JPH06172111A - 抗原虫剤 - Google Patents

抗原虫剤

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JPH06172111A
JPH06172111A JP4326837A JP32683792A JPH06172111A JP H06172111 A JPH06172111 A JP H06172111A JP 4326837 A JP4326837 A JP 4326837A JP 32683792 A JP32683792 A JP 32683792A JP H06172111 A JPH06172111 A JP H06172111A
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JP
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group
substance
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antiprotozoal
salt
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JP4326837A
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English (en)
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Yoshifumi Arai
好史 新井
Yasuichi Nakakita
保一 中北
Masanobu Munakata
正信 棟方
Hidenobu Itahana
秀信 板鼻
Masahiro Kato
正博 加藤
裕 ▲舘▼
Yutaka Tate
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Sapporo Breweries Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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Sapporo Breweries Ltd
Daiichi Pharmaceutical Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1)〔式中、R1 はヒドロキシル
基、シアノ基又はカルバモイル基を示し、R2 及びR3
はそれぞれ水素原子又は置換基を有していてもよい低級
アルキル基を示す〕で表わされる化合物又はその塩を有
効成分とする抗原虫剤。 【化1】 【効果】 家畜、家禽等の動物のコクシジウムその他の
原虫性疾患の予防・治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗原虫剤に関し、更に詳
細には哺乳類、鳥類等の原虫病の予防及び治療に有用な
抗原虫剤に関する。
【0002】
【従来の技術】原虫病は、哺乳類、鳥類、爬虫類などの
動物に原虫が寄生することにより引き起こされる疾病で
あり、代表的な原虫として、コクシジウム(Cocci
dium)、トキソプラズマ(Toxoplasm
a)、マラリア(Malaria)、ピロプラズマ(P
iroplasma)、トリパノソーマ(Trypan
osoma)、トリコモナス(Trichomona
s)などが挙げられる。
【0003】これらの原虫病のうちアイメリア類による
ヒト、家畜及び家禽のコクシジウム病が、人体における
衛生面及び畜産産業面から重視されている。家禽のコク
シジウム病はアイメリアに属するテネラ、ネカトリク
ス、マキシマ、アセルブリーナ等が経口的に感染するこ
とにより引き起こされ、腸管組織の破壊による異常便の
排泄、斃死、発育不良等を呈し、その被害は経済的に極
めて甚大である。
【0004】かかる原虫病に対する治療及び予防手段と
して近年、ワクチン開発の試みが多くなされているが、
問題点も多く広く普及するには至っていない。現状で
は、薬剤による予防、治療が一般的である。当該薬剤と
しては、マラリアに対してリン酸クロロキン、プリマキ
ン、クロルグアニド、塩酸キニーネ等が用いられ、コク
シジウムに対してスルファジメトキシン、スルファモノ
メトキシン、スルファキノキサリン等のサルファ剤やサ
リノマイシン、モネンシン、ラサロシド等のポリエーテ
ル系抗生物質が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の抗原虫剤は、効果が不十分であったり、長年の使
用により耐性の問題が生じており、新しいタイプの薬剤
が強く求められている。従って、本発明の目的は有効性
及び安全性の高い新しいタイプの抗原虫剤を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは微
