JPH06171023A - ポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体及びその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体及びその製造方法

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JPH06171023A
JPH06171023A JP4352678A JP35267892A JPH06171023A JP H06171023 A JPH06171023 A JP H06171023A JP 4352678 A JP4352678 A JP 4352678A JP 35267892 A JP35267892 A JP 35267892A JP H06171023 A JPH06171023 A JP H06171023A
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Yasushi Yamamoto
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Noboru Shimamoto
登 島本
Eiji Kuchiki
栄治 朽木
Yuji Fujita
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2083/00Use of polymers having silicon, with or without sulfur, nitrogen, oxygen, or carbon only, in the main chain, as moulding material
    • B29K2083/005LSR, i.e. liquid silicone rubbers, or derivatives thereof

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 脂肪族不飽和結合を有するポリプロピレン系
樹脂又は該樹脂を含む組成物に付加型シリコーンゴムが
一体化されたポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムと
の一体成型体、及び、脂肪族不飽和結合を有するポリプ
ロピレン系樹脂又は該樹脂を含む組成物の成形物に、オ
ルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシ
ロキサン、付加反応用触媒、シリコーンゴム組成物を接
触させ、次いで上記ポリプロピレン系樹脂又は該樹脂を
含む組成物の軟化温度より低い温度で上記シリコーンゴ
ム組成物を硬化する。 【効果】 ポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムとの
一体成型体を簡単かつ確実に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気、電子、自動車、
精密機器等の分野で有用なポリプロピレン系樹脂とシリ
コーンゴムとの一体成型体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
付加硬化型シリコーンゴムと有機樹脂を接着させる方法
は数多く提案されている。例えば、成形樹脂表面にプラ
イマーを塗布し、その上から未硬化シリコーンゴム材料
を塗布し、これを硬化させて接着する方法や自己接着性
シリコーンゴム材料を成形樹脂の上から硬化させる方法
が知られている。この自己接着性シリコーンゴム材料に
ついては特にその接着成分についての提案が数多くなさ
れている。
【0003】また、有機樹脂に珪素原子に直結した水素
原子を30モル%以上含有するオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンを添加し、付加硬化型シリコーンゴム組
成物と接着させる方法(特公平2−343111)、有
機樹脂へのシリコーンゴムの物理的な嵌合方法による一
体化(特公昭63−45292)、脂肪族不飽和基と珪
素原子結合加水分解性基を有する化合物をグラフトした
オレフィン樹脂にシリコーンゴム組成物を接着一体化さ
せる方法(特開昭63−183843)、更に本発明者
らが先に提案したように不飽和基及び珪素原子に直結し
た水素原子を含有する化合物を添加した熱可塑樹脂とシ
リコーンゴム組成物とを接着一体化する方法等も提案さ
れている。
【0004】しかしながら、プライマーを用いて接着さ
せる方法は、いったん成形した樹脂成形物を金型等より
取り出しプライマーを塗布するという手間がかかる。
【0005】一方、自己接着性の付加硬化型シリコーン
ゴム材料は、ポリプロピレン系樹脂には一体成形物とし
て使用する条件下で十分な接着力を有するものとはなっ
ていない。
【0006】更に、上記提案のうち、オルガノハイドロ
ジェンポリシロキサンをオレフィン樹脂に添加する方法
は、シロキサンの添加により樹脂自体の特性に変化を生
じ、樹脂本来の特性を得ることが困難となる場合があ
る。また、物理的な嵌合により一体化させる方法は、物
理的な力により嵌合がはずれるというおそれがあり、脂
肪族不飽和基と珪素原子結合加水分解性基を有する化合
物をグラフトしたオレフィン樹脂を用いる方法は、付加
硬化型シリコーンゴムの一体化にはプライマーが必要で
あるという難点を有している。
【0007】一方で近年、シリコーンゴムの持つ耐熱
性、耐候性、電気特性等においての高い信頼性が認識さ
れ、電気・電子分野、自動車分野などでその用途が広が
りつつあり、熱可塑性樹脂、特にポリプロピレン樹脂と
シリコーンゴムとの強固に接着した一体成型体の供給が
望まれている。
【0008】本発明は、上記要望に応えるためになされ
