JPH0616987B2 - 板状金属材料の強化方法 - Google Patents
板状金属材料の強化方法Info
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- JPH0616987B2 JPH0616987B2 JP14330688A JP14330688A JPH0616987B2 JP H0616987 B2 JPH0616987 B2 JP H0616987B2 JP 14330688 A JP14330688 A JP 14330688A JP 14330688 A JP14330688 A JP 14330688A JP H0616987 B2 JPH0616987 B2 JP H0616987B2
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Description
【発明の詳細な説明】 a.産混業上の利用分野 本発明は、ショットピーニング加工を施すことにより板
状金属材料の強度を向上させるようにした板状金属材料
の強化方法に関する。
状金属材料の強度を向上させるようにした板状金属材料
の強化方法に関する。
b. 従来の技術 板状金属材料の強度の向上を図るために、板状金属材料
にショット粒を投射し、ショット粒投射部分と局部的に
圧縮して圧縮応力(残留応力)を付与せしめるようなシ
ョットピーニング加工方法が従来より広く用いられてい
る。
にショット粒を投射し、ショット粒投射部分と局部的に
圧縮して圧縮応力(残留応力)を付与せしめるようなシ
ョットピーニング加工方法が従来より広く用いられてい
る。
第8図及び第9図は従来より一般に用いられているショ
ットピーニング加工方法を示すものである。ショットピ
ーニング加工を行なうに当っては、板状金属材料10を垂
直状に立てた状態で固定支持すると共に、その上下左右
の縁部を覆う一対の遮蔽部材11a,11bを板状金属材料10
の表裏両面に取付ける。しかる後に、一対のショット粒
投射装置(図示せず)から金属材料10の両面に向けてシ
ョット粒を矢印で示す如く投射し、これによりショット
ピーニング加工を施すようにしている。
ットピーニング加工方法を示すものである。ショットピ
ーニング加工を行なうに当っては、板状金属材料10を垂
直状に立てた状態で固定支持すると共に、その上下左右
の縁部を覆う一対の遮蔽部材11a,11bを板状金属材料10
の表裏両面に取付ける。しかる後に、一対のショット粒
投射装置(図示せず)から金属材料10の両面に向けてシ
ョット粒を矢印で示す如く投射し、これによりショット
ピーニング加工を施すようにしている。
c. 発明が解決しようとする課題 上述の如くショットピーニング加工を施した場合、金属
材料10から遮蔽部材11a,11bを取り外すと、それに伴っ
て金属材料10に変形(反り)が発生してしまうことが多
々ある。この変形が発生するのは、ショット粒投射前に
おいて金属材料10の有する残留応力が両面共に全く同じ
大きさとなることは非常に稀であり、両面の残留応力が
互いに異なることと、それに加えて始めから反りが生じ
ていることに起因する。そして、この変形の形状は、異
なる残留応力及び反りを有する両面に向って、両側より
同一速度のショット粒を投射した場合、どちらか一方の
側の面が湾曲状にへこみ、その反対側の面が湾曲状にふ
くらむ形状となる。また、金属材料10の変形量は、ショ
ット粒投射速度が高速であればあるほど大きくなる。
材料10から遮蔽部材11a,11bを取り外すと、それに伴っ
て金属材料10に変形(反り)が発生してしまうことが多
々ある。この変形が発生するのは、ショット粒投射前に
おいて金属材料10の有する残留応力が両面共に全く同じ
大きさとなることは非常に稀であり、両面の残留応力が
互いに異なることと、それに加えて始めから反りが生じ
ていることに起因する。そして、この変形の形状は、異
なる残留応力及び反りを有する両面に向って、両側より
同一速度のショット粒を投射した場合、どちらか一方の
側の面が湾曲状にへこみ、その反対側の面が湾曲状にふ
くらむ形状となる。また、金属材料10の変形量は、ショ
ット粒投射速度が高速であればあるほど大きくなる。
従って、この変形を小さく押えるためには、ショット粒
投射速度を比較的低速に抑えざるを得ない。しかしなが
ら、ショット粒投射速度を金属材料10に変形が発生しな
