JPH0617346B2 - 陽イオン交換樹脂を用いるアミノ酸の回収方法 - Google Patents
陽イオン交換樹脂を用いるアミノ酸の回収方法Info
- Publication number
- JPH0617346B2 JPH0617346B2 JP61056653A JP5665386A JPH0617346B2 JP H0617346 B2 JPH0617346 B2 JP H0617346B2 JP 61056653 A JP61056653 A JP 61056653A JP 5665386 A JP5665386 A JP 5665386A JP H0617346 B2 JPH0617346 B2 JP H0617346B2
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- Japan
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- cation exchange
- exchange resin
- amino acid
- glutamic acid
- eluent
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、陽イオン交換樹脂法によりアミノ酸を回収す
るに際し、尿素とイオン解離性物質との混合物の水溶液
を吸着アミノ酸の溶離剤として用いて高純度アミノ酸を
回収する方法に関する。
るに際し、尿素とイオン解離性物質との混合物の水溶液
を吸着アミノ酸の溶離剤として用いて高純度アミノ酸を
回収する方法に関する。
発酵法、合成法、抽出法などで工業的に製造された粗ア
ミノ酸から高純度アミノ酸を回収する手段として陽イオ
ン交換樹脂を用いる方法は一般に広く知られた方法であ
る。
ミノ酸から高純度アミノ酸を回収する手段として陽イオ
ン交換樹脂を用いる方法は一般に広く知られた方法であ
る。
ところでこの方法において目的とするアミノ酸を陽イオ
ン交換樹脂に吸着せしめ、目的アミノ酸以外の不純物と
目的アミノ酸とを分離する際、イオン交換樹脂を工業的
に繰り返し使用するには何らかの溶離剤により陽イオン
交換樹脂に吸着したアミノ酸を溶離回収する工程が不可
欠である。上記の工程を陽イオン交換樹脂の溶離工程と
いい、従来から陽イオン交換樹脂のもつ陰イオン基に対
して強いイオン相互作用を有するイオン解離性物質が溶
離剤として用いられてきた。代表的な例としては、水酸
化ナトリウム、水酸化アンモニウム及びその塩類などで
ある。
ン交換樹脂に吸着せしめ、目的アミノ酸以外の不純物と
目的アミノ酸とを分離する際、イオン交換樹脂を工業的
に繰り返し使用するには何らかの溶離剤により陽イオン
交換樹脂に吸着したアミノ酸を溶離回収する工程が不可
欠である。上記の工程を陽イオン交換樹脂の溶離工程と
いい、従来から陽イオン交換樹脂のもつ陰イオン基に対
して強いイオン相互作用を有するイオン解離性物質が溶
離剤として用いられてきた。代表的な例としては、水酸
化ナトリウム、水酸化アンモニウム及びその塩類などで
ある。
しかし、溶離の際に溶離されるアミノ酸の濃度が高いと
樹脂塔内で粒径の大きいアミノ酸の結晶が析出し、樹脂
塔が目詰まりし、溶離操作に支障をきたすという問題が
あり、それを避けるために、過剰なアルカリを添加した
り、アミノ酸の溶離濃度を下げたりして結晶の析出を抑
えてきた。
樹脂塔内で粒径の大きいアミノ酸の結晶が析出し、樹脂
塔が目詰まりし、溶離操作に支障をきたすという問題が
あり、それを避けるために、過剰なアルカリを添加した
り、アミノ酸の溶離濃度を下げたりして結晶の析出を抑
えてきた。
本発明者らは、非イオン解離性物質であり、イオン交換
樹脂の再生、溶離剤としては工業的に使用されていない
尿素が、アミノ酸の結晶成長を阻害し、結晶の微細化を
引起こすことにより、樹脂塔内での析出結晶による目詰
まりを防止して、スムーズな溶離を可能にする事を発見
し、この発見に基づき本発明を完成した。
樹脂の再生、溶離剤としては工業的に使用されていない
尿素が、アミノ酸の結晶成長を阻害し、結晶の微細化を
