JPH06172229A - ジブロモフルオロアルカンの製造方法 - Google Patents
ジブロモフルオロアルカンの製造方法Info
- Publication number
- JPH06172229A JPH06172229A JP32523192A JP32523192A JPH06172229A JP H06172229 A JPH06172229 A JP H06172229A JP 32523192 A JP32523192 A JP 32523192A JP 32523192 A JP32523192 A JP 32523192A JP H06172229 A JPH06172229 A JP H06172229A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dibromofluoroalkane
- bromine
- reaction
- dibromo
- reactional
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ジブロモフルオロアルカンを経済的に効率よ
く製造する。 【構成】 一般式: RCH2F (I) (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を
表す)で示されるフルオロアルカンを臭素と625℃〜
675℃の温度で反応させる。
く製造する。 【構成】 一般式: RCH2F (I) (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を
表す)で示されるフルオロアルカンを臭素と625℃〜
675℃の温度で反応させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジブロモフルオロアルカ
ンの製造方法に関する。
ンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジブロモフルオロアルカンの製造方法と
しては、トリブロモアルカンのモノフッ素化、ジブロモ
アルカンのフッ素化による方法が知られている。例えば
米国特許第2013062号には、トリハロメタンをフ
ッ化カリウムと五塩化アンチモンを用いて、フッ素化
し、ジハロフルオロメタンを得る方法が開示されてい
る。この方法をジブロモフルオロメタンの製造に用いる
場合、原料であるトリブロモメタンや塩化アンチモンが
高価であるのでコスト高となり工業的製造には適しな
い。ジブロモメタンを三フッ化アンチモンによりフッ素
化する方法が、シンセシス・アンド・リアクティヴィテ
ィ・イン・インオーガニック・アンド・メタローガニッ
ク・ケミストリー(Synth.React.Inorg.Metalor
y.Chem.)14巻、837頁(1984年)に開示され
ているが、ジブロモフルオロメタンの収率が低く実用的
でない。また特開平2−67234号公報にはモノフル
オロメタンを臭素により臭素化してブロモフルオロメタ
ンを製造する方法が開示されている。この場合、好まし
い反応温度とされている400〜600℃の温度ではモ
ノブロム化が優先して行われ、生成されるモノブロモフ
ルオロメタンとジブロモフルオロメタンの比は、400
℃では94:5、600℃では91:8である(上記公報
実施例1および2)。従ってジブロモ体の製造方法とし
ては適当でないと考えられる。
しては、トリブロモアルカンのモノフッ素化、ジブロモ
アルカンのフッ素化による方法が知られている。例えば
米国特許第2013062号には、トリハロメタンをフ
ッ化カリウムと五塩化アンチモンを用いて、フッ素化
し、ジハロフルオロメタンを得る方法が開示されてい
る。この方法をジブロモフルオロメタンの製造に用いる
場合、原料であるトリブロモメタンや塩化アンチモンが
高価であるのでコスト高となり工業的製造には適しな
い。ジブロモメタンを三フッ化アンチモンによりフッ素
化する方法が、シンセシス・アンド・リアクティヴィテ
ィ・イン・インオーガニック・アンド・メタローガニッ
ク・ケミストリー(Synth.React.Inorg.Metalor
y.Chem.)14巻、837頁(1984年)に開示され
ているが、ジブロモフルオロメタンの収率が低く実用的
でない。また特開平2−67234号公報にはモノフル
オロメタンを臭素により臭素化してブロモフルオロメタ
ンを製造する方法が開示されている。この場合、好まし
い反応温度とされている400〜600℃の温度ではモ
ノブロム化が優先して行われ、生成されるモノブロモフ
ルオロメタンとジブロモフルオロメタンの比は、400
℃では94:5、600℃では91:8である(上記公報
実施例1および2)。従ってジブロモ体の製造方法とし
ては適当でないと考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はジブロモフル
オロメタンを経済的に効率よく製造する方法を提供する
ことを目的とする。
オロメタンを経済的に効率よく製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者らは鋭意検討を行った。その結果フルオロアル
カンの臭素による臭素化反応において、反応温度を特定
の範囲にすると、驚くべきことにモノブロモ体とジブロ
モ体の生成比が逆転し、ジブロモ体すなわちジブロモフ
ルオロアルカンを主生成物として得ることができること
を見出したことに基づいて本発明を完成させた。すなわ
ち本発明は、一般式 RCH2F (I) (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を
