JPH06165498A - 電源装置 - Google Patents

電源装置

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JPH06165498A
JPH06165498A JP4312489A JP31248992A JPH06165498A JP H06165498 A JPH06165498 A JP H06165498A JP 4312489 A JP4312489 A JP 4312489A JP 31248992 A JP31248992 A JP 31248992A JP H06165498 A JPH06165498 A JP H06165498A
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JP
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current
power supply
switching element
inductor
voltage
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JP4312489A
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Yukio Yamanaka
幸男 山中
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】チョッパー回路を用いた電源装置において、入
力電流波形が正弦波に顕著に追従できない区間につい
て、入力電流波形の正弦波への追従を改善する。 【構成】交流電源ACを全波整流器DBで整流し、イン
ダクタL1 とスイッチング素子Q1 及びダイオードD1
を備えるチョッパー回路により平滑する電源装置におい
て、全波整流波形の谷の部分では、インダクタL1 に流
れる電流が無くなるのを検出するレベルを高くする。又
は、その検出後にスイッチング素子Q1 をオンさせるま
での遅延時間を短くする。 【効果】スイッチング素子Q1 の制御回路の遅延時間に
よって生じるスイッチング素子Q1 の負方向の電流量を
全波整流波形の山の部分でも谷の部分でも同程度とし、
入力電流波形を正弦波に追従させて入力電流の高調波成
分を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョッパー回路を用い
た電源装置に関するものであり、商用電源からの入力電
流を休止区間の少ない正弦波に近い波形としながら直流
出力を得るような用途に利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、商用電源の交流電圧を整流平滑し
た直流電圧をインバータ等によって高周波に変換して、
負荷(例えば放電灯)に電力を供給する装置が広く用い
られている。この種の装置において、商用交流電圧の整
流出力を平滑しているのは、放電灯負荷のような場合、
供給される高周波電流の包絡線が商用交流周期で変動し
ないようにすることにより、放電灯の再点弧現象を実質
的に無くし、放電灯の発光効率を向上させて装置の消費
電力を少なくし、光のちらつきも無くして性能を向上さ
せるためである。しかしながら、商用交流電圧を整流平
滑すると、商用電源から平滑コンデンサへ流入する電流
が商用交流電圧のピーク値付近のみで流れることにな
り、商用交流電圧の半サイクル毎に休止期間を持つピー
ク値の高い電流となるため、入力力率が悪く、また交流
基本波に対して多くの高次高調波電流成分を含むことに
なり、同じ交流配電系に継がれる他の機器への高調波ノ
イズの混入等の悪影響があった。そのため、入力電流の
力率を高くすると共に、高調波成分を低減し、且つ可能
な限り平坦な直流平滑電圧を供給するために、以下に述
べるような工夫がなされている。
【0003】図8は従来例の回路図である。以下、その
回路構成について説明する。交流電源ACは全波整流器
DBの交流入力端子に接続されている。全波整流器DB
の直流出力端子には、パワーMOSFETよりなるスイ
ッチング素子Q1 を介してインダクタL1 が接続されて
いる。スイッチング素子Q1 の両端には、逆流阻止用の
ダイオードD1 を介して平滑用のコンデンサC1 が接続
されている。平滑用のコンデンサC1 の両端には、負荷