引起こすことにより、樹脂塔内での析出結晶による目詰
まりを防止して、スムーズな溶離を可能にする事を発見
し、この発見に基づき本発明を完成した。
以下、本発明を詳述する。
本発明の対象となるアミノ酸溶液は、発酵法、合成法、
抽出法などで工業的に製造された、不純物を含むアミノ
酸溶液である。
抽出法などで工業的に製造された、不純物を含むアミノ
酸溶液である。
アミノ酸溶液を接触されるべき陽イオン交換樹脂はH+
型も、Na+等の塩型でも良いが、強酸性陽イオン交換樹
脂が通常使用される。このような強酸性陽イオン交換樹
脂としてはスチレン−ジビニルベンゼン系のものを挙げ
ることができ、このような陽イオン交換樹脂はマクロポ
ーラスタイプでもゲルタイプでもよく、ロームアンドハ
ース社製アンバーライト200Cは前者の例であり、三斐化
成社製ダイヤイオンSK-1Bは後者の例である。
型も、Na+等の塩型でも良いが、強酸性陽イオン交換樹
脂が通常使用される。このような強酸性陽イオン交換樹
脂としてはスチレン−ジビニルベンゼン系のものを挙げ
ることができ、このような陽イオン交換樹脂はマクロポ
ーラスタイプでもゲルタイプでもよく、ロームアンドハ
ース社製アンバーライト200Cは前者の例であり、三斐化
成社製ダイヤイオンSK-1Bは後者の例である。
本発明において、不純物を含むアミノ酸溶液と陽イオン
交換樹脂との接触はバッチ式でも塔式でもよいが、通常
は陽イオン交換樹脂を塔に充填し、これにアミノ酸溶液
を通液する塔式が採用される。
交換樹脂との接触はバッチ式でも塔式でもよいが、通常
は陽イオン交換樹脂を塔に充填し、これにアミノ酸溶液
を通液する塔式が採用される。
このような接触によりアミノ酸を選択的に吸着した陽イ
オン交換樹脂から次に吸着アミノ酸を溶離するが、この
溶離剤に本発明の特徴がある。前述のように、従来は陽
イオン交換樹脂のもつ陰イオン基に対し強いイオン相互
作用を有するイオン解離物質が溶離剤として用いられて
来たが、このような溶離剤としては水酸化ナトリウム、
水酸化アンモニウム及びその塩類などが挙げられる。こ
こに、そのような塩類は純粋なものでもよいが、それを
含むアミノ酸発酵液でもよい。
オン交換樹脂から次に吸着アミノ酸を溶離するが、この
溶離剤に本発明の特徴がある。前述のように、従来は陽
イオン交換樹脂のもつ陰イオン基に対し強いイオン相互
作用を有するイオン解離物質が溶離剤として用いられて
来たが、このような溶離剤としては水酸化ナトリウム、
水酸化アンモニウム及びその塩類などが挙げられる。こ
こに、そのような塩類は純粋なものでもよいが、それを
含むアミノ酸発酵液でもよい。
本発明の溶離剤は、上のような溶離剤に尿素を添加した
ものであるが、尿素自体は非イオン解離性物質であり、
溶離能がないので、尿素を添加しなくても吸着アミノ酸
を溶離するに足りるイオン解離物質を含んでいなければ
ならないことは当然である。
ものであるが、尿素自体は非イオン解離性物質であり、
溶離能がないので、尿素を添加しなくても吸着アミノ酸
を溶離するに足りるイオン解離物質を含んでいなければ
ならないことは当然である。
尿素の添加量は、溶離したアミノ酸が樹脂塔内で生長し
て樹脂塔が目詰りを起さないような量であって、そのよ
うな量は予備的実験により容易に定め得る。
て樹脂塔が目詰りを起さないような量であって、そのよ
うな量は予備的実験により容易に定め得る。
上述したような本発明の溶離剤を使用して得られるアミ
ノ酸溶離液からアミノ酸を回収するには濃縮晶析、等電
点晶析等従来公知の回収方法によるとよい。
ノ酸溶離液からアミノ酸を回収するには濃縮晶析、等電
点晶析等従来公知の回収方法によるとよい。
従来、樹脂塔内での溶離アミノ酸の析出による樹脂塔の
目詰りを防止するために多量のアルガリを使用していた
が、本発明におけるように尿素を従来の溶離剤に添加す
れば溶離用アルカリの所要量を節減でき、ひいてはアミ
ノ酸溶離液から中和晶析によりアミノ酸を回収するとき
の酸を節減することもできる。
目詰りを防止するために多量のアルガリを使用していた
が、本発明におけるように尿素を従来の溶離剤に添加す