表す)で表されるフルオロアルカンを臭素と625℃〜
675℃で反応させて、一般式: RCBr2F (II) (式中、Rは上と同意義である)で表されるジブロモフル
オロアルカンを製造する方法を要旨とする。
本発明者らは鋭意検討を行った。その結果フルオロアル
カンの臭素による臭素化反応において、反応温度を特定
の範囲にすると、驚くべきことにモノブロモ体とジブロ
モ体の生成比が逆転し、ジブロモ体すなわちジブロモフ
ルオロアルカンを主生成物として得ることができること
を見出したことに基づいて本発明を完成させた。すなわ
ち本発明は、一般式 RCH2F (I) (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を
表す)で表されるフルオロアルカンを臭素と625℃〜
675℃で反応させて、一般式: RCBr2F (II) (式中、Rは上と同意義である)で表されるジブロモフル
オロアルカンを製造する方法を要旨とする。
【0005】本発明の方法で出発原料として用いること
ができるモノフルオロアルカン(I)を例示すれば、フル
オロメタン、フルオロエタン、1−フルオロブタン、1
−フルオロ−2メチルプロパン、1−フルオロブタン、
1−フルオロ−2−メチルブタン、1−フルオロ−3−
メチルブタン、1−フルオロペンタン、1−フルオロヘ
キサン、1−フルオロヘプタン、1−フルオロオクタ
ン、1−フルオロノナン、1−フルオロデカン等を挙げ
ることができる。
ができるモノフルオロアルカン(I)を例示すれば、フル
オロメタン、フルオロエタン、1−フルオロブタン、1
−フルオロ−2メチルプロパン、1−フルオロブタン、
1−フルオロ−2−メチルブタン、1−フルオロ−3−
メチルブタン、1−フルオロペンタン、1−フルオロヘ
キサン、1−フルオロヘプタン、1−フルオロオクタ
ン、1−フルオロノナン、1−フルオロデカン等を挙げ
ることができる。
【0006】また本発明の方法により得られるジブロモ
フルオロアルカン(II)を例示すると、ジブロモフルオ
ロメタン、1,1−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,
1−ジブロモ−1−フルオロプロパン、1,1−ジブロ
モ−1−フルオロ−2メチルプロパン、1,1−ジブロ
モ−1−フルオロブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロ−2−メチルブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロ−3−メチルブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロペンタン、1,1−ジブロモ−1−フルオロヘキサ
ン、1,1−ジブロモ−1−フルオロヘプタン、1,1−
ジブロモ−1−フルオロオクタン、1,1−ジブロモ−
1−フルオロノナン、1,1−ジブロモ−1−フルオロ
デカン等を挙げることができる。
フルオロアルカン(II)を例示すると、ジブロモフルオ
ロメタン、1,1−ジブロモ−1−フルオロエタン、1,
1−ジブロモ−1−フルオロプロパン、1,1−ジブロ
モ−1−フルオロ−2メチルプロパン、1,1−ジブロ
モ−1−フルオロブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロ−2−メチルブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロ−3−メチルブタン、1,1−ジブロモ−1−フル
オロペンタン、1,1−ジブロモ−1−フルオロヘキサ
ン、1,1−ジブロモ−1−フルオロヘプタン、1,1−
ジブロモ−1−フルオロオクタン、1,1−ジブロモ−
1−フルオロノナン、1,1−ジブロモ−1−フルオロ
デカン等を挙げることができる。
【0007】本発明においてはフルオロアルカン(I)を
臭素化してジブロモフルオロアルカン(II)を得るが、
臭素化剤としては臭素を用いる。反応混合物中におい
て、臭素はモノフルオロアルカン1モルに対して2.0
〜3.0モルの割合とする。2.0モル以下とすれば未反
応の原料が多く残り、また臭素が1個入ったブロモフル
オロアルカンの収量が上がる。その結果、目的物の収量
は低くなる。また3.0モル以上とすれば臭素が3個以
上入った副生物が生成し、目的物の収量は低くなる。本
発明の方法においては反応温度は625〜675℃とす
る。625℃以下にしても、或いは675℃以上として
もモノブロモフルオロアルカンが主生成物となり、ジブ
ロモフルオロアルカンの製造方法としては好ましくな
い。本発明の方法は気体反応であるので、反応管を用い
て流通式で行うことができる。モノフルオロアルカン
(I)と臭素との混合ガスを流速100〜1000ml/分
で反応管を通して反応させる。反応管はどのような材質
のものでも使用できるが、一般にパイレックスガラスや
石英などの耐熱性反応管を用いると副反応が抑制され目
的とするジブロモフルオロアルカン(II)の収率が高く
なる。
臭素化してジブロモフルオロアルカン(II)を得るが、
臭素化剤としては臭素を用いる。反応混合物中におい
て、臭素はモノフルオロアルカン1モルに対して2.0
〜3.0モルの割合とする。2.0モル以下とすれば未反
応の原料が多く残り、また臭素が1個入ったブロモフル
オロアルカンの収量が上がる。その結果、目的物の収量
は低くなる。また3.0モル以上とすれば臭素が3個以
上入った副生物が生成し、目的物の収量は低くなる。本
