JPH06165764A - 血管硬化度測定装置 - Google Patents

血管硬化度測定装置

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Publication number
JPH06165764A
JPH06165764A JP26671491A JP26671491A JPH06165764A JP H06165764 A JPH06165764 A JP H06165764A JP 26671491 A JP26671491 A JP 26671491A JP 26671491 A JP26671491 A JP 26671491A JP H06165764 A JPH06165764 A JP H06165764A
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JP
Japan
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pressure
cuff
blood vessel
elastic modulus
measuring
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Application number
JP26671491A
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English (en)
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Masatoshi Nishimura
正利 西村
Masaaki Takahashi
正昭 高橋
Yasushi Watahashi
靖 渡橋
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、血管硬化度測定装置に関し、指1
本で、血管の弾性率とその周波数特性を測定できるよう
にすると共に、短時間で信頼性の高い測定データが得ら
れるようにすることを目的とする。 【構成】 内部に、発光素子2及び受光素子3を備えた
測定用カフ1と、発光素子ドライバ6と、測定用カフ1
にランダムノイズ状のカフ圧を与える変動カフ圧発生部
4と、カフ圧を検出する圧力センサ5と、圧力センサ5
から出力されるカフ圧データ、及び受光素子3から出力
される透過光量データを入力して、システム同定の処理
を行う適応フィルタ処理部7とを設け、適応フィルタ処
理部7の処理により、血管弾性率及びその周波数特性を
求め、血管硬化度の測定を行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管硬化度測定装置に
関し、更に詳しくいえば、血管の硬化度を測定して、病
気の早期診断や予防を行う際に用いられ、特に、一本の
指で血管の弾性率とその周波数特性を測定できるように
した血管硬化度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の容積振動法による弾性率
測定方法の説明図であり、A図は測定時の説明図、B図
は特性説明図である。また、図8は、従来の容積補償法
を応用した弾性率測定方法の説明図である。
【0003】図中、1、1−1、1−2はカフ、2は発
光素子(LED)、3は受光素子、4は指、4−1は薬
指、4−2は人差し指、5は血管、6は発振器、7はカ
フ圧制御部、8−1、8−2はアンプ、9はパワーアン
プ、10は差動増幅器、11−1、11−2は光電式脈
波計、12は加圧部、13−1、13−2は圧力検出器
を示す。
【0004】脳血管あるいは冠血管の硬化は、脳梗塞、
心筋梗塞を引き起こし、時として人を死に至らしめる。
そこで、血管の硬化度を測定して、病気の早期診断、予
防を行う必要性が高まってきている。
【0005】従来、無侵襲に血管硬化度を推定する指標
として、脈波伝播速度が用いられていたが、伝播速度は
血圧に依存し、直接、血管の硬化度と結び付けることは
困難であった。
【0006】しかし最近、血管の圧力と容積との関係か
ら血管の弾性率を測定する方法が試みられつつある。こ
の際に、血管硬化度の指標としてより正確な弾性率の測
定を行うためには、弾性率をその周波数特性も含めて測
定することが望まれる。
【0007】従来の血管弾性率を測定する方法として、
簡易測定法である容積振動法あるいは弾性率の周波数特