い程度の速度にしてショット粒投射時間を長く設定する
ことによって或る程度の圧縮応力を金属材料10に付与す
ることは可能であるが、材料強化に必要な程度の大きさ
の圧縮応力値を得ることができない場合が多々ある。
投射速度を比較的低速に抑えざるを得ない。しかしなが
ら、ショット粒投射速度を金属材料10に変形が発生しな
い程度の速度にしてショット粒投射時間を長く設定する
ことによって或る程度の圧縮応力を金属材料10に付与す
ることは可能であるが、材料強化に必要な程度の大きさ
の圧縮応力値を得ることができない場合が多々ある。
また、板状金属材料の強度調整は、ショットピーニング
加工の強さの程度を変えることにより行なうようにして
いるため、全面に一様な強度が付与されることとなり、
板状金属部材の各部において強度を異ならしめることは
できないのが実状である。
加工の強さの程度を変えることにより行なうようにして
いるため、全面に一様な強度が付与されることとなり、
板状金属部材の各部において強度を異ならしめることは
できないのが実状である。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、変形を極めて少く抑えることができ、
しかも各部分における強度調整を任意に行ない得るよう
な板状金属材料の強化方法を提供することにある。
て、その目的は、変形を極めて少く抑えることができ、
しかも各部分における強度調整を任意に行ない得るよう
な板状金属材料の強化方法を提供することにある。
d. 課題を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本発明では、板状金属材
料のうちの強化すべき領域内の多数の散在箇所にショッ
ト粒を投射してショットピーニング加工を施すことによ
って前記板状金属材料の強度を向上させると共に、前記
散在箇所の密度を調整することによって前記板状金属材
料の強度調整を行なうようにしている。
料のうちの強化すべき領域内の多数の散在箇所にショッ
ト粒を投射してショットピーニング加工を施すことによ
って前記板状金属材料の強度を向上させると共に、前記
散在箇所の密度を調整することによって前記板状金属材
料の強度調整を行なうようにしている。
以下、本発明の実施例に付き第1図〜第7図を参照して
説明する。
説明する。
第1図及び第2図は本発明に係る強化方法の第1実施例
を説明するためのものであって、本例においては、被加
工物である板状金属材料1の外形寸法と同一の寸法を有
する一対の遮蔽部材2a,2bが用いられる。これら一対の
遮蔽部材2a,2bは、矩形板に同一径の多数の円形開孔3
を横方向には等間隔に形成する一方、縦方向には下方に
いくほど間隔が徐々に広くなるように形成して成るもの
である。
を説明するためのものであって、本例においては、被加
工物である板状金属材料1の外形寸法と同一の寸法を有
する一対の遮蔽部材2a,2bが用いられる。これら一対の
遮蔽部材2a,2bは、矩形板に同一径の多数の円形開孔3
を横方向には等間隔に形成する一方、縦方向には下方に
いくほど間隔が徐々に広くなるように形成して成るもの
である。
次に、上述の遮蔽部材2a,2bを用いて板状金属材料1を
ショットピーニング加工する場合に付き説明する。
ショットピーニング加工する場合に付き説明する。
まず、一対の遮蔽部材2a,2bを板状金属材料1の両面に
外縁を合わせた状態で当てがって、これらの遮蔽部材2
a,2b間に板状金属材料1を挾持する。そして、図外の
締付治具によって板状金属材料1及び遮蔽部材2a,2bを
三者一体の状態で固定すると共に、図外の保持手段にて
これを所定位置に保持する。
外縁を合わせた状態で当てがって、これらの遮蔽部材2
a,2b間に板状金属材料1を挾持する。そして、図外の
締付治具によって板状金属材料1及び遮蔽部材2a,2bを
三者一体の状態で固定すると共に、図外の保持手段にて
これを所定位置に保持する。
これにより、板状金属材料1は前記円形開孔3に対応す
る部分が散在箇所Aとして露出された状態で保持手段に
取付けられ、かつ第2図に示すように、表裏一対の遮蔽
部材2a,2bの各円形開孔3が互いに対向位置された状態
となる。
る部分が散在箇所Aとして露出された状態で保持手段に
取付けられ、かつ第2図に示すように、表裏一対の遮蔽
部材2a,2bの各円形開孔3が互いに対向位置された状態
