JPH06173115A - 難燃性ポリエーテルエステル弾性繊維 - Google Patents

難燃性ポリエーテルエステル弾性繊維

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JPH06173115A
JPH06173115A JP35028392A JP35028392A JPH06173115A JP H06173115 A JPH06173115 A JP H06173115A JP 35028392 A JP35028392 A JP 35028392A JP 35028392 A JP35028392 A JP 35028392A JP H06173115 A JPH06173115 A JP H06173115A
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JP
Japan
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group
formula
ester
flame
compound
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Application number
JP35028392A
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English (en)
Inventor
Tsuneyuki Osawa
恒之 大澤
Atsuko Ueda
敦子 植田
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Nippon Ester Co Ltd
Original Assignee
Nippon Ester Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた難燃性を有し、かつ、弾性回復性の優
れたポリエーテルエステル弾性繊維を提供する。 【構成】 ポリアルキレンテレフタレートに下記一般式
(1) 又は(2) の有機リン化合物を共重合したポリエステ
ル成分をハードセグメントとし、平均分子量 500〜5000
のポリテトラメチレングリコールをソフトセグメントと
したリン原子含有量が500ppm以上のポリエーテルエステ
ル弾性体からなる繊維。 【化1】 (R1 、R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ基
又はアリロキシ基、Xは3価の脂肪族基、Arは3価の
芳香族基、Eはアルキレン基、m、nはそれらの和が2
〜20となる整数を表し、R1 、R2 は環を形成していて
もよく、式(1) の化合物は酸無水物の形になっていても
よい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用及び産業資材用と
して用いられる優れた難燃性を有し、かつ、弾性回復性
の優れたポリエーテルエステル弾性繊維に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性繊維として、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PB
T)のような高結晶性のポリエステルをハードセグメント
とし、ポリテトラメチレングリコール(PTMG) に代表さ
れるポリアルキレングリコールをソフトセグメントとし
たポリエーテルエステル弾性体からなる繊維が注目され
ている(特公昭47−14054号、同63−60127号等)。しか
し、この種の弾性繊維は弾性回復性は比較的良好である
が、難燃性能を有しておらず、難燃性能の要求される用
途には使用することができなかった。ポリエステルに難
燃性を付与するために有機リン化合物を共重合する方法
は良く知られているが、ポリエーテルエステル弾性体の
場合、有機リン化合物を共重合すると共重合するリン化
合物によっては、繊維としての強度や弾性を低下させる
ため、実用レベルにすることは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難燃性能に
優れ、かつ、弾性回復性に優れたポリエーテルエステル
弾性繊維を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ハードセグメン
トのポリアルキレンテレフタレートに特定の有機リン化
合物を共重合することによりこの目的が達成されること
を見出し本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。ポリアルキレンテレフタレートに下記一般式(1)
又は(2) で示されるエステル形成性の官能基を有する有
機リン化合物を共重合したポリエステル成分をハードセ
グメントとし、平均分子量 500〜5000のPTMGをソフトセ
グメントとしたリン原子含有量が500ppm以上のポリエー
テルエステル弾性体からなる難燃性ポリエーテルエステ
ル弾性繊維。
【0006】
【化2】
【0007】(R1 、R2 はアルキル基、アリール基、
アルコキシ基又はアリロキシ基、Xは3価の脂肪族基、