Zが接続されている。インダクタL1 とスイッチング素
子Q1 及びダイオードD1 は昇圧型のチョッパー回路C
HPを構成している。交流電源ACの一端と全波整流器
DBの接地された出力端子の間には、半波整流用のダイ
オードD2 と限流用の抵抗R2 を介して平滑用のコンデ
ンサC2と電圧規制用のツェナーダイオードZD1 が接
続されている。コンデンサC2 に得られる直流電圧は、
タイマー回路IC1 の電源端子(8番ピン)と接地端子
(1番ピン)の間に印加されている。タイマー回路IC
1 は汎用のタイマーIC(例えば、日本電気株式会社製
造のμPC1555)よりなり、そのトリガ端子(2番
ピン)とスレッショルド端子(6番ピン)及び放電端子
(7番ピン)には、抵抗R4 ,R5 とコンデンサC4
りなる時定数回路が図示されたように接続されて、無安
定マルチバイブレータとして使用されている。コンデン
サC2 の両端には、抵抗R3 とコンデンサC3 の直列回
路よりなる遅延回路が接続されており、コンデンサC3
の電位は周波数制御端子(5番ピン)に入力されてい
る。出力端子(3番ピン)に得られる高周波の矩形波信
号は、バッファ回路IC2 (例えば、日本電気株式会社
製造のμPD4050)を介してスイッチング素子Q1
の制御電極に入力されている。スイッチング素子Q1
ONすると、インダクタL 1 にエネルギーが蓄積され、
スイッチング素子Q1 がOFFすると、インダクタL1
に自己誘導起電力が発生し、これが商用電源ACの全波
整流出力電圧に重畳されて平滑用のコンデンサC1 に充
電されるものである。
【0004】図8の従来例において、インダクタL1
流れる電流、スイッチング素子Q1に印加される電圧の
波形を図9に示す。時刻t1 でスイッチング素子Q1
ONして、インダクタL1 に流れる電流が徐々に増えて
行き、時刻t2 でスイッチング素子Q1 がOFFする
と、以後、インダクタL1 に蓄積されたエネルギーを放
出して行き、電流が徐々に減少して行く。そして、時刻
3 にインダクタL1 の電流が0になると、図10の破
線で示すように、スイッチング素子Q1 やダイオードD
1 の浮遊容量C6 ,C7 に蓄えられた電荷により、イン
ダクタL1 に逆方向の電流が流れて、全波整流器DBの
浮遊容量C5 を通じてLC共振が生じる。このため、時
刻t3 〜t4 の間、スイッチング素子Q1 には共振電圧
が印加され、スイッチング素子Q1 や全波整流器DBへ
のストレスが大きくなるという問題があった。また、時
刻t3 〜t4 のような電流休止期間が長いと、高調波成
分の多い入力電流となる。つまり、入力電圧が正弦波の
場合、入力電圧のピーク値付近では時刻t3 〜t4 のよ
うな電流休止期間は短くなり、逆に、入力電圧の低い区
間では電流休止期間が長くなるため、図11に示すよう
に、入力電圧のピーク値付近での入力電流は多く、入力
電圧の低い区間での入力電流は少なくなるという問題が
あり、何らかの波形補正回路が必要であった。
【0005】そこで、図12に示すように、電流休止期
間を完全に無くして、インダクタL 1 のエネルギーが完
全に放出される前に、スイッチング素子Q1 をONさせ
てインダクタL1 に電流を流す方法が考えられるが、こ
の場合、ダイオードD1 に電流が流れている状態でコン
デンサC1 の逆電圧が印加されるため、ダイオードD 1
のリカバリー電流Irが流れ、ダイオードD1 のストレ
スも大きくなる。また、インダクタL1 に電流iが流れ
続けるので、インダクタL1 の蓄積エネルギー(L1 ×
2 /2)が増えて行き、インダクタL1 が飽和する等
の問題がある。したがって、図13の回路に示すよう
に、インダクタL1 のエネルギーを完全に放出して、か
つ休止期間を無くす制御が必要とされる。
【0006】以下、図13の回路構成について説明す
る。交流電源ACは全波整流器DBの交流入力端子に接
続されている。全波整流器DBの直流出力端子には、小
容量のコンデンサC8 が接続されている。コンデンサC
8 の両端には、パワーMOSFETよりなるスイッチン
グ素子Q1 を介してインダクタL1 が接続されている。
Dsはスイッチング素子Q1 の逆方向寄生ダイオードで
ある。スイッチング素子Q1 の両端には、逆流阻止用の
ダイオードD1 を介して平滑コンデンサC1 が接続され
ている。平滑コンデンサC1 の両端には、負荷Zが接続