となる。
このようにして、板状金属材料1をセッティングした後
に回転軸O(第1図参照)を中心に回転駆動すると共
に、左右両側のショット粒投射装置を作動させて多数の
ショット粒を板状金属材料1の表裏両面に対してそれぞ
れ直角方向に投射し、前記円形開孔3に対応する散在箇
所Aにショットピーニング加工(塑性加工)を施す。な
お、この際、板状金属材料1の表裏両面のうち前記円形
開孔3に対応する散在箇所A以外の部分は、既述の如く
完全にマスキングされているのでショットピーニング加
工は全く施されない。以上のようにして、所定時間に亘
るショット粒の投射により塑性加工を完了した後、ショ
ット粒の投射を停止し、一連のショットピーニング加工
作業を終了する。
に回転軸O(第1図参照)を中心に回転駆動すると共
に、左右両側のショット粒投射装置を作動させて多数の
ショット粒を板状金属材料1の表裏両面に対してそれぞ
れ直角方向に投射し、前記円形開孔3に対応する散在箇
所Aにショットピーニング加工(塑性加工)を施す。な
お、この際、板状金属材料1の表裏両面のうち前記円形
開孔3に対応する散在箇所A以外の部分は、既述の如く
完全にマスキングされているのでショットピーニング加
工は全く施されない。以上のようにして、所定時間に亘
るショット粒の投射により塑性加工を完了した後、ショ
ット粒の投射を停止し、一連のショットピーニング加工
作業を終了する。
本実施例によれば、板状金属材料1の強化すべき領域内
の散在箇所Aにのみショットピーニング加工が施される
こととなる。しかして、散在箇所であるショットピーニ
ング加工部分Aと非ショットピーニング加工部分Bとの
割合すなわちショットピーニング加工部分の密度(散在
箇所Aの密度)は、板状金属材料1の横方向においては
均一であるが、縦方向においては上方から下方へ向かう
につれて徐々に少なくなる。
の散在箇所Aにのみショットピーニング加工が施される
こととなる。しかして、散在箇所であるショットピーニ
ング加工部分Aと非ショットピーニング加工部分Bとの
割合すなわちショットピーニング加工部分の密度(散在
箇所Aの密度)は、板状金属材料1の横方向においては
均一であるが、縦方向においては上方から下方へ向かう
につれて徐々に少なくなる。
次に、本実施例に基づくショットピーニング加工の具体
例を以下に示す。
例を以下に示す。
具体例1 (1) 板状金属材料1の材質 SK5 (2) 板状金属材料1の寸法 縦 185mm 横 100mm 厚さ 2mm (3) 遮蔽部材2a,2bの円形 開孔3の直径R 10mm (4) 縦方向に沿って隣接す る円形開孔3の間隔L1 L1 2mm 〜L6(第1図参照) L2 4mm L3 6mm L4 8mm L5 10mm L6 15mm (5) 横方向に沿って隣接す る円形開孔3の間隔l (第1図参照) 10mm (6) 加工条件 〈イ〉ショット粒の直径 0.8mm 〈ロ〉ショット粒の硬度 HRC 58 〈ハ〉ショット粒の材質 鋳鋼 〈ニ〉ショット粒の投射速度 50m/s 〈ホ〉ショット粒の投射時間 4分 〈ヘ〉中心軸Oを中心に板状金属材料1 及び遮蔽部材2a,2bを回転 〈ト〉アークハイト 0.5mm この具体例によって得られた板状金属材料の表面の残留
応力を測定したところ第3図に示す如き結果となった。
応力を測定したところ第3図に示す如き結果となった。
第3図における実線は縦方向に沿って配列された散在箇
所Aの中心を結ぶ直線L1(第1図参照)上の残留応力
をプロットしたものであって、その測定結果から明らか
なように、ショット粒が投射された部分すなわちショッ
トピーニング加工部分Aには符号aで示されるように充
分な圧縮応力(負の応力)の発生が認められる。また、
縦方向に沿って互いに隣接するショットピーニング加工
部分Aの間の中央箇所(ショットピーニング加工されな
い非ショットピーニング加工部分B)の残留応力は、縦
方向に隣接する散在箇所Aの間隔がL5=10mm以下の領
域内では、符号bで示すように両側のショットピーニン
グ加工部分Aの残留応力よりも更に大きな圧縮応力が生
じていることが認められる。また、第3図における破線
は互いに隣接する直線L1間の中間の直線L2(第1図
参照)上の残留応力をプロットしたものであって、その
測定結果から明らかなように、L4=8mm以下の領域内で
は、前記直線L1上の残留応力よりも小さな値であるが