生物が産生する化合物及びその誘導体の中から新しい抗
原虫剤を探索すべく種々検討してきたところ、放線菌の
産生する化合物及びその誘導体の中に優れた抗原虫作用
を有する物質が存在することを見出した。そして、当該
物質の化学構造を同定したところ、この物質は抗癌作用
及び抗細菌作用を有することが知られている公知化合物
であることが判明した〔米国特許第4003902号、
J.Antibiotics 28:497−502
(1975)、Tetrahedron Lett.N
o.46:4021−4023(1974)、J.An
tibiotics 35:524−526(198
2)、J.Antibiotics 35:642−6
44(1982)、特公昭62−7199号公報、特公
昭62−30197号公報等〕。しかし、これらの化合
物についての原虫に対する作用は全く知られていないの
で、更に研究を重ねた結果、これらの化合物が優れた抗
原虫作用と高い安全性を有することから抗原虫剤として
有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は一般式(1)
【0008】
【化5】
【0009】〔式中、R1 はヒドロキシル基、シアノ基
又はカルバモイル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ水
素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を
示す〕で表わされる化合物又はその塩を有効成分とする
抗原虫剤を提供するものである。
【0010】本発明において、一般式(1)で示される
化学構造には、不斉炭素における水素原子又は置換基の
立体配置は各々において、α配置及びβ配置のいずれも
含まれる。上記一般式(1)において置換基を有してい
てもよい低級アルキル基としては、ハロゲン原子、低級
アルコキシル基、低級アルカノイル基、ニトロ基、フェ
ニル基等の置換基を有していてもよい炭素数1〜6の直
鎖又は分岐鎖のアルキル基が挙げられる。当該炭素数1
〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられるが、特に
メチル基が好ましい。また、R1 としてはヒドロキシル
基又はシアノ基が好ましく、R2 としては水素原子又は
メチル基が好ましく、R3 としては水素原子が特に好ま
しい。かかる特に好ましい化合物は、次の一般式(2)
で示される。
【0011】
【化6】
【0012】〔式中、R4 はヒドロキシル基又はシアノ
基を示し、R5 は水素原子又はメチル基を示す〕
【0013】これらの一般式(1)の化合物の代表的な
化合物を列挙すれば次の通りである。 物質a:式(1)中、R1=OH、R2=CH3、R3=Hの化合物
〔ナフチリジノマイシンA(naphthyridin
omycin A)〕 物質b:式(1)中、R1=CN、R2=CH3、R3=Hの化合物
〔シアノナフチリジノマイシン(Cyanonapht
hyridinomycin)〕 物質c:式(1)中、R1=OH、R2=H、R3=Hの化合物〔S
F−1739HP〕 物質d:式(1)中、R1=CN、R2=H、R3=Hの化合物〔ナ
フトシアニジン(naphthocyanidin
e)〕
【0014】また、前記一般式(1)で表わされる化合
物の無機酸塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、リン酸塩等があり、また有機酸塩として
は、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩等が挙げられる。
【0015】本発明抗原虫剤の有効成分である一般式
(1)の化合物又はその塩は、例えば前記文献記載の方
法に従い、これらの化合物を産生する微生物を培養する
ことにより、あるいはかかる培養により得られた化合物
を酸処理、シアノ化又はアルキル化することにより製造
することができる。なお、シアノ化反応は培養液中にシ
アノ化剤を共存させて培養することによっても進行する
が、物質a、物質cのような化合物を化学的にシアノ化
する方法が好ましい。
【0016】物質aは、J.Antibiotics
28:497−502(1975)及びTetrahe
dron Lett.No.46:4021−4023
(1974)記載の方法により、又は本発明者らが群馬
県桐生市宅地の土壌から見出した放線菌、ストレプトマ
イセス・エスピー HP181株(微工研菌寄第131
78号)を培養し、培養物から物質aを採取することに
より製造される。なお、ここで当該放線菌の培養は、通
常の放線菌の培養条件により、数時間から数日間、静置
又は攪拌培養するのが好ましい。また培養物からの物質
aの単離は、常法、例えば、すでに開示された方法〔K
luepfel.D.等による方法(J.Antibi
otics 28:497−502(1975))及び
Sygush,J.等による方法(Tetrahedr
on Lett.No.46:4021−4023(1