されている。負荷Zの両端には、電圧検出用の抵抗R
6 ,R7 の直列回路が接続されている。抵抗R6 ,R7
の接続点の電位は、差動増幅器IC3 に入力されて基準
電位Vrefとの差に相当する電圧が増幅されて電圧比
較器IC4 の負入力端子に接続される。差動増幅器IC
3 には帰還インピーダンスとしてコンデンサC10が接続
されている。電圧比較器IC4 の正入力端子にはコンデ
ンサC9 が接続されている。コンデンサC9 の両端に
は、トランジスタQ2 が並列的に接続されている。トラ
ンジスタQ2 のベースには、フリップフロップFFの反
転出力端子Q’が接続されている。フリップフロップF
Fの出力端子Qは、抵抗R1 を介してスイッチング素子
1 の制御電極に接続されている。フリップフロップF
Fのリセット端子Rは電圧比較器IC4 の出力端子に接
続されており、セット端子Sは検出器IC5の出力端子
に接続されている。スイッチング素子Q1 に流れる電流
は、抵抗R8により電圧に変換されて検出器IC5 に入
力されている。トランジスタQ3 には抵抗R9 を介して
一定の電流が流れて、これと同じ電流がトランジスタQ
4 を介してコンデンサC9 に流れる。
【0007】この回路のタイムチャートを図14に示
す。まず、時刻t1 では、検出器IC 5 がインダクタL
1 とスイッチング素子Q1 あるいはダイオードD1 と平
滑用コンデンサC1 を通って抵抗R8 に流れる電流が0
になることを検出してHighレベルの信号を出力す
る。これにより、フリップフロップFFのセット端子S
に信号が入り、その出力端子QからはHighレベルの
信号が、また、反転出力端子Q’からはLowレベルの
信号が出てスイッチング素子Q1 をオン、トランジスタ
2 をオフする。次に、時刻t1 〜t2 の期間では、ト
ランジスタQ2 がオフされており、トランジスタQ3
4 によるカレントミラー回路で制御電源電圧Vccと
抵抗R9 によって決まる電流がコンデンサC9 を充電
し、コンデンサC9 の両端電圧が直線的に増加して行
く。抵抗R6 ,R7 による分圧電位は、基準電位Vre
fと共に差動増幅器IC3 に入力されて、差動増幅器I
3 の出力は或るレベルで一定となっている。その電圧
レベルにコンデンサC9 の両端電圧が達すると、時刻t
2 で電圧比較器IC4 からHighレベルの信号が出力
され、リセット端子Rに入力される。これにより、フリ
ップフロップFFの出力端子QからLowレベルの信号
が、また、反転出力端子Q’からはHighレベルの信
号が出力されて、スイッチング素子Q1 はオフ、トラン
ジスタQ2 はオンとなる。さらに、時刻t2 〜t3 の期
間では、スイッチング素子Q1 がオンしている間にイン
ダクタL1 、スイッチング素子Q1 、抵抗R8 を通じて
流れていた電流によりインダクタL1 に蓄えられたエネ
ルギーが、スイッチング素子Q1 がオフしたときに放出
され、インダクタL1 からダイオードD1 、コンデンサ
1 、抵抗R8 へと電流が流れて、コンデンサC1 が充
電される。また、上述のようにコンデンサC1 が充電さ
れている間は、トランジスタQ2 がオンするため、コン
デンサC9 の電位は上昇しない。そして、インダクタL
1 のエネルギーによる電流が流れ終えると、時刻t
3 (又はt1 )で、抵抗R8 を流れる電流がゼロとな
り、以下、同じ動作を繰り返す。このように、時刻t1
〜t2 の区間を一定にして、インダクタL1 に流れる電
流がゼロになることを検出して、スイッチング素子Q1
のオン信号が入るタイミングを制御することにより、イ
ンダクタL1 に流れる電流の休止区間を無くすことがで
きる。このため、高調波成分の比較的少ない入力電流波
形となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図13の従
来例においても入力電圧を全波整流した脈流波形の電圧
の低い部分(谷の部分)においては、図15に示すよう
に、入力電流波形が正弦波に顕著に追従できない区間T
x(追従不可区間)を生じる。すなわち、上述の制御動
作のうち、抵抗R8 を流れる電流がゼロになるのを検出
してからスイッチング素子Q1 にON信号を出すまでの
間に、実際には回路動作上、遅延時間tsが生じてしま
う。そのために、図16や図17に示すように、インダ
クタL1 を流れる電流がゼロになった後に、遅延時間t