性まで測定可能な容積補償法を応用した方法がある。以
下、これらの測定方法について説明する。
【0008】(1) 容積振動法による血管弾性率の測定方
法 (例えば「Med&Biol,Eng,&Comput 」24,591 −5
96 頁,1986年)この測定方法は、血管弾性率の非線形
性を利用したものであり、以下、指先での測定方法を、
図7A及び図7Bに基づいて説明する。
【0009】測定時には、指4にカフ1を装着し、カフ
圧を徐々に上昇させる。この場合、カフ1内には、発光
素子(例えばLED)2と受光素子3とを対向して配置
する。そして、発光素子2からの光は、指4内に入射し
た後、血管5を透過して受光素子3で受光素子されるよ
うにする。
【0010】また、発光素子2の出力光としては、赤外
光を用い、血管5の容積変化を赤外光の透過光量変化Δ
Iとしてモニタする。カフ圧Pcを徐々に増加して血管
5を圧迫すると、血管弾性の非線形性により容積脈波の
振幅は変化する。最高血圧から最低血圧を引いた値を脈
圧といい、この脈圧による血管容積変化を容積脈波と呼
んでいる。
【0011】カフ圧Pcと平均血圧Pamが等しい時
に、透過光量変化ΔIの振幅は最大(最大点Im)とな
り、カフ圧Pcが最高血圧Pasに等しい時、透過光量
変化ΔIの振幅は0(消失点Id)となるから、これに
より、最高血圧Pas、平均血圧Pamを測定する。
【0012】次に、測定した最高血圧Pas、平均血圧
Pamから最低血圧を推定し、脈圧を求める。また、弾
性率は、脈圧と容積脈波の振幅の比として測定する。 (2) 容積補償法を応用した測定方法 (例えば、「医用電子と生体工学」第25巻特別号,1987
年,第213 頁参照)この測定方法は、容積補償+加振法
によって、血管の弾性率を測定するものであり、図8に
基づいて測定方法の概要を説明する。この方法では、外
部から任意の周波数の圧力変動を与えることにより、色
々な周波数で血管の弾性率を測定することができる。
【0013】この場合、血管内圧の変動を打ち消すため
に、測定用の指(この例では薬指4−1)以外にもう一
本の指(この例では人差し指4−2)を必要とする。薬
指4−1にはカフ1−1を装着し、人差し指4−2には
カフ1−2を装着すると共に、それぞれのカフ内に設け
られた発光素子及び受光素子には、光電式脈波計11−
1、11−2を接続する。
【0014】カフ1−1は、カフ圧制御部7によって加
圧制御され、加圧時のカフ1−1内の圧力は、圧力検出
器13−1によって検出され、該検出出力をアンプ8−
1で増幅した後カフ圧制御部7に入力する。
【0015】カフ1−2は、加圧部(例えばスピーカ)
12によって加圧され、加圧時のカフ1−2内の圧力
は、圧力検出器13−2によって検出され、該検出出力
は、アンプ8−2で増幅した後、カフ圧制御部7に入力
する。
【0016】また、光電式脈波計11−2の出力は、差
動増幅器10に入力し、参照電圧Refとの差をとった
後、パワーアンプ9を介して加圧部12に入力する。更
に、カフ圧制御部7には、発振器6の出力を入力する。
【0017】上記の構成で、カフ1−2、光電式脈波計
11−2、差動増幅器10、パワーアンプ9、圧力検出
器13−2、加圧部12、アンプ8−2の部分は、容積
補償を行う部分であり、その他の部分が測定用である。
また、発振器6は、周波数可変型の正弦波発振器で構成
する。
【0018】測定時には、人差し指4−2の透過光量が
一定になるように、カフ1−2の圧力をコントロールし
(即ち、カフ1−2の圧力Paは血圧に等しくなる)、
同じ圧力で薬指4−1を圧迫する。
【0019】この時、薬指4−1の血管径も一定になっ
ていると考えられるので、外部から圧力を加えることに
より、血管の弾性率を測定できる。即ち、薬指4−1で
は、人差し指4−2のカフ圧Paに所定の周波数の正弦
波状の圧ΔPを重畳し、その時の容積変化ΔVを測定す
ることにより所定の周波数の弾性率を求める。そして、
圧力変動の周波数を掃引することにより、弾性率の周波
数特性を測定する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のも
のにおいては次のような欠点があった。 (1) 容積振動法による血管の弾性率測定方法では、指1
本で測定できるから、カフは1個でよいが、脈圧が推定
値のため、信頼性に欠ける。
【0021】(2) ところで、血管は単純な弾性管ではな
く、強い粘弾性特性を有している。これは、弾性率に周