974))〕により行うことができる。
【0017】酸処理反応は、例えばJ.Antibio
tics 35:642−644(1982)又は特公
昭62−7199号公報記載の方法に準じて行うことが
できる。かかる反応により物質cのような脱アルキル体
が得られる。
【0018】シアノ化反応は、J.Antibioti
cs 35:524−526(1982)又は特公昭6
2−30197号公報記載の方法に準じてシアン処理す
ることにより行うことができる。かかる反応により物質
b、物質dのようなニトリル体が得られる。また、R1
がカルバモイル基の化合物は、R1 がシアノ基である化
合物を適当な条件下で酸加水分解することにより得られ
る。
【0019】かくして得られる一般式(1)の化合物又
はその塩は、優れた抗原虫作用を有し、かつ毒性〔Th
e Chemistry of Antitumor
Antibiotics vol.2,W.A.Rem
ers編,A Wiley−Interscience
Publication,New York,P.1
43、Itoh,J.et al,J.Antibio
tics 35:642−644(1982)、Klu
epfel,D.et al,J.Antibioti
cs 28:498(1975)、Zmijewsk
i,M.J.etal,J.Antibiotics
35:524−526(1982)〕が低いので哺乳
類、鳥類等の動物の原虫病の予防及び治療剤として有用
である。
【0020】ここで、本発明抗原虫剤の対象となる原虫
としては、コクシジウム、マラリア、トキソプラズマ、
サルコシスチス、クリプトスポリジウム、ロイコチトゾ
ーン、ピロプラズマ等が挙げられる。この中でも特に例
えば、アイメリア・テネラ(Eimeria tene
lla)、アイメリア・ネカトリクス(Eimeria
necatrix)、アイメリア・アセルブリーナ
(Eimeria aceruvulina)、アイメ
リア・マキシマ(Eimeria maxima)、ア
イメリア・ブルネッテイ(Eimeria brune
tti)などによる家禽のコクシジウムを対象とするの
が好ましい。
【0021】一般式(1)の化合物又はその塩を有効成
分とする本発明に係る抗原虫剤は、注射等の非経口投与
及び経口投与により各種動物に投与することができる
が、経口的に投与するのが好ましい。本発明に係る抗原
虫剤の剤型としては、散剤、粒剤、プレミックス等が好
ましい。このような剤型の製剤を調製するにあたって
は、一般式(1)の化合物又はその塩を単独で、又は賦
形剤、結合剤、崩壊剤等の各種担体と組み合せて配合す
ることができる。当該担体としては、飼料又は飲料水に
添加できるものであれば特に制限されないが、水、乳
糖、コーンスターチ、タルク、米ぬか、小麦粉、油粕な
どが挙げられる。なお、一般式(1)の化合物又はその
塩は、本発明に係る抗原虫剤として用いる際には、未精
製体、例えば培養液の濃縮物をそのまま利用してもよ
い。
【0022】本発明に係る抗原虫剤の投与方法は、強制
的な投与手段でもよいが飼料、飲料水等に添加すること
により行ってもよい。飼料中に混合添加する方法では、
一般式(1)の化合物又はその塩を、飼料中に好ましく
は0.1〜30ppm 濃度になるように、更に好ましくは
1〜20ppm濃度、特に好ましくは5〜10ppm 濃度に
なるように混合すればよい。また、飲料水中に添加する
場合は、飼料に添加する濃度の約2分の1でよい。
【0023】
【実施例】次に参考例、実施例を挙げて本発明を詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】参考例1 本発明者らは、本発明者が見出したHP181株が本発
明に用いることのできる化合物を生産することを見出し
た。以下に、当該HP181株の菌学的性状等を述べ
る。 HP181株の菌学的性状:栄養菌糸は各種培地上でよ
く発達し、分断は起こさない。分枝した栄養菌糸から形
成される気菌糸はグレイ系の色調を呈し10〜50個以
上の胞子の連鎖が認められ、ラセン状をしている。胞子
表面はいぼ状(warty)から、とげ状(spin
y)でその大きさは0.61〜1.2μm で円柱状であ
る。菌核、胞子のう、遊走子は見出されない。次に、各
種培地上における培養性状を検討した結果を表1に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】HP181株の生理学的性状: (1)生育温度範囲(酵母エキス・麦芽エキス寒天、2
0〜38℃で14日間培養): ゼラチンの液化 :陰性 デンプンの加水分解 :陽性 脱脂牛乳の凝固 :陽性 脱脂牛乳のペプトン化:陽性 硝酸塩の還元 :陽性 セルロースの分解 :陰性 (2)炭素源の利用性(プリドハム・ゴドリープ 寒
天、30℃、14日間培養):利用する糖は、D−グル
コース、D−キシロース、D−アラビノース、L−ラム
ノース、D−ガラクトース、D−マンニトール、イノシ