Arは3価の芳香族基、Eはアルキレン基、m、nはそ
れらの和が2〜20となる整数を表し、R1 、R2 は環を
形成していてもよく、式(1) の化合物は酸無水物の形に
なっていてもよい。)
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるポリエーテルエステルのハ−ドセグメント
は、PET 又はPBT に前記有機リン化合物を共重合したも
ので構成される。
【0009】一般式(1) で示される有機リン化合物の具
体例としては、次の式 (a)〜(f) のような化合物が挙げ
られる。
【0010】
【化3】
【0011】また、一般式(2) で示される有機リン化合
物の具体例としては、次の式 (g)〜(l) のような化合物
が挙げられる。
【0012】
【化4】
【0013】これらの中でも、リン化合物の安定性、リ
ン原子含有率の高さ、重合工程でのリン化合物の揮発、
飛散の少なさ等を総合的に判断すると、式 (a)で示され
るリン化合物であるジフェニルホスフィンオキシドのイ
タコン酸付加体、式 (c)で示されるリン化合物である9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレ
ン−10−オキシドのイタコン酸付加体、式 (g)で示され
るリン化合物であるジフェニル〔2,5−ビス(β−ヒド
ロキシエトキシフェニル)〕ホスフィンオキシド及び式
(h)で示されるリン化合物である9,10−ジヒドロ−9−
オキサ−10−〔2′,5′−ビス(β−ヒドロキシエト
キシフェニル)〕−ホスファフェナントレン−10−オキ
シドが好ましい。
【0014】なお、一般式(1) 及び(2) で示される有機
リン化合物のほか、好適ではないが、次の式 (m)で示さ
れる有機リン化合物を使用することもできる。
【0015】
【化5】
【0016】次に、ソフトセグメントとしては、平均分
子量が 500〜5000、好ましくは1000〜3000のPTMGが用い
られる。この平均分子量が 500未満のものでは十分な弾
性特性が得られず、逆に5000を超えるとハードセグメン
ト形成成分との相溶性が悪くなり、均一な重合体が得ら
れず、弾性回復性が低下する。
【0017】ハードセグメントとソフトセグメントとの
割合は、優れた弾性回復性と物性を保つためには、ハー
ドセグメント/ソフトセグメントの重量比を30/70〜80
/20の範囲にするのが好ましい。ソフトセグメントの量
が20重量%未満では弾性性能や弾性回復性が悪くなるの
で好ましくない。一方、ソフトセグメントの量が70重量
%を超えると高温時や熱処理後の機械的特性が低下する
ので好ましくない。
【0018】本発明におけるポリエーテルエステルは、
リン原子を500ppm以上、好ましくは1000〜20000ppm含有
していることが必要である。リン原子含有量が500ppm未
満では難燃性能が不十分であり、あまり多くすると弾性
回復性の低下及び物理的性質が損なわれる等、物性上問
題を生ずることがある。
【0019】ポリエーテルエステル弾性体は、常法によ
って製造することができる。例えば、テレフタル酸又は
そのエステル形成性誘導体、エチレングリコール又は1,
4−ブタンジオール(BD)、有機リン化合物及びPTMGを混
合して反応させるか、あるいは、PET 又はPBT に有機リ
ン化合物を予め共重合しておき、これとPTMGを反応させ
る方法で製造することができる。
【0020】ポリエーテルエステル弾性体の具体的な製
造方法の一例を次に説明する。まず、エステル化反応缶
に、(イ)テレフタル酸ジメチル(DMT) と式 (a)のリン
化合物とをモル比で70/30〜98/2の範囲で仕込み、次
にBDを全ジカルボン酸成分/BDのモル比が1/1.6 とな
るように仕込むか、あるいは(ロ)BDと式 (g)のリン化
合物とをモル比で80/20〜98/2の範囲で仕込み、次に
DMTを DMT/全ジオール成分のモル比が1/1.6 となる
ように仕込み、常圧下、 160〜230 ℃の温度に加熱し、
2〜5時間エステル化反応を行い、ハードセグメントを
形成するエステル化反応物を得る。得られたエステル化
反応物を重合反応缶に移送し、必要量のPTMGを添加し、
次いで、 230〜260 ℃の温度で1〜5時間、1トル以下
の減圧下で所定の極限粘度に達するまで重縮合反応を行
う。
【0021】重縮合反応は、通常、触媒の存在下に行わ
れ、重縮合反応触媒としては、公知のものを用いること
ができるが、好ましいものは、チタン化合物、アンチモ
ン化合物、スズ化合物、カルシウム化合物、マンガン化
合物及びゲルマニウム化合物であり、これらの中で特に
好ましいものはチタン化合物及びアンチモン化合物であ
る。また、その他各種安定剤、顔料等を必要に応じ任意
に使用できる。
【0022】優れた強度と弾性回復性を発揮させるに
は、高重合度のポリエーテルエステル弾性体を用いるこ
とが必要で、極限粘度が 0.7〜3.5 、特に 1.0〜3.0 の
ものが好ましい。
【0023】本発明の繊維は、上記のようなポリエーテ
ルエステル弾性体を常法に従って製糸することによって
