JPH0616775U - 逆止弁付ボール弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】高精度で気密性，操作性，耐久性及び強度等に
優れた逆止弁付ボール弁を提供する。 【構成】逆止弁プラグＡを，短筒体の外周面の一部に雄
ねじ７を切設し，中空部の一方開口部にボール用シート
４ａ₂ と逆止弁用シート４ａ₁ からなるリング状の両弁
兼用シート４ａを嵌着し，コマ状の逆止弁１の中心軸１
ｂを軸支部８に摺動自在に備えると共に，中心軸１ｂの
頭部と軸支部８の間に張設したばね９で逆止弁１を開弁
方向に付勢して構成する。逆止弁プラグＡを出口側通路
２ｃの雌ねじ１０に螺合し，両弁兼用シート４ａの逆止
弁用シート４ａ₁ を逆止弁１の弁体１ａと相対させると
共に，ボール用シート４ａ₂ をボール３に圧接した状態
に設置して，逆止弁付ボール弁を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として、ＬＰガス配管用として使用する逆止弁付ボール弁に係り 、通常の開弁時には流体が入口側通路→ボール→出口側通路へ流れるが、入口側 のボンベを取り外すなどによって入口側の気圧が急下降すると、直ちに出口側の 気圧が逆止弁の弁体をばねに抗して押圧し該弁体がシート（弁座）に圧接して閉 弁し、流体の逆流を有効に止めるように構成したものである。

【０００２】

【従来の課題】

従来の、主として、ＬＰガス配管用の逆止弁付ボール弁は、例えば図４に示す ように、逆止弁１′を内装した出口側通路プラグＢを設け、それを弁胴２′の出 口側２ｃ′に螺合して構成したものが行われていたが、このものは、謂わば弁胴 ２′が２個に分割されている上に、ボール弁の主要部である弁室２ａ′（ボール ３′を収納設置する）が分断された構造になっているため強度や気密性に課題が あり、また、ボール３′のシート４′（プラスチック製弁座）を嵌着設置する他 に逆止弁専用のシート５′（弁座）を出口側通路プラグＢの通路中に形成するこ とを必要とするため、精度を要求される加工、設置が面倒な上に、精密な構造の 逆止弁を組み込みできず、従って、高精度な逆止弁付ボール弁が得られない課題 があった。

【０００３】

【課題を解決する手段】

そこで本考案は、従来では得られなかった気密性、作用確実性、耐久性等に秀 れた高精度の逆止弁付ボール弁を開発したものである。

【０００４】 即ち、本考案は、 流体の容器、配管等に接続する通路を備えた弁胴の弁室内に、シートを介して 、貫通孔を有するボール（弁体）を回転自在に収納設置し、該ボールを任意の回 転手段で回転するスピンドルで９０°往復回転することにより、弁の開閉を行う ようにしたボール弁において、出口側通路内に別設の逆止弁プラグを螺合設置し たものであり、

【０００５】 該逆止弁プラグは、短筒体の外周面の一部に雄ねじを切設し、中空部の一方開 口部に外面側のシートをボール用シート、内面側のシートを逆止弁用シートとし たリング状の両弁兼用シートを嵌着し、弁体の中心に中心軸を突設したコマ状の 逆止弁の中心軸を軸支部に摺動自在に備えると共に、該中心軸の頭部と軸支部の 間に張設したばねで逆止弁を開弁方向に付勢して設けたものであり、

【０００６】 該逆止弁プラグを出口側通路の雌ねじに螺合し、その両弁兼用シートの内面側 シート（逆止弁用シート）を逆止弁の弁体と相対すると共に外面側シート（ボー ル用シート）をボールに圧接した状態に設置して構成した、逆止弁付ボール弁に よって課題を解決したものである。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面（図１〜図３）につき説明すると、 流体の容器、配管等に接続する通路を備えた弁胴２の弁室２ａ内に、シート４ を介して、貫通孔３ａを有するボール３（弁体）を回転自在に収納設置し、該ボ ール３を任意の回転手段で例えばハンドル６回転するスピンドル５で９０°往復 回転することにより、弁の開閉を行うようにしたボール弁において、出口側通路 ２ｃ内に別設の逆止弁プラグＡを螺合設置したものであり、

【０００８】 該逆止弁プラグＡは、短筒体の外周面の一部に雄ねじ７を切設し、中空部の一 方開口部に外面側のシートをボール用シート４ａ₂ 、内面側のシートを逆止弁用 シート４ａ₁ としたリング状の両弁兼用シート４ａを嵌着し、弁体１ａの中心に 中心軸１ｂを突設したコマ状の逆止弁１の中心軸１ｂを軸支部８に摺動自在に備 えると共に、該中心軸１ｂの頭部と軸支部８の間に張設したばね９で逆止弁１を 開弁方向に付勢して設けたものであり、