その特性とほぼ同様の圧縮応力が生じていることが認め
られる。
所Aの中心を結ぶ直線L1(第1図参照)上の残留応力
をプロットしたものであって、その測定結果から明らか
なように、ショット粒が投射された部分すなわちショッ
トピーニング加工部分Aには符号aで示されるように充
分な圧縮応力(負の応力)の発生が認められる。また、
縦方向に沿って互いに隣接するショットピーニング加工
部分Aの間の中央箇所(ショットピーニング加工されな
い非ショットピーニング加工部分B)の残留応力は、縦
方向に隣接する散在箇所Aの間隔がL5=10mm以下の領
域内では、符号bで示すように両側のショットピーニン
グ加工部分Aの残留応力よりも更に大きな圧縮応力が生
じていることが認められる。また、第3図における破線
は互いに隣接する直線L1間の中間の直線L2(第1図
参照)上の残留応力をプロットしたものであって、その
測定結果から明らかなように、L4=8mm以下の領域内で
は、前記直線L1上の残留応力よりも小さな値であるが
その特性とほぼ同様の圧縮応力が生じていることが認め
られる。
しかして、ショット粒を投射する部分が散在箇所であ
り、ショットピーニング加工部分Aの面積が相対的に小
さくても、充分な圧縮応力が板状金属材料1の全体に亘
って付与されていて充分に強化されていることが確認さ
れた。さらに、本例によれば、ショットピーニング加工
部分Aの密度が板状金属材料1の上方で多く、下方に向
うにつれて少くなっているため、これに起因して、縦方
向に隣接する散在箇所Aの間の部分(非ショットピーニ
ング加工部分B)の残留応力は上方が比較的大きく、下
方が比較的小さくなっていることが認められる(第3図
における符号b参照)。すなわち、ショットピーニング
加工部分の密度が多い領域では大きな圧縮応力が付与さ
れ、これとは逆にショットピーニング加工部分の密度が
少い領域では小さな圧縮応力が付与されることが確認さ
れた。
り、ショットピーニング加工部分Aの面積が相対的に小
さくても、充分な圧縮応力が板状金属材料1の全体に亘
って付与されていて充分に強化されていることが確認さ
れた。さらに、本例によれば、ショットピーニング加工
部分Aの密度が板状金属材料1の上方で多く、下方に向
うにつれて少くなっているため、これに起因して、縦方
向に隣接する散在箇所Aの間の部分(非ショットピーニ
ング加工部分B)の残留応力は上方が比較的大きく、下
方が比較的小さくなっていることが認められる(第3図
における符号b参照)。すなわち、ショットピーニング
加工部分の密度が多い領域では大きな圧縮応力が付与さ
れ、これとは逆にショットピーニング加工部分の密度が
少い領域では小さな圧縮応力が付与されることが確認さ
れた。
また、第4図及び第5図(a),(b)は本発明に係る強化方
法の第2実施例を説明するためのものである。本例にお
いては、遮蔽部材2a,2bに形成される円形開孔3は、横
方向に沿って等間隔d1をもって配列されると共に縦方
向には前記間隔d1よりも広い間隔d2をもって配列さ
れている。従って、横方向と縦方向とでは同一面積の散
在箇所Aの配列間隔が異ならしめられている。
法の第2実施例を説明するためのものである。本例にお
いては、遮蔽部材2a,2bに形成される円形開孔3は、横
方向に沿って等間隔d1をもって配列されると共に縦方
向には前記間隔d1よりも広い間隔d2をもって配列さ
れている。従って、横方向と縦方向とでは同一面積の散
在箇所Aの配列間隔が異ならしめられている。
次に、本実施例に基づくショットピーニング加工の具体
例を以下に示す。
例を以下に示す。
具体例2 (1) 板状金属材料1の材質 SK5 (2) 板状金属材料1の寸法 縦 185mm 横 100mm 厚さ 2mm (3) 遮蔽部材2a,2bの円形 開孔3の直径R 10mm (4) 横方向に沿って隣接す る円形開孔3の間隔d1 2mm (5) 縦方向に沿って隣接す る円形開孔3の間隔d2 4mm (6) 加工条件 〈イ〉ショット粒の直径 0.8mm 〈ロ〉ショット粒の硬度 HRC 58 〈ハ〉ショット粒の材質 鋳鋼 〈ニ〉ショット粒の投射速度 50m/s 〈ホ〉ショット粒の投射時間 4分 〈ヘ〉中心軸Oを中心に板状金属材料1 及び遮蔽部材2a,2bを回転 〈ト〉アークハイト 0.5mm この具体例によって得られた板状金属材料の表面の残留
応力を測定したところ第6図及び第7図に示す如き結果
となった。