たもので、ポリプロピレン系樹脂又は該樹脂を含む組成
物とシリコーンゴムとが互に十分実用に耐える接着力を
持って接着したポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴム
との一体成型体及びかかる成型体を簡単かつ確実に、し
かも短時間に製造し得、また射出成形可能なポリプロピ
レン系樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体の製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ポリプロ
ピレン系樹脂として脂肪族不飽和基を有する変性ポリプ
ロピレン系樹脂を使用すること、かつ、このポリプロピ
レン系樹脂に接着、一体化されるシリコーンゴムとし
て、〔I〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少
なくとも1個有し、かつアルコキシシリル基、グリシジ
ル基、酸無水物基の内から選ばれた一種又はそれ以上の
基を含有する化合物、又は、〔II〕一分子中に珪素原
子に直結した水素原子を少なくとも1個有し、かつ二価
の−(CR12n−結合(ここで、nは2〜30の整
数、R1及びR2は水素原子又は炭素数1〜10の置換又
は非置換の一価炭化水素基である)を含む化合物を含有
する付加硬化型シリコーンゴムを使用することにより、
従来は付加硬化型シリコーンゴム組成物の接着力が低
く、或いは短時間に接着できなかったポリプロピレン樹
脂に対して十分実用に耐える接着力を有するシリコーン
ゴムの一体成型体が得られると共に、特に上記〔II〕
の化合物を含有するシリコーンゴム組成物を用いる場合
には、射出成形方法を用いて上記ポリプロピレン樹脂に
対し短時間の硬化条件で十分良く接着し、しかもシリコ
ーンゴム自身は成形金型から十分な実用性を持って剥離
するといういまだかってないポリプロピレン/シリコー
ンゴムの一体成型体が得られることを見い出したもので
ある。
【0010】従って、本発明は、 (A)脂肪族不飽和結合を有するポリプロピレン系樹脂
又は該樹脂を含む組成物に下記〔I〕又は〔II〕の化
合物を含有する付加型シリコーンゴムが一体化されてな
ることを特徴とするポリプロピレン系樹脂とシリコーン
ゴムとの一体成型体、及び、 (B)脂肪族不飽和結合を有するポリプロピレン系樹脂
又は該樹脂を含む組成物の成形物に、(a)アルケニル
基含有オルガノポリシロキサン、(b)珪素原子に直結
した水素原子を一分子中に少なくとも2個有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン、(c)付加反応用触
媒、(d)下記〔I〕又は〔II〕の化合物を含有する
シリコーンゴム組成物を接触させ、次いで上記ポリプロ
ピレン系樹脂又は該樹脂を含む組成物の軟化温度より低
い温度で上記シリコーンゴム組成物を硬化することを特
徴とするポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムとの一
体成型体の製造方法を提供する。 〔I〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少なく
とも1個有し、かつアルコキシシリル基、グリシジル
基、酸無水物基の内から選ばれた一種又はそれ以上の基
を含有する化合物。 〔II〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少な
くとも1個有し、かつ二価の−(CR12n−結合
(ここで、nは2〜30の整数、R1及びR2は水素原子
又は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基
である)を含む化合物。
【0011】以下、本発明につき更に詳述する。本発明
に用いるポリプロピレン系樹脂は、脂肪族不飽和基が含
有されているもので、このようなポリプロピレン系樹脂
としては、下記(1)〜(3)のものが挙げられる。ま
た、該ポリプロピレン系樹脂を含む組成物としては、
(4)に示すものが挙げられる。しかしながら、プロピ
レンとCH=C(CH32の構造を持つジエンとのラン
ダム共重合体は接着性に乏しく、本発明の使用には不適
当である。 (1)プロピレンに下記一般式で表わされる非共役ジエ
ン化合物をランダムに共重合させたもの
【0012】
【化1】 (但し、R1〜R4は水素原子又はアルキル基であるが、
−CH=C(CH32の構造を有することはなく、従っ
てR1,R2がメチル基、R3が水素原子に同時になるこ
とはない。nは1〜20の整数を示す。)
【0013】かかる非共役ジエンとしては、例えば2−
メチル−1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,4−ヘプ
タジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メ
チル−1,4−ヘプタンジエン、4−エチル−1,4−
ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,5−オクタ
ジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、2−メチ
ル−1,5−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、6
−メチル−1,6−オクタジエン、2−メチル−1,6
−ヘプタジエン、1,9−デカジエン、1,13−テト
ラデカジエンなどが挙げられる。また他に、ビニルシク
ロヘキセン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタンジ
エン、エチリデンノルボルネンなどの環状の非共役ジエ
ンや1,3,7−オクタトリエン、1,5,9−デカト
