JPH0617117U

JPH0617117U - 電気車用シール形蓄電池の内圧検出およびガス排出装置。

Info

Publication number: JPH0617117U
Application number: JP058767U
Authority: JP
Inventors: 景行加賀
Original assignee: 住友エール株式会社
Priority date: 1992-07-30
Filing date: 1992-07-30
Publication date: 1994-03-04

Abstract

(57)【要約】【目的】シール形蓄電池を搭載したフォークリフトあ
るいは屋内搬送車等の電気車において、バッテリの破損
を未然に防止し、しかも、安全弁を作動させる位置、す
なわち、排気場所を選択可能とすること。【構成】電気式フォークリフトあるいは搬送台車等に
搭載されたシール形蓄電池において、密閉された電槽１
の上蓋に、電槽１内の圧力を検出する手段２を設け、該
検出手段２により検出される電槽１内の圧力が所定値に
達したとき作動する警報手段３を備えるとともに、前記
電槽１の上蓋には、排気開放スイッチ４によってのみ開
閉可能な排気弁５を設けたものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電気式フォークリフト，搬送台車等に搭載されるシール形蓄電池の安全弁に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

駆動源としてシール形蓄電池を搭載した電気式フォークリフトや搬送台車等の電気車は公知である。このシール形蓄電池においては、充電終期に過充電電流等による水の電気分解によって発生するＨ₂ ガスやＯ₂ ガスを、触媒反応あるいは陰極吸収反応により水に戻すことにより密閉化をはかっている。

【０００３】しかし、吸収・還元できる能力には限りがあり、この能力を超える過大なガスが発生することもあり得るし、経年変化で化学物質が変質して微量発生するガスが蓄積することも避けられない。密閉された容器内にこれらのガスが充満し内圧が高まりバッテリが破壊されるという不測の事態を回避するため、シール形蓄電池には安全弁が設けられている。

【０００４】従来知られている安全弁は、内圧が一定値に達した時に即排気するタイプのものが用いられている。据置型で設置場所が固定されている場合や、専ら野外を走行する車両の場合にはこれでも差し支えないが、工場や倉庫等の屋内を走行するフォークリフトや屋内搬送台車等に搭載されたバッテリでは、特定な作業動作中あるいは車両が特定場所（領域）に位置するときには、危険防止上あるいは作業環境保全上絶対にＨ₂ ガスやＯ₂ ガスを放出してはならないという制約が伴うことがある。

【０００５】この場合、安全弁が作動しなければ、バッテリが破損するという危険があり、一方、安全弁が作動すると排気ガスが放出されるという問題点がある。すなわち電気車は、ガソリンエンジンを搭載した内燃車と異なり、排気ガスを放出しないという点に特徴があり、この特徴により、排気ガスを絶対に放出してはならない作業環境に用いられることがあるにも拘らず、安全弁が作動するとＨ₂ あるいはＯ₂ 等のガスが放出され、安全を害したり環境を汚染したりして、所期の目的を達成できなくなるという問題点が生ずることになる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記問題点を解決することを課題とするものであって、シール形蓄電池を搭載したフォークリフトあるいは屋内搬送車等の電気車において、バッテリの破損を未然に防止し、しかも、安全弁を作動させる位置、すなわち、排気場所を選択可能とするために、バッテリ電槽内の圧力を検出する手段を備え、予め定めた一定圧力に達したとき警報を発し、車両を排気可能な場所に誘導した後に、安全弁を作動させることができるよう考案を施したものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記課題解決の手段を提供するものであって、電気式フォークリフトあるいは搬送台車等に搭載されたシール形蓄電池において、密閉された電槽１の上蓋に、電槽１内の圧力を検出する手段２を設け、該検出手段２により検出される電槽１内の圧力が所定値に達したとき作動する警報手段３を備えるとともに、前記電槽１の上蓋には、排気開放スイッチ４によってのみ開閉可能な排気弁５を設けたことを特徴とする電気車用シール形蓄電池の内圧検出およびガス排出装置を考案要旨とするものである。

【０００８】

【作用】

この考案は、上記構成を備えているから、密閉された電槽１内に生ずる内圧を圧力スイッチ等の検出手段２により検出し、その検出圧力が所定の一定値に達したとき、警報表示灯及び／又は警報ブザー等の警報手段３を作動させることができる。この警報により、オペレータは所定の作業を中断または終了させた後、速やかに車両を指定の排気場所に誘導して、排気しても安全であることを確認したうえで、排気開放スイッチ４を操作して排気弁５を作動させ、電槽１内に充満したＨ₂ あるいはＯ₂ ガスを槽外に排出させることができる。