応力を測定したところ第6図及び第7図に示す如き結果
となった。
第6図における実線は縦方向に沿って配列された散在箇
所Aの中心を結ぶ直線S1(第4図参照)上の残留応力
の測定結果を示しており、また同図における破線は横方
向に沿って互いに隣接する散在箇所Aの中央箇所(非シ
ョットピーニング加工部分B)を結ぶ直線S2(第4図
参照)上の残留応力の測定結果を示している。第6図か
ら明らかなように、ショットピーニング加工領域とショ
ットピーニング加工されない領域における圧縮応力は大
きさが異なるもののその差異は小さく、殆ど同じ特性
(いわゆるジグザグ特性)を示していることがわかる。
所Aの中心を結ぶ直線S1(第4図参照)上の残留応力
の測定結果を示しており、また同図における破線は横方
向に沿って互いに隣接する散在箇所Aの中央箇所(非シ
ョットピーニング加工部分B)を結ぶ直線S2(第4図
参照)上の残留応力の測定結果を示している。第6図か
ら明らかなように、ショットピーニング加工領域とショ
ットピーニング加工されない領域における圧縮応力は大
きさが異なるもののその差異は小さく、殆ど同じ特性
(いわゆるジグザグ特性)を示していることがわかる。
第7図における実施例は横方向に沿って配列された散在
箇所Aの中心を結ぶ直線S3(第4図参照)上の残留応
力の測定結果を示しており、また同図における破線は縦
方向に沿って互いに隣接する散在箇所Aの中央箇所(シ
ョットピーニング加工部分B)を結ぶ直線S4(第4図
参照)上の残留応力の測定結果を示している。第7図か
ら明らかなように、直線S3上における圧縮応力が比較
的大きくなる一方、直線S4上における圧縮応力は比較
的小さくなっており、これら両者間には大きな差異を生
じていることがわかる。
箇所Aの中心を結ぶ直線S3(第4図参照)上の残留応
力の測定結果を示しており、また同図における破線は縦
方向に沿って互いに隣接する散在箇所Aの中央箇所(シ
ョットピーニング加工部分B)を結ぶ直線S4(第4図
参照)上の残留応力の測定結果を示している。第7図か
ら明らかなように、直線S3上における圧縮応力が比較
的大きくなる一方、直線S4上における圧縮応力は比較
的小さくなっており、これら両者間には大きな差異を生
じていることがわかる。
さらに、第6図と第7図とを比較してみると明らかなよ
うに、直線S2,S4上の圧縮応力は同じ程度である
が、直線S3上の圧縮応力は直線S1上の圧縮応力より
も可成り大きな値となっていることがわかる。
うに、直線S2,S4上の圧縮応力は同じ程度である
が、直線S3上の圧縮応力は直線S1上の圧縮応力より
も可成り大きな値となっていることがわかる。
しかして、このような残留応力特性が付与されるため、
板状金属材料1の横方向と縦方向との応力特性が異なら
しめることとなり、具体的には本例の場合には横方向
(板状金属材料1の長手方向と直交する方向)への引張
及び押圧に対する強度が縦方向よりも増大せしめられ
る。従って、ある所定方向に特に大きな引張力又は押圧
力がかかるような部材に本例の強化方法を用いれば、そ
の用途に応じた部材を得ることができ実用的に非常に有
利となる。
板状金属材料1の横方向と縦方向との応力特性が異なら
しめることとなり、具体的には本例の場合には横方向
(板状金属材料1の長手方向と直交する方向)への引張
及び押圧に対する強度が縦方向よりも増大せしめられ
る。従って、ある所定方向に特に大きな引張力又は押圧
力がかかるような部材に本例の強化方法を用いれば、そ
の用途に応じた部材を得ることができ実用的に非常に有
利となる。
以上、本発明の実施例につき述べたが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思
想に基づいて各種の変更が可能である。
の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思
想に基づいて各種の変更が可能である。
例えば、既述の実施例では板状金属材料1の縦方向及び
横方向に沿って配列された散在箇所Aをショットピーニ
ング加工するようにしたが、これに限らず、散在箇所A
の配置は任意に行なってもよい。また、板状金属材料1
における散在箇所(ショットピーニング加工領域)の調
整は、散在箇所の配列間隔を一定にしておいて、散在箇
所の面積を各部において変えることにより行なうように