リエン等のトルエン類も同様に使用できる。これらの中
でも特に1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジ
エン等が好ましい。これらの非共役ジエン化合物は、2
種以上混合して用いることもできる。
【0014】プロピレンと非共役ジエン化合物とをラン
ダム共重合させるにはチーグラー・ナッタ系触媒を用い
る通常の共重合法を適用すればよい。この場合、前記非
共役ジエンの割合は0.01〜20モル%となるように
するのが望ましい。より好ましい非共役ジエンの含有量
は0.05〜15モル%である。更に好ましい非共役ジ
エンの含有量は0.1〜10モル%である。非共役ジエ
ンの含有量が0.01モル%未満の場合、シリコーンゴ
ムとの強い接着力が得られない。また、20モル%を越
えると共重合体の結晶性が大幅に低下する。
【0015】このランダム共重合体には、エチレン、ブ
テン−1などの他の不飽和化合物を共重合させてもよ
い。この共重合体のメルトフローレート(MFR 23
0℃,2.16kg荷重)は、通常0.01〜1000
g/10minとするのが適当である。更に、このラン
ダム共重合体に異種のポリオレフィン類をブレンドして
もよい。 (2)ポリプロピレンに下記一般式で表わされるジエン
化合物をグラフト重合させたグラフト共重合体
【0016】
【化2】 (但し、R1〜R4は水素原子又はアルキル基であり、m
は0〜20の整数を示す。)
【0017】かかるジエンとしては、例えば1,3−ブ
タジエン、2−メチル−1,4−ペンタジエン、1,4
−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、
4−メチル−1,4−ヘプタジエン、4−エチル−1,
4−ヘプタジエン、1,5−ヘプタジエン、1,5−オ
クタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、2−
メチル−1,5−ヘキサジエン、1,6−オクタジエ
ン、6−メチル−1,6−オクタジエン、2−メチル−
1,6−ヘプタジエン、1,9−デカジエン、1,13
−テトラデカジエン等が挙げられる。また他に、ビニル
シクロヘキセン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタ
ンジエン、エチリデンノルボルネンなどの環状の非共役
ジエンや1,3,7−オクタトリエン、1,5,9−デ
カトリエン等のトルエン類も同様に使用できる。これら
の中でも特に1,9−デカジエン、1,13−テトラデ
カジエン等が好ましい。これらの非共役ジエン化合物
は、2種以上混合して用いることもできる。
【0018】ポリプロピレンにジエンをラジカル法でグ
ラフトさせるには、キシレン、トルエン等の有機溶媒に
ポリプロピレンを溶解し、その溶液にジエンとラジカル
発生剤を添加して反応させる溶液法、押出機などにより
ポリプロピレン、ジエン、ラジカル発生剤を溶融混練し
て反応させる溶融混練法など、任意の方法を用いること
ができる。この場合、前記ジエンの割合は0.01〜2
0モル%となるようにすることが望ましい。
【0019】ラジカル発生剤(反応開始剤)としては、
例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ
ターシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブ
チルペルオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5
−ジターシャリーブチルペルオキシヘキシン、t−ブチ
ルペルオキシパーベンゾエート等の過酸化物類や、アゾ
ビスイソブチロニトリル等のジアゾ化合物類などが好ま
しい。その配合割合は、不飽和結合を有するモノマー1
00重量部に対して1〜50重量部の範囲が望ましい。
このグラフト共重合体のMFRは、通常0.01〜10
00g/10minとするのが適当である。更に、この
グラフト共重合体に異種のポリオレフィン類をブレンド
してもよい。 (3)第一段階として、不飽和結合と官能基とを併せ持
つモノマー化合物をプロピレンとブロック共重合させる
か、あるいは、ポリプロピレンにラジカル法によりグラ
フト重合させ、その後に第二段階として官能基と反応す
る官能基を持ちかつ不飽和結合を有する化合物と反応さ
せ、ポリプロピレンに不飽和結合を導入した変性ポリプ
ロピレン。
【0020】第一段階として用いる化合物としては、例
えばアクリルアミド、メタクリルアミド、アリルアミン
などの不飽和アミド又は不飽和アミン、グリシジルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルアリ
ルエーテル、N−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミド等の
不飽和エポキシ化合物、無水マレイン酸、無水ハイミッ
ク酸、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、ビニルオキサ
ゾリン系化合物、アリルアルコール等の水酸基を有する
不飽和化合物が挙げられる。プロピレンと不飽和結合を
有する上記化合物とをブロック共重合させるには、リビ
ング重合法を適用すればよい(特開昭60−25261
4号公報)。この場合、生成したポリプロピレン共重合
体中に導入される化合物の割合は0.01〜20モル%
が好ましい。なお、この共重合体には、エチレンブテン
−1などの他の不飽和化合物を共重合させてもよい。こ
の共重合体のMFRは、通常0.01〜1000g/1
0minとするのが適当である。
【0021】また、ポリプロピレンに不飽和結合を有す
る上記化合物をラジカル法でグラフトさせるには、キシ
レン、トルエン等の有機溶媒にポリプロピレンを溶解
