JPH06166399A - 航空機用空中撮影カメラの昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヘリコプターに装備された空中撮影用カメラ
装置を使用しないとき、カメラ装置が空気抵抗を受けな
いようにすること。 【構成】 カメラ昇降装置１０は、カメラ装置１２を吊
り下げてヘリコプター１１内に取付けられた上下方向に
傾動自在なリンク機構１４と、このリンク機構１４を傾
動させる作動手段１５とを有している。カメラ昇降装置
１０は、通常、カメラ装置１２をヘリコプター１１内に
格納させている。撮影時には、リンク機構１４によって
カメラ装置１２をヘリコプター内からヘリコプター１１
の着陸脚４１の下方まで下降させる。撮影終了後には、
再度、カメラ装置１２をヘリコプター１１内に格納させ
る。従って、カメラ装置１２を使用ないとき、カメラ装
置１２はヘリコプター１１内に格納されているため、空
気抵抗を受けない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空中撮影カメラ（以
下、単に「カメラ」と称する。）を、撮影時に航空機
（例えばヘリコプター）外に出し、撮影終了後に機内に
格納するための装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ヘリコプターに搭載されるカメラ
は、ヘリコプターの機外の片側に取付けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、カメラを機
体の片側に取付けたヘリコプターは、次の問題点を有し
ている。 (1) 重量バランスを取りにくく、操縦がしにくい。 (2) 飛行中、カメラの空気抵抗によって機体のバランス
を崩しやすい。 (3) カメラの空気抵抗によって、高速で飛ぶことができ
ない。 (4) カメラを取付けた反対側はヘリコプターの機体の陰
になる。このため、機体の反対側の景色を撮影すること
ができない。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、カメラ装置を
吊り下げて航空機内に取付けられた上下方向に傾動自在
なリンク機構と、前記リンク機構を傾動させる作動手段
とを有し、前記リンク機構は前記カメラ装置を前記航空
機内と前記航空機の着陸脚の下方との間を昇降させるよ
うにした装置により、前記の課題を解決した。

【０００５】

【作用】カメラの昇降装置は、通常、カメラ装置を航空
機内に格納させている。撮影時には、リンク機構によっ
てカメラ装置を航空機内から航空機の着陸脚の下方まで
下降させる。撮影終了後には、再度、カメラ装置を航空
機内に格納させる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１乃至図４に基づ
いて説明する。カメラ昇降装置（昇降装置）１０は、ヘ
リコプター（航空機）１１の機内から機外にカメラ装置
１２を出し入れする装置であり、ヘリコプター１１の格
納室１３内に取付けられている。カメラ昇降装置１０
（図３参照）は、ヘリコプター１１の幅方向の略々中心
に設置されている。図３において、符号ＣＬが指示する
線は、ヘリコプター１１の幅方向の中心線である。格納
室１３には、通常、ドア（図示省略）が取付けられてい
る。カメラ昇降装置１０を装備するときには、そのドア
を取り外しておく。

【０００７】カメラ昇降装置１０は、リンク機構１４と
油圧シリンダ（作動手段）１５とで構成されている。リ
ンク機構１４は、カメラ取付台２１にピン２２によって
連結された一対の傾動リンク２３，２３を有している。
カメラ取付台２１には、カメラ装置１２が取付けられて
いる。

【０００８】カメラ装置１２は、市販品であり、球状の
ハウジング２４内に、カメラ（図示省略）と、カメラに
振動を与えない防振装置（図示省略）が内蔵され、カメ
ラ撮影窓２５からカメラによる撮影が行なえるようにな
っている。又、このカメラ装置１２のカメラとハウジン
グ２４は、同期して向きが変わるようになっている。カ
メラは、ハウジング２４内の軸（図示省略）に吊り下げ
られ、この軸を基準にして向きが変わる。このため、軸
は、常時、上下方向に向いていなければならない。すな
わち、カメラ装置１２全体の姿勢は、軸が上下方向に向
くように、常に一定でなければならない。