してもよい。また、ショット粒投射方向,投射速度,投
射時間,粒径材質等の加工条件並びに円形開孔3の直径
及びその間隔等を適宜変更することによって、圧縮応力
の調整を容易に行なうことが可能である。さらに、板状
金属材料1を静止させた状態でショットピーニング加工
するようにしてもよく、また板状金属材料1の片面のみ
を固定状態の下でショットピーニング加工し、その後に
180゜反転させてもう一方の片面をショットピーニング
加工するようにしてもよい。さらに、遮蔽部材2a,2bに
円形以外(四角形,楕円等)の形状の開孔を設けてもよ
い。
横方向に沿って配列された散在箇所Aをショットピーニ
ング加工するようにしたが、これに限らず、散在箇所A
の配置は任意に行なってもよい。また、板状金属材料1
における散在箇所(ショットピーニング加工領域)の調
整は、散在箇所の配列間隔を一定にしておいて、散在箇
所の面積を各部において変えることにより行なうように
してもよい。また、ショット粒投射方向,投射速度,投
射時間,粒径材質等の加工条件並びに円形開孔3の直径
及びその間隔等を適宜変更することによって、圧縮応力
の調整を容易に行なうことが可能である。さらに、板状
金属材料1を静止させた状態でショットピーニング加工
するようにしてもよく、また板状金属材料1の片面のみ
を固定状態の下でショットピーニング加工し、その後に
180゜反転させてもう一方の片面をショットピーニング
加工するようにしてもよい。さらに、遮蔽部材2a,2bに
円形以外(四角形,楕円等)の形状の開孔を設けてもよ
い。
また、既述の実施例では、板状金属材料1の表裏両面の
対向箇所を同時にショットピーニング加工するようにし
たが、金属材料1が薄板の場合には、片面のみショット
ピーニング加工するだけでもよい。
対向箇所を同時にショットピーニング加工するようにし
たが、金属材料1が薄板の場合には、片面のみショット
ピーニング加工するだけでもよい。
e. 発明の効果 以上の如く、本発明によれば、板状金属材料のうち強化
すべき領域内の多数の散在箇所にショット粒を投射する
ことによりこれらの散在箇所に圧縮応力が生ぜしめられ
ると共に、散在箇所間の領域に前記散在箇所よりも大き
な圧縮応力が付与せしめられることとなるため、全面を
ショットピーニング加工するようにした従来の場合に比
べて狭い領域に対するショットピーニング加工であるに
も拘わらず充分な圧縮応力を付与することができる。し
かも、上述のように、ショットピーニング加工領域が狭
い範囲であるため、ショットピーニング加工後における
板状金属材料の変形(反り)の程度を極めて小さく抑え
ることが可能となる。
すべき領域内の多数の散在箇所にショット粒を投射する
ことによりこれらの散在箇所に圧縮応力が生ぜしめられ
ると共に、散在箇所間の領域に前記散在箇所よりも大き
な圧縮応力が付与せしめられることとなるため、全面を
ショットピーニング加工するようにした従来の場合に比
べて狭い領域に対するショットピーニング加工であるに
も拘わらず充分な圧縮応力を付与することができる。し
かも、上述のように、ショットピーニング加工領域が狭
い範囲であるため、ショットピーニング加工後における
板状金属材料の変形(反り)の程度を極めて小さく抑え
ることが可能となる。
さらに、本発明によれば、上述の如く散在箇所にショッ
トピーニング加工を施すことに加えて、これらの散在箇
所の領域を調整すること(例えば、ショットピーニング
加工部分の密度を変えたり、或いは配列方向によって散
在箇所の間隔を変えたりすること等)により、板状金属
材料の各部にそれぞれ異なる所望の圧縮応力を付与する
ことができる。従って、板状金属材料の用途に応じた強
化が可能となる。
トピーニング加工を施すことに加えて、これらの散在箇
所の領域を調整すること(例えば、ショットピーニング
加工部分の密度を変えたり、或いは配列方向によって散
在箇所の間隔を変えたりすること等)により、板状金属
材料の各部にそれぞれ異なる所望の圧縮応力を付与する
ことができる。従って、板状金属材料の用途に応じた強
化が可能となる。
第1図〜第3図は本発明の第1実施例を説明するための
ものであって、第1図は板状金属材料に遮蔽部材を取付
けた状態を示す正面図、第2図は第1図におけるII−II
線断面図、第3図は本発明の第1実施例に係る強化方法
にて板状金属材料を強化した場合の残留応力の測定結果
を示すグラフ、第4図〜第7図は本発明の第2実施例を
