等のパティキュレートを迅速に焼却して排気する。
【0036】また、この排気ガス処理装置1は、内側フ
ィルタ4Fと外側フィルタ4Pに捕集されたカーボン、
煤、HC等のパティキュレートの燃焼を活発にするた
め、内側フィルタ4Fと外側フィルタ4Pの設置位置よ
り上流側の排気通路2に内側フィルタ4Fの開口へ空気
を送る送風装置12が設けられている。この送風装置1
2は、ターボチャージャ5に設けた発電機6からの電力
の供給で駆動されるように構成できる。また、この実施
例の図面では、送風装置12を別途設けた構成が示され
ているが、勿論、送風装置12を設けることなく、ター
ボチャージャ5のコンプレッサ8から燃焼用空気を導入
するように構成することもできる。
【0037】
【発明の効果】この発明による排気ガス処理装置は、上
記のように構成されており、次のような効果を有する。
即ち、この排気ガス処理装置は、多数のガス通孔を形成
した導電性で且つ耐熱性の金属パイプを排気通路内に互
いに非接触状態に配置し、耐熱性の多孔質セラミックス
から作製した下流端部を密封したパイプ状外側フィルタ
を前記金属パイプの外側に配置し、繊維状セラミックス
から作製した下流端部を密封したパイプ状内側フィルタ
を前記金属パイプの内側に配置し、前記金属パイプの端
部を導電性の接続部材で電気的にそれぞれ対にして結線
して前記各金属パイプを直列に接続し、電力供給源から
の電力で前記金属パイプを常時通電したので、多数の前
記金属パイプは連続したヒータを構成でき、前記金属パ
イプによって前記内側フィルタと前記外側フィルタは常
時加熱され、前記内側フィルタで捕集されたカーボン,
煤等のパティキュレートと前記外側フィルタで捕集され
たHC等のパティキュレートは直ちに燃焼し、炭酸ガス
になって前記内側フィルタと前記外側フィルタを通過し
て放出される。従って、前記内側フィルタと前記外側フ
ィルタ内にはパティキュレートが過剰に堆積することが
なく、前記内側フィルタと前記外側フィルタには局部的
な高温部分が発生せず、クラック、焼損等が発生するこ
とがなく耐久性を向上できる。
【0038】また、この排気ガス処理装置において、電
力供給源として、エンジンの排気ガスエネルギーで駆動
されるターボチャージャの作動によって発電する発電機
を利用したので、前記金属パイプに通電するため多量の
電力が必要であるが、前記金属パイプに供給される電力
はターボチャージャに設けた発電機を使用し、排気ガス
エネルギーで発電される電力であり、電力が不足してフ
ィルタの浄化機能を低下させることがなく、エンジンの
動力損失になることはない。しかも、前記金属パイプに
常時電流を流すことができる電力を有しているので、前
記内側フィルタと前記外側フィルタは常時加熱されてお
り、前記内側フィルタと前記外側フィルタに過剰なパテ
ィキュレートが堆積されることがなく、目詰まりするこ
とがなく、局部的に高温部が発生することもなく、セラ
ミックスがクラック、焼損等の発生することがない。
【0039】また、前記ターボチャージャの後流の排気
通路から分岐するフィルタをバイパスするバイパス通路
を設け、該バイパス通路にバイパス制御バルブを設置
し、エンジン始動時には、排気ガスの流れを排気ガス処
理装置のフィルタに流して排気ガス処理を行うが、高速
時には、排気ガスの流れが前記フィルタをバイパスする
ように制御し、前記フィルタに捕集されたパティキュレ
ートを前記フィルタから常に有効に除去しておく制御を
行うこともできる。
【0040】また、この排気ガス処理装置において、前
記外側フィルタを構成する前記多孔質セラミックスをA
2 3 ,Al2 TiO5 ,Si3 4 ,SiCから選
ばれるセラミックスで作製し、前記内側フィルタをSi
3 4 又はSiCで作製すると、カーボン等のすす、H
C等の付着によって発生するパティキュレートを焼却す
るには十分な高温強度を発揮でき、また、ディーゼルエ
ンジンの排気ガスに含まれる好ましくないカーボン等の
パティキュレートを十分に捕集することができる。ま
た、前記金属パイプをNi,Cr系の耐熱金属で作製す
ると、前記金属パイプに電気を流すことによってヒータ
としての機能を十分に果たすことができると共に、前記
フィルタを高温において十分に保持しておくことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による排気ガス処理装置を組み込んだ