製造される。すなわち、常法に従って溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を熱処理もしくは延伸熱処理することによ
り、優れた難燃性及び弾性回復性を有する弾性繊維を得
ることができる。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、例中の測定及び評価法は、次のとおりであ
る。 極限粘度〔η〕 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 弾性回復率 オリエンティック社製テンシロンUTM-4-100 型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で 100%まで伸長した
後、同速度で元の長さまで戻し、再び伸長した時、応力
が現れた時の長さを求め、次式によって弾性回復率を求
めた。 弾性回復率(%)=〔(E0−E1)/E0 〕×100 E0:最初に伸ばした長さ E1:再度伸長し、応力が現れた時の長さ 繊度 繊維を弛緩状態で30分放置した後、長さ90cmのサンプル
を採取して重量を測定し、9000mの重量に換算して求め
た。 強伸度 オリエンティック社製テンシロンUTM-4-100 型を用い、
試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。 難燃性 繊維を筒編地にし、その1gを長さ10.0cmに丸めて直径
10.0mmの針金コイル中に挿入し、45度の角度に保持し
て、下端からミクロバーナー(口径0.64mm)で点火し、
火源を遠ざけて消火した場合は再び点火を繰り返し、全
試料が燃焼しつくすまでに要する点火回数を求め、5個
の試料についての点火回数(接炎回数と記す) で表し
た。 リン原子含有量 蛍光X線法により定量した。
【0025】実施例1 反応器にDMT 15.5kg、式 (a)のリン化合物6.6kg (DMT/
リン化合物のモル比80/20) 及びBD14.4kgを仕込み、テ
トラブチルチタネート10gを触媒として加え、常圧下、
210 ℃で2.5 時間エステル交換反応を行った。その後、
反応物を重合缶に移送し、平均分子量1500のPTMG25kgを
添加し、次いで 250℃の温度で3時間、1トル以下の減
圧下で重縮合反応を行った。得られたポリマーは、極限
粘度2.1 、軟化温度 185℃であった。このポリマ−を減
圧乾燥後、通常の溶融紡糸機を用い、紡糸温度 240℃、
紡糸速度600m/分、吐出量40g/分で溶融紡糸し、600d
/10f の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延伸速度
200m/分で延伸倍率3倍で延伸した後、120 ℃の熱処理
板上を通過させ50%の熱収縮処理を行った。
【0026】実施例2〜8、比較例1〜3 表1に示した組成及び物性値を有するポリマーを用い、
実施例1と同様な試験を行った。
【0027】上記の実施例及び比較例で得られた弾性糸
の特性値を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、難燃性に優れ、かつ、
ゴム弾性に近い回復力を有するポリエーテルエステル弾
性繊維が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレートに下記一
    般式(1) 又は(2) で示されるエステル形成性の官能基を
    有する有機リン化合物を共重合したポリエステル成分を
    ハードセグメントとし、平均分子量 500〜5000のポリテ
    トラメチレングリコールをソフトセグメントとしたリン
    原子含有量が500ppm以上のポリエーテルエステル弾性体
    からなる難燃性ポリエーテルエステル弾性繊維。 【化1】 (R1 、R2 はアルキル基、アリール基、アルコキシ基
    又はアリロキシ基、Xは3価の脂肪族基、Arは3価の
    芳香族基、Eはアルキレン基、m、nはそれらの和が2
    〜20となる整数を表し、R1 、R2 は環を形成していて
    もよく、式(1) の化合物は酸無水物の形になっていても
    よい。)
JP35028392A 1992-12-03 1992-12-03 難燃性ポリエーテルエステル弾性繊維 Pending JPH06173115A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1640411A4 (en) * 2003-06-12 2007-05-02 Fuji Electric Holdings REACTIVE FLAME RETARDERS AND FLAME RETARDANT RESIN PRODUCTS
CN112760738A (zh) * 2020-12-29 2021-05-07 江苏恒力化纤股份有限公司 一种服用阻燃聚酯纤维及其制备方法
CN112779809A (zh) * 2020-12-29 2021-05-11 江苏恒力化纤股份有限公司 一种造纸成型网及其制备方法

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