説明するためのものであって、第4図は第1図と同様の
正面図、第5図(a)は第4図におけるV(a)−V(a)線断
面図、第5図(b)は第4図におけるV(b)−V(b)線断面
図、第6図及び第7図は本発明の第2実施例に係る強化
方法にて板状金属材料を強化した場合の板状金属材料の
縦方向及び横方向における残留応力の測定結果をそれぞ
れ示すグラフ、第8図及び第9図は従来例を説明するた
めのものであって、第8図は第1図と同様の正面図、第
9図は第8図におけるIX−IX線断面図である。 1……板状金属材料、 2a,2b……遮蔽部材、 3……円形開孔、 A……散在箇所(ショットピーニング加工部分)、 B……非ショットピーニング加工部分。
ものであって、第1図は板状金属材料に遮蔽部材を取付
けた状態を示す正面図、第2図は第1図におけるII−II
線断面図、第3図は本発明の第1実施例に係る強化方法
にて板状金属材料を強化した場合の残留応力の測定結果
を示すグラフ、第4図〜第7図は本発明の第2実施例を
説明するためのものであって、第4図は第1図と同様の
正面図、第5図(a)は第4図におけるV(a)−V(a)線断
面図、第5図(b)は第4図におけるV(b)−V(b)線断面
図、第6図及び第7図は本発明の第2実施例に係る強化
方法にて板状金属材料を強化した場合の板状金属材料の
縦方向及び横方向における残留応力の測定結果をそれぞ
れ示すグラフ、第8図及び第9図は従来例を説明するた
めのものであって、第8図は第1図と同様の正面図、第
9図は第8図におけるIX−IX線断面図である。 1……板状金属材料、 2a,2b……遮蔽部材、 3……円形開孔、 A……散在箇所(ショットピーニング加工部分)、 B……非ショットピーニング加工部分。
Claims (2)
- 【請求項1】板状金属材料のうちの強化すべき領域内の
多数の散在箇所にショット粒を投射してショットピーニ
ング加工を施すことによって前記板状金属材料の強度を
向上させると共に、前記散在箇所の密度を調整すること
によって前記板状金属材料の強度調整を行なうようにし
たことを特徴とする板状金属材料の強化方法。 - 【請求項2】前記板状金属材料の縦方向におけるショッ
トピーニング加工部分と非ショットピーニング加工部分
との割合と、前記板状金属材料の横方向におけるショッ
トピーニング加工部分と非ショットピーニング加工部分
との割合とを互いに異ならしめることによって、縦方向
及び横方向の強度が異なるようにしたことを特徴とする
特許請求の範囲第(1)項に記載の板状金属材料の強化方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14330688A JPH0616987B2 (ja) | 1988-06-10 | 1988-06-10 | 板状金属材料の強化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14330688A JPH0616987B2 (ja) | 1988-06-10 | 1988-06-10 | 板状金属材料の強化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01310869A JPH01310869A (ja) | 1989-12-14 |
JPH0616987B2 true JPH0616987B2 (ja) | 1994-03-09 |
Family
ID=15335696
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14330688A Expired - Lifetime JPH0616987B2 (ja) | 1988-06-10 | 1988-06-10 | 板状金属材料の強化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0616987B2 (ja) |
-
1988
- 1988-06-10 JP JP14330688A patent/JPH0616987B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01310869A (ja) | 1989-12-14 |
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