JPH06170399A - 汚泥の凝集方法 - Google Patents

汚泥の凝集方法

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JPH06170399A
JPH06170399A JP43A JP32957092A JPH06170399A JP H06170399 A JPH06170399 A JP H06170399A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 32957092 A JP32957092 A JP 32957092A JP H06170399 A JPH06170399 A JP H06170399A
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Tomohiko Kusumi
知彦 楠見
Kazuhiro Honbo
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロック強度が高く、脱水効率が良好で、さ
らに汚泥性状の変化に対応しやすい汚泥の凝集方法を提
供する。 【構成】 汚泥に無機凝集剤を添加した後、ポリアクリ
ルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物にpH10にお
けるコロイド当量値が−0.2〜−1.4meq/gの
アニオン性高分子凝集剤を1〜15重量%混合したもの
を添加し、次いでアニオン性高分子凝集剤を添加するこ
とを特徴とする汚泥の凝集方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汚泥の凝集方法に関する
ものであり、特に下水処理場、し尿処理場、産業排水処
理施設などから発生する余剰汚泥や初沈汚泥、あるいは
消化汚泥、し尿、下水等の3次処理で発生する有機性汚
泥等の脱水に好適な凝集方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、汚泥を脱水する際、汚泥中の懸濁
物質(以下SSという)を凝集させるために有機高分子
凝集剤が用いられるようになった。そして、上述のよう
な有機性汚泥の脱水に使用される高分子凝集剤の一つと
して、ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性
物が知られている。しかしながら、高分子凝集剤として
ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物を単
独で使用する場合、生成するフロックが弱く壊れやすい
という欠点がある。
【0003】その欠点を補う方法として、例えば以下の
ような方法が提案されている。
【0004】(1)ポリアクリルアミド系ポリマーのマ
ンニッヒ変性物にポリアクリルアミドを10〜30重量
%混合したものを使用する方法(特開昭55−9460
6号)。
【0005】(2)汚泥に無機凝集剤を添加した後、ポ
リアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物を添加
し、さらにアニオン性高分子凝集剤を添加し汚泥中のS
Sを凝集させる方法(特開昭57−135097号)。
【0006】(3)無機凝集剤を添加した後、ポリアク
リルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物とpH10に
おけるコロイド当量値が−5.0〜−1.5meq/g
でありかつ固有粘度[η]が10dl/g以上であるア
ニオン性高分子凝集剤とを予め混合した汚泥脱水剤を用
いる方法(特開昭59−16599号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術のうち(1)と(2)の方法は、フロック強度が十分
でないため脱水機で圧力を加えすぎるとフロックが壊れ
やすく、濾布、パンチグメタル等から固形物がリークし
やすいという問題点がある。従って、凝集汚泥の脱水効
率を高めることが困難であり、脱水ケーキの含水率を低
減し固形物の回収率を高めることが難しい。
【0008】また従来技術の(3)の方法は、前2法よ
りも強いフロックが生成するが、フロック強度はやはり
十分とはいえない。また(3)の方法では、ポリアクリ
ルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物と特定のアニオ
ン性高分子凝集剤を予め混合しなければならないため、
有機物含有率等の汚泥性状の変化に応じて両者の混合比
を変えることが困難であり、したがって、汚泥性状の変
化に即時に対応しにくいという問題点もある。さらに、
無機凝集剤、ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッ
ヒ変性物、アニオン性高分子凝集剤をそれぞれ単独で添
加する方法に比べ、カチオンであるポリアクリルアミド
系ポリマーのマンニッヒ変性物の使用量が増加する傾向
にある等の問題点があった。
【0009】本発明の目的は、フロック強度が高く、脱
水効率が良好で、さらに汚泥性状の変化に対応しやすい
汚泥の凝集方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
問題点について鋭意検討を行った結果、本発明を完成す
るに至ったものである。すなわち本発明は、汚泥に無機
凝集剤を添加した後、ポリアクリルアミド系ポリマーの
マンニッヒ変性物にpH10におけるコロイド当量値が
−0.2〜−1.4meq/gのアニオン性高分子凝集
剤を1〜15重量%混合したものを添加し、次いでアニ
オン性高分子凝集剤を添加することを特徴とする汚泥の
凝集方法に関するものである。
【0011】本発明において処理対象となる汚泥は、例