波数依存性があることを示している。即ち、同じ圧力変
動を与えても周波数が異なれば容積変化も異なる。一般
には、周波数が高い方が容積変化の振幅は小さくなる。
これは、周波数が高いほど弾性率か大きくなる(硬くな
る)ことをあらわしている。
【0022】上記のような容積振動法を用いた弾性率測
定法では、血圧による血管容積変化を観測しているた
め、測定した弾性率が血圧の周波数成分の影響を受け
る。即ち、心拍数が変動すると、血圧の周波数成分が変
化し、弾性率が変化する。このため、測定結果が心拍数
に依存するという欠点がある。
【0023】弾性率を正確に求めるには、その周波数特
性を含めた測定が必要である。また、弾性率の周波数特
性を測定することにより、血管壁構造に関する新たな知
見が得られる可能性がある。血管壁は、主に弾性繊維、
膠原繊維、平滑筋の3つから構成されており、それぞれ
異なった弾性特性を持っている。
【0024】即ち、構成成分の変化が血管壁全体の弾性
率の周波数特性の変化としてあらわされると考えられ
る。実際に、弾性率の低周波成分(1Hz 以下)の特性
は、血管平滑筋の特性に支配されるという報告がある
(実際には、平滑筋自身の特性ではなく、神経性の支配
と考えられている)。
【0025】このような理由により、血管弾性率の周波
数特性を測定することは、例えば動脈硬化の診断におい
ても有用である。しかし、容積振動法では、血管弾性率
の周波数特性を求めることはできなかった。
【0026】(3) 容積補償法を応用した血管の弾性率測
定方法では、指2本で測定するため、カフが2つ必要で
ある。また、実際の測定では、2つの指で容積脈波が異
なっているために、薬指に人差し指と同じ圧力変動を与
えても、血管変動をキャンセルすることができず、弾性
率測定誤差の原因となる。
【0027】本発明は、このような従来の欠点を解消
し、指1本で、血管の弾性率とその周波数特性を測定で
きるようにすると共に、短時間で信頼性の高い測定デー
タが得られるようにすることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
あり、図中、1は測定用カフ、2は発光素子、3は受光
素子、4は変動カフ圧発生部、5は圧力センサ、6は発
光素子ドライバ、7は適応フィルタ処理部を示す。
【0029】上記の目的を達成するため、本発明の血管
硬化度測定装置は、次のように構成したものである。即
ち、内部に、発光素子2及び受光素子3を備えた測定用
カフ1と、発光素子2を駆動する発光素子ドライバ6
と、測定用カフ1に、ランダムノイズ状のカフ圧を与え
る変動カフ圧発生部4と、前記ランダムノイズ状のカフ
圧を検出する圧力センサ5と、該圧力センサ5から出力
されるカフ圧データ、及び受光素子3から出力される透
過光量データを入力して、システム同定の処理を行う適
応フィルタ処理部7とを設け、適応フィルタ処理部7の
前記処理により、血管弾性率及びその周波数特性を求
め、血管硬化度の測定ができるようにしたものである。
【0030】
【作用】本発明は上記のように構成したので、次のよう
な作用がある。血管硬化度測定を行う際は、測定用カフ
1を1本の指に装着し、発光素子ドライバ6によって発
光素子2を発光させると共に、変動カフ圧発生部4によ
り、測定用カフ1内の圧力を、ランダムノイズ状に変化
させる。
【0031】この時の圧力センサ5のセンサ出力である
カフ圧データと、受光素子3から出力される透過光量デ
ータとを適応フィルタ処理部7に入力し、システム同定
の処理を行う。
【0032】この場合、透過光量データは、血管容積変
化を表すデータであり、これらのデータを入力した適応
フィルタ処理部7では、先ず、カフ圧データを適応フィ
ルタに入力した時のフィルタ出力と、上記透過光量とが
等しくなるようにフィルタの係数を時間と共に変化させ
る。
【0033】そして、フィルタ係数が一定値に収束した
時のフィルタ係数から血管弾性率の周波数特性を求める
ことで、血管硬化度の測定を行う。上記のように、測定
用カフにランダムノイズ状のカフ圧を与えることで、カ
フ圧と、血管内圧による容積変化との相関を無くすこと
により、適応フィルタを用いたシステム同定の原理に基
づく血管弾性率の測定を行うことが可能となる。したが
って、1本の指で血管の弾性率及びその周波数特性を測
定できる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2及び図3は、本発明の1実施例を示した図で