し、その溶液に上記化合物とラジカル発生剤を添加して
反応させる溶液法、押出機などによりポリプロピレン、
上記化合物、ラジカル発生剤を溶融混練して反応させる
溶融混練法など、任意の方法を用いることができる。こ
の場合、上記化合物の含有量は0.01〜20モル%と
なるようにするのが望ましい。
【0022】ラジカル発生剤(反応開始剤)としては、
例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ
ターシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブ
チルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ペルオキシ
安息香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオ
キシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ジターシ
ャリーブチルペルオキシヘキシン、t−ブチルペルオキ
シパーベンゾエート等の過酸化物類やアゾビスイソブチ
ロニトリル等のジアゾ化合物類などが好ましい。その配
合割合は、不飽和結合を有する化合物100重量部に対
して1〜50重量部の範囲が望ましい。このグラフト共
重合体のMFRは、通常0.01〜1000g/10m
inとするのが適当である。
【0023】第二段階として用いる化合物は、第一段階
で用いた化合物と別種の前記化合物を用いればよい。
【0024】また、第二段階の反応には、キシレン、ト
ルエン等の有機溶媒に第一段階で作成したポリプロピレ
ンを溶解し、その溶液に上記化合物を添加して反応させ
る溶液法、押出機等により第一段階で作成したポリプロ
ピレン、上記化合物を溶融混練して反応させる溶融混練
法など、任意の方法を用いることができる。
【0025】この不飽和結合を導入したポリプロピレン
のMFRは、通常0.01〜1000g/10minと
するのが適当である。更にこのポリプロピレンに異種ポ
リオレフィン類をブレンドしてもよい。 (4)以下(i)〜(iii)のいずれかを通常のポリ
プロピレンにブレンドした樹脂組成物。この場合、二種
類以上を混合して用いることもできる。 (i)上記(1)〜(3)の変性ポリプロピレン(オリ
ゴマーも含む)。 (ii)分子内に不飽和結合を有するポリマー及びオリ
ゴマー。例えば、ジエンとしてエチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等を
用いたエチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブタジエン
系共重合体、1,2−ポリブタジエン、末端二重結合ポ
リオレフィン等が挙げられる。 (iii)分子中に不飽和結合を有するシランカップリ
ング剤で表面処理されたシリカ、GFなど。かかるシラ
ンカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン等の不飽和結合を有するシラン
カップリング剤などが挙げられる。
【0026】一方、上記ポリプロピレン系樹脂又は該樹
脂を含む組成物と一体化されるシリコーンゴムは、付加
型シリコーンゴムであるが、このシリコーンゴムは、
(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、
(b)珪素原子に直結した水素原子を一分子中に少なく
とも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン、(c)付加反応用触媒、(d)後述する〔I〕又は
〔II〕の化合物を含有するシリコーンゴム組成物を硬
化させたものが好ましい。
【0027】この(a)成分のアルケニル基含有オルガ
ノポリシロキサンは、通常、付加硬化型シリコーンゴム
組成物の主原料として使用されている公知のオルガノポ
リシロキサンを使用でき、該オルガノポリシロキサンと
しては、常温で100cpから100,000cpの粘
度を有するものが好ましい。
【0028】特に、このオルガノポリシロキサンとして
は、一般式RaSiO(4-a)/2で示されるものが好適に用
いられる。この式中、Rは置換又は非置換の一価炭化水
素基であり、好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基
である。具体的には、メチル、エチル、プロピル等のア
ルキル基、ビニル、プロペニル、ブテニル等のアルケニ
ル基、フェニル、キシリル等のアリール基、3,3,3
−トリフルオロプロピル等のハロゲン置換、シアノ基置
換炭化水素基などが挙げられる。上記一価炭化水素基は
互に異なっていても同一であってもよいが、分子中にア
ルケニル基を含んでいることが必要である。この場合、
アルケニル基の量はR中0.01〜10モル%、特に
0.1〜1モル%であることが好ましい。なお、aは
1.9〜2.4の範囲であり、このオルガノポリシロキ
サンは直鎖状であっても、更にRSiO3/2単位或いは
SiO4/2単位を含んだ分岐状であってもよい。珪素原
子の置換基は、基本的には上記のいずれであってもよい
が、アルケニル基としては好ましくはビニル基、その他
の置換基としてはメチル基、フェニル基の導入が望まし
い。
【0029】このようなオルガノポリシロキサンとして
は、下記のものを例示することができる。
【0030】
【化3】 (Rは上記と同様の意味を示し(但し、脂肪族不飽和基
は除く)、m,nはm+n=100〜5000、n=1
00〜5000、m/(n+m)=0.001〜0.1
である。)
【0031】なお、このオルガノポリシロキサンは、当
業者にとって公知の方法によって製造することができ
る。例えば、これらの製造方法は、オルガノシクロポリ