えばし尿、下水、各種産業排水の排水処理の際に発生す
る初沈汚泥、余剰汚泥、消化汚泥等の各種汚泥である
が、これらに限定されるものではない 本発明に用いられる無機凝集剤としては、例えば硫酸ア
ルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(以下「PAC」と
略称する)などのアルミニウム塩、塩化第二鉄や硫酸第
二鉄あるいはポリ硫酸第二鉄などの鉄塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。本発明における無機凝集剤の添加量
は、汚泥の性状により異なるが、汚泥当たり100〜2
0000mg/lの範囲で適宜選択すればよい。
【0012】本発明において、ポリアクリルアミド系ポ
リマーのマンニッヒ変性物にpH10におけるコロイド
当量値が−0.2〜−1.4meq/gのアニオン性高
分子凝集剤を1〜15重量%混合した高分子凝集剤(以
下「第1の高分子凝集剤」と略称する)におけるポリア
クリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物としては、
ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、アクリルアミ
ドとアクリル酸ナトリウムの共重合物のマンニッヒ変性
物等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、マンニッヒ変性の際に用いられるアミンとして
は、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルア
ミン等等の第2級アミンが好ましく用いられるが、特に
これらに限定されるものではない。
【0013】なお、ポリアクリルアミド系ポリマーのマ
ンニッヒ変性物を酸塩としたものも用いることができる
が、酸塩を用いる場合は水溶液のpHが10程度になる
ように凝集剤粉末中、もしくは溶解水中に炭酸塩や重炭
酸塩等のアルカリ剤を混合する必要がある。
【0014】本発明の第1の高分子凝集剤において、ポ
リアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物と混合
して使用するアニオン性高分子凝集剤としては、ポリア
クリルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドとアク
リル酸ナトリウムの共重合物、アクリルアミドとビニル
スルホン酸ナトリウムの共重合物、アクリルアミドとア
クリル酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ナトリウムとの三元共重合物等が挙
げられ、またこれらの混合物も使用できる。通常、アニ
オン性高分子凝集剤のアニオン性の強弱は、コロイド当
量値で表されるが、本発明におけるポリアクリルアミド
系ポリマーのマンニッヒ変性物と混合して使用するアニ
オン性高分子凝集剤のpH10におけるコロイド当量値
は、−0.2〜−1.4meq/gであることが必要で
ある。この範囲からはずれると、強固なフロックが形成
されず、脱水効率が低下する。
【0015】ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッ
ヒ変性物とアニオン性高分子凝集剤の混合比は、重量比
で99:1〜85:15である。この範囲からはずれる
と強固なフロックが形成されず、脱水効率が低下する。
【0016】ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッ
ヒ変性物とアニオン性高分子凝集剤の混合方法として
は、粉末状の両者を溶解以前に混合する方法、それぞれ
の粉末を同一の溶解槽で混合溶解する方法、それぞれの
粉末を別々の溶解槽で溶解した後に溶液の状態で混合す
る方法等が挙げられる。
【0017】本発明における、これら第1の高分子凝集
剤の添加量は、汚泥当たり10〜500mg/lの範囲
で適宜選択すればよい。
【0018】本発明において、最後に添加するアニオン
性高分子凝集剤(以下「第2の高分子凝集剤」と略称す
る)としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリ
ルアミドの部分加水分解物、アクリルアミドとアクリル
酸ナトリウムの共重合物、アクリルアミドとビニルスル
ホン酸ナトリウムの共重合物、アクリルアミドとアクリ
ル酸ナトリウムと2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸ナトリウムとの三元共重合物が挙げら
れ、これらは単独もしくは複数の混合物として使用され
る。第2の高分子凝集剤として使用するアニオン性高分
子のアニオン性は対象とする汚泥により異なるがコロイ
ド当量値が−0.5meq/g以下が好ましく、さらに
好ましくはコロイド当量値−1.0〜−4.0meq/
gである。本発明の第1の高分子凝集剤でポリアクリル
アミド系ポリマーのマンニッヒ変性物に混合するアニオ
ン性高分子凝集剤と第2の高分子凝集剤として使用する
アニオン性高分子凝集剤は同一のものでも異なるもので
もよい。
【0019】本発明における、これら第2の高分子凝集
剤の添加量は、汚泥当たり10〜500mg/lの範囲
で適宜選択すればよい。
【0020】汚泥濃度、有機物含有率等の汚泥性状は、
当該汚泥の発生源である排水処理施設の処理状況によっ
て常に変化するが、本発明方法では、第1の高分子凝集
剤と第2の高分子凝集剤の添加量や添加比率を調整する
ことにより、迅速に対応することができる。
【0021】本発明方法により得られた凝集汚泥は、脱
水機により固液分離、脱水される。脱水方法は特に限定
されないが、スクリュープレス型脱水機、ベルトプレス
型脱水機、遠心脱水機、フィルタープレス型脱水機等の