【０００９】一対の傾動リンク２３，２３の一端は、パ
イプ２６（図３、図４参照）によって互いに連結され、
ピン２７によって架台２８に傾動自在に設けられてい
る。パイプ２６には、作動リンク２９が一体に設けられ
ている。作動リンク２９の一端は、ピン３１によって油
圧シリンダ１５に接続されている。なお、油圧シリンダ
１５の代わりに電動アクチュエータ（図示省略）を使用
してよい。油圧シリンダ１５の一端は、ピン３２によっ
て架台２８に傾動自在に設けられている。

【００１０】架台２８には、一対のカメラ位置設定リン
ク３３，３３がピン３４によって傾動自在に設けられて
いる。カメラ位置設定リンク３３は、第１接続リンク３
５とピン３６，３７を介して傾動リンク２３に傾動自在
に連結されている。カメラ位置設定リンク３３の先端
は、第２接続リンク３８とピン３９，４０を介してカメ
ラ取付台２１に連結されている。ピン４０は、ピン２２
より上方に取付けられている。

【００１１】次に、カメラ昇降装置１０の動作を説明す
る。撮影が行なわれないとき、カメラ昇降装置１０とカ
メラ装置１２は、格納室１３内に格納されている。撮影
を行なうとき、油圧シリンダ１５は、作動リンク２９を
図２において左から右に回転させる。作動リンク２９の
回転に伴って、傾動リンク２３は、ヘリコプター１１の
機体の外部に突出し、下向き傾動させられる。

【００１２】傾動リンク２３が傾動させられると、カメ
ラ位置設置リンク３３も同時に傾動させられる。このと
き、カメラ位置設定リンク３３は、第１接続リンク３５
によって引っ張られて回転しながら、第２接続リンク３
８を介してカメラ取付台２１をピン２２を中心にして水
平に保持する。このため、カメラ装置１２は、常に、同
じ姿勢に保持されている。

【００１３】このようにして、リンク機構１４全体が実
線の位置から想像線の位置まで傾動し、ヘリコプター１
１の外部にカメラ装置１２全体を運び出す。カメラ装置
１２は、視界にヘリコプター１１の着陸脚４１が入らな
い程度に、着陸脚４１より下方に下降させらてから、撮
影を開始する。撮影終了後のカメラ装置１２は、油圧シ
リンダ１５の作動によって、再度、格納室１３内に格納
される。カメラ装置１２は、カメラ取付台２１を水平に
して格納室１３内に格納される。

【００１４】

【発明の効果】本発明のカメラの昇降装置は、次の効果
を奏する。 (1) 撮影をしないとき、カメラ装置を航空機内に格納さ
せているため、カメラ装置は空気抵抗を受けない。この
ため、航空機は高速で飛ぶことができる。 (2) カメラ装置を着陸脚より下方に下降させることがで
きるため、カメラ装置は全方位の撮影を行なうことがで
きる。 (3) 請求項２のように、カメラ装置を航空機の幅方向の
略々中心に配置すると、航空機の機体のバランスが取り
やすくなる。 (4) 撮影時に、機体から外部に突出したカメラ装置が空
気抵抗を受けるようなことがあっても、航空機の姿勢が
崩れるようなことはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカメラの昇降装置を装備したヘリコプ
ターの正面図である。

【図２】本発明の実施例の昇降装置の正面図である。

【図３】図２の右側面図である。

【図４】傾動リンクと作動リンクの連結状態を示す斜視
図である。

【符号の説明】

ＣＬ ヘリコプターの幅方向の中心線 １０ カメラ昇降装置（昇降装置） １１ ヘリコプター（航空機） １２ カメラ装置 １４ リンク機構 １５ 油圧シリンダ（作動手段） ４１ 着陸脚

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラ装置を吊り下げて航空機内に取付
   けられた上下方向に傾動自在なリンク機構と、前記リン
   ク機構を傾動させる作動手段とを有し、前記リンク機構
   は前記カメラ装置を前記航空機内と前記航空機の着陸脚
   の下方との間を昇降させることを特徴とする、航空機用
   空中撮影カメラの昇降装置。
2. 【請求項２】 前記カメラ装置は前記航空機の幅方向の
   略々中心に配置されている、請求項１記載の航空機用空
   中撮影カメラの昇降装置。