シロキサンとへキサオルガノジシロキサンとをアルカリ
又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行うことによって得
ることができる。
【0032】(b)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンは、(a)成分と反応し、架橋剤として作用
するものであり、その分子構造に特に制限はなく、従来
使用されている例えば線状、環状、分岐状構造等の各種
のものが使用可能であるが、一分子中に少なくとも2個
の珪素原子に直接結合した水素原子を含むものとする必
要がある。この化合物の水素以外の珪素原子に結合する
置換基は(a)成分のオルガノポリシロキサンにおける
置換基と同様である。この(b)成分の添加量は、
(a)成分に含まれるアルケニル基1個に対して0.4
〜5当量となる量であり、好ましくは0.8〜2当量の
範囲である。0.4当量より少ない場合は、架橋密度が
低くなりすぎ硬化したシリコーンゴムの耐熱性に悪影響
を与える。また、5当量より多い場合には、脱水素反応
による発泡の問題が生じたり、やはり耐熱性に悪影響を
与える恐れが生じる。
【0033】なお、このものは当業者にとって公知の製
造方法によって得ることが可能である。例えば、ごく一
般的な製造方法を挙げると、オクタメチルシクロテトラ
シロンキサン及び/又はテトラメチルシクロテトラシロ
キサンと末端基となりうるヘキサメチルジシロキサン或
いは1,1−ジハイドロ−2,2,3,3−テラトメチ
ルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在
下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させることに
よって容易に得ることができる。
【0034】(c)成分の付加反応用触媒は、白金や白
金化合物などを挙げることができ、これらは前記した
(a)成分と(b)成分との硬化付加反応(ハイドロサ
イレーション)を促進させるための触媒として使用され
るものであるが、これは当業者において公知とされるも
のでよい。従って、これには白金ブラック、塩化白金
酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレ
フィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレン
アルコール類等との錯体などが例示される。また、ロジ
ウム錯体などを使用することもできる。なお、この添加
量は希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよいが、
通常は(a)成分に対して白金量又はロジウム量で0.
1〜1000ppm、好ましくは1〜200ppmの範
囲とすればよい。
【0035】本発明に使用される(d)成分は、下記
〔I〕又は〔II〕の化合物、即ち、 〔I〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少なく
とも1個有し、かつアルコキシシリル基、グリシジル
基、酸無水物基の内から選ばれた一種又はそれ以上の基
を含有する化合物 〔II〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少な
くとも1個有し、かつ二価の−(CR12n−結合
(ここで、nは2〜30の整数、R1及びR2は水素原子
又は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基
である)を含む化合物 である。
【0036】この(d)成分の最低必要な特性は分子中
に珪素原子に直結した水素原子を少なくとも1個含有
し、しかも接着対象となる有機樹脂(変性ポリプロピレ
ン樹脂)への親和性を向上させることである。ここで、
接着対象物である有機樹脂とシリコーンゴムそのものを
結合させるという観点から言えば、珪素原子に直結した
水素原子を2個以上有することが更に好ましい。
【0037】このような目的のためには、通常従来より
提案されている接着性付与成分の多くがこれに該当す
る。しかしながら、従来のポリプロピレンを用いた場合
は、これらの接着性付与成分を用いた場合にも十分な接
着性は得られなかった。これに対し、本発明の接着対象
とするポリプロピレン樹脂はハイドロシリレーション可
能な不飽和基を含有しており、従来の方法では実用上の
接着性に乏しかったポリプロピレン樹脂に対しても十分
実用に耐える接着性を付与できることになったものであ
る。
【0038】このような(d)成分として、上記〔I〕
の化合物が挙げられ、この〔I〕の化合物として下記の
ものが例示される。
【0039】
【化4】
【0040】
【化5】
【0041】しかしながら、このような化合物を(d)
成分として用いた場合には、十分な接着力が得られるも
のの、シリコーンゴムをある形状に成形加工したい場合
に、金型等の金属成形治具を用いた場合にはこの成形治
具に接着してしまうという難点を有している。最も成形
治具にテフロン樹脂コート等を施すなど、接着性に乏し
い素材を表面に使用するという方法も問題解決の一つの
手段ではあるが、使用寿命等の点から信頼性に欠ける場
合があり、また成形物表面の精度が重要である場合には
使用できない。
【0042】このような場合には上記のような接着性官
能基、例えばトリアルコキシシリル基、グリシジル基、
酸無水物基等の基を有さない化合物が有用である。但
し、上記のような基を有していても置換基や周りの基の
立体的な拘束や電子的な作用により十分その反応性が抑
えられている場合にはその限りではない。このような化
合物としては、上記〔II〕の化合物が挙げられ、下記
のものを例示することができる。
【0043】
【化6】
【0044】なお、(d)成分の配合量は(a)成分1