れば溶離用アルカリの所要量を節減でき、ひいてはアミ
ノ酸溶離液から中和晶析によりアミノ酸を回収するとき
の酸を節減することもできる。
この晶析母液は、次回の操作サイクルの先行工程に戻し
てもよいが、尿素を含んでいるので、窒素源肥料として
有効に用いられ、これも本発明の利点の一つである。
てもよいが、尿素を含んでいるので、窒素源肥料として
有効に用いられ、これも本発明の利点の一つである。
以下、実施例により本発明を更に説明する。
対照例1(従来法) グルタミン酸発酵液を、硫酸を使用してグルタミン酸を
等電点晶析した晶析母液8.6(pH=3.2、グルタミン酸
濃度1.92g/dl)に96%硫酸を加えpHを1.5に下げ、陽
イオン状態に解離したグルタミン酸を強酸性陽イオン交
換樹脂塔に通液吸着せしめた。グルタミン酸の樹脂吸着
率は77.2%であった。ここで用いた陽イオン交換樹脂は
ダイヤイオンPK−212L(三菱化成工業(株)製)4
で、吸着前の樹脂のイオン型は、H+型、塩型(Na+,
K+,Ca2+,Mg+等)、有機物型(アミノ酸等)の混合
型であった。晶析母液中の非イオン性及び陰イオン性成
分は陽イオン交換樹脂に吸着されることなく吸着排液中
に移動した。
等電点晶析した晶析母液8.6(pH=3.2、グルタミン酸
濃度1.92g/dl)に96%硫酸を加えpHを1.5に下げ、陽
イオン状態に解離したグルタミン酸を強酸性陽イオン交
換樹脂塔に通液吸着せしめた。グルタミン酸の樹脂吸着
率は77.2%であった。ここで用いた陽イオン交換樹脂は
ダイヤイオンPK−212L(三菱化成工業(株)製)4
で、吸着前の樹脂のイオン型は、H+型、塩型(Na+,
K+,Ca2+,Mg+等)、有機物型(アミノ酸等)の混合
型であった。晶析母液中の非イオン性及び陰イオン性成
分は陽イオン交換樹脂に吸着されることなく吸着排液中
に移動した。
陽イオン交換樹脂からのグルタミン酸の溶離剤としては
80gの炭酸ナトリウムを加えた発酵液7.0を使用し
た。グルタミン酸の溶離率は98.8%であった。
80gの炭酸ナトリウムを加えた発酵液7.0を使用し
た。グルタミン酸の溶離率は98.8%であった。
ここに得られたグルタミン酸溶離液を96%硫酸115
mlでpHを3.2に調整してグルタミン酸を晶析した。得量
606g。なお、晶析母液のグルタミン酸濃度は1.92g/
dlであった。
mlでpHを3.2に調整してグルタミン酸を晶析した。得量
606g。なお、晶析母液のグルタミン酸濃度は1.92g/
dlであった。
実施例1 対照例1におけると同じグルタミン酸発酵液について対
照例1におけると同じ処理を行なってグルタミン酸を陽
イオン交換樹脂に吸着せしめた。
照例1におけると同じ処理を行なってグルタミン酸を陽
イオン交換樹脂に吸着せしめた。
この吸着グルタミン酸の溶離剤としては、80gの炭酸
ナトリウムの代りにこれに等モル(48g)の尿素を添
加したグルタミン酸発酵液7.0を使用した。グルタミ
ン酸の樹脂吸着率は74.2%、陽イオン交換樹脂からの溶
離率は100.0%、グルタミン酸溶離液のpHを3.2に調整す
るに要した96%硫酸は70mlであった。晶析したグル
タミン酸の得量600g。なお、晶析母液のグルタミン
酸濃度は1.72g/dlであった。
ナトリウムの代りにこれに等モル(48g)の尿素を添
加したグルタミン酸発酵液7.0を使用した。グルタミ
ン酸の樹脂吸着率は74.2%、陽イオン交換樹脂からの溶
離率は100.0%、グルタミン酸溶離液のpHを3.2に調整す
るに要した96%硫酸は70mlであった。晶析したグル
タミン酸の得量600g。なお、晶析母液のグルタミン
酸濃度は1.72g/dlであった。
実施例2 対照例1におけると同じグルタミン酸発酵液について対
照例1におけると同じ処理を行なってグルタミン酸を陽
イオン交換樹脂に吸着せしめた。
照例1におけると同じ処理を行なってグルタミン酸を陽
イオン交換樹脂に吸着せしめた。
この吸着グルタミン酸の溶離剤としては、80gの炭酸
ナトリウムの代りに、これの0.8倍モル(38.4
g)の尿素と0.2倍モル(16g)の炭酸ナトリウム