sの間だけ図10で述べたような浮遊容量とインダクタ
1 の共振電流が流れてしまい、スイッチング素子Q1
がオンしてもスイッチング素子Q1 の電流が負の向きか
ら流れ出すことになる。ところで、インダクタL1 の充
放電電流の増加の度合い(傾き)は、充電時にはVin
/L1 となり、放電時には(Vout−Vin)/L1
となる。ここで、Vinはチョッパーの入力電圧、Vo
utはチョッパーの出力電圧である。出力電圧Vout
は略一定であるので、スイッチング素子Q1 のスイッチ
ング時の入力電圧Vinの値により充電時と放電時にイ
ンダクタL1 を流れる電流の傾きは異なり、入力電圧V
inが大きいとき(脈流の山の部分)においては、充電
時の傾きは大きく、放電時の傾きは小さい。また、入力
電圧Vinが小さいとき(脈流の谷の部分)において
は、充電時の傾きは小さく、放電時の傾きは大きい。し
たがって、前述のように制御回路の遅延時間tsが生じ
たときに、同じ遅延時間tsであっても、図16、図1
7に示すように、スイッチング素子Q1 を流れる電流の
負方向の電流量J1 が異なってしまう。図16は入力電
圧Vinが小さいときにインダクタL1 を流れる電流波
形、図17は入力電圧Vinが大きいときにインダクタ
1 を流れる電流波形である。したがって、スイッチン
グ素子Q1 のオン区間T1 (=t2 −t1 )を一定にす
るように制御しても、実際のオン区間T 2 は入力電圧V
inが小さいときと大きいときで異なってしまう。ここ
で、図16に示すようにスイッチング素子Q1 のオン時
に流れる負方向の電流量(斜線部J1 )と正方向の電流
量(横線部J2 )がJ1 >J2 となるとき、図15に示
したような入力電流波形が正弦波に追従できない追従不
可区間Txが顕著に生じてしまう。このために入力波形
に高調波成分が生ずることになる。以上のように、チョ
ッパー回路のスイッチング素子のオン区間を一定に制御
する方式では、入力電流波形が正弦波に顕著に追従でき
ない部分が生じる。これにより、入力電流波形に高調波
成分が生じてしまう。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、チョッパー回路を用いた電源装置において、
少なくとも入力電流波形が正弦波に顕著に追従できない
区間において、入力電流波形の正弦波への追従を改善す
ることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電源装置にあっ
ては、上記の課題を解決するために、交流電源ACと、
交流電源ACの交流電圧を全波整流する全波整流器DB
と、全波整流器DBの整流出力をスイッチング素子Q1
により断続させることによりインダクタL1 に断続的に
エネルギーを蓄積し、このインダクタL1 の蓄積エネル
ギーを逆流阻止用のダイオードD1 を介して放出するよ
うに構成されたチョッパー回路と、前記インダクタL1
に流れる電流が無くなるのを検出してから一定期間にわ
たり前記スイッチング素子Q1 をオンするように制御す
る制御回路とを有する電源装置において、インダクタL
1 に流れる電流がゼロになったときにスイッチング素子
1 がオンするように、全波整流後の脈流波形に基づい
てスイッチング素子Q1 のオン時点を補正する補正手段
を付加したことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】上述のように、入力電流波形が正弦波に顕著に
追従できない区間は、制御回路等による遅延時間により
生じる負方向の電流(図10参照)に起因する。これを
改善するために、本発明では、インダクタL1 の電流が
無くなるのを検出するレベルを入力電源電圧の位相に応
じて変化させたり、あるいは、インダクタL1 の電流が
無くなるのを検出してからスイッチング素子Q1 をオン
させるまでの遅延時間を変化させている。従来、インダ
クタL1 の電流が無くなるのを検出するレベルは、入力
電源電圧の位相にかかわらず一定であった。ところが、
同じレベルで検出した場合に、入力電源電圧の山の部分
ではインダクタL1 の放電電流の傾きが小さいので、遅
延時間tsが生じても負方向の電流は小さいが、入力電
圧の谷の部分ではインダクタの放電電流の傾きが大きい
ので、同じ遅延時間tsが生じるものとすると、負方向
の電流が大きくなる。そこで、例えば、図1〜3の実施