00重量部に対して0.05〜10重量部とすることが
好ましい。
【0045】本発明においてシリコーンゴムの物理的強
度が必要な場合には、微粉状シリカが用いられる。この
場合比表面積が50m2/g以上である微粉状シリカが
有用である。このような材料の例示としては、親水性の
シリカとして、Aerosil 130,200,30
0(日本アエロジル社、Degussa社製)、Cab
osil MS−5,MS−7(Cabot社製)、R
heorosil QS−102,103(徳山曹達社
製)、Nipsil LP(日本シリカ社製)等が挙げ
られる。また、疎水性シリカとしては、Aerosil
R−812,R−812S,R−972,R−974
(Degussa社製)、Rheorosil MT−
10(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ
(日本シリカ社製)等が挙げられる。
【0046】これらの材料を実用に供するため、硬化時
間の調整を行う必要がある場合には、制御剤としてビニ
ルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オルガ
ノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アル
キルマレエート、アセチレンアルコール類及びそのシラ
ン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テト
ラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそ
れらの混合物からなる群から選んだ化合物などを使用し
ても差し支えない。
【0047】更に、石英粉末、珪藻土、炭酸カルシウム
等の非補強性の充填剤、コバルトブルー等の無機顔料、
有機染料などの着色剤、酸化セリウム、炭酸亜鉛、炭酸
マンガン、ベンガラ、酸化チタン、カーボンブラック等
の耐熱性、難燃性向上剤等の添加も可能である。
【0048】このような組成からなる未硬化の付加型シ
リコーンゴム組成物をプロピレン系樹脂の上に一体化成
形する方法としては、予め成形されたポリプロピレン系
樹脂の上に未硬化の付加型シリコーンゴム組成物を所望
の形状にして乗せ、ポリプロピレン系樹脂の軟化する温
度以下の温度で加熱する方法(金型、コーティング、デ
ィッピング等)、予め成形されたポリプロピレン系樹脂
の上に未硬化の付加型シリコーンゴム組成物を乗せ、ポ
リプロピレン系樹脂の軟化する温度以下の温度で加熱、
圧縮する方法、射出成形機によりポリプロピレン系樹脂
を金型に先に射出成形し、次いで該金型内に付加型シリ
コーンゴム組成物を加熱射出する方法等が挙げられる。
【0049】この場合、不飽和基含有ポリプロピレン樹
脂の成形体を製造する方法としては、通常の熱可塑性樹
脂の成形加工法が適用される。このような方法の一例と
して、例えば上記ポリプロピレン樹脂をペレット化し、
ポリプロピレン樹脂の軟化点以上に加熱された成形金型
へ注入し、次いで金型をポリプロピレン樹脂の軟化点以
下に冷却する公知の方法が便利である。この場合、一般
に射出成形機、トランスファ成形機と呼ばれている機器
の使用が可能である。次に、ポリプロピレン樹脂成形体
上に成形されるシリコーンゴム組成物は、未硬化の状態
で液状、パテ状、ペースト状のいずれでもよいが、成形
の容易さから当業者によって液状シリコーンゴム組成物
と呼ばれている液状もしくはペースト状のものが望まし
い。
【0050】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂とシリコ
ーンゴムとの一体成型体は、脂肪族不飽和基を含有する
ポリプロピレン系樹脂又は該樹脂を含有する組成物を使
用すると共に、上記〔I〕又は〔II〕の化合物を含有
する付加型シリコーンゴムを積層、接着、一体化するよ
うにしたので、ポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴム
とが強固に接着した成型体を得ることができる。このた
め、この成型体は、電気、電子、自動車、精密機器等の
部品に有効に使用され、ポリプロピレン系樹脂とシリコ
ーンゴムとの特性をそれぞれ有効に発揮させることがで
きる。
【0051】また、本発明の製造方法によれば、かかる
ポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴムとの一体成型体
を簡単かつ確実に製造でき、特にポリプロピレン系樹脂
又は該樹脂を含む組成物の成形物の成形及びこの成形物
に対するシリコーンゴム組成物の接触を射出成形により
行うことを可能にすると共に、この場合(d)成分とし
て上記〔II〕の化合物を用いるようにすれば、脱型に
際し、シリコーンゴムがスムーズに金型から剥離するも
ので、金型に付着し難いものである。
【0052】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0053】〔実施例1〕接着性シリコーンゴム組成物の調製 両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃で
の粘度が10,000センチポイズであるジメチルシロ
キサンポリマー100重量部、比表面積が300cm2
/gである煙霧質シリカ40重量部、ヘキサメチルジシ
ラザン8重量部、水1重量部をニーダーに仕込み、常温
で1時間撹拌混合を行った後、150℃に昇温し、2時
間保温混合を行った。その後、混合物を常温迄冷却し、
これに両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された2
5℃での粘度が10,000センチポイズであるジメチ
ルシロキサンポリマーを更に20重量部及び式(A)で
表わされる常温での粘度が約10センチポイズであるメ