あり、図2は、適応フィルタによる弾性率測定系の原理
説明図、図3は、血管硬化度測定装置のブロック図であ
る。
【0035】図中、図1と同符号は同一のものを示す。
また、8、9はアンプ、10、11はA/D変換器、1
2はCPU、13はD/A変換器、14はサーボバル
ブ、15はコンプレッサ、16はレギュレータ、17は
ニードルバルブ、2Aは発光ダイオード(LED)、3
Aはフォトダイオード(PD)、6AはLEDドライバ
を示す。
【0036】先ず、適応フィルタによる弾性率測定系の
原理を、図2に基づいて説明する。本発明では、上記従
来例で説明した容積補償法を応用した測定法と同様に、
測定用カフにより血管に圧力変動を加え、適応フィルタ
を用いたシステム同定の原理に基づいて血管弾性率の測
定を行う。
【0037】即ち、本測定法は、未知の血管弾性と同じ
特性を持つフィルタを計算機内に構成するものである。
図示のように、血管内圧をP(t)、カフ圧をn
(t)、血管内圧P(t)による血管の容積変化をV
(t)、カフ圧n(t)による血管の容積変化をVn
(t)、カフ圧n(t)を入力した時の適用フィルタの
出力をWm(t)、観測される容積変化をW(t){W
(t)=V(t)+Vn(t)}、誤差信号e(t)=
W(t)−Wm(t)とする。
【0038】また、血管弾性は線形であるとしてコンプ
ライアンス(弾性率の逆数)G(S)として表現してい
る。通常、血管内圧(血圧)P(t)により、血管容積
変化V(t)が生じている。この状態で血管弾性特性を
測定するためにカフ圧n(t)を血管に加える。
【0039】但し、n(t)は血管内圧P(t)による
血管容積変化V(t)と相関がないように、ランダムノ
イズ状に変動させる。また、n(t)は、弾性を求めた
い周波数帯域をカバーしている必要がある。弾性率の測
定には、上記のように、適応フィルタによるシステム同
定の手法を用いるため、計算機内に構成した適応フィル
タH(s)にカフ圧n(t)を入力し、フィルタ出力W
m(t)がカフ圧n(t)により生じた血管容積変化V
n(t)と等しくなるように、適応フィルタの特性を時
間と共に変化させる。
【0040】Wm(t)とVn(t)が等しければ、適
応フィルタH(s)と血管弾性G(s)は、同じ特性を
持っていると考えられ、フィルタ係数から弾性率及びそ
の周波数特性を求めることができる。
【0041】このようなフィルタの実現は、観測される
容積変化W(t)とWm(t)との差の2乗和を最小に
するようにフィルタ係数を更新することにより可能であ
る。このような手法により、G(s)の同定が可能なの
は、カフ圧をランダム変動させることにより、予め存在
する血管容積変化(システム同定を行う際に外乱と考え
られる)V(t)の影響を除去しているためである。
【0042】即ち、本手法は、ランダム圧変動を用いる
ことにより、血圧の影響を除去して、1本の指で弾性率
の周波数特性を測定するものである。次に、本実施例の
血管硬化度測定装置を、図3に基づいて説明する。
【0043】この装置は、測定用カフ1、発光素子とし
ての発光ダイオード(LED)2A、受光素子としての
フォトダイオード(PD)3A、LEDドライバ6A、
圧力センサ5、アンプ8、9、A/D変換器10、1
1、適応フィルタ処理部7、変動カフ圧発生部4等で構
成する。
【0044】また、変動カフ圧発生部4は、カンプレッ
サ15、レギュレータ16、ニードルバルブ17から成
る加圧部と、CPU12、D/A変換器13、サーボバ
ルブ14から成る圧力制御部とで構成する。
【0045】上記変動カフ圧発生部4は、加圧部で加圧
したカフ圧を、圧力制御部によって変動させ、測定用カ
フ1に対して、ランダムノイズ状のカフ圧を供給するも
のであり、圧力センサ5は、このカフ圧を検出するもの
である。
【0046】適応フィルタ処理部7には、フォトダイオ
ード(PD)3Aからの出力と、圧力センサ5からの出
力とを、それぞれアンプ8、9で増幅し、A/D変換器
10、11でディジタル信号に変換して入力する。
【0047】また、適応フィルタ処理部7は、上記2つ
の入力信号に基づき、適応フィルタの処理により、シス
テム同定を行って、血管弾性率の測定をするものであ
る。以下、本実施例の血管硬化度測定装置について、そ
の動作を説明する。血管硬化度の測定を行う際は、測定
用カフ1を指に装着する。この状態で、先ず変動カフ圧
発生部4により、測定用カフ1にランダムノイズ状のカ
フ圧を供給する。