発明の方法においては反応温度は625〜675℃とす
る。625℃以下にしても、或いは675℃以上として
もモノブロモフルオロアルカンが主生成物となり、ジブ
ロモフルオロアルカンの製造方法としては好ましくな
い。本発明の方法は気体反応であるので、反応管を用い
て流通式で行うことができる。モノフルオロアルカン
(I)と臭素との混合ガスを流速100〜1000ml/分
で反応管を通して反応させる。反応管はどのような材質
のものでも使用できるが、一般にパイレックスガラスや
石英などの耐熱性反応管を用いると副反応が抑制され目
的とするジブロモフルオロアルカン(II)の収率が高く
なる。
【0008】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明がこれ等実施例によって限定されるもので
ないことは勿論である。
るが、本発明がこれ等実施例によって限定されるもので
ないことは勿論である。
【0009】実施例1〜3、比較例1〜3 石英反応管(内径25mm、長さ80cm)の中央部分60cm
を第1表に示す温度に加熱し、これにフルオロメタンと
2当量の臭素とを流速300ml/分で流した。反応管を
通過した反応混合物をガスクロマトグラフィによって分
析し、転化率、反応生成物中のジブロモ体(ジブロモフ
ルオロメタン)とモノブロモ体(モノブロモフルオロメタ
ン)の割合を求めた。また反応温度を本発明の方法にお
ける温度範囲外とした外は上と同様にして反応させた。
これ等の結果を表1にまとめて示す。表から明らかなよ
うに反応温度が本発明の温度範囲内である場合には、ジ
ブロモフルオロメタンが優先的に得られるが、本発明の
範囲外とするとモノブロモフルオロメタンが主に生成す
る。
を第1表に示す温度に加熱し、これにフルオロメタンと
2当量の臭素とを流速300ml/分で流した。反応管を
通過した反応混合物をガスクロマトグラフィによって分
析し、転化率、反応生成物中のジブロモ体(ジブロモフ
ルオロメタン)とモノブロモ体(モノブロモフルオロメタ
ン)の割合を求めた。また反応温度を本発明の方法にお
ける温度範囲外とした外は上と同様にして反応させた。
これ等の結果を表1にまとめて示す。表から明らかなよ
うに反応温度が本発明の温度範囲内である場合には、ジ
ブロモフルオロメタンが優先的に得られるが、本発明の
範囲外とするとモノブロモフルオロメタンが主に生成す
る。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の方法に
よればフルオロアルカンを臭素と反応させる場合にジブ
ロモフルオロアルカンを優先的に得ることができるので
ジブロモフルオロアルカンを経済的に効率よく製造する
ことができる。
よればフルオロアルカンを臭素と反応させる場合にジブ
ロモフルオロアルカンを優先的に得ることができるので
ジブロモフルオロアルカンを経済的に効率よく製造する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 俊彦 大阪府摂津市西一津屋1−50 株式会社ダ イキンファインケミカル研究所内 (72)発明者 山本 禎洋 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 下川 和弘 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式: RCH2F (I) (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル基を
表す)で表されるフルオロアルカンを臭素と625℃〜
675℃で反応させて、一般式: RCBr2F (II) (式中、Rは上と同意義である)で表されるジブロモフル
オロアルカンを製造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32523192A JPH06172229A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | ジブロモフルオロアルカンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32523192A JPH06172229A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | ジブロモフルオロアルカンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172229A true JPH06172229A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18174495
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32523192A Pending JPH06172229A (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | ジブロモフルオロアルカンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172229A (ja) |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP32523192A patent/JPH06172229A/ja active Pending
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