【０００９】 該逆止弁プラグＡを出口側通路１ｃの雌ねじ１０に螺合し、その両弁兼用シー ト４ａの内面側シート（逆止弁用シート）４ａ₁ を逆止弁１の弁体１ａと相対す ると共に外面側シート（ボール用シート）４ａ₂ をボール３に圧接した状態に設 置して、逆止弁付ボール弁を構成したものである。

【００１０】 また、図３の如く、上記両弁兼用シート４ａを２分割した構成の、外面側をボ ール３のシートとしたボール用シート４ａ₂ と内面側を逆止弁１のシートとした 逆止弁用シート４ａ₁ をそれぞれ別設し、両シート４ａ₁ 、４ａ₂ を背中合せに 密着した状態に、逆止弁プラグＡの中空部の一方開口部に嵌着した構成としても 、上記一体構成の両弁兼用シート４ａと同様のものが得られる。

【００１１】 なお、例えば、一体構成の両弁兼用シート４ａの場合はプラスチック製とし、 逆止弁用シート４ａ₁ とボール用シート４ａ₂ に分割構成の場合は、ボール用シ ート４ａ₂ はプラスチック製、逆止弁用シート４ａ₁ はプラスチック製若しくは 金属製とする。

【００１２】

【作用】

正常のボール弁の開弁時（図１参照）には、出口側通路１ｃ内の逆止弁プラグ Ａの逆止弁１がばね９の弾発力で、開弁方向へ付勢され、逆止弁１の弁体１ａが 両弁兼用シート４ａ（または２分割構成のシート４ａ₁ 、４ａ₂ ）の内面側シー ト（逆止弁用シート）４ａ₁ から離隔（開弁）しているため、流体は入口側通路 １ｂ→ボール３の貫通孔３ａ→出口側通路３ｃへ正常に流れるが、例えば、ボン ベを取り外すなどによって入口側の気圧が急降下したとき、出口側（例、供給先 ボンベ）の気圧が直ちに逆止弁１の弁体１ａをばね９に抗して押圧し、該弁体１ ａが中心軸１ｂの摺動案内で摺動して内面側シート（逆止弁用シート）４ａ₁ に 圧接して逆止弁１を閉弁とし、流体の逆流、例えば、ガスがボンベを取り外した 入口側から空中へ放出されるのを止める。

【００１３】 再び入口側にボンベを取り付けるなどして入口側の気圧が復元すると、逆止弁 １はばね９の弾発力で原位置に摺動復元し、弁体１ａが内面側シート（逆止弁用 シート）４ａ₁ から離隔して逆止弁１が開弁となり、よって、流体は元通り入口 側→ボールの貫通孔→出口側へ正常に流れる。

【００１４】 当然の事乍ら、ハンドル６を即ちボール３を９０°回動すると、ボール弁が閉 弁され、流体の流れは遮断される。

【００１５】

【効果】

従来と異なり、入口側通路、弁室、出口側通路（逆止弁内装）を備えた弁胴を 一体に構成したので、強度や気密性の難点をなくし得た。

【００１６】 精密制作して別設した逆止弁プラグを出口側通路内に螺合設置して逆止弁付ボ ール弁を構成するようにしたので、ボール弁の内部に高精度の逆止弁を容易に備 えることができ、よって、高精度で、気密性、操作性、耐久性等に秀れた逆止弁 付ボール弁を構成し得た。

【００１７】 逆止弁用のシートとボール弁用のシートの両方を兼備した両弁兼用シートを逆 止弁プラグに備えたので、従来が逆止弁とボール弁のシートを狭いスペースに別 個に備えたのと異なり、１個のシートによって両弁のシートを同時に形成し得る と共に、精密な該シートを得たことによって両弁のシート性能を同時に向上し得 る優れた利点があり、更に、制作、加工を容易にしてその能率を向上し、コスト を低減し得た。

【００１８】 両弁兼用シートは、内面側シート（逆止弁用シート）と外面側シート（ボール 用シート）が一体構成であるため、ボール用シートとしての適性に合わせて、例 えば、全体をプラスチック製とせねばならないが、内面側シート（逆止弁用シー ト）と外面側シート（ボール用シート）をそれぞれ別設とした場合には、それぞ れの適性に合わせてその一方または両方を、例えば、プラスチック製または金属 製とすることができ、よって、各弁に最適な素材のシートを備え得る利点がある