【０００９】

【実施例】

図中１はシール形蓄電池の電槽であって、内部に、陽極板１１，陰極板１２，セパレータ１３，極柱１４等が収容され、完全に密閉されている。このシール形蓄電池自体は従来公知である。

【００１０】この密閉された電槽１の上蓋１ａには、該電槽１内の圧力を検出する手段として圧力スイッチ２が設けられ、その検出圧力が所定値に達したとき、警告表示灯及び／又は警報ブザー等の警報手段３を作動させるようになっている。前記所定値は、電槽１の破損，破壊等に対し十分な余裕があり、警報手段３が作動してから排気指定場所までの移動に対しても安全であるように、予め設定されている。なお、３ａは上記警報回路の電源バッテリである。

【００１１】４は排気開放スイッチ、５は電槽１の上蓋１ａに設けられた排気弁であって、該排気弁５は前記排気開放スイッチ４をＯＮ／ＯＦＦすることによってのみ開閉されるようになっている。なお、４ａは上記排気弁作動回路の電源バッテリである。

【００１２】上記警報手段３および排気開放スイッチ４は、通常の有人運転車両の場合には運転席の適所に、無人運転車両の場合には中央演算処理装置（オペレーションセンター）等遠隔操縦装置の適所に設置されている。

【００１３】図示の実施例においては、警報手段３として単一の警告表示灯を例示したが、圧力に応じて複数の警告表示灯を順次点灯させて危険の度合いを段階的に表示するようにしてもよく、また、警告表示灯に代えて警報ブザーを用い、又は両者を併用して視聴覚的に知らせることも可能である。

【００１４】排気開放スイッチ４の作動操作（ＯＮ）は、オペレータの状況判断により専ら人為的に行うべきであるが、復帰操作（ＯＦＦ）は、圧力検出手段２と連動させて電槽１内の圧力が大気圧まで低下したときに自動復帰するようにしても差し支えない。

【００１５】

【効果】

本考案によれば、密閉された電槽１の上蓋に、電槽１内の圧力を検出する手段２を設け、該検出手段２により検出される電槽１内の圧力が所定値に達したとき作動する警報手段３を備えるとともに、前記電槽１の上蓋には、排気開放スイッチ４によってのみ開閉可能な排気弁５を設けたことにより、Ｈ₂ ガス，Ｏ₂ ガス等の発生蓄積等によって電槽１内にガスが充満して内圧が高まったとき、危険域到達前に警報を発してオペレータに電槽破壊の危険を予知させることができ、オペレータは自らの判断により作業を中断または終了後、車両を安全な排気可能位置に誘導して排気させることができるから、シール形蓄電池の破損を未然に防止し、かつ、作業環境の保全が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す一部欠裁斜視図である。

【符号の説明】

１電槽１ａ電槽の上蓋２圧力検出手段３警報手段３ａ警報回路のバッテリ４排気開放スイッチ４ａ排気弁作動回路のバッテリ５排気弁

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】電気式フォークリフトあるいは搬送台車
等に搭載されたシール形蓄電池において、密閉された電
槽(1) の上蓋(1a)に、電槽(1) 内の圧力を検出する手段
(2) を設け、該検出手段(2) により検出される圧力が所
定値に達したとき作動する警報手段(3) を備えるととも
に、前記電槽(1) の上蓋(1a)には、排気開放スイッチ
(4) によってのみ開閉可能な排気弁(5) を設けたことを
特徴とする電気車用シール形蓄電池の内圧検出およびガ
ス排出装置。
【請求項２】電槽(1) 内の圧力を検出する手段(2) と
して少なくとも１個の圧力スイッチを備えた請求項１記
載の装置。
【請求項３】警報手段(3) として少なくとも１個の警
告表示灯を備えた請求項１記載の装置。
【請求項４】警報装置(3) として少なくとも１個の警
報ブザーを備えた請求項１又は２記載の装置。
【請求項５】警報装置(3) 及び排気開放スイッチ(4)
を車両の運転席の適所に設置した請求項１ないし３記載
の装置。
【請求項６】警報装置(3) 及び排気開放スイッチ(4)
を車両の遠隔運転装置の適所に設置した請求項１ないし
３記載の装置。