ディーゼルエンジンの排気ガス処理のシステムの一実施
例を示す概略説明図である。
【図2】この排気ガス処理装置の一実施例を示す断面図
である。
【図3】図2の排気ガス処理装置の要部に一実施例を示
す断面図である。
【図4】図2の排気ガス処理装置の端部の一部を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 排気ガス処理装置 2 排気通路 3 ディーゼルエンジン(エンジン) 4F 内側フィルタ 4P 外側フィルタ 5 ターボチャージャ 6 発電機 14 導線 15 接続部材 16 閉鎖栓 17 ガス通路 20 ケース 22 金属パイプ 24 ガス通孔 30 バイパス制御バルブ 31 バイパスバルブアクチュエータ 32 排気管バルブアクチュエータ 33 排気管制御バルブ 34 バイパス通路 35 排気管 36 回転センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/02 301 - 341

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に組み込むケース内に排気ガス
    の流れ方向に長手方向に互いに非接触状態に多数配置さ
    れ且つ多数のガス通孔を形成した導電性で耐熱性の金属
    パイプ、該金属パイプの内側に配置され且つ耐熱性の繊
    維状セラミックスから作製した下流側端部を閉鎖したパ
    イプ状内側フィルタ、該金属パイプの外側に配置され且
    つ耐熱性の多孔質セラミックスから作製したパイプ状外
    側フィルタ、前記金属パイプの端部を電気的にそれぞれ
    対にして結線し且つ前記各金属パイプを直列に接続する
    導電性接続部材、及び前記内側フィルタから前記外側フ
    ィルタへ排気ガスを流して前記内側フィルタと前記外側
    フィルタで捕集されるパティキュレートを燃焼させるた
    め前記金属パイプに通電する電力を供給する電力供給
    源、を有することを特徴とする排気ガス処理装置。
  2. 【請求項2】 前記電力供給源はエンジンの排気ガスエ
    ネルギーで駆動されるターボチャージャの作動によって
    発電する発電機で構成したことを特徴とする請求項1に
    記載の排気ガス処理装置。
  3. 【請求項3】 前記外側フィルタを構成する多孔質セラ
    ミックスはAl2 3 ,Al2 TiO5 ,Si3 4
    SiCから選ばれるセラミックスであることを特徴とす
    る請求項1に記載の排気ガス処理装置。
  4. 【請求項4】 前記内側フィルタを構成する繊維状セラ
    ミックスはSiC又はSi3 4 であることを特徴とす
    る請求項1に記載の排気ガス処理装置。
  5. 【請求項5】 前記金属パイプはNi,Cr系の耐熱金
    属で作製されていることを特徴とする請求項1に記載の
    排気ガス処理装置。
  6. 【請求項6】 エンジンに設けたターボチャージャの後
    流の排気通路に連通する排気管に組み込まれるケース内
    に排気ガスの流れ方向に長手方向に互いに非接触状態に
    隔置された多数のパイプ状内側と外側とのフィルタ、前
    記各フィルタで捕集されるパティキュレートを焼却する
    ため前記各フィルタを加熱する金属パイプに電力を供給
    する電力供給源、前記排気通路から分岐した前記各フィ
    ルタをバイパスするバイパス通路、前記排気管に設置し
    た排気管バルブアクチュエータで開閉作動する排気管制
    御バルブ、前記バイパス通路に設置したバイパスバルブ
    アクチュエータで開閉作動するバイパス制御バルブ、エ
    ンジン回転数を検出する回転センサー、及び該回転セン
    サーの検出信号に応答して前記排気管バルブアクチュエ
    ータと前記バイパスバルブアクチュエータを作動して前
    記排気管制御バルブと前記バイパス制御バルブの開閉作
    動を制御するコントローラ、を有することを特徴とする
    請求項1に記載の排気ガス処理装置。
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