【提出日】平成５年４月１２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】 両弁兼用シートは、内面側シート（逆止弁用シート）と外面側シート（ボール 用シート）が一体構成であるため、ボール用シートとしての適性に合わせて、例 えば、全体をプラスチック製とせねばならないが、内面側シート（逆止弁用シー ト）と外面側シート（ボール用シート）をそれぞれ別設とした場合には、それぞ れの適性に合わせてその一方または両方を、例えば、プラスチック製または金属 製とすることができ、よって、各弁に最適な素材のシートを備え得る利点がある 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案逆止弁付ボール弁の実施例の縦断正面
図。

【図２】逆止弁プラグの縦断正面図、右側面図及び左側
面図。

【図３】本考案の他の実施例の縦断正面図。

【図４】従来の逆止弁付ボール弁の縦断正面図。

【符号の説明】

Ａ 逆止弁プラグ Ｂ 従来の出口側通路プラグ（逆止弁内装） １ 逆止弁 １ａ 弁体 １ｂ 中心軸 ２ 弁胴 ２ａ 弁室 ２ｂ 入口側通路 ２ｃ 出口側通路 ３ ボール ３ａ 貫通孔 ４ シート ４ａ 両弁兼用シート ４ａ₁ 内面側シート（逆止弁用シート） ４ａ₂ 外面側シート（ボール用シート） ５ スピンドル ６ ハンドル ７ 雄ねじ ８ 軸支部 ９ ばね １０ 雌ねじ １′ 従来の逆止弁 ２′ 従来の弁胴 ３′ 従来のボール ３ａ′ 従来の貫通孔 ４′ 従来のシート ５′ 従来のスピンドル ９′ 従来のばね

【手続補正書】

【提出日】平成５年４月１２日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案逆止弁付ボール弁の実施例の縦断正面
図。

【図２】逆止弁プラグの縦断正面図、右側面図及び左側
面図。

【図３】本考案の他の実施例の縦断正面図。

【図４】従来の逆止弁付ボール弁の縦断正面図。

【符号の説明】 Ａ 逆止弁プラグ Ｂ 従来の出口側通路プラグ（逆止弁内装） １ 逆止弁 １ａ 弁体 １ｂ 中心軸 ２ 弁胴 ２ａ 弁室 ２ｂ 入口側通路 ２ｃ 出口側通路 ３ ボール ３ａ 貫通孔 ４ シート ４ａ 両弁兼用シート ４ａ₁ 内面側シート（逆止弁用シート） ４ａ₂ 外面側シート（ボール用シート） ５ スピンドル ６ ハンドル ７ 雄ねじ ８ 軸支部 ９ ばね １０ 雌ねじ １′ 従来の逆止弁 ２′ 従来の弁胴 ３′ 従来のボール ３ａ′ 従来の貫通孔 ４′ 従来のシート ５′ 従来のスピンドル ９′ 従来のばね

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流体の容器、配管等に接続する通路を備え
   た弁胴の弁室内に、シールを介して、貫通孔を有するボ
   ール（弁体）を回転自在に収納設置し、該ボールを任意
   の回転手段で回転するスピンドルで９０°往復回転する
   ことにより、弁の開閉を行うようにしたボール弁におい
   て、出口側通路内に別設の逆止弁プラグを螺合設置した
   ものであり、 該逆止弁プラグは、短筒体の外周面の一部に雄ねじを切
   設し、中空部の一方開口部に外面側のシートをボール用
   シート、内面側のシートを逆止弁用シートとしたリング
   状の両弁兼用シートを嵌着し、弁体の中心に中心軸を突
   設したコマ状の逆止弁の中心軸を軸支部に摺動自在に備
   えると共に、該中心軸の頭部と軸支部の間に張設したば
   ねで逆止弁を開弁方向に付勢して設けたものであり、 該逆止弁プラグを出口側通路の雌ねじに螺合し、その両
   弁兼用シートの内面側シート（逆止弁用シート）を逆止
   弁の弁体と相対すると共に外面側シート（ボール用シー
   ト）をボールに圧接した状態に設置して構成した、 逆止弁付ボール弁。
2. 【請求項２】両弁兼用シートを２分割した構成の、外面
   側をボールのシートとしたボール用シートと内面側を逆
   止弁のシートとした逆止弁用シートを別設し、両シート
   を背中合せに密着した状態に、逆止弁プラグの中空部の
   一方開口部に嵌着した、請求項１の逆止弁付ボール弁。