例に示すように、インダクタL1 の電流が無くなるのを
検出するレベルVzを入力電源電圧Vinの位相に応じ
て変化させる。つまり、入力電源電圧Vinの山の部分
では、インダクタL1 の電流が無くなるのを検出するレ
ベルVzを小さくしておき、逆に入力電源電圧Vinの
谷の部分では、インダクタL1 の電流が無くなるのを検
出するレベルVzを大きくする。これにより、同じ遅延
時間tsが生じても負方向に流れる電流を小さくするこ
とができ、正弦波への追従性を改善できるものである。
【0012】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の回路図である。
本実施例は、図13の従来例に本発明を適用したもので
ある。図13の従来例では、抵抗R8 の両端電圧を或る
一定の基準電圧と比較することにより、インダクタL1
に流れる電流が無くなるのを検出していた。本実施例に
おいては、抵抗R11,R12とトランジスタQ5 ,Q 6
カレントミラー回路を用いることにより、検出器IC5
の基準電圧Vkを入力電源電圧の位相に応じて変化させ
て、インダクタL1 に流れる電流がゼロになる時点を検
出している。つまり、図2(a)に示す入力電源電圧V
inの山の部分では、抵抗R11を通じてトランジスタQ
5 に流れる電流Icが多くなるので、制御電源Vccか
ら抵抗R12を通じてトランジスタQ6 に流れる電流Ic
も多くなる。このため、抵抗R12での電圧降下が大きく
なり、図2(b)に示すように、検出器IC5 のプラス
側の入力端子に与えられる基準電圧Vkは小さくなる。
逆に、図2(a)に示す入力電源電圧Vinの谷の部分
では、抵抗R11を通じてトランジスタQ5 に流れる電流
Icが少なくなるので、制御電源Vccから抵抗R12
通じてトランジスタQ6 に流れる電流Icも少ない。し
たがって、抵抗R 12での電圧降下は小さくなり、図2
(b)に示すように、検出器IC5 のプラス側の入力端
子に与えられる基準電圧Vkは大きくなる。よって、入
力電源電圧の谷の部分でインダクタL1 の放電電流の傾
きが大きいときには、図3(b)に示すように、インダ
クタL1 の電流のゼロ検出レベルVzが高くなり、イン
ダクタL1 に未だ電流が流れている状態で同期信号が入
り、遅延時間tsの期間にインダクタL1 の電流が完全
に放電して、やがてチョッパーのスイッチング素子Q1
がオンするので、負方向の電流が小さくなる。また、入
力電源電圧の山の部分でインダクタL1 の放電電流の傾
きが小さいときには、図3(a)に示すように、インダ
クタL1 の電流のゼロ検出レベルVzが低くなり、その
動作は図8の従来例と同様となる。このように、入力電
源電圧の谷の部分でインダクタL1 の電流が無くなるの
を検出するタイミングを早くすることにより、スイッチ
ング素子Q 1 のオン・タイミングの遅れによる負方向の
電流を小さくすることができる。
【0013】図4は本発明の第2の実施例の回路図であ
る。この実施例においては、抵抗R 8 の両端電圧を一定
の基準電圧Vkと比較することにより、インダクタL1
に流れる電流が0になるタイミングを検出している。そ
して、検出器IC5 の出力に抵抗R13とコンデンサC11
よりなる積分回路を設けて、その積分出力をフリップフ
ロップFFのセット入力端子Sに与えている。さらに、
抵抗R11、トランジスタQ5 ,Q6 のカレントミラー回
路により、全波整流器DBの出力電圧に応じてトランジ
スタQ6 を通じての引き抜き電流Icを変化させてい
る。つまり、インダクタL1 に流れる電流が無くなるの
を検出して、検出器IC5 の出力がLowレベルからH
ighレベルに変化すると、抵抗R13を通じてコンデン
サC11が充電されるが、入力電源電圧の位相に応じてト
ランジスタQ6 を通じての引き抜き電流Icの大きさが
変化するので、コンデンサC11の充電カーブが変化し、
図5に示すように、入力電源電圧の谷の部分での充電カ
ーブVbは急となり、検出器IC5 がHighレベルの
信号を出力してからフリップフロップFFのセット入力
端子SにスレショルドレベルVthの信号が入力される
までの伝達遅延時間tbが短い。逆に、入力電源電圧の
山の部分での充電カーブVaはなだらかとなり、伝達遅
延時間taは長くなる。このように、インダクタL1
流れる電流が無くなるのを検出して、スイッチング素子