トール、サリシンであり、利用しない糖は、ラフィノー
ス及びシュークロースであった。 (3)HP181株の細胞壁組成:全菌体中のジアミノ
ピメリン酸は、LL型であった。これらの諸性質から、
HP181株はストレプトマイセス(Streptom
yces)属に属する菌株と考えられ、ストレプトマイ
セスsp.HP181株と命名した。本菌株は工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第13178号
(FERM P−13178)として寄託した。
【0027】参考例2 物質aの製造:HP181株を大豆粉1.5%、デンプ
ン1.0%、蔗糖1.0%、リン酸二カリウム0.1
%、硫酸マグネシウム0.1%、酵母エキス0.1%、
肉エキス0.1%(pH7.0)を成分とする培地にて、
30℃にて、2〜4日間、通気攪拌培養した。得られた
培養物より菌体を除去した培養上清に、約10%のイオ
ン交換樹脂IRC50(H+ )を入れ物質aを吸着させ
た。物質aはIRC50より0.2規定塩酸−メタノー
ル溶液で溶出し、溶出液を減圧下濃縮して酸性水溶液と
した。この酸性水溶液を先ず酢酸エチルにて洗浄後、次
にpH8.5に調整して酢酸エチルで抽出した。この酢酸
エチル抽出液から更に0.02規定塩酸水にて再度抽出
した。この水溶液を残存する酢酸エチルを留去した後、
凍結乾燥して物質aの粗粉末を得た。純粋な物質aは、
更にLH−20カラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:
クロロホルム−メタノール6:4の混液)、シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(3%メタノール−クロロホ
ルム)を用いて精製することによって得ることができ
た。得られた物質aはナフチリジノマイシンAと同一で
あることが確認された。また、不斉炭素における配置
(α配置、β配置)については旋光度、NMR等の物性
から、ナフチリジノマイシンA及びシアノサイクリンで
報告されている配置(Evans,D.A.等,Tet
rahedron Lett.26:1911−191
4,1985)と同一であることを確認した。
【0028】参考例3 物質bの製造:1mM青酸カリを含むpH8.0のリン酸緩
衝液に物質aを溶解し、1.5から3時間攪拌した後、
酢酸エチルで抽出した。抽出物はシリカゲルTLC(5
%メタノール−クロロホルム)にて精製することによっ
て純粋な物質bを得ることができた。物質bはシアノナ
フチリジノマイシンと同一であることが確認された
〔J.Antibiotics 35:524−525
(1982)〕。
【0029】参考例4 物質cの製造:物質aを6規定塩酸に溶解し、室温下3
日間静置した。炭酸水素ナトリウムを加えて中和した
後、凍結乾燥した。凍結乾燥粉末をメタノールに溶解
し、不溶物を除去した後、濃縮してシリカゲルTLC
(10%メタノール−クロロホルム)にて精製した。R
f0.3付近の紫色のバンドをかきとり、20%メタノ
ール−クロロホルムで溶出して純粋な物質cを得た。物
質cは、SF−1739HP〔J.Antibioti
cs 35:642−644(1982)〕と同一であ
ることが判明した。
【0030】参考例5 物質dの製造:物質cをメタノールに溶解し、等量の青
酸カリを加えて室温で3時間静置した。濃縮後、シリカ
ゲルTLC(10%メタノール−クロロホルム)にて精
製した。Rf0.5付近の紫色のバンドをかきとり、2
0%メタノール−クロロホルムで溶出して純粋な物質d
を得た。物質dはナフトシアニジンであることが判明し
た。
【0031】実施例1 物質d 1重量%と乳糖99重量%を混合して100倍
散を得た。
【0032】物質d 10重量%とコーンスターチ90
重量%を混合して、10倍散を得た。
【0033】得られた100倍散及び10倍散を用い、
下記の割合で飼料と混合し、1kgの所定濃度の飼料を得
た。
【0034】
【表2】
【0035】試験例1 白色レグホン系の7日齢ヒナを3ないし5羽で1群と
し、このヒナに所定濃度の被験化合物を含む粉末飼料を
試験開始時から試験終了時まで給与した。感染は、被験
化合物給与1日後に1羽当たり、5.0×104 個のア
イメリア・テネラ(Eimeria tenella)
の胞子形成完了新鮮オーシストをそ嚢内に接種した。効
果の判定は、感染7日後の血便排泄及び腸管の出血病変
を観察して行った。対照として、ポリエーテル系抗生物
質であるサリノマイシン、ラサロシドの2剤を常用量で
用いた。
【0036】血便排泄の程度は、次のような5段階で評
価した。 (−) :血便の排泄が全く見られない。 (+) :軽度の血便排泄が見られる。 (++) :中程度の血便排泄が見られる。 (+++ ):やや重度の血便排泄が見られる。 (++++):重度の血便排泄が見られる。 腸管病変は、各個体の病変をJohnson & Re
idの基準〔Johnson,J.& Reid,W.