を添加したグルタミン酸発酵液7.0を使用した。グル
タミン酸の樹脂吸着率は81.6%、陽イオン交換樹脂から
の溶離率は99.1%、グルタミン酸溶離液のpHを3.2
に調整するのに要した96%硫酸は75mlであった。晶
析したグルタミン酸の得量607g。なお、晶析母液の
グルタミン酸濃度は1.59g/dlであった。
ナトリウムの代りに、これの0.8倍モル(38.4
g)の尿素と0.2倍モル(16g)の炭酸ナトリウム
を添加したグルタミン酸発酵液7.0を使用した。グル
タミン酸の樹脂吸着率は81.6%、陽イオン交換樹脂から
の溶離率は99.1%、グルタミン酸溶離液のpHを3.2
に調整するのに要した96%硫酸は75mlであった。晶
析したグルタミン酸の得量607g。なお、晶析母液の
グルタミン酸濃度は1.59g/dlであった。
Claims (1)
- 【請求項1】不純物を含むグルタミン酸溶液を陽イオン
交換樹脂と接触させてグルタミン酸を選択的に当該樹脂
に吸着させ、ついで吸着グルタミン酸を溶離、回収する
方法において、尿素とイオン解離性物質の混合物の水溶
液を当該溶離剤として使用することを特徴とする陽イオ
ン交換樹脂を用いるグルタミン酸の回収方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61056653A JPH0617346B2 (ja) | 1986-03-14 | 1986-03-14 | 陽イオン交換樹脂を用いるアミノ酸の回収方法 |
MYPI87003051A MY102997A (en) | 1986-03-14 | 1987-11-14 | Method of recovering amino acids using cation exchange resins |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61056653A JPH0617346B2 (ja) | 1986-03-14 | 1986-03-14 | 陽イオン交換樹脂を用いるアミノ酸の回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62212355A JPS62212355A (ja) | 1987-09-18 |
JPH0617346B2 true JPH0617346B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=13033328
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61056653A Expired - Lifetime JPH0617346B2 (ja) | 1986-03-14 | 1986-03-14 | 陽イオン交換樹脂を用いるアミノ酸の回収方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0617346B2 (ja) |
MY (1) | MY102997A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ZA949059B (en) * | 1993-11-19 | 1995-07-19 | Aeci Ltd | Recovery of an amino acid |
-
1986
- 1986-03-14 JP JP61056653A patent/JPH0617346B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1987
- 1987-11-14 MY MYPI87003051A patent/MY102997A/en unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62212355A (ja) | 1987-09-18 |
MY102997A (en) | 1993-03-31 |
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