脱水機を用いて脱水すればよい。
【0022】
【作用】本発明方法では、次のような過程によりSSが
凝集されフロックが生成するものと思われる。
【0023】無機凝集剤により有機性汚泥のSSの負
電荷の一部が中和される。
【0024】第1の高分子凝集剤により細かなフロッ
クが生成する。
【0025】第2の高分子凝集剤により粗大で強固な
フロックが生成する。
【0026】本発明方法により強固なフロックが生成す
る作用機構は明らかではないが、上記3段階の過程のう
ち、の段階において汚泥中でカチオン性を帯びたポリ
アクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物と汚泥S
Sとの反応、およびポリアクリルアミド系ポリマーのマ
ンニッヒ変性物と溶液中に混在するpH10におけるコ
ロイド当量値が−0.2〜−1.4meq/gであるア
ニオン性高分子凝集剤との反応が同時に起こることによ
り最終的に強固なフロックが生成するものと推測され
る。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。実施例と比較例において使用し
た各アニオン性高分子凝集剤およびノニオン性高分子凝
集剤を表1に示す。また実施例および比較例で使用した
ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物を表
2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】実施例で使用した汚泥の分析値を表3に示
す。
【0031】
【表3】
【0032】脱水テストは、供試汚泥に給泥管中でPA
Cを所定量添加し、管内撹拌機により撹拌し、さらに第
1の高分子凝集剤を添加し、撹拌を行った後、第2の高
分子凝集剤を撹拌することにより生成した凝集フロック
を、スクリュープレス型脱水機(商品名「SPS−30
5CPHS」、オルガノ株式会社製)により脱水処理す
ることにより行った。
【0033】比較例としてPAC添加後、ポリアクリル
アミド系ポリマーのマンニッヒ変性物とpH10におけ
るコロイド当量値が−3.0meq/gであるアニオン
性高分子凝集剤とを予め混合した汚泥脱水剤を用いる方
法を比較例1、ポリアクリルアミド系ポリマーのマンニ
ッヒ変性物にポリアクリルアミドを20重量%混合した
ものを使用する方法を比較例2、無機凝集剤添加後、ポ
リアクリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物を添加
しさらにアニオン性高分子凝集剤を添加し汚泥中のSS
を凝集させる方法を比較例3として表4に示し、第1の
高分子凝集剤に混合するアニオン性高分子凝集剤のコロ
イド当量値、混合比率が本発明方法の範囲外のものを用
いた場合を比較例4〜9として示した。
【0034】また、無機凝集剤と本発明方法の第1の高
分子凝集剤とを用い、第2の高分子凝集剤を使用しない
場合を比較例10として示した。
【0035】表4中のフロック強度は、◎が最も強く、
以下○、△、×の順で弱くなることを示す。
【0036】
【表4】
【0037】本発明方法と従来法に該当する比較例1〜
3の比較では、SS回収率、脱水ケーキ含水率の何れも
本発明方法が良好であった。
【0038】第1の高分子凝集剤に混合するアニオン性
高分子凝集剤のコロイド当量値の低い、すなわちアニオ
ン強度の強い比較例6〜8は生成するフロックが小さ
く、SS回収率、脱水ケーキ含水率とも不良であった。
【0039】第1の高分子凝集剤にポリアクリルアミド
を混合した比較例4、混合するアニオン性高分子凝集剤
のコロイド当量値が本発明の範囲より高い、すなわちア
ニオン強度の弱い比較例5はフロックは粗大化するもの
のフロック強度が不十分であった。
【0040】また、アニオン性高分子凝集剤の混合比が
高い比較例9ではフロックは粗大化するもののフロック
強度が不十分であり、脱水ケーキ含水率、SS回収率と
もに本発明より劣っていた。無機凝集剤と本発明方法の
第1の高分子凝集剤のみを用いた比較例10はフロック
が微細でSS回収率、脱水ケーキ含水率とも本発明より
劣っていた。
【0041】
【発明の効果】本発明方法は以下のような優れた特徴を
有している。
【0042】(1)本発明方法により強固なフロックが
生成するため、脱水時にフロックが壊れることによる濾
布、パンチグメタル等からの固形物のリーク、遠心分離
水への固形物のリークを大幅に減少することが可能とな
り、固形物の回収率が向上する。
【0043】(2)フロックの強度が大きいため、高圧
をかけての脱水が可能であり、より低含水率の脱水ケー
キが得られる。
【0044】(3)第1と第2の高分子凝集剤の添加量
を調整することにより、汚泥性状の変化に速やかに対応
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥に無機凝集剤を添加した後、ポリア
    クリルアミド系ポリマーのマンニッヒ変性物にpH10
    におけるコロイド当量値が−0.2〜−1.4meq/
    gのアニオン性高分子凝集剤を1〜15重量%混合した
    ものを添加し、次いでアニオン性高分子凝集剤を添加す
    ることを特徴とする汚泥の凝集方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105540787A (zh) * 2015-12-09 2016-05-04 欧小宇 一种污水处理剂

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105540787A (zh) * 2015-12-09 2016-05-04 欧小宇 一种污水处理剂

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