M.Exp.Parasitol.,28:30−36
(1970)〕に従って判定し、その病変スコアを合計
したものを平均した。 (−) :病変みられず(0点)。 (+) :盲腸壁に極めて少数の点状出血(1点)。 (++) :内容物にわずかな血液を混じ、多数の出血病
巣が見られる(2点)。 (+++ ):多量の血液あるいは盲腸コアーを含み、変
形、萎縮及び壁の肥厚が明瞭である(3点)。 (++++):著しく萎縮し、病変は直腸まで達する。壁は
極度に肥厚し、内容に凝血あるいは盲腸コアーを含んで
いる(4点)。
【0037】本発明の化合物(1)と既知の抗コクシジ
ウム剤での処置及び感染無投薬対照、非感染無投薬対照
の効果を比較した。その結果、表3の如く一般式(1)
の化合物は、アイメリア・テネラに対して、高い有効性
が示された。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明に係る抗原虫剤は、ヒト、鶏、ウ
ズラ、シチメンチョウ、アヒル、豚、山羊、綿羊等の各
種動物の原虫性疾患の予防及び治療に有用である。この
うち、特にアイメリア・テネラ(Eimeria te
nella)、アイメリア・ネカトリクス(Eimer
ia necatrix)、アイメリア・アセルブリー
ナ(Eimeria acervulina)、アイメ
リア・マキシマ(Eimeria maxima)、ア
イメリア・ブルネッテイ(Eimeria brune
tti)などによる鶏のコクシジウム感染症に対する予
防・治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棟方 正信 静岡県焼津市岡当目10番地 サッポロビー ル株式会社医薬開発研究所内 (72)発明者 板鼻 秀信 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第 一製薬株式会社東京研究開発センター内 (72)発明者 加藤 正博 東京都中央区八丁堀1丁目10−7 マツダ 八重洲通ビル5階第一製薬株式会社特薬事 業部 (72)発明者 ▲舘▼ 裕 東京都中央区八丁堀1丁目10−7 マツダ 八重洲通ビル5階第一製薬株式会社特薬事 業部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はヒドロキシル基、シアノ基又はカルバモ
    イル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ水素原子又は置
    換基を有していてもよい低級アルキル基を示す〕で表わ
    される化合物又はその塩を有効成分とする抗原虫剤。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 〔式中、R4 はヒドロキシル基又はシアノ基を示し、R
    5 は水素原子又はメチル基を示す〕で表わされる化合物
    又はその塩を有効成分とする抗原虫剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1) 【化3】 〔式中、R1 はヒドロキシル基、シアノ基又はカルバモ
    イル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ水素原子又は置
    換基を有していてもよい低級アルキル基を示す〕で表わ
    される化合物又はその塩を有効成分とする抗コクシジウ
    ム剤。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化4】 〔式中、R4 はヒドロキシル基又はシアノ基を示し、R
    5 は水素原子又はメチル基を示す〕で表わされる化合物
    又はその塩を有効成分とする抗コクシジウム剤。
JP4326837A 1992-12-07 1992-12-07 抗原虫剤 Pending JPH06172111A (ja)

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