【0048】この場合、先ず、コンプレッサ15から排
出した空気を、レギュレータ16により一定圧に保ち、
ニードルバルブ17によって絞った後、測定用カフ1に
供給する。
【0049】この測定用カフ1に供給する途中のサーボ
バルブ14の変位を、CPU12からの指示でコントロ
ールすることにより、排気量を調節し、カフ圧をランダ
ムノイズ状に変化させる。
【0050】CPU12では、予め設定した制御モード
に従って制御信号を出し、この制御信号をD/A変換器
13でアナログ信号に変換した後、サーボバルブ14に
送る。サーボバルブ14では、上記CPU12からの制
御信号に従って、バルブを制御し、排気量の調節をする
ことで、ランダムノイズ状の圧力を発生させる。
【0051】上記のように、測定用カフ1に供給するカ
フ圧を、ランダムノイズ状に変化させることにより、血
圧による影響を除いて血管弾性率の測定を行うものであ
る。また、測定用カフ1内には、発光ダイオード2Aと
フォトダイオード3Aとを対向配置してあり、LEDド
ライバ6Aによって発光ダイオード2Aを駆動すると、
発光ダイオード2Aからの光が指を透過し、透過光がフ
ォトダイオード3Aで受光される。
【0052】この場合例えば、発光ダイオード2Aの出
力光は、赤外光とする。フォトダイオード3Aで受光さ
れる透過光量変化は、血管容積変化に対応しており、こ
の変化に応じてフォトダイオード3Aから出力信号が出
される。
【0053】フォトダイオード3Aの出力信号は、アン
プ8で増幅した後、A/D変換器10でディジタル信号
に変換し、適応フィルタ処理部7に入力する。また、上
記測定用カフ1に供給されるランダムノイズ状のカフ圧
は、圧力センサ5で検出し、電気信号に変換した後、ア
ンプ9で増幅し、A/D変換器11でディジタル信号に
変換して適応フィルタ処理部7に入力する。
【0054】即ち、カフ圧のデータと、血管容積変化に
対応した透過光量データとを適応フィルタ処理部7に入
力し、システム同定の処理を行う。この処理としては、
カフ圧データを適応フィルタに入力した時のフィルタ出
力と、透過光量データが等しくなるように、フィルタ係
数を時間と共に、変化させ、フィルタ係数が一定値に収
束した時のフィルタ係数から血管弾性率及びその周波数
特性を求める。
【0055】図4乃至図6は、上記実施例の血管硬化度
測定装置における数値シュミレーション結果を示した図
であり、図4は、適応フィルタの動作例(1)、図5
は、適応フィルタの動作例(2)、図6は、血管弾性率
の周波数特性例を示す。
【0056】尚、図4は、血管内外圧差Ptr=0mmHg
の例であり、横軸は時間、縦軸は血管容積変化(μl)
及び圧力(mmHg)を示す。図5はPtr=60mmHg の例
であり、横軸、縦軸は図4と同じである。
【0057】また、図6の横軸は周波数(Hz)、縦軸は
コンプライアンス(μl/mmHg)を示し、図の実線は仮
定した血管弾性率、破線は、同定した血管弾性率を示
す。また、Vn(t)、P(t)、Wm(t)、V
(t)、W(t)、e(t)は図2と同じである。
【0058】血管弾性は、血管内外圧差Ptrに依存する
ので、Ptr=0mmHg の時、及びPtr=60mmHg の
時、それぞれ 5.2/(1+0.88S)μl/mmHg 及び 1.8
/(1+0.53S)μl/mmHg の線形一次遅れ系のコンプ
ライアンスを仮定した。
【0059】血圧は、容積補償法により、27才男性左
手人差し指で実測したものを用いた。カフ圧変動は、振
幅40mmHg のM系列信号を20Hz で帯域制限するこ
とにより加圧系を模擬した。
【0060】サンプリング周波数は100Hz 、適応フ
ィルタは、30次FIR(Finite Inpulse Respose) 型
とし、適応アルゴリズムはRLS(Recursive Least Sq
uare) 法を用いた。
【0061】Ptr=0mmHg の場合の適応フィルタの動
作は、図4のようになっている。上段P(t)が測定し
た血圧波形であり、それによって生じた血管容積変化が
V(t)である。また、外部から加えたカフ圧n(t)
による血管容積変化がVn(t)である。
【0062】実際に観測される容積変化はV(t)とV
n(t)の和であり、中段にW(t)で示す。適応フィ
ルタの出力はWm(t)であり、適応フィルタが正常に
動作していれば、Wm(t)がVn(t)に等しくな
る。それを確認するために、下段に両者の差を示した。