チルハイドロジェンポリシロキサンを3重量部、珪素原
子に直結したビニル基を5モル%含有する常温での粘度
が1,000センチポイズであるビニルメチルポリシロ
キサンを4重量部、常温における硬化までの時間を延長
させるためアセチレンアルコールを0.1重量部、白金
ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加
し、均一になるまでよく混合し、液状付加型シリコーン
ゴム組成物(I)を得た。
【0054】
【化7】 この組成物(I)を120℃/10分の硬化条件でプレ
スにてシートを作成した際の機械特性は以下の通りであ
った。硬さ(JIS A)40;伸び500%;引張り
強さ100kgf/cm2;引裂き強さ35kgf/c
【0055】次に、組成物(I)100重量部に下記式
(B)又は(C)で表わされる化合物(本発明(d)成
分,接着性付与成分)をそれぞれ2重量部添加し、本発
明に係る接着性シリコーンゴム組成物を調製した。
【0056】
【化8】
【0057】ポリプロピレン樹脂の調製 プロピレンと1,9−デカジエンをチーグラー・ナッタ
触媒三塩化チタンを主成分とするプロピレン重合用触媒
を用いて、70℃でランダム共重合させた。得られたラ
ンダム共重合体の1,9−デカジエン含有量は、NMR
で測定した結果、1.5モル%であった。また、MFR
は0.3g/10minであった。
【0058】次に、熱可塑性樹脂用射出成形機に上記の
変性ポリプロピレン樹脂を投入し、200℃で可塑化し
た後、多数個取りシート型金型キャビティに射出し、厚
み2mm×幅25mm×長さ100mmシートを数枚得
た。なお、射出条件は、射出時間6秒、冷却時間30
秒、射出圧力1000kg/cm2、型締圧力35to
n、キャビティ温度60℃であった。
【0059】次いで、作成したシート、同寸のクロムメ
ッキ金属、ニッケルメッキ金属及びアルミ合金を引っ張
り剪断接着試験片作成治具に固定し、これに上記接着性
シリコーンゴム組成物を同治具に適量流し込み、120
℃恒温槽にて8分間加熱して硬化させた。このようにし
て得られた図1の試験片を用いて、接着性を調べた。そ
の結果を表1に示す。なお、図1において、aはポリプ
ロピレン樹脂又は金属試片、bはシリコーン組成物の硬
化物(2×25×100mm)、cは接着部分、d,e
はそれぞれ支持体である。
【0060】〔比較例1〕変性ポリプロピレン樹脂を未
変性ポリプロピレン樹脂に変更し、実施例1と同様の射
出成形条件で、厚み2mm×幅25mm×長さ100m
mシートを数枚得た。更に実施例1と同様にして実施例
1で調整した液状付加型シリコーンゴム組成物を120
℃恒温槽にて8分加熱して硬化させ、図1の接着試験片
を作成し、接着性を調べた。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】〔実施例2〕実施例1と同一樹脂、同一射
出成形方法及び条件にて、変性されたポリプロピレン樹
脂シート(厚み2mm×幅25mm×長さ100mm)
数枚を得た。
【0063】次に、作成したシート、同寸のクロムメッ
キ金属、ニッケルメッキ金属及びアルミ合金を引っ張り
剪断接着試験片作成治具に固定し、前記液状付加型シリ
コーンゴム組成物(I)100重量部に化学構造式が下
記式(D)又は(E)で表わされる化合物をそれぞれ
0.5及び1重量部添加した接着性シリコーンゴム組成
物を同治具に適量流し込み、120℃恒温槽にて8分加
熱して硬化させた。このようにして得られた図1の試験
片を用いて、接着性を調べた。その結果を表2に示す。
【0064】
【化9】
【0065】〔比較例2〕変性ポリプロピレン樹脂(充
填剤無し)を未変性ポリプロピレン樹脂(充填剤無し)
に変更し、実施例1と同様の射出成形条件で厚み2mm
×幅25mm×長さ100mmシートを数枚得た。作成
したシートに実施例1で調製した液状付加型シリコーン
ゴム組成物(I)を120℃恒温槽にて8分加熱して硬
化させ、図1の接着試験片を作成し、接着性を調べた。
その結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】〔実施例3〕この実施例において使用した
成形機は2基の射出装置を備えた2色射出成形装置であ
り、図2に示すように、射出装置のノズル部(1)及び
(2)が金型(3),(4)のキャビティ部(5),
(6)に連結する。ノズル部(1)は、金型パーティン
グラインから、ノズル部(2)は、金型右側面中央部か
ら射出する。また、使用した金型は、左側金型片(3)
と右側金型片(4)とからなり、それぞれの相対向する
面の2箇所には成形凹部が形成されており、該各成形凹
部により図2に示したようにキャビティ部(5)及び
(6)が形成されている(図2参照)。
【0068】まず、ジエン化合物で1.5モル%変性さ
れた実施例1と同様のポリプロピレン樹脂を該射出成形
装置に投入し、200℃にて溶融し、ノズル部(1)か
らキャビティ部(5)に射出し、樹脂シート成形物
(7)を形成させた。その条件は、射出時間6秒、冷却
時間35秒、キャビティ部(5)及び左側金型片(3)
の温度は60℃であった(図3参照)。
【0069】次に、右側の金型片(4)を外し、型開き
を行うと共に、左側の金型片(3)の凹部に樹脂シート
成形体(7)を保持したまま金型片(3)を180°回
転させ、右側の金型片(4)を合わせて再び型締めし、
シリコーンゴムシート成形物形成用のキャビティ部を樹
脂シート成形物(7)に形成された面と金型片(4)の
成形凹部面とで形成せしめた(図4参照)。
【0070】この状態で射出装置のノズル部(2)から
樹脂シート成形物(7)に形成された面に前記液状付加
型シリコーンゴム組成物(I)100重量部に実施例2
で用いた(D)及び(E)の化合物を0.5及び1重量
部添加した組成物を射出し、ゴムシート成形物(8)を