1 がオンするまでに生じる遅延時間tsを入力電源電
圧に応じて変化させることにより、図6に示すように、
入力電源電圧の山の部分(同図(a)参照)でも谷の部
分(同図(b)参照)でも負方向に流れる電流が略同じ
程度となるものである。
【0014】図7は本発明の第3実施例の回路図であ
り、図4の第2実施例において、インダクタL1 に流れ
る電流が無くなるのを検出するのに、抵抗R8 の両端電
圧を検出する代わりに、インダクタL1 の2次巻線の電
圧を抵抗R14とダイオードD3を介して検出した例であ
り、この場合にも図4の第2実施例と同様の動作を行
う。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、インダクタに流れる電
流が無くなるのを検出してから一定期間にわたりスイッ
チング素子をオンするチョッパー回路において、入力電
源電圧の位相に応じてインダクタの電流が無くなるのを
検出する電圧レベルを変化させたり、インダクタの電流
が無くなるのを検出した後、スイッチング素子をオンさ
せるまでの遅延時間を変化させることにより、インダク
タの負方向の電流を入力電源電圧の谷の部分と山の部分
とで同じ程度の割合とすることができ、これによって、
入力電流歪みを改善し、入力電流の高調波成分を減らす
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の回路図である。
【図2】本発明の第1実施例の低周波的な動作波形図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例の高周波的な動作波形図で
ある。
【図4】本発明の第2実施例の回路図である。
【図5】本発明の第2実施例の伝達遅延時間の説明図で
ある。
【図6】本発明の第2実施例の高周波的な動作波形図で
ある。
【図7】本発明の第3実施例の回路図である。
【図8】第1の従来例の回路図である。
【図9】第1の従来例の高周波的な動作波形図である。
【図10】第1の従来例の動作説明のための回路図であ
る。
【図11】第1の従来例の低周波的な動作波形図であ
る。
【図12】第2の従来例の高周波的な動作波形図であ
る。
【図13】第3の従来例の回路図である。
【図14】第3の従来例の高周波的な動作波形図であ
る。
【図15】第3の従来例の低周波的な動作波形図であ
る。
【図16】第3の従来例の脈流波形の谷の部分での高周
波的な動作波形図である。
【図17】第3の従来例の脈流波形の山の部分での高周
波的な動作波形図である。
【符号の説明】
AC 交流電源 DB 全波整流器 D1 ダイオード L1 インダクタ Q1 スイッチング素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電源と、交流電源の交流電圧を全
    波整流する全波整流器と、全波整流器の整流出力をスイ
    ッチング素子により断続させることによりインダクタに
    断続的にエネルギーを蓄積し、このインダクタの蓄積エ
    ネルギーを逆流阻止用のダイオードを介して放出するよ
    うに構成されたチョッパー回路と、前記インダクタに流
    れる電流が無くなるのを検出してから一定期間にわたり
    前記スイッチング素子をオンするように制御する制御回
    路とを有する電源装置において、インダクタに流れる電
    流がゼロになったときにスイッチング素子がオンするよ
    うに、全波整流後の脈流波形に基づいてスイッチング素
    子のオン時点を補正する補正手段を付加したことを特徴
    とする電源装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、インダクタの電流が
    無くなるのを検出するレベルを交流電源電圧の瞬時値に
    応じて変化させる手段であることを特徴とする請求項1
    記載の電源装置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、インダクタの電流が
    無くなるのを検出してからスイッチング素子をオンさせ
    るまでの遅延時間を交流電源電圧の瞬時値に応じて変化
    させる手段であることを特徴とする請求項1記載の電源
    装置。
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