【0063】また、誤差信号e(t)はW(t)とWm
(t)の差である。Vn(t)とWm(t)の差は時間
の経過と共に減少し、約15秒後にはほぼ0となってい
る。e(t)はV(t)を再現しており、適応フィルタ
が正常に動作していることがわかる。
【0064】Ptr=60mmHg の場合の適応フィルタの
動作例は図5のようになっている。血圧P(t)及び外
部から加えたカフ圧n(t)は、Ptr=0mmHg の場合
と同じであるが、コンプライアンスが小さいため、血管
容積変化V(t) 及びVn(t)は小さくなっている。
【0065】適応フィルタの動作は、Ptr=0mmHg の
場合と同様に、時間の経過と共にWm(t)とVn
(t)の差が減少していき、約15秒後には、ほぼ0と
なっている。また、e(t)はV(t)を再現してお
り、適応フィルタが正常に動作していることがわかる。
【0066】使用した適応フィルタの同定性能は、図6
の通りである。即ち、図6の血管弾性率の周波数特性例
では、Ptr=0mmHg 、Ptr=60mmHg それぞれの場
合に、仮定した弾性率(コンプライアンスで示してあ
る)の周波数特性を実線で示し、同定した(フィルタ係
数が収束した時点でのフィルタ係数から計算した)周波
数特性を破線で示してある。
【0067】図から明らかなように、同定した血管弾性
率の周波数特性(破線)は、仮定した血管弾性率の周波
数特性(実線)をよく再現している。上記のシュミレー
ションによれば、15秒程度で弾性率及びその周波数特
性を測定することができる。従来の容積補償法を応用し
た弾性率測定法では、正弦波状の圧力変動を加えその周
波数を掃引するため、弾性率の周波数特性を測定するの
に時間がかかる。それに対して本法では、上記の実施例
でもわかるように、広い周波数帯域をもったランダムノ
イズ状の圧力変動を加えているため測定に時間がかから
ない。また、血管に加えるカフ圧変動(ランダムノイズ
状のカフ圧)は、高速応答可能なアクチュエータの使用
により、十分実現できるし、適応アルゴリズムはDSP
(Digital Signal Processor) を用いてインプリメント
することが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次
のような効果がある。 (1) 指1本のみで、血管の弾性率及びその周波数特性を
測定できる。
【0069】(2) 測定用カフは1つで済み、機器構成が
簡単となる。 (3) 容積補償法を応用した従来の方法と異なり、帯域の
広い信号を入力するので、周波数特性の測定に時間がか
からない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の1実施例における、適応フィルタによ
る弾性率測定系の原理説明図である。
【図3】本発明の1実施例における血管硬化度測定装置
のブロック図である。
【図4】適応フィルタの動作例(1)である。
【図5】適応フィルタの動作例(2)である。
【図6】血管弾性率の周波数特性例である。
【図7】従来の容積振動法による弾性率測定方法の説明
図。
【図8】従来の容積補償法を応用した弾性率測定方法の
説明図である。
【符号の説明】
1 測定用カフ 2 発光素子 3 受光素子 4 変動カフ圧発生部 5 圧力センサ 6 発光素子ドライバ 7 適応フィルタ処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に、発光素子(2)及び受光素子
    (3)を備えた測定用カフ(1)と、 発光素子(2)を駆動する発光素子ドライバ(6)と、 測定用カフ(1)に、ランダムノイズ状のカフ圧を与え
    る変動カフ圧発生部(4)と、 前記ランダムノイズ状のカフ圧を検出する圧力センサ
    (5)と、 圧力センサ(5)から出力されるカフ圧データ、及び受
    光素子(3)から出力される透過光量データを入力し
    て、システム同定の処理を行う適応フィルタ処理部
    (7)とを設け、 適応フィルタ処理部(7)の前記処理により、血管弾性
    率及びその周波数特性を求め、血管硬化度の測定ができ
    るようにしたことを特徴とする血管硬化度測定装置。
JP26671491A 1990-10-23 1991-10-16 血管硬化度測定装置 Pending JPH06165764A (ja)

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