形成させた。その条件は射出時間6秒、硬化時間100
秒、左側金型片(3)の温度は60℃、右側金型片
(4)の温度は80℃であった(図5参照)。
【0071】以上の製造工程によって、図6に示すよう
な樹脂シートとゴムシートからなる複合成型体(幅が
2.5mm、長さが15cm、厚みが2mmで、樹脂と
シリコーンゴムは同寸)を得た。実施例2で用いた
(D)及び(E)の化合物0.5及び1重量部添加した
組成物の複合成型体はいずれも強固に接着したものであ
り、寸法精度、生産性が良好であった。また、クロムメ
ッキされた炭素鋼製金型とゴムシートは全て容易に剥離
した。
【0072】〔比較例3〕実施例3の変性ポリプロピレ
ン樹脂を未変性ポリプロピレン樹脂に変更した以外は同
様の射出成形方法及び条件で図6の複合体を作成し、接
着性を調べたが、樹脂とシリコーンゴムは容易に剥離し
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着試験片を示し、(A)は正面図、(B)は
平面図である。
【図2】本発明の成型体の成形に使用した射出成形機の
概略断面図である。
【図3】同成形機にポリプロピレン系樹脂を射出成形し
た状態の概略断面図である。
【図4】同成形機において、金型部分を反転した状態の
概略断面図である。
【図5】同状態においてシリコーンゴム組成物を射出成
形した状態の概略断面図である。
【図6】図5の操作後に得られた成型体の斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ノズル部 2 ノズル部 3 金型片 4 金型片 5 キャビティ部 6 キャビティ部 7 ポリプロピレン系樹脂シート成形物 8 シリコーンゴムシート成形物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 83:00 (72)発明者 首藤 重揮 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 松田 晃 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 山本 靖 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 島本 登 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 朽木 栄治 東京都中央区築地四丁目1番1号 東燃化 学株式会社内 (72)発明者 藤田 祐二 東京都中央区築地四丁目1番1号 東燃化 学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族不飽和結合を有するポリプロピレ
    ン系樹脂又は該樹脂を含む組成物に下記〔I〕又は〔I
    I〕の化合物を含有する付加型シリコーンゴムが一体化
    されてなることを特徴とするポリプロピレン系樹脂とシ
    リコーンゴムとの一体成型体。 〔I〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少なく
    とも1個有し、かつアルコキシシリル基、グリシジル
    基、酸無水物基の内から選ばれた一種又はそれ以上の基
    を含有する化合物。 〔II〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少な
    くとも1個有し、かつ二価の−(CR12n−結合
    (ここで、nは2〜30の整数、R1及びR2は水素原子
    又は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基
    である)を含む化合物。
  2. 【請求項2】 脂肪族不飽和結合を有するポリプロピレ
    ン系樹脂又は該樹脂を含む組成物の成形物に、(a)ア
    ルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(b)珪素原
    子に直結した水素原子を一分子中に少なくとも2個有す
    るオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(c)付加
    反応用触媒、(d)下記〔I〕又は〔II〕の化合物を
    含有するシリコーンゴム組成物を接触させ、次いで上記
    ポリプロピレン系樹脂又は該樹脂を含む組成物の軟化温
    度より低い温度で上記シリコーンゴム組成物を硬化する
    ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂とシリコーンゴ
    ムとの一体成型体の製造方法。 〔I〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少なく
    とも1個有し、かつアルコキシシリル基、グリシジル
    基、酸無水物基の内から選ばれた一種又はそれ以上の基
    を含有する化合物。 〔II〕一分子中に珪素原子に直結した水素原子を少な
    くとも1個有し、かつ二価の−(CR12n−結合
    (ここで、nは2〜30の整数、R1及びR2は水素原子
    又は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基
    である)を含む化合物。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂又は該樹脂を含む
    組成物の成形物の成形及びこの成形物に対するシリコー
    ンゴム組成物の接触を射出成形により行うようにした請
    求項